誰かの笑顔が見れるなら
初めましてノット(野兎)と申します。この物語はNEXT STAGEと言うゲームの世界を舞台にした二人の
少女の物語です。リアルを忠実に?模した、この世界でドタバタしたりジタバタしたりと落ち着かない二人ですが、少しのコメディとほんの少しシリアスな場面を交えたファンタジーな世界を旅する二人が、このNEXT STAGEの謎を少しずつ解き明かして行く。そんな内容に成っております。(ユリでは御座いません) この物語を読んで頂きクスッと笑って頂ければ幸いです。
最後になりますが、文体が下手くそなので読みづらいかもしれませんが、私も修行して頑張りますので
どうか、暖かい目で見守ってください。
では、本文で又お会い居た致しましょう。
宿屋の屋上に、一人の少女が転落防止柵に、うなだれながら眼下を見下ろしていた。
ここは フルダイブRPG NEXT STAGE の世界
「何で、こうなったかな~」
私の名前は十文字 サツキ、PK戦(プレイヤーをキルする戦闘)を仕掛けた相手にデコピン一発で返り討ちにあい。何故か、その相手に連れ回され現在に至ると言う状況だったりする。
「分けわかんないよね~」
相手の押しの強さに負けて、ここまで付き合ったのだが、とバーンと屋上のドアが開かれ一人の少女が
顔を突き出してキョロキョロしてる。
「サツキ居た~宿屋の屋上で何してるの。部屋とれたよ」
ブンブン手を振りながら、こちらに全力で走って来る少女。彼女の名前は詩宝 アカリPK戦で返り討ちにして暮れた相手だったりする。ちなみに女の私から見てもスッゴイ美少女。
気が付けばブッ飛んで来たアカリが私の隣で柵にしがみつきながら眼下を見下ろしてる。
通りには正月の参拝の時の様にプレイヤーが溢れかえっていた。
「もう夜中の11時なのに、凄い人。でも仕方ないよね、突然閉鎖してから一年ぶりの解放だもん」
このNEXT STGEは、何故か突然閉鎖し一年きっかりで解放すると言う、とんでもないゲームだったりする
よく皆辞めないよね。
部屋へ行く前に食事する事に成り食堂に向かってる途中、冒頭から感じていた疑問をぶつけてみた。
「アカリってさ、何で私を連れ回してるの、私アンタにPK仕掛けた相手なんだけど。」
アカリがキョトンとした顔で考え込んで
「サツキって、アサシンギルドの人なの?」
「違うよ街中の掲示板から、報酬がとんでもない金額だったから興味が沸いて」
「まさか、デコピン一発で吹っ飛ばされるとは、思わなかったけどね」
「あは、飛んだねー」
口元を手で抑えながらプププっと笑うアカリ
ムカチン(怒)平常心平常心,又吹っ飛ばされたら、たまったもんじゃない。
本題に戻るけど、アサシンギルドの依頼は、ギルドメンバーか街中の掲示板でしか依頼を受ける事ができないのだ。
「なら問題無いよ」
「イヤイヤイヤ。それだと私を連れ回してる理由には、ならないでしょうが」
「何ってカワイイからに決まってんじゃん。ショウトカットで空色の髪とか子猫を連想させる顔立ちとかスキ」
「そりゃカワイイけど」
私自身も、このキャラの顔立ち気に入ってたりする。
「認めたな~」
見れば、アカリが手をワキワキさせて、にじり寄ってきてる。目が怖い
「な、何」
「アタシね本能に忠実に生きる女なの」
突然襲い掛かってきた、アカリを押し返してるのだが何てパワー
「忠実すぎるわ~離れろ~」
ドタバタしながら、何とか食堂にたどり着いたのだが、そこは酔っ払いの巣くつに成っていた。この世界にも、お酒が存在する。ほんの少しテンションが上がる程度の物なので酔ったり、しないはずなんだけど。ざわつく酔っ払いたちの向こうから、私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「サツキ~」
いち早くブッ飛んで行った、アカリが席を確保してブンブン手を振ってる。
ちなみに、アカリの頭のタンコブは正気にもどす為の私の渾身の一撃の成果である。
酔っ払いたちをかき分け席に着くなり、アカリが
「ねえ、サツキってリアルで、ちゃんとご飯食べてる?」
「食べてるよ。バイタルチェックで強制ログアウトされたく無いからね」
「だね。ダイエットとか言ってログインし続けて死に掛けた子が居たって聞いた事有るけど、それから
厳しく成ったみたい」
「そうだったんだ。アカリこそ、食べてる?」
「大丈夫だよ。今も食べてるし、手の届く所に色んなお菓子置いてあるんだよ。へっへえ~」
何で得意そうなのとか、バーチャルの世界に居るのにリアルの体何で動かせれるのとか聞きたい事は
山ほど有るけど、まっ先に言わなければいけない事がある。
「えっと。アカリさんや、女の子はふとり・・・体重気を付けてネッ」
なるべくソフトに言ったつもりなのだが、ど直球だったらしい。アカリがフリーズしてる。
「だ、大丈夫だよ。後で200メートル位走って来るから」
「そっか~。頑張って」
200メートルで、何が変わるのかわ不明だけど、とりあえず応援しとこう。
「うん。おねえさんオーダーお願い」
元気になった、アカリがが注文してる顔を、ついつい私はガッツリ見てしまった。
視線にきづいたアカリが訪ねて来た。
「どしたの、追加注文する。」
「いやアカリって凄い美人だなって思って」
黒髪のロングヘアーに赤い編み込みリボン。整った顔立ち、しかも両目の下の涙ボクロが星の形してるの
とか、目の色が少し赤みがかった黒目だとか正直、かなり羨ましいレベルちなみに私の眼はサファイア色だったりする。
「ハアー」
溜息付いて、テーブルに突っ伏すアカリ。思ってたのと違うリアクションなんだけど。
「このゲームてさ、名前と性別と年齢入れた後に100の質問が始まって回答したら、職業選択が出て
終了じゃん、キャラメイク出来ずにゲーム始まっちゃうとかショックだったヨオ~」
ウニャーとテーブルに突っ伏すアカリを見るに、自分のキャラにご不満なご様子。アカリの気持ちはスッゴク分かる私もキャラメイクしたかったな~。
「でも、そんなに嫌いじゃないし。それにだいぶ馴染んで来たから良いかなって感じ」
「なら良かった。せっかくの美人さんなんだから,愛して上げないとだね」
「うん。ありがとネッ」
話してる内に料理が運ばれて来た。
「マンガ肉定食お待たせいたしました。」
運ばれて来たのは、骨の回りにバームクーヘンの様にお肉を巻き付け焼いた物で、かなりのボリュームの有る焼き肉定食。
