輪廻の様に。
「そうだ……少年、それだけが何よりの不自然なのだよ。見る限り、お前は普通の一般学生の筈なのだがな」
「いいえ、違いますよ」
首を傾げた未来さん。久遠に何かを言い聞かせながらも、何かと僕らを心配してくれていたのだった。優しいけど、もし彼女が言うならば『興味本意だ』とでも理由付けをするのだろうか。
否定した乃々葉に対して、過去さんと未来さんが続けて推論を述べた。
「元から存在していた?」
「半分正解、ですね」
「誰かに埋め込まれた?」
「大正解、その通りです。ビンゴ、おめでとうございます」
そして、即座にそう喋った乃々葉は続ける。明かされ続ける真実に、もがきながらも付いていく僕の頭脳は限界だった。
鵜呑みにしすぎて、事実とも付かないそれが喉につまりそうな感覚。額と、握った手のひらには汗が滲んでいた。
「一喜憂くん、貴方の両親が勤めていた勤務先は何処です?」
「……《七ヶ崎七島共同研究所》だな。まさか……《セブンスクロス》か?」
「ご名答。私が確認してみた結果、ご両親両名の《セブンスクロス》在籍を確認致しました」
「つまり?」
「つまり、貴方はモルモットだった可能性があります。ご両親の研究内容は、どうやらナノマシン医療の実用化であると同時に、別な物でもあったのだと推測できます」
被検体、その言葉が脳裏に浮かんだ。不気味に輝く赤い文字だ。
散々否定してきた、その可能性が浮上すると同時に、僕の心は杭を打たれたかの様に痛んだ。あんな両親でも、心底嫌いでは無かったと言うのに。
いや、認めたくなかったそれだけなのだろうか。途端に、冷たいメスの様な鋭い残虐さが心根に芽生える。
僕は一体、このままどんな存在にまで堕ち果てると言うのだろうか。そんな、冷たい清水、一縷の全うな自分が僕自身へと問い掛けていた。
おはようございます!! 作者ですよ、しゃらっらーん♪
いやはや、長い長いカミングアウトです。本来ならば1話でガッと持っていきたい箇所なのですが仕方がありません。
皆様には、最後の最後までハラハラして頂く事にしましょう。
さて次回、カミングアウト編もさらに終盤。期待しててください、また逢いましょうねっ♪
P.S.ハロー真実、グッバイ自分。みたいな?




