世界の状態その2
今この世界には、ゲームの中にだけ存在していた筈のモノや法則が、現実になっているのだろうか。
俺は現在、大人達のNPC化の他に、半透明なステータス画面の存在を確認している。
見つけたのは偶然で、手を左右上下、好きな方向へ素早く振るとその方向とは反対側に表示されるようだ。
タブレット端末を操作する感覚に非常に近だろう。タイムラグが無いため操作性も非常に良かった。
ちなみに、この画面は俺の視界にだけ浮かび上がるようで、窓ガラスや鏡などには映らなかった。
現在ステータス画面には、俺のステータスと謎のカウントダウンが表示されている。
ーーーーーー
name:[未設定] Lv1
職業:[未設定]
HP/99999 MP/9999
AT/999 DF/999
MAT/999 MDF/999
TEC/999 LUC/999
[12:06:49]
ーーーーーー
ちなみにこんな感じ。
既にレベル以外カンスト状態である。
もしこれが本当のゲームだったらクソゲー確定だ。
そして職業はともかく、どうして名前が未設定になっているんだろうか。名前くらいは産まれた時にちゃんと貰ったと思うんだが……。
まあ設定の変え方が分からないからこのままにしておこう。
「そこの君、一体全体なにをそんな所で突っ立っているんだい!」
凄く大きな声だった。
怒鳴りつけて来たのは、オレンジ色の髪をした女の子だった。髪型はツインテール。
公共の場であるはずの公園に居たら、突然知らない少女に怒られる。
非常に理不尽だ。
怒鳴られる理由が全く無い。
オレンジ色の髪はゲーム化が原因なんだろうが、こういう人とは関わらないのが一番だ。
という事で、俺は素早くその場を離れることにした。
しかし 逃げられ なかった
彼女は速かった。
身体がブレた所までしか見えなかった
俺はマフラーを捕まれた。
そう思った直後、思い切り引っ張っられていた。
思い出して頂きたい。少し前に俺はマフラーをきつく巻き直している。
するとどうなるであろうか。
そう、首が締まるのである。
呻き声すら出ない、一瞬の出来事だった。
抵抗する間もなく、俺の視界は真っ暗になった……。