「ありがとお」「頂きま~す」
両手を合わせ食事を開始したのだが、アカリは口が小さいのかハムハムと頑張ってるのに全然お肉が減ってかない。食事と言うよりも戦ってる感じ
「アカリ食べにくかったら、ナイフ使えば」
ムッと顔を上げたアカリがフォークをオッタテ
「そんなのは、邪道よ邪道」
とか言って再び、お肉と格闘を再開する。まっ良いか
「そう言えばアカリって何の職業なの」
フレンド登録すると頭の上に名前が表示される様に成り、緊急時にはヘッドギアを通してスマホにメールする事が出来る。ちなみに、内容によっては繋がらない事も有るみたい。それにツッコミ所をトン単位で搭載している、この少女に私は興味深々だったりする。
「見て分かん無い~」
すくっと立ち上がったアカリが黒のマントの端を、つまんでクルクル回りだした。
肩にショルダーガード腕にはガントレット。赤のセーラー服にチェック柄のミニスカ。それと、あっちこっちに散りばめられた宝石。あれってジュエルよね魔法石だったら、とんでもない価値に成るもんね。
ウ~ンと思い悩んでいるとマントの隙間から、ダガー系の宝剣が見えた(きれい)って事はシーフか
格闘家よね。
「どお、分かった」
アカリがニマニマしながら顔を近づけて来る。
「当たったらキスして上げる」
これは、当てたらダメなヤツだ。私のファーストキスを、こいつに暮れてやる分けには行かない。
100%有り得ないのを選べば大丈夫でしょ。
「聖女さま」
「チュッ」
「なっ」
椅子をひっくり返してワンドを構える私
「大当たり、よく分かったネッ」「後、ごちそうさま」
と、勝ち誇った顔でVサインまでしてくる。オノレ~(怒)
「ちょと、噓はダメだよ。どう見ても聖女さまじゃ無いでしょうが。」
聖女さまは1000人に一人位しか選択肢の出ない上位職で服装も、シスターの様な服着てる人が殆どで
アカリが聖女さまとは、とても思えないんだけど。
「だって、ほら」
アカリが髪をカキ上げると、耳に十字架のイヤリングがぶら下がってた。
「それって聖女さまの初期装備の」「マジか~」
「まさか、当てられるとは思わなかったよ」
「やっぱり、隠して居ても聖女の気品が溢れ出ちゃうんだね」
と、くねくねしだす。気品は、そんなんでは出ないと思う。
ちなみに、何故様付けなのかと言うと、この世界で唯一呪いを解ける職業なので敬意を込めて様付けになてったりする。
「負け負け。ご飯食べちゃお」
席に戻って、今だ悶えてるアカリに手招きする。
「忘れてた。ここの、ご飯美味しいんだよねー」
食事を再開したのだが。アレ私負けたの?後大事な事を忘れてる気がするんだけど、しばらく考えたけど答えが出ないので諦めた。ただ、この子と居ると退屈はしなさそうだから、当分付き合おうと思う。
「十文字 サツキ」
食事を済ませて、部屋に着くなりアカリがフルネームで呼んで来た。
「なによ、いきなり」
「いや、カッコイイ苗字だなと」
「ありがと、私も気に入ってるんだ。」
「もしかして本名だったりして。と、いけない警告音だ」
そう、このゲームはリアルに関する情報を交換しようとすると、警告音が鳴り無視するとアカウントが消えてしまう。そして、アカウントの取り直しは二度と出来ないと言う厳しいルールがある。
「私も、たまにやるからお互い気をつけようね」
「だね」ペロッと舌を出して頭をコツンと反省のポーズ
「ところでアカリ、明日って何時ごろINする?今ゴールデンウィークだから私何時でも来れるよ」
「前回閉鎖した時、戦闘中だったからアイテムの補充とかしたいし9時頃で、どかな」
ベッドに腰掛けて、指先で空中をクリクリしてるからアイテムの確認をしているのだろう。
「了解9時ね。私落ちるから、おつかれ~」
「オッツー」
翌日、私たちは町へと買い物に出掛け、とりあえず必要な物を先に買ってから、色々見て回ろうって事になったんだけど、さっきからアカリの視線を感じる。
「なに、どうかした」
「サツキってさ、お嬢さま系だよね」
「えっ。お嬢さま、初めて言われたけど」
私の服装は白のワイシャツに首元に蝶の刺しゅうの有るネクタイ。ブラウンのベストとスカート
ワインレッドのパーカー、マントは肩掛けタイプのを使ってる。ちなみマントで見えないけど二本のワンドが腰の所に装備されてたりする。
「ふううん。そんな風に見えるんだ」
私は、あまり服装に気を使わないんだけど言われると結構嬉しかったりする。
「そう言えばアカリのアイテムバック学生カバンみたいだね」
「しかも、デッカイ十字架のアクセぶら下がってるし」
「へっへー。これ、気に入ってるんだ。十字架は聖女って事忘れないようにだね」
「イヤイヤ忘れちゃダメってか、忘れないでしょ」
「テへへへ」っと舌をペロッ出すアカリ。ガチで忘れてそうなんだけど、とか思いながらカバンを見ていて有る事に気が付いた、カバンの持ち手の柄と袖の柄が同じな様な。
「アカリ。それってセット物だったりするの?」
「わ~。よく気付いたね」凄く嬉しそう
「これね、ダンジョンでドロップするんだけど揃えるの大変だったんだ~」
「ダンジョン?」そんなのが、ドロップするダンジョンなんて聞いた事無いんだけど。
「そだよ、ダンジョン女子高って言うんだけど」
「ハッ、ハァアーーーーー」
そんな名前のダンジョンて怪しさ大爆発なんだけど。
「もしかして女子高生がモンスターとして出てくるとか」
「んな分けないじゃん。モンスターがドロップするアイテムが女子高生関連の物だからだよ」
バカなの~と言わんばかりに私の目の前で人差し指をピッピッと振る。
ムカチン(怒)私が一生懸命怒りを我慢してると
「このダンジョンって課金ダンジョンなんだけど、道中に出るモンスターが強くてさー」
何故か、熱く語り続けるアカリ。私も少し興味が沸いて来てたりする。にしても課金ダンジョンなのに
行くのに苦労するとか、稼ぐ気有るのか運営と声を大にして言いたい。
「そうそう、男の子も結構居たよ」
「マッ、何で。もしかして着るの」「着るのかな」
「さぁー。ただ女の子が近づくと、なぜか逃げちゃうんだよね」
なんか、有ってはならないダンジョンの様な気がしてきた。
「ダンジョンて事はボスとか居たりするの」
「居るよ、そのボスが又強くてさ。金のブルマ、ドロップするんだけど」
