種族選ぶ人も好き好き。故に、スキルも好き好き。
「幼女ちゃんはとりあえず置いといて、他の種族はどうなりましたか?」
「そうだな。レア種族やユニーク種族の行き先も気になるな」
「はい。レア種族は26名で、ユニーク種族は2名です。種族の比率は、獣人が5割、妖精が3割、亜人が2割ですね」
「そうか。予想より獣人が多いな。妖精と亜人がもう少し多いと思っていたのだが」
「そう? このくらい妥当じゃないかしら」
「…………うむ。そうだな」
「各種族で何が多い?」
「そうですね。獣人は猫獣人が一番で、つぎに犬獣人ですね。妖精はエルフが一番で、つぎにドワーフです。亜人はバラけていますね」
「そうか。レア種族とユニーク種族の方はどんな感じ?」
「レア種族は銀狼、妖狐、ダークエルフ、ドヴェイク、バンパイア、霊人、の6種族ですね。ユニーク種族は獣人のランダムで、当たる猫又と九尾ですね。どちらも始めは、尻尾が1本ですけれど」
「ふむ。どちらも2陣が来たら、また増えるかな。しかし、ユニークを当てる人がいるとはな」
「確かにそうですね。確率は結構低いハズなのですが」
「あり得ない程じゃないだろう。レア種族は半分。ユニーク種族にいたっては、まだ10種類いるからな」
「そういえば、そうね。ユニーク種族にいたっては、今はユニークと言うだけで、条件クリアでレア種族から進化も可能性がですからね。まあ、ある程度進まないと、不可能だけどね」
「確かにそうだな。まあ、ユニーク種族にしか進化できない種族もいるけどね」
「そこら辺は、プレイヤーの努力次第だな」
「そうですね。そういえば、レア種族で一番多いのは、獣人系でしたっけ?」
「そうだが、何かあったのか?」
「いえ。問題はないのですが、豹獣人とか、獅子獣人は出なかったですね。確率的には出てもいいはずなのですが」
「う~む。確かにそうだが、妖狐は他のレア種族より、出やすいはずだから、それに取られているのかもしれないな」
「確かにそれもありそうですね。密かに男性の獅子獣人に期待していたのですが」
「それは、私も同じだ」
「ですよね。これは、遅れてスタートする人か、2陣以降に期待するしかないですね」
「そうだな。そういえば、ユニークの四神系がみんな残っているな。さて、どうなるか楽しみだ」
「男性限定レア種族の鬼と、女性限定レア種族の人魚も出てないけど、楽しみです。それに、天使と悪魔も出てないですね」
「うむ。話しは尽きないが、そろそろ、つぎの確認に移ろう」
「はい!」
「スキルの方はどうなっている?」
「スキルですか? スキルはやはり剣系統が一番多いですかね」
「そうか。定番といったら、定番だからな。魔法はどうだ?」
「魔法は満遍なく分かれてますね。ただ、地属性が少ないですね」
「地属性はエフェクトが、地味だからな。あまり、取る人がいなかったか。実は結構有用なんだけれどな」
「始めは皆さんネットなんかの情報を、鵜呑みとまではいきませんが、参考にはしますからね」
「そうか。そういえば、魔力操作はどうなった?」
「取得者が1人のみ、いらっしゃいます」
「ほほう」
「ちなみに幼女ちゃんです」
「な、なに!? は、本当にレアでネタな方向に進んでくれるな、幼女ちゃんは。スキル構成はどんな感じなんだ?」
「職権乱用ですが、こんな感じです」
「回避まで取ってるのか!? プラス身体強化と発見か! これは、ネタの塊だな。まあ、彼女がついている時点で、もはやアレだが」
「幼女ちゃんは、今どこにいる?」
「只今、黒血狼の森でサドンアタックボスと交戦中ですね。モニター出します」
「…………ふむ。なんで、こうなったんだ? あれって、死に戻りボスだよね」
「はい。あ、今、巨神剣ですべて消し飛ばしましたね」
「凄いな。浪漫を求めすぎたか?」
「そうですね。今の戦闘を一応始めから録画してありますが、見ますか?」
「うむ。是非とも頼む」
「本当に凄いですね。あんな全方からの攻撃を捌けるなんて。格闘技とか習っているんでしょうか」
「それに、空間把握能力が素晴らしい」
「ああ。あれは、空間把握は本人の能力も大きいが、スキルのおかげもあるかもしれないな」
「スキルですか!? 初期のスキルでこんなこと出来るんですか!?」
「もしかしたら、回避と魔力操作が噛み合っているのかもしれない。どちらも下位交換や役立たずスキル、なんて呼ばれているが、プレイヤーの能力次第でどうにでもなる、良い見本だな」
「「「「「「おおぉぉ!」」」」」」
「しかし、巨神剣を強力にし過ぎたか?」
「問題ないと思います。本人には無双しようなどといった思惑もないようですし、それに彼女がついている段階で、あまりかわらないです」
「なるほど。確かに。………それで、本音は?」
「あんな愛狂わしい容姿の子が、巨大な剣を振り回して、敵を屠るっていうのは、結構そそりますね」
「………………主任」
「………………室長」
ガシッ、っと
室長と主任は、かたい握手を交わした。