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裸天使にバスタオル、僕には生きる意味を下さい。  作者: にゃんと鳴く狐っ娘
Loop.2#【jihad 明日を探して】
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溢れる明度のシンフォニア。G

 唐突だった、周りに満ち溢れたのは微熱と粒子、ダクトな絡まる埃の粉を吐き散らしながらもパソコン室中のパソコンは窓OSの起動音を鳴らしていた。


「遠距離からの起動……?」


 友人Aが呟く。確かに、これはそれに類する技術だ。恐らく、犯人は何らかの端末から広域情報通信網或いは校内LANを経由して校内サーバーへとアクセスし、このパソコン室に並ぶPCへと起動を促したのだろう。予め設定を要するが同様の動作を実現するソフトなぞ、用途やハードウェア、有償無償の価値設定など商用非商用を問わずに数多く存在する。


 ただ、別な手段でこの状況を構築するとするならば同時刻同時起動設定を予めシステムに組み込まなければならないだろう。その手間を考えると、恐らくパソコン起動の犯人は私達の行動を見越して遠隔操作を敢行したのであろう。


 私の中で、即座に浮かんだ犯人候補は1人しか居なかった。私に対しても誰に対しても上目線上等なあの女、過去と名乗った未来の私だ。彼女ならば、先の防壁構築ついでに色々と実行する事が出来た。技術面でも、知識面でも彼女の方が遥かに有利だ。彼女が真に未来から来たと言うならば、私のユーザー制御下からならこんな芸当が出来るという事も確実に把握している筈だ。だから、私は小さくぼやき、訊ねた。


「嫌らしい奴、まさしく全てを見知っていると殊更に主張するようなやり口じゃあ無いか。なあ……擬音女」


「……びくんっ!」


「やらしいなぁその反応!!」


 私の目前、そこには人の形をした“何か”が存在していた。びくんと呟き跳ねたそれ、透き通っている“何か”の背後には無数のWind●wsOSが起動していたが、それは“何か”の輪郭の内と外ではタイミングに誤差が生じていたのだ。“何か”の輪郭を境に画面は暗闇とログイン中とで別れていた、跳ねた瞬間には人形に画像を切り取りペーストしたような様相にさえなっている。


「つまる所、ステルス迷彩の失敗作という訳か。刃が見えたり気配を感じたのは処理の誤差、見えなかったのは透けて暗闇を映していたからか」


「なら、どうして攻撃が当たらなかったのです? 俺にはそこが不思議でっ!?」


 友人Aが振り返って、私に疑問を投げ掛けた瞬間だった。その時友人Aは隙を見せていた。そこを目掛けて新たな影が飛び出してきた、目深に帽子を被った作業着の男だった。彼も擬音女と同じくカッターナイフを握っている、反射的に私は電撃を放出してしまった。


「いつかの空遥を思い出す……僕には懐かしいね、この感覚はさ。不思議と苦しくない、大して痛くはないよ。アドレナリンとは素晴らしいな!」


「誰っ!?」


 そう口にしながら、半ば正体に気付きつつも私は大声で叫んだ。躍り出たその影、それに吸い込まれる様に電撃は収まっていく。周りで機器が火花を散らすと同時、しかし最低でもスタンガン程度の威力は出ていた筈だ、気絶なり痺れるなりしても可笑しくはないはず。と、そう思考を廻らせた途端だった。


「し……視界が!!?」


「ゆ、友人A!?」


 急にうずくまる友人A、辛くもその頭上を男のナイフが通過する。振り抜いた勢いを殺しきれず、男は床へと転がった。2人の敵はどちらも出口を挟む様に位置取りをしている、恐らく逃げ道を塞ぐつもりなのだろう。


 しかし、一体何故友人Aはうずくまったのだろうか? ふと浮かんだ疑問、しかし、それは男の正体により強い確証を抱かせるだけだった。にわかには信じがたいが、過去の存在から鑑みるに存在しても不思議ではない人物。電気を蝕み磁力場を乱す能力、電気をほぼ無効化したその“力”から考えても相手は1人以外に思い浮かばなかった。


「七ヶ崎一喜憂、未来のお前が何の用だ!!」


「……野暮用、とでも言おうか」


 やはり、しかしこれはどうしたものか。逆境に次ぐ逆境、どうしようもない劣勢に私は戸惑う。友人A、彼がもしも磁気嵐の直撃を食らえば……そう考えるだけで、心の奥がギリギリと万力で絞められる様に痛んだ。


 考えるんだ、私……状況を、総てを変える逆転の一手を! 本末転倒だよね、コレって。

 こんばんは、作者です。遅くなってごめんなさい、中身短くってごめんなさい。


 スランプです。Drに見てもらう必要あるくらいスランプかも知れません、大遅刻というまさしくアラレもない醜態を晒してしまいました。一日一回更新がそろそろ守りきれなくなっておりますね、終盤には差し掛かったものの先が長いので本当に不安です、書いてて眠いので体調も心配ですね。


 とりあえず書き上げましたが今回、多分修正される箇所が多々あるかと思います。加筆だったり何だったり、作者自身も何処か違和感を禁じえないので日を置いて推敲しなおす形を取りたいと思います。できれば次回は早いうち、今年中に今回の70話から71話へと進出してみたいものですね。むしろ、今年度中には完結くらいを目指しては見たいですね。完結するかは怪しいですし、下手すれば作者、続編書いちゃうかもしれませんですし。何をやらかすかは作者にもわかりません、まったくもって、露ほども。


 とりあえず、おやすみなさい。


 いい夜を、いい明日を、場合によっては良いお年を。作者は今年一年、皆様のアクセスやお気に入りを見ながら少しずつですけど精進できたと思います。まだまだ未熟者ですが、次回なり来年なり次回作なりもよろしくお願いしますね! ではまた次回、逢いましょう……ね?


P.S.用務員さんの名前、波多野玄三郎って覚えてる?

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