熱く語ってるアカリには申し訳ないんだけど、結構どうでも良くなって来てたりする。
「って、金のブルマ」
横を歩いてたはずのアカリが居ない。
「ハァー又かー」
実はアカリが消えるのは、これが三度目で一度目は、この町パークタウンに向かってる時いきんなり消えたアカリに驚いていると、そう遠くない場所で悲鳴が聞こえ。駆けつけて見ると地面にへたり込んだ女性と。すでに、ボコボコにされた男あとVサインしてニカッと笑ってるアカリ。
事情を聞いてみると、どうやらストーカーに合ってたみたいで町を逃げ出そうと、ここまで来た所を、
ストーカーに襲われ、そのストーカーにアカリが襲い掛かったらしい。
町まで送ろうかと提案したけど、このまま隣町まで行くそうなのでお別れとなった。上手く逃げ切れる事を祈ってます。二度目は、彼女を見送り町に向かう途中。やけに前方が騒がしい
「アカリ、誰かあっちの方で戦ってるみたい」
話しかけた時には、すでにアカリの姿が無く。現場に辿り着いた私が見たのは、商隊を襲った盗賊団が全滅した光景。戦闘を見てないけど、どうやらアカリ一人で討伐したらしい。
その後護衛も兼ねて、町まで一緒に来たんだけどアカリめっちゃ感謝されてた。
困った時は、お互いさまとか言って。あの子、お礼受け取らないんだよね。
なので、三度目ともなると流石に驚かない。
「すみません。ウチのアカリ知りませんか?」
アカリは、よく声掛けれたりするから有名なのかもと近くのプレイヤーに聞いてみると
「アカリさん、あー黒髪の、その子なら大通りをあっちに走ってたよ」
このゲームでは黒髪の子は珍しいから、目立っちゃうんだよね。
「ありがとうございます」
ペコリとお辞儀して、全力で走り出す私。なんか、凄く嫌な予感がする。
「キャー」「ワワワッ」前方から悲鳴が聞こえて来た。
そちらに視線を向けると、金髪の美少年と美少女を抱きかかえたアカリが見えた。
アカリも私に気が付いたみたいで「サツキー」と満面の笑みで私を呼ぶ。
なに、そのトッタドーみたいなリアクション
私はアカリの元に全力で走って行き二人を、引っぺがす。
「二人共ごめんネッ。こいつには私がキツク言っとくから」
見れば少女は涙目でアカリを睨んでるんだけど、少年は何故か目を輝かせてたりする。アレ
「アカリあんたは、正座」この娘、別の意味で有名なのかも
「なによ~」と素直に正座するアカリ
「あんたねえ、リアルなら犯罪よハンザイ」
分かってるのと人差し指を、オッタテる私
「カワイイんだもん、仕方ないじゃん」
プクーっと頬を膨らませてる。全然反省してないし
「あのー」
私たちがギャイギャイ言い争っていると、少年が控え目な声で話し掛けて来た。
「突然の事で驚いたけど、美人のお姉さんにハグされるのはウエルカムなので」
と両手を広げる少年。
「イター」どうやら少女にツネられたらしい。ちなみに、私は「かわええー」とか言って再び襲い掛かかろうとするアカリを羽交い締めにしてたりする。
「なんだよ、アンナ。きれいな人には優しくしろってパパが言ってたもん」
アンナって名前らしい少女はプイっと横を向いて、かなりご立腹のご様子。
「あれ、もしかして二人は、このゲーム始めたばかりだったりするのかな。」
いつに間にか、私の縛めをすり抜け少年の前にしゃがみ込み語り掛けるアカリ。
見れば二人の装備が初期装備なのに、私も気付いた。
「ハイ、昨日が初めてでアンナと狩りに行ったんですけど、攻撃が全然当たらなくて、どうしようかと二人で相談してた所なんです」
「あっ、自己紹介まだでした。僕はアル、この子はアンナって言います」
「ごめんね、私たちも自己紹介して無かったね。私は詩宝 アカリこっちの凶暴そうな子が十文字 サツキだよ。宜しくね」
誰が凶暴なのか後で、じっくり問い詰めてやらねばと心に誓う私
「はい、アカリさんとサツキさんですね。了解しました」
「んじゃ。今日日没6時だから、5時ここ集合ね」
「何する気ですか」
アンナちゃんが警戒心満開でアル君とアカリの間に、立ちふさがる。
そりゃ、そうなるよねと私も思う。
「ごめん、ごめん。説明不足だったね」
「アタシ達ね、ここ長いから教えられる事有ると思うからさ」
パタパタと、手を振って誤解を解こうとするアカリと今だ警戒心を解かないアンナちゃん。
仕方ない、助け舟を出しますかと思ってたら。
「分かりました。5時ですね。必ず来ます」
突然のアル君の発言にギョッとするアンナちゃん。
「イタタタ」又ツネられたらしい。
「あんたねえ、警戒心とか無いの」
「美人の、お姉さんのお誘いは断るなってパパが言ってたもん」
「アルのパパとアルは、今度お説教ね」
口喧嘩を始めた二人に、なんかウィウィしいなと傍観を決め込んでいたのだが、このままでは話が進まないので
「多分ねアカリは、あなた達の力に成りたいんだと思うよ。何で夕方なのかは分かんないけど、今度は私が見張っとくから、ネッ」
説得を試みる私をジーと見つめてたアンナちゃんが
「分かりました。お姉さんは、まともそうだから」
「行こっ」
ペコッと頭を下げて、二人は人混みの中に消えていった。
「私たちも、買い物済ませちゃお」
アカリを見ると何かボーとしてる。
「おーい。アカリ生きてるかー」と、まばたき二回。
「プハー顔だけじゃなく声までカワイイとか無しだよね」
「息するの忘れてた」
胸に手を当ててスーハーしてる。
「えええ~」
私リアルの、この娘の事本気で心配に成ってきた。
その後、別れをおしむアカリを引きずって町に繰り出したんだけど。相変わらず人々、中には子供まで居る。
「あれってNPCかな」通りを歩く子供に視線を送ると
「武器装備してるから、アンナちゃん達と同じ成長系のプレイヤーだね」
「成長系?」
聞きなれない言葉に疑問符を浮かべる私に
「あれ、年齢設定する時に出てたと思うけど」そう言えば、そんなのが出てたような
「成長系はね、年齢を設定した後にね到達LVを設定して、そのLVまで成長して行くタイプなんだ」
「それって、メリット有るの」
見れば、アカリがポッキーみたいな携帯食をポケットから、取り出してる所だった。
それを一本くわえ
「これ、美味しいんだよね」
「よく食べてるけど、なんなのそれ」
「携帯食のボッキー、何とMSPも少し回復してくれる優れ物」
んっ、と一本つまんで私に差し出してくる。それをパクッとくわえると、チョコの味が口一杯に広がる。確かに美味しいのだが某メーカーからクレームが来そうな気が。
