白き飛沫のブレイドダンス。参
「万物は闇から生まれた、そういった観念がこの世には存在しています」
そう言いながら、久音さんは腰元に握り拳を重ねた。何処かで見た様な姿勢、先程に似た気迫、いやそれ以上の明確な意思を感じる。
「心の闇、それもまた何かを生むんじゃないかなって思うんですよ?」
「なるほどな……」
「そうです」
さて、と呟き彼女は腰を落とした。見えない筈の何か、洗練された構えと気合いが一瞬にしてそれを体現させた。青みがかった刃、白光を放つ3尺強の日本刀が具現化していたのだ。
「貴方と私は相性が良いらしいです。非常識に価値観を崩され、無駄すぎる好奇心と約立たずの断片だけを持つ存在」
「つまりは妄想癖って事かい? まあ夢みたいな8日だったね、それまでの人生が嘘みたいに消えちゃったんだしなあ」
「さて、教えておきましょう。この日本刀の名前は《無銘》、名前を持たない伝家の宝刀です」
刀を構え、ステンドグラスが彩る十字架側へと向き直った久音さん。それに対して、僕はちょこっと苦笑いを誘う。
「切り札は妄想の剣か?」
「ふふっ、半分正解かも知れませんね? この剣は思いと実物の中間、有像無像の括り無く命を刈ります。痛いですかね?」
「……キレたら、痛そうだな」
「ええ、そうだと思いますよ?」
湧き上がった闇、ステンドグラスで色付いた明暗の中間。そこに僕は、彼女の世界を垣間見ていた。
おはようございます、最近ファンタジー風味なこの物語の作者です。こんにちは。
今回も時間がありません。無茶苦茶に思える展開ですが、それは恐らくコラボ風味だからです。科学とオカルトが交差する時、以下略。
それではまた次回。また明日にでも、逢いましょうね……? 絶対ですよ?
P.S.誇大妄想癖、あれのアニメは作り直せば良いと思うの。




