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裸天使にバスタオル、僕には生きる意味を下さい。  作者: にゃんと鳴く狐っ娘
Loop.2#【涙零して笑ったよね】
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鏡合わせの天罰ゲーム;弐

「えっと、そろそろ出番ですかね……?」


 私は影から密かに様子を窺う、玄関口に並び立つ2本の支柱から顔を覗かせて彼の居る校舎校門付近を覗き見ていた。そこには、彼もとい一喜憂さんが久遠さんを抱き上げている姿が。これは忌々しき事態、しかも周りの皆さんも含めて全員が地面ごとほんのり白く汚れているのですが何故でしょうか。


 ちなみに、皆さんというのは2人に加え、一喜憂さんと向かい合う四十九院さん、その正面、一喜憂さんの背後に立つ友人Aさん、最後に少し離れていますが未来さんの事だ。しかし、不自然な事に無関係な人影が混じっていた。誰かと目を凝らすと、用務員室のプレハブの真上に青い髪を結い上げた少女が居た。


「と、まあ……初めまして、よね? 私の名は西園寺百合香!! 貴方達を奴隷に堕落す存在、幾百の時経て舞い降りし異時空の管轄者アバターエヴァンが女王よ!!」


 訂正、高い所が好きで好きでたまらない馬鹿がいました。《アバターエヴァン》だと一喜憂さんに名乗った事が悔やまれます、あんな変態お馬鹿と一緒にされたくは無いのですが。


 そんな彼女に対し、男衆は声を荒げた。


「「お前、いつからそこに!!?」」


「ふっ……、これだから下等生物共は……!」


 すると、西園寺百合香は鬢の毛束をフッと払って言う。彼女、隠れているのがバレていなかったんじゃなくて、唯ひとえに影が薄いだけに私は感じる。そんな彼女は胸をたゆんと揺らして、誇らしげに言い放つ。やっぱり馬鹿だ、大馬鹿だと思うのです。


「つい、『そこにシビれる! あこがれるゥ!』を言ちゃった辺りからよ!!」


「「「「「影薄っ!!」」」」」


 全員の声がハモる、背を向けて巨大な柱状構造物を弄くっていた未来さんでさえも振り向き瞳を見開いていた。そんな反応に、西園寺百合香は必死に訊ねて訴えかける。


「ちょっと、何を基準に貴方達は人の気配遮断スキルを否定するのよ!? そんな、私程のインパクトを持つ者が他に居る訳無いじゃないの!!」


「落下してきた全裸の天使」


 何気に私が、といいますか自然すぎて忘れていましたよ。何気に服着ても着て無くても、あちらとの外気温さを考えると快適でした。偶然にもあちらと転移先である此方が同じ気温、しかも衣服が無くなっているだなんてそんな……と、まぁ恥ずかしいとは思いませんが大胆すぎましたよね。多分、思春期の少年には厳しいのでしょうええきっと。


「ヲタクでお嬢で双子の姉な天才科学者『歩く残念』」


「馬鹿で一途で下ネタ大好き色々残念大馬鹿男」


「ちょっと、姉さん今馬鹿って2回も!!」


「残念胸で悪かったな、我が愛しき友よ」


「そんな意味で言ってねぇえええええええ!!?」


 まぁ、この2人に勝る個性は中々に勝ち得ませんよね。どうしても負の遺産に思えてしまいますが、それも愛嬌なのでしょうか、分かりませんね。


「さあて、私を怒らせちゃって……貴方達、覚悟は良いのかしら? 良いのよね、やっちゃうわよ、泣かせちゃうわよ!? 特に気に食わないからそこの微妙イケメンこと大馬鹿! 貴方男のままで胸持ったげるから覚悟しなさいよね!!?」


「誰が得するんですか、そんな絵面……」


 つい、私も歩み出て一言述べる。緊張は不思議と無い、恐怖もだ。理由は悩むまでもなく緊張感の無さ、それしかないと私は思った。そんな私に西園寺百合香は言った。


「……それもようよね。うん、そうね」


「何故気付かないのですか……馬鹿ですか」


「馬鹿って言う奴が馬鹿なんだって、貴女は知らないのかしら?」


「「「「それが馬鹿の論理だと気付け馬鹿!!」」」」


「馬鹿って、馬鹿バカ言うなぁああああああっ!!」


 どうやら、騒がしくなりそうです。青髪の少女は腕を振り払い、雨どいから水滴を左手へと吸い寄せ始める。水流操作と見られるそれ、私は苦手な相手らしい彼女へと苦笑いを浮かべた。そして馬鹿は叫ぶのだった、無数の水柱が鎌首を擡げる。


「踊り狂え我が水よ、踊り狂いて花咲かせ! 狂乱に萌えよ辰、邪聖を分かちて築けよ龍牙……聖凱八岐邪鬼大蛇レヴィノトグラマオクタ・スネリク!!」


「「「「うわぁ……」」」」

 おはようございます、作者です。


 短いですが投稿、最近寒くて冬眠気味です……ずっと寝ていたいにゃ。


 ではまた、おやすみなさい、また明日逢いましょう?

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