「ねえ、もしかしてリアルでも食べてたりする」
「うん、大好き」頬に手を当て幸せそうなアカリに
「太るよ」私の一言に再びフリーズするアカリ。
「大丈夫だもん。今度は250メートル頑張るもん」伸びてる距離が微妙なんだけど
涙目で訴え掛けるアカリを見て、乙女だわーとか思ってたら
「そだ、成長系の話しだったよね」
どうやら話題を変えたいアカリに、あんまりイジメても可哀想なので乗っかってく事にした。
「成長系のメリットはね、到達LVまでの経費が抑えられるからなんだ」
「つまり、子供料金て事だね」
「えっ、ならずっと子供体型のままの方がいいんじゃ」
「んと、LVの低い内は良いんだけど、リーチ短いと近接キツイから後、魔法職は基本後衛だから背が低いと、魔法打ったら前衛にあたっちゃうかも」
「そっか~。そうだよね。アカリって成長系の事詳しいんだ」
「アタシも成長系だったから」
なんだろう、アカリの元気が無くなった様な。無言に成ったアカリが心配になり、顔を覗き込むとボッキーかじってた。私の心配返せ。
買い物を終えて、そろそろお昼近いからご飯食べに行く事に成ったんだけど、アカリに何食べるって聞いたらケーキって答えが返って来た。
「なっ、お昼ご飯ケーキ食べるの」
「そだよ、ゲームの世界なんだから好きなもの食べようよ」
確かに、リアルじゃ出来ないけど。ここならガッツリケーキ食べても問題無いんだよね。なんか、テンション上がって来た。
「おーし、やっちゃいますかー」
「やっちゃおー」
テンション爆上がりで向かったのは、プチケーキで有名お店。中に入ると凄い人、アカリの言う事も納得できる。席について、私がどれにしようかとメニューを覗き込んでると。
「お姉さーん。オーダーお願い」
アカリがメニューも見ずにNPCのメイドさんを呼び止めた。
「ちょっと、アカリ私まだ決めてないよ」
「サツキ全種類制覇よ、制覇」
備え付けのフォークを両手に握り締め闘志満々のアカリ
「マジかー」
ここのって、確か30種類以上有ったと思うけど。
で、現在テーブルには所狭しと置かれたケーキとメイドさん。メイドさんの手にはテーブルに置けないケーキがお皿に山盛りに乗ってたりする。一気に注文したら、こうなるよね。そんな事全然気にしないアカリが
「これ、美味しいよー」
と、ご満悦で最初の頃は食べていたんだけど、あまりの量に全然減ってく気がしない。
アカリが幾つ目かのケーキを食べ終え、メイドさんがアカリの空いた皿にケーキを乗せながらポソッと
呟いた。
「とっとと、食え」
(ドッヒー)一瞬にして凍りつく私たち。この子NPCなんだよね。超怖いんだけど、見ればアカリもカタカタ震えてたりする。無言の圧に耐えながら、何とか半分位食べた頃視線を感じてアカリを見ると
「サツキー気持ち悪いよお」
涙目で訴えかけて来た。あっ、これダメなヤツだ。
私たちは、メイドさんに平謝りに謝り、残ったケーキをテークアウトしてもらい店を後にしたのだった。
「このゲームって、変なとこリアルだよね。まだ治んないよお」
大分調子が悪そうなので、アイテムバックから小瓶を取り出しアカリに渡した。
「これ飲んで見て」
「なに、これ?もしかして胃薬」
渡された小瓶を光に、かざして中の液体を覗き込むアカリ
「取りあえず飲んでみて。効くかも知れないから」
「ううい」
小瓶の液体をコクコクと飲み干したんだけど、だんだん表情が
「何これ、めちゃめちゃマズイ」
口元をフキながら小瓶を私にかえしてくる。律儀な子
「毒消しだよ。もしかして効くかもと思って、どおかな?」
「そいえば、なんか治ってるっぽい。サツキありがとー」
そうとうキツかったみたいで、私の手を握って喜びを表にするアカリ。効いて良かったよ。
「毒消しだよね」
いそいそと、アイテムショップに向かおうとするアカリの襟首を、むんずと捕まえ
「何する気きかなー」
私の言葉に、中指オッタテて
「何ってリベンジよ」
鼻息荒く闘志むき出しのアカリ。もう全回復してるし
「リベンジって、残りのケーキなら私のアイテムバックにあるんから、慌てる事ないよ」
「何言ってるかな、お店で食べなきゃ意味ないじゃん」
どんな意味なんだろー
「つまりアカリは毒消し飲みながらでも、あの店のケーキを制覇したいって事だよね」
うんうんと、腕組んで頷くアカリ
「行くのはいいんだけど、今度何かやらかしたら私たち生きて帰ってこれないかも」
私の一言にブルっと身震いするアカリ。どうやら、メイドさんの事を思い出したらしい。
「そ、そうだよね。ケーキなら、何時でも食べれるもんね」若干震えてるし
その後、あっちこっちの店を見て回り、待ち合わせ場所に向かうと、二人が待って居た。
ペコッと頭を下げるアンナちゃん。隣のアル君は何か生気の無い顔してる。さんざん説教されたのだろう
少し同情してしまう。
「二人とも、お待たせ。んじゃ行こっか」
スタスタと歩き出すアカリを追いかけて、私達も歩き出す。辿り着いたのは公園と言うよりも林に近い。
中央に広場が有りベンチも有るから公園なんだろうけど、とにかく木が多い。
広場に辿り着いた時には、辺りが少し薄暗く成って来てた。アル君とアンナちゃんはベンチに腰掛けて
足をブラブラしてたりする。
「そうだ、二人共パクッタ食べる。これね、この町の名物なんだ」
私がアイテムバックから、パクッタのいくつか入った箱を取り出し二人に差し出す。見た目はどら焼きみたいなんだけど、名前がパークタウンを略してパクッタとか、ネーミングセンスが絶望的だと思う。
「良いんですか、ありがとうございます」
嬉しそうにパクッタを受け取り、ほうばる二人を見ていて、やっぱりこの子達って外国の人かな。顔立ちが西洋ぽいんだよね。私の視線気付いたアンナちゃんが
「サツキさんも、食べます」
と、パクッタを差し出して来た。勘違いさせちゃったみたい。
「ありがとうね。私達お昼にいっぱい食べたから、大丈夫だよ。遠慮しないで一杯食べてね」
「ハーイ」と再びパクッタをほうばるアンナちゃん。
「そろそろ始めて大丈夫」
「アカリさん、ここで何するんですか」
アカリの言葉に、今だ警戒心を解かないアンナちゃん
「んとね、マニュアルに載ってない戦闘のレクチャーとかしようと思って」
「ヨロシクお願いします。もう手取り足取りガンガン教えてください」
