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裸天使にバスタオル、僕には生きる意味を下さい。  作者: にゃんと鳴く狐っ娘
Loop.2#【涙零して笑ったよね】
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ParaDoxical Site;Zero

「もう身体も無くしたから……愛する機体も、母がくれたあの身体も壊しちゃったのよ。全部、私と戦争の性だから……だから私は再起を求めた」


 途端に静まり返る中、舞い上がった水滴は雨の様にピシャピシャ音を立てて降り注ぐ。皆を濡らしたそれに打たれたのは、《アバターエヴァン》の少女である西園寺百合香も例外では無かった。崩れ落ちて地を這う水流、そこに佇む総ての人が硬直していた。


 だがしかし、僕はつい質問してしまう。好奇心とか興味とか、それ以前に罪の意識か……僕が背負い込むのも不自然だが、彼女も未来の僕、七ヶ崎一喜憂の被害者だというのかと。多分僕は、それが知りたくなっていた。直接的な罪でなくとも、起因が僕に有ると言うのなら、それは僕が雪ぎたいと思った。


「どういう事だ、愛する機体って……?」


 よく、ロボット漫画なんかで良く聞く言葉だった。先ほどの水龍攻撃、あれは僕の身体と未来さんの電撃とで打ち破った訳だが、つまり彼女の攻撃には機械的なロジックが存在していた事が分かった。つまり、彼女自身はやはり人なのではと、そう僕は考え始めていた。その言葉に、西園寺百合香は目線を迷わせつつも答えた。


「兵士だったのよ、志願兵として戦争に参加したわ、未来の戦争でね? 人が沢山死んだんだ、あれね……タイムマシン、あれの仕業で日本は例の15分すら書き換えてしまったのよ? 日本は第二次世界大戦、太平洋戦争でアメリカを制してしまった……そして、別未来からそれを食い止めに来た未来アメリカ勢力と、残った大国中の内の東側である当時のソ連に未来ロシアが加勢した新勢力とが三つ巴で戦争を始めた、それが第三次世界大戦。まさしく大惨事って訳、洒落にならなかった。未来兵器と旧世界勢力の野心家共の共演は、あれは正しく狂気の争乱――人の血に世界が沈む――そんな、終末的なオシマイだったよ……?」


「だが、それは一部……ほんの一端に過ぎないと私達は知っています。一喜憂さん、みなさん……本当なら、私達は話すべきだったのかも知れませんね。思い出しましたよ、夢心地に溺れていたら自然と……」


「葉月……」


 過去に戻れる技術、例えばそれは夢物語だ。昨日をやり直せるという夢の力は、昨日のプリンをまた味わう事も、歴史をまるごと引っくり返す事さえも可能にする。それは使い方次第では命を救う鍵にもなるし、世界沈む程の争いの火種にもなる。私利私欲、その表れ方で在り様は万にも及ぶ技術だ。


「正直、ボクは……私は迷っている。君を殺さなきゃ人は死ぬ――その手段はもう無いけど――歴史は君を殺人者にするんだ、これは確定事項。そう予言、いや……宣言するわ」


「仲間なんて、そんな簡単な問題じゃないって事か……」


「いや、人にとっては今こそが総てと思った。今なら、そう言える気がする、不思議とね?」


 どんな変化があったのか百合香は笑う、笑えない過去を背負って微笑む。僕らにとっては見えない未来を過去に見て、彼女は一体どんな思いなのだろうか? 少なくとも、僕には1部とて知りえない領域なのだろうかと思った。


「過去は見ないつもりか、青い髪の君よ」


「ちょっと、お姉ちゃん!?」


 唐突に声を上げた2人、顔を伏せて祈る様に縮まる乃々葉を庇いつつも未来さんは言った。それを引き止めた久遠、その目も憂いに似た何かを帯びつつあった。今、僕達全員は迷っている。望む未来が正しいのか、それは正しい結末なのかと。


「私は思う、いずれ……未来も過去も今となるとな? 夢の技術だよ、航時器はな。つまりはやがて、未来が過去に介入するのも必然なのでは、とな」


「横暴すぎやしませんか、私でさえもそう思いますが。未来さん?」


「ああ、そうかも知れない。だからな、いっそここで総てを知りたい。時間なら有る、それからでも遅くは無かろう……?」

 無理矢理ながらも過去話、いきなりですが大告白。しかしそれでもまず一言、ごめんなさい!! 遅れてしまい本当にごめんなさいです!!


 しかも、また後書きが短いのです……Oh――おぉ、寝落ちするとは何事じゃ私よ! そんな数日が続いてしまった結果がこうなってしまいました……と、とにかく次回こそはきちんと書くよう頑張りますよ!


 未来、もしかしたらそれは……届かないだけですぐ先にあるものかもしれないですね? 未来と過去、1と0に間は無くて……今なんて今すぐ振り返る過去になり、未来もそれと同じく果てる。


 それに逆行できた時、それこそ世界が破綻した時、世界は4次元、まるでパラレルの如き七色を見せるのでしょうかね? 私は思います、


「未来の自分と握手して、過去の自分を愛してやりたい」と……。


 孤独すぎた過去、人はやがて、それを踏み台で未来を作るのでしょう。しかし、私は未来なんて作れない。今を過去にして、ただ過去に物語を書くしか、そうする事でしか……今の私には未来は見えない……助けて、そんな叫びが私を苛むんだきっと。


 だなんて、意味深な言葉を残して今日はコレまで。しばらくシリアス路線ですが、終われば仲良くギャグできますよ! それまでどうかお付き合いください、未来とも過去とも決別する話、その話を……私は処女作として完結させたいのです。たとえ拙くとも、醜くとも構いません。


 ただ、私は今を此処に残したいから。


 皆様、いい夢を。逢えたら今宵、会えねば明日にでもまた、とにかくきっとすぐに逢いましょう? いい明日が、せめて皆様には訪れますように。私は、小さくここから願っています。作者。


P.S.私は元気ですからね!? も、物語にトランスしちゃっただけなんですからね……? あ、あー……ごめんなさい、そんな痛い目で見ないで……ぁぅ。なんちって。ではまた逢いましょう、ね?

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