穢れし処女の命運、血脈。
叫んだ久遠、空を切っていた彼女の指先へと僕は手を伸ばして走った。近いのに遠い、そんな視界に6本足が割り込む。
僕は、そんな邪魔物へと右腕を振りかぶった。渾身の一撃、それをこいつに叩き込んでやる。
「一喜憂、コイツも持ってけっ!!」
未来さんの放電、それにも動じずに6本足が揺らめく。
カメラの瞳と目線が合った。どうしようもなく不気味で、誤魔化しようもなく空虚な眼差しに、僕は寒気を覚えてしまった。しかし、それを払拭する様に僕は、
「叩き、込むっ!!」
拙い掌底を、有りっ丈の力を乗せた一撃を打ち放った。
6本足が吹き飛ぶ、身の丈程度の割には軽い物だった。視界に残るLEDの残光、赤いそれが涙の様に錯覚してしまった。
そして、久遠に脚を掛けようとした1機にも同じく《力》の一撃を浴びせる。沈黙、そしてガラクタの転がる音が響いた。
「一喜憂っ、靴が床から……!」
駆けよった僕の前には、靴を床へとくっ付けられた久遠が涙声で訴えてくる光景があった。しかし、僕は即座に気付いてしまったのだ。僕の感電が無意味だったという事実に。
「脱げば良くない?」
「え……?」
「……その靴、脱げば良いよな?」
「あ……。あー、そうだね。そっか……!」
今更である。僕はふと、旧理科室で未来さんと交わしたやり取りを思い出してしまった。
『そうやって登って拭けば……?』
『はっ!!? そんな手があったとはな、あれだな君は天才なんだな!! 天才キタコレ〜!!』
「……血は、争えないって奴かな」
「「……ごめん、なんか凄くごめん」」
姉妹2人が悟った様に答えた。萎びた2人はどこかいじらしくて、それはもう可愛らしく思えた。
「……一喜憂、さんっ! 早く渡って!! 早く渡って下さい怒りますよ!!」
「あ……」
そう言えば、ピンチだったな。
意外にも、僕と姉妹は似た者同士なのかも知れない。僕は、久遠の手を引き駆け出していた。
「そいつに掴まれ! 私はコイツと、お前は久遠と飛んでくれ少年!!」
そして、僕らは一緒に地面を蹴った。明日に向かって。
おはようございます、作者です!! 皆さん元気ですか、私はなんくるないさーです!!
ええと、今日は時間が有りません。だから後書き粗雑になります……どうか許して下されば幸い、私は幸せですよ。
では、また明日にでも逢いましょう。次回は、あー予定は言えませんね私。では、また明日にでも逢いましょう、ねっ!!
P.S.国家試験やばす!!