ウェルカム全開で、満面の笑みのアル君
「ギブギブ」
無言でアンナちゃんにヘッドロックをかまされたアル君が、パタパタと暴れているのだが。
無表情のアンナちゃんがコワイ。何とか二人をなだめて視線でアカリに目で合図すると(ありがとう)と
アカリの口が動いたのが見えた。へへへ何だか嬉しい
「んじゃ始めるね」
アンナちゃん達は姿勢を正してアカリをジッと見てる。二人共良い子だね
「最初に初めての戦闘で、攻撃が当たらなかった理由なんだけど、この町の周りのモンスターはLV10位
有るから、LV差が有りすぎて攻撃が当たらなかったんだよ」
「エッ、それって私達どうしようも無いって事では」
アンナちゃんの声に元気が無い。って、アレ何でこの子達この町に居るんだろ。
「それについては、体験してもらってから説明するね」
「体験?」
私達三人の頭上には?マークが乱舞してたりする。ちなみに、私はアル君達と一緒のベンチに座ってアカリの話を聞いてるんだけど
「何で、そっちなのよー」と抗議するアカリに
「ガンバッ」
と両コブシを握って応援する私。正直アカリが、どんなレクチャーするのか楽しみなのだ。
「仕方ないナー」
話を進める気に成ったらしいアカリが
「ステータス画面開いてみて」
私達は、親指と中指をつまんで開きステータス画面を開くと
「そこに、HP MSP スタミナってゲージがあるよね」
「㏋は体力。MSPはマジックポイントとスキルポイント。マジックポイントとスキルポイントは同じ
ゲージ使ってるから気を付けて、でね、この二つはフィールドや町の中だと少しずつ回復してくんだよ。
特に町の中だと三倍の速さで回復するから、覚えて置くと良いよ」
フンフンと頷く私達
「んで、気を付けないと行けないのがスタミナ」
ここ大事だよ、と人差し指を前後に振るアカリ。
アル君たちを見れば、ステータス画面のメモ欄にカキカキ始めてる。
「スタミナはね、何もしなくても減り続けるんだ。スキル使うと、更に減る早さが加速するからスタミナ切れには注意が必要なんだよね」
なんか、この娘説明上手だなと感心する私。
「アカリさんスタミナがゼロに成ったら、どうなるんですか」
元気に質問するアル君に
「ゼロに成ったら動けなく成って、㏋が減り始めるんだよ。最終的には、死んじゃう」
「ちなみに死んじゃうと、ディスペナ(ディスペナルティー)くらうから、24時間イン出来なく成るの
結構キツイんだよね」
一生懸命説明してるアカリを見る、アンナちゃんの眼差しが変わって来た様な。
「一応スタミナが減るとリアルと同じで、お腹が空いた感覚はするんだけど、その時にはかなりヤバイ
状態に成ってるんだ」
「なのでスタミナ切れを起こさないように、携帯食持つことも大事なんだよ」
ちょっと休憩とアンナちゃんの隣に、腰掛けるアカリ。そこへ、一生懸命カキカキしてたアンナちゃんが
「アカリさん、ありがとうございます。私アカリさんの事誤解してたみたいです」
アハッ、大丈夫だよとパタパタと手を振るアカリ。
「んじゃ続きね」
休憩も、そこそこに立ち上がったアカリの顔が少し赤らんで見えた。照れてるみたい。
「もう一つは、ダンジョンに成るべく入らない事」
そう言えば私も入った事無いけど、何でだろう。
「理由はね、フィールドでモンスターとかにヤラレたら、復活するのは近くの町か村なんだけどダンジョンの場合はヤラレた所で復活するんだ」
アカリのとんでも発言にプチフリーズする私達。
「ちょっと待って、それってメチャメチャやばい話しだよね。下手したら出て来れなくなるんじゃ」
「そだよ、冒険者ギルドの探索者依頼の殆どは、それだと思うよ」
マジかー、確かにボス部屋とかで全滅したら大変なことに成りそう。
「だから、どうしてもの時はギルドにダンジョンの探索する事を報告する事」
確かに、報告しとけば助かる確率上がるもんね。アル君達を見れば、うんうんと頷きながらメモしてる。どうやら重要な事と理解したみたい。ちなみに、アル君のメモにはダンジョンの所に花丸が書いてある。
「次は実戦の話なんだけど、問題無かったら二人の職業教えて貰える」
人によっては、教えたく無い職業を選択する人もいるから、ちゃんと気を使ってるんだね。えらいぞー
「私が魔法使いでアルがシーフです」
アル君が話そうとしたのを、遮って発言するアンナちゃん。
(なんだよ、アンナ僕がアカリさんと話したかったのに)
(うっさい、アル)小声で喧嘩しだす二人。アカリの評価上がってるのかな
「んじゃアル君は私が、サツキはアンナちゃんお願いね」
アル君を連れ広場の奥に向かってくアカリ
スタスタスタスタスタスタスタスタスタ
「ちょっ、遠すぎない」
「危ないからー」
結構距離あるのにアカリの声は良く聞こえる。
「この辺で、いかな。始めよっか」「最初は説明になるからメモの用意ヨロシクね」
「ハイ、お願いします」
草むらに体育座りしてステータス画面を開くアル君。アル君声大きいなあー、それに元気だし男の子は元気が一番だよね。よきよきー
「まずは固有スキルの話しからね。固有スキルは専門職(自分が選んだ職業)が元々持ってるスキルで、例外は有るけど基本効果が変わる事は無いんだよ」
一生懸命書き込むアル君。空を見上げると、少し赤みがかって来てる。
あんまり時間無いかも、がんばれアタシ。
「アル君固有スキルの所タップしてみて。色んなスキル出てると思うけど、その中にウイークポイントて
有るよね」
「ハイ、ありました」
見上げたアル君の瞳が好奇心一杯の瞳に変わっていた。うんうん、これだよね変な大人の影響受けてた時よりずっとまし。お姉さん燃えて来た。
「ウィークポイントは相手の弱点の事で、他の職業にも有るんだけどシーフは、それが大きくみえるんだよ。理由は、ダガー系って他の武器に比べて攻撃が弱いから、それをカバーする為ためなんだ」
ポチポチと確認作業を始めたアル君に
「ごめんね、調べるのは後にして貰って良いかな」
「スイマセン。アカリさん」
注意されたのに驚いたようで、申し訳なさそうに見上げるアル君。
「ん~ん、あんまり時間無いからさ。それに、楽しみはとっとかないとだよね」
キツイ口調で言ったつもり無いんだけど、焦ってるのかなアタシ。気を付けないとだね。
「ハイ]
いつもの、元気なアル君の返事。良かった場の空気変わんなくて。
