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優等生

作者: 秋暁秋季
掲載日:2026/10/14

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


※『小説家になろう』、『カクヨム』様にも投稿をしております。


注意事項2

この先生と話してぇなぁ。

――じゃあこの問題、分かる人!!

先生が黒板に板書して、当てていく。発表した方が加点されるという事はみんな分かっている。だからこそ、皆手を挙げる。其れが自分の利益になるからである。

私も確実性があるもの、答えの確信があるものだけ手を挙げる。

――うーん。じゃあこの問題、君に任せようかな。ふふふ……。

へぇ、この問題、難しいんだ。一見すると簡単そうだけど、学年一位を配置するなんて。

――……君はどう思う?

あぁ答えのない問題は『私』に振るんだね。適材適所か。

「本当に極限状態になったら、私は周りを捨てて一人で逃げようとしますよ。お釈迦様が見ているいないに限らず。周りを、追い払うと思いますよ。だって助かりたいから」

優等生というのは、そういうものであると私は思っている。難しい問題が解ける。あらゆる問題を起こさない。其れは自分のミスも含めて。


道徳の授業が終わったあと、教卓の近くに居た私は何時もの様に荷物持ちをさせられていた。

させられていた。というのは、何も相手が強制したからではない。いつもの様に私の名前を呼び、『持ってくれるなんて有難う〜』と言われたから持っていくだけ。

そうして何時もの様に教材の入ったバスケットを持ち、先生の横をてくてくと歩く。

「何時も助かってるよ」

「はい」

そりゃアンタ、私が断らない事を見越して吹っ掛けてるからね。私も特に断る理由もないし、気に入られるんなら得だと思うからやってるだけ。

ただ態々口に出すと言うことは、私が以前『悪いことをしたら指摘するのに、良いことしたら何も言わない』と指摘したからかも知れない。

「君、優等生についてどう思う?」

「……あの……道徳は終わりましたけど……」

「あの時も助かったよ」

「……はい。え、難しい問題が解ける、問題を起こさない。そういう子を優等生って言うんじゃないですか」

先生が算数の時間に当てた学年一位とかが良い例で。

しかし先生はあまり納得して居ないようだった。これ見よがしに笑わなかったし、なんと言うか嬉しそうじゃなかった。表に出さないけれども『その程度?』みたいな。

「そう。有難う」

それでもそれ以上突っかかって来ることはなかった。


そうしてまた別の日に、先生から荷物持ちをする事になった。てくてくと職員室までの道のりを着いていくと、また同じように先生は口を開く。

「じゃあさ、この間の続き、優等生がしないことはなんだと思う?」

「なんですか、其れ」

「君、とても良い子じゃない?」

其れはそうした方が利になるし、不利になる事が少ないからというだけであるが。誰しもそうだろう。良い子になるほどメリットなんて、ただそれだけだろう。

「…………本当になんなんですか?」

相手を叩きたいとか、中傷したいとか、そういうんじゃなくて、本当に意図が読めないのだ。ぶっちゃけ、先生が何を求めているか分からない。欲しい答えが分からない。

「君が何時もしないことを答えて欲しいんだよ」

今までにないケースだからこそ、口が淀む。けれども。

「問題を起こすこと。先生の指示に従わないこと。まとめると、これじゃないんですか?」

一応答えておこう。何を求めているかは分からないし、私の何を見たいのか知らないけれども。

「あのさ、君が常日頃から感じていること、社会に出ると当たり前になるんだよね。

君、以前私が『君のこと当てにしてる』と言ったら『当たり前』と言ったじゃない? そういうのが当たり前になるんだよ。

授業中だけじゃない。社会に出たら、仕事が授業みたいなものだから、私が君にしている様な事は当たり前に頻発する。

そうしたら、何時か潰れてしまうんじゃないかなって。まぁ私も君を当てにしてる時点で潰す側なんだけど」

其からノックでもする様に私の事を指すと、今までにない鋭い目をして私を見た。

「君は賢い。この歳で人の意図を正しく汲み取れるぐらいには。大人だって出来る人は少ないよ。

ただ理解してない故に、其れを悪気なく食い潰す人なんかごまんといる。当たり前にする人はごまんといる」

「私の事、何処まで知ってるんでしょうか?」

「全部じゃないけど、まぁ賢いことは知ってるというか、さ。で、私の答えなんだけどさ、優等生って何? と言われたら『相手の期待に答え続ける子』じゃないのかなって」

「……っ」

「君は人を利用する側でもあるけど、利用する為に利用される側になる事を忘れないでね。今みたいに」

まぁ言い負かされそうだけどさぁ。

こういう人がタイプってのは、前に公言したんで。


あのさ、優等生って何だと思う?

難しい問題が解けること?

指示に従順なこと?

其れも一要素だと思うんだよ。


でもなんつーか、それだけじゃないよね。って。

『期待に答え続ける』ってのが優等生なんじゃない?

難しい問題解けて当たり前、指示に従って当たり前。

そういうのって『人の期待』に答え続けてこそじゃない?

だからこの子、誰よりも『優等生』なんだよ。

まだ小学三年生なのにさ。


あのさ、学校生活と社会って違うところ多いよ?

自分から動かないと何にもならないし、言われたことをするだけじゃ駄目だし。

でもなんて言うかな。

『人が人に掛ける期待』ってのはあんま変わらないんだよ。


つまるところ、先生が

『この問題は難しいから学年一位に任せよう』とか、

『この子は断らないから荷物持ちお願いしよう』とか、

そういうのは社会に出ても変わらないの。

こういうの、口に出さないけど薄ら期待するし、その打算に気付いても皆黙って飲み込むじゃない?


優等生はそういうの全部気付いた上で、抱えてるんだろうなって。


頭は良いよ。小学三年生なのに『人の意図』に気付いて『はいはい。そうですね。やりますよ』するし。

でも相手を利用する、私のメリットにする為に、まずは自分から利用されてるよねって。


そうしてメリットになる前に潰れないでねって。

先生からの助言だよ。みたいな。

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