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Lv1で既にステがカンストしているんですが  作者: 柊クロム
訳も分からずnewゲーム
4/7

行動開始?

 気を失っている間に陽が沈んだ様で、辺りは暗い。


 俺はどれくらいの時間が経ったのかを確認すべく、ステータス画面を表示させた。

 時計の表示は無いが、あの謎のカウントダウンで確認できると思ったからだ。


ーーーーーー


 name:[未設定] Lv1

 職業:[未設定]

 HP/99999 MP/9999

 AT/999 DF/999

 MAT/999 MDF/999

 TEC/999 LUC/999


 [00:18:22]


ーーーーーー


「…………マジか」


 目が覚めるまでに約12時間も経過していた事に驚きを隠せない。

 普段の俺が必要としていた睡眠時間は多くても5時間。

 約、倍の時間が経っている。


 生活管理はしっかりと出来ているつもりだ。バカ兄貴みたいにはなりたく無かったからな。

 あいつと俺を比べたなら、俺の方が数十倍まともな自信がある。


 もしかしたら俺は生死の境をさまよっていたんじゃないか? なんて思考が一瞬過ぎったが、直ぐに打ち消す。

 世界の豹変ぶりに振り回されて疲れてただけ。きっとそうに違いない。

 断じて現実逃避はしてない。



***



 カウントが表示されているということは、タイムリミットになれば何かが起きるということだ。

 残り約15分。俺はただ指をくわえて見ているつもりは無かった。


 ゲームではどうだか知らないが、人生の主役。つまり主人公は自分なのだ。

 他人任せでは何も解決しない。

 それに誰かが勝手に役割を与えてくれる様なストーリーは必要無いのだ。

 ましてやバカ兄貴が考えたシナリオならば、絶対に思い通りにさせるべきではない。

 俺がさせたくないだけなのもる。


 まず、邪魔をする為には情報を集めなければならないだろう。

 出来れば仲間なんかも欲しい。

 ……でもあのオレンジ髪女は勘弁してくれ。出来れば二度とエンカウントしたくない。


 こうしている間にも時間は減っている。

 留まっている暇はないのだ。

 ここが何処なのかは分からないが、行動に移るに限る。



***



 手探りで扉を探してみると、意外と近くにあった。俺は迷わずに開ける。

 部屋の外は窓があり、光が差し込んでいたので足元までよく見えた。

 目の前にはありふれた学校の廊下が続いている。しかし俺の通う中学校ではない。


 後ろを振り返ると、『体育館閉鎖中』と汚い字で書かれた紙が大量にはられていた。

 その範囲は扉や壁、天井にまで及んでいる。

 とても趣味が悪い。

 そもそも鍵をかけずに閉鎖というのは成立しないのでは?


 窓の外を見ると、月が赤い。

 てっきり差し込んでいるのは街灯の明かりだと思っていたが、そうか月だったのか。

 光の強さからして皆既月食という線は無いだろう。


「ますますファンタジーだな……」

 この月は改めて俺に、バカ兄貴が世界そのものを本当に変えてしまったんだと、認識させるのであった。




 

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