「んじゃ次はね、武器の話。全てのプレイヤーは普通の武器なら、なんでも装備出来るんだ」
「それって、どういう事ですか」
アル君興味津々のようで、メモするのも忘れてる。
「つまり、戦士にも魔法使いにも成れるんだよ。武器イコール職業って覚えれば分かり易いかも」
「武器を、持ち替えると職業も変わるって事ですよね」
理解早くて助かる。
「うん、その通り。ただね敵を倒しても専門職以外の武器だと、貰える経験値が少ないから最初の頃は
ダガー系がシーフの武器だからそれで、頑張る事をオススメするよ」
「アカリさん。戦士系の武器を使えば、戦士のLVが上がるって事ですよね」
「うん。そだよ」
良く出来ましたとアル君の頭を撫でて上げる。てっきりハグして来るかと思ったけどそれ処ではではないようで、めっちゃ興奮してる。大丈夫かー鼻血出すなよー。
「次は武器スキルの話しね。武器スキルはLV上がると効果上がるのも有るから、覚えといて。アル君ステータス画面を開いたままダガー構えてみて」
「こうですか?」
ぎこちなく構えるアル君。最初は皆そうだよね。
「アル君は今シーフのステータス画面見てるんだけど、そこにスキルって所タップして」
「あっ、バックステップて書いて有ります」
「それは、シーフがLV1で習得するスキルなんだ。スキルはね、発声しないと発動しないから」
「アル君、そのままの体制でバックステップって言ってみて」
「ハイ バックステップ」
唱えると同時にアル君の姿が、瞬間移動したかの様に後方に現れる。
「やりました。やりましたー」
笑顔でピョンピョン飛び跳ねるアル君。かわええーギュってしたく成って来た。
「大丈夫ですかアカリさん」
理性と本能のせめぎ合いで、プチフリーズしてたアタシを不安げにアル君が覗き込んで来た。
「大丈夫 大丈夫だから」
ヤバイ今のはヤバかった。落ち着けアタシ。ひきつった笑顔を浮かべるアタシに?マークを浮かべるアル君。
「えへへ、お姉さん気分良いから特別に良い事、教えて上げる」
「何です 何です」
目を輝かせるアル君。なんか、勘違いしているような。まっ良いか
「んじゃ、その体制のまま体を右に傾けて」
「こうですか?」
アル君がダガーを構えたまま、わずかに体を右に傾けると
「うん、そのままの体制でバックステップって唱えて」
「ハイ バックステップ」
今度はアル君が右に瞬間移動した。
「エッこれって?」
自分に何が起きたのか理解出来てない様なので
「バックステップはね、体を傾けた方向に移動出来るんだ。つまりスキルにも、アレンジを加えれる物もあるって事。スキル覚えたら、色々試してみるのも面白いと思うよ」
(なんか、うずうずしてるっぽい)
「今すぐ試したいの分かるけど、とりま先進むね」
はーい、と一生懸命メモしてるのでダガーは腰の鞘に収まっている状態。ホイッとアイテムバックから取り出した片手剣を渡すと、アル君の頭から?マークが飛び出した。
「アカリさん、今ステータス画面が戦士に切り替えわったのにダガー装備したままなんですが」
「うん。 バックステップって言ってみて」
素直に唱えると、剣を持った状態で後方に瞬間移動した。
頭の上の?マークが増えまくるアル君に
「ダガーはサブ武器でも有るから、他の武器と一緒に装備出来るんだ。それでねバックステップみたいに
手に持たなくても、装備してるだけで使えるスキルも有るって事だね」
「おおおおおお」めっちゃ感動してる。
「次にシーフの戦闘中の役割なんだけど、基本は敵の足止めや誘導しながらアタッカーが攻撃出来るスキを作るのが、お仕事。もちろん敵に攻撃出来るチャンスがあれば、やっちゃおー」
「やっちゃおー」
アル君も拳を突き上げて叫んでるし。
「新しいスキルが増えたら、スキル名をタップすれば説明出るから」
アタシの話しに鼻息あらいアル君
アタシも、そうだったなー、ワクワクが止まんないんだよね。
「んじゃ次は、スキルを使わない戦闘の仕方ね。ダガーの持ち方には、二種類あって・・・」
少し前に時間がさかのぼって
「大丈夫そうだね!」
アカリとアル君を凝視する、私とアンナちゃん
「怪しい行動したら、魔法ぶちかまそうと思ってたんだ」
アル君も吹っ飛ぶけど
「やっちゃて下さい」
アンナちゃんて、意外とアレだよね。
「こっちも、そろそろ始めようか」
「ハイ、よろしくお願いします。」
ペコリとお辞儀するアンナちゃん。なんか、先生に成ったみたいで興奮するかも。
「取りあえず魔法打ってみて」
私の言葉にハイと答え杖を構えると、ほんの少しの貯めの後、力有る言葉を唱えた。
「アイスニードル」
打ち出された氷の粒が木に刺さる。
「うん。ちゃんとマニュアル読んでるね。えらいぞー」
嬉しそうに笑顔を見せるアンナちゃん
「さてと、ここからは説明も入るからメモの準備してね」
ステータス画面を開いてメモの準備してる姿を見てると、この子って何かしっかりしてるよね。アル君がアレだからかな。と、授業授業
「それじゃー私がアイスニードル打つから見ててね」
力有る言葉によって打ち出された魔法は、公園の木を粉々に吹っ飛ばし、その後ろの木まで倒してたりする。
「オオ マイゴット。サツキさん今の何ですか、私と同じ魔法なんですよね」
なまの、オオ マイゴット初めて聞いた。私が感動に打ち震えてたんだけど、目の前で興奮しまくってるアンナちゃんをなんとかしないと。と我に返った私。
「それについて、説明するね。魔法の威力を上げる方法は二つ、一つは術者のLVを上げる事二つ目は魔法のLVを上げる事」
「魔法のLVですか」
そりゃ、疑問に思うよ。これマニュアルに載ってないんだから
「分かり易く言うと、アイスニードルにもLVが有って使うほどLVが上がってくって事」
「後ね、これもマニュアルに載って無いんだけど、魔法のカラ打ちしても魔法のLV上がるよ」
「それって、魔法職凄く優遇されてますよね」
アレ、声に元気が無い様な。さっきまでのテンションどこ行った。
「それは、例えば戦士はスキル無くても戦えるけど、魔法職はMP無くなったら戦えないから優遇されてるみたい」やっぱり元気無いよね。
「アンナちゃん大丈夫?」
アンナちゃんの前に、しゃがみ込み語り掛けてみた。
「ごめんなさい」
今にも消えそうな声。何が起きてるのか全然分からない、プチパニックな私
「私、町で聞いたんです。情報を得るには、お金が必要だって」
情報は個人でも売り買い出来るから
「ごめんね、私がマニュアルに載って無いとか言っちゃったから」
私を一発ぶん殴りたい。
「いえ、そうじゃないんです。アカリさんも、サツキさんも私達に凄く良くして暮れてるのに私なにも、お返しする事が出来なくて。ごめんなさい」
アンナちゃんが両手をパタパタして、勘違いをさせたのを恥じる様に顔を赤くしてる。
「そんな事、全然気にしなくて良いよ」
良かったー、私何かヤラカシタかと思ったよ。
「でも」と、うつむくアンナちゃん。まだ元気出ないかー。仕方ない
「アンナちゃん、アタシ達がこうしてるのわね。見返りが欲しくてやってるんじゃないんだー。ただね
その人が笑顔に成って暮れれば、それで十分なんだよ、ってアカリなら言うと思うよ」
私がアカリに視線を向けると、アンナちゃんもそちらを見て呟いた
「アカリさんが・・・私、お二人に出会えて良かったです。勉強頑張ります。よろしくお願いします。サツキ先生」
良かったぁ元気戻ったみたい。て、先生かあ。なんか、照れますね。
「さてと、続き始めるよ」
「ハイ、サツキ先生」
クウー、人に教えるの初めてだけど、何かクルものがあるわー。癖に成りそう。
「あのー、サツキ先生?」
涙目で感動してる私を見て、心配そうに見上げて来る。
「何でも聞いて 何でも答えるよ」
ハアハアしながら、にじり寄る私に、ドン引きするアンナちゃん。
「アカリさんみたいに成ってる」
その一言で我に返る私。あぶない あぶない、危うく人生踏み外す所だった。額の汗を拭いながら、次になに話そうかと思い悩んでいると
「先生質問」
ピッと手を挙げるアンナちゃん。どうやらサツキ先生と呼ばれると私が、大ダメージを受けると察して暮れたみたい。本当に、しっかりしてるよねこの子。
「あのー、魔法はLVを上げれば覚えれるんですか」
若干まだ警戒されてるっぽい。しっかりしろ私
「覚えないよ、習得の方法は二つ。一つは情報屋でレシピを買う方法。もう一つは自分でレシピを予想して合成してみる方法だよ」
人差し指を立て説明する私って、先生っポイ。先生っポイかな。
「初期の魔法なら、そんなに高くないから。でもね自分で作る方が、ずっと楽しいよね」
「レシピ 合成 作る???」
アンナちゃんの頭に?マークがポコポコ表示されだす。
まあ、マニュアルには載って無いから。てか、頑張れ、しか書いてないし。
「アンナちゃんステータス画面の、左下に家のマークあるでしょ」
「これかな、あっ研究室って出ました」
嬉しそう。少しずつ謎が解けてくのって楽しいよね
「ここで、合成するんですか。でも、合成の仕方とか載って無いみたい」
「えっと、今使える魔法が表示されてると思うけど、そこをタップしてレシピが出て来るから」
「出ました。氷の種と魔石って書いててあります」
「うん、それがレシピだよ。初級は○○の種プラス魔石って感じで、色々作れるから頑張って」
「ちなみに、素材はモンスターがドロップするから」
アンナちゃんの頭の上に有る、いっぱいの?マークが幾つか消えた。オッシとガッツポーズをする私。
すると、んっと首を傾けるアンナちゃん。再び?マークが増えたし。マジかー、こうなったら意地でも全部消してやる。
「とりま、今から色々説明してくから分からなかったら質問してね」
「ハイ」
一生懸命メモしてくれてる。よおおし、頑張るぞ
「魔法を習得するのを分かり易く言うと、まずレシピ予想して合成に成功したら、魔法が習得出来るって流れだよ」
って?マークが増えたんだけど。オノレー
(予想 成功それって)なんか、小さい声で呟き考え込んでるみたい。
「先生質問です。レシピの予想が外れたら合成出来ないんですよね。後、合成も失敗する事が有るって事でいいですか」
アレなんか、少し不機嫌なような
「サツキさん」
いきなり、名前で呼ばれたからびっくりした。
「レシピや合成の失敗って、リスク高いと思うのですが。これはサツキさんに言っても仕方ない事なんですけど。不公平だと、思います」
「そうだね。そう言う風に思えちゃうよね」
なるほど、それでオコだった分けだ。
「アンナちゃん。近接攻撃の人達って攻撃力上げるのに、どうしてると思う」
「それは、LV上げとスキルと強い武器だと思います」
「うん、その通りだよ。ただ、スキルはLVを上げてかないと習得出来ないから、手っ取り早いのは強い武器を手に入れる事なんだけど、そう言うレア武器ってなかなかドロップしないから何回もモンスターと
戦うことに成るんだよね」
「あっ」
察しの良いアンナちゃんは、私の言いたい事を理解したらしいションボリしてる。
もう理解して暮れたみたいだから、これ以上話さなくても良いかもなんだけど、一応話しとこうかな。
「もう一つはね、合成に失敗したら素材無くなるけど、近接戦闘の人もポーションとか色々準備してもドロップしなかったら・・・・」
「サツキ先生 私間違ってました。ごめんなさい」
ペコッと頭を下げるアンナちゃん、恥ずかしさで顔真っ赤だ。
「いいよ いいよ。みんなリスクは同じって、分かって暮れれば良いから」
「ハイ」
まだモジモジしてる。かわいいー後?マークが殆ど消えた。”勝ち”と心の中でガッツポーズする私
「そう言えば、サツキ先生の武器って私のと違いますよね」
いつの間にかサツキ先生に戻ってるんだけど
「私のは、ワンドって言うんだけど。せっかくだから魔法職の武器の説明しようかな」
「ハイ お願いします」
さすが、しっかりした子だね。もう気持ちリセットしてる。
「魔法職の武器は基本魔力を上げてくれる物なんだけど、種類によって効果が違うんだ」
「一番魔力上げて暮れるのが、杖、次がステックそしてワンド最後メイスって感じ」
「サツキ先生は何でワンド選んだんですか」
普通に考えたら杖を装備するのが一番なんだけど
「ワンドやメイスは打撃にも使えるから、私の戦闘スタイルには、これが一番合ってたんだ」
腰のワンドを引き抜いて、アンナちゃんに見せると
「変った形してますね。三日月みたい」
そう、私のワンドは先端に三日月が乗ってて、普通では見かけない形状をしてる。ちなみに、もう一つのとセットでドロップした物だったりする。
「なんか、剣の持ち手の部分みたいです」
そう言われれば、そんな様にも見えるかも
「変った形だけど、これ気に入ってるんだ」
ワンドに頬ずり私に、苦笑いするアンナちゃん。アレ頬ずりなんて普通だよね。私お風呂も一緒に入ってるけど変かな。まっ人それぞれだし、いっか。
「取りあえず、こんな所かな。分かんない事有ったら、何時でも聞いてね」
「ハーイありがとうございました」
ペコッとお辞儀して、ムギュっと抱きついて来るアンナちゃん。
アカリだったら失神してるかも。笑顔で抱きついてるアンナちゃんの頭を撫でながら、アカリが行った方向に目を向けると、夕日に照らされた二人が歩いて来るのが見えた。
アル君は、やたら元気なのにアカリは何かドンヨリしてる。とりあえず休憩しよって事に成り、私達は
テーブルの備え付けられてるベンチに腰掛けたんだけど、席の取り合いでケンカしだす二人。
アハ、又やってる。とりま、放置しとこう。アカリは、と見れば
「どっこいしょ」
と呟きながら、私の隣に腰掛ける所だった。かなりバテテルみたい。大丈夫と声を掛けると
「サツキさんや、アタシ頑張った」
弱々しくコブシを上げるアカリ。多分、教えるのに疲れたんじゃ無くて、いつもの病気が発動して、それを一生懸命我慢してたから、疲れちゃったって事かも。
それと口調がおばあちゃんぽくて、チョットかわいい。と、サワサワと風が吹き出した。私達は沈みゆく夕日眺めていたんだけど
「ん~風が気持ち良いよねー」
テーブルに突っ伏してたアカリが呟きながら顔を上げる。そんな夕日に照らされたアカリを見て、感嘆の声を上げるアンナちゃん。
「フワー綺麗 まつ毛長いんですねー」
言動と行動が怪し過ぎて忘れがちなんだけど、この娘凄い美少女なんだよね。今は夕日に照らされて美人度数がUPしてるから、私もステータス画面のカメラキーを使ってパシャ、結構撮り貯めてたりする。
その3秒後
「ウニャー」とテーブルに突っ伏すアカリ。美人タイム終了。
そんな空気を、読まないアル君
「アンナ食べ物持ってない。僕お腹が空いちゃった」
「ごめんね、私も持ってないんだ」
そんなーと、ションボリするアル君
「二人共チョット待ってて」
私が取り出したのはテークアウトした大量のプチケーキ。すっかり忘れてた
「なんですか、この量」
アンナちゃんも、驚くほどの量だったりする。
「こういう事もあろうかと、用意しといたんだ」(ウソです。ごめんなさい)
「遠慮なく食べて」
「わーい」両手にケーキを掴んで食べ始めるアル君に
「こら、アル、ちゃんとお礼言ってから、食べなきゃダメでしょ」アハすっかり、お姉さんだ。
「そうだ、私も紅茶用意してたんです」
そう言いながらアイテムバックから、ティーポットとカップを取り出すアンナちゃん。
「アイテムバックに入れてると、冷めないから助かります」
確かに、ポットから、沸かし立ての様に湯気が上がってる。
ちなみに、もめていた席順はアカリ私アンナちゃんアル君に成ってた。アル君文句を言うかと、思ってたらケーキを見て、どうでも良くなったみたい。男の子は食欲優先だよね。
アンナちゃんがカップに紅茶を注いで回り、アカリの所まで来て
「アカリさんも、どうぞ」
とカップに紅茶を注いで、そのまま私とアカリの間に腰を下ろした。どうやら、ここに座りたかったみたい。何気にアカリの顔を注視してたりする。アカリは、と言うと紅茶を一口してワーって成ってる。
「これ、美味しいネ。それに香りも凄く良い。ありがとねアンナちゃん」
「えへへへ」
今日一番の笑顔を見せるアンナちゃん
「アカリ ケーキ有るけど、食べる?」
私の一言にジーとケーキを見て
「うん、一個貰おかな」
昼間さんざん食べたから、適当に選んで渡すと、ありがとねって言いながら
それを両手で持ってハムハムと食べだしたんだけど。食べ方がリスみたい。それを見ていたアンナちゃん
「アカリさんて、食べ方カワイイ」
突然、直立不動になるアカリ。ビックリして、それを見上げる私とアンナちゃん。そして、ケーキにパクつくアル君。さらに直立したアカリのホッペがプクッと膨らんだ。どうやら、ケーキを無理やり口にねじ込んだみたい。
「バンナちゃん、もっがい言って」
振り返ったアカリを見て、吹き出す私とアンナちゃん。限界までホッペタを膨らませ、口の周りにクリームを付けたアカリが、アンナちゃんに更ににじり寄って来る
「アカリさん アカリさん降参です。降参」
すでに、腹筋崩壊レベルで大爆笑してたアンナちゃん。これ以上は命にかかわると、即座に白旗を上げるのだった。
「ザツキー」
アンナちゃんの言動が理解出来ず。私に泣きついて来た。
「ハイハイ分かったから。取りあえず紅茶飲んで、落ち着こうね」
一気に紅茶を飲み干してプハーってやってる。
「口の周りも、クリームいっぱい付いてるよ」
んっ、と私に顔を突き出して来る。なに私に拭けって言ってんの、そんな子に育てた覚えないんだけど。まあ拭くけど。
「アンナちゃん」
と再び、にじり寄るアカリに
「ヒー」
と、後ずさるアンナちゃん、さっきの光景がフラッシュバックしてるのかも。ベンチに座ってるから後ずさってないんだけど。気持ちは分かる。
「ナナナ、ドド どしたんですか」
もはや、恐怖LVに達しているのかカタカタ震えてるし
「さっきの、もっかい言って。もっかい」
さっきのと、首を傾けるアンナちゃん。
「アタシのケーキの食べ方がって所」
あー、その事と胸をなでおろす。少し冷静になれたみたい。
「アカリさんの食べ方カワイイなって」
途端にヒャッホーと両手を突き上げ、飛び上がるアカリ
「やったよ やったー。生まれて初めてカワイイって言ってもらえたー」
ピョンピョン跳ねてるし
「アカリって、カワイイって言われた事無いの。もしかして、リアルでも」
「うん。だからスッゴク嬉しい」
良い汗かいたと、汗を拭きながら戻って来る。
(アカリさんて、あんなに美人なんだから気にしなくていいと思います)と、アンナちゃん。
(アカリはね、美人て言われるよりカワイイと言われる方が100倍嬉しい娘なんだよ)
(はあっ?)理解するのは難しいかも、私も幼く見られてるみたいで嫌かな。
「サツキ。アタシ、これからケーキ食べ続けようと思うんだ。そしたら又カワイイって言って貰えるかもだし」
アカリの発言が理解出来ないのだろう。アンナちゃんの頭に、デッカイ?マーク飛び出してる。
「うーん。プクプクに成って、カワイク無くなるかもだけど良いの」
「あうー」良い考えだと思ったのにナーと、テーブルに顔を乗せて溜息するアカリ。
(アカリさんて、たまに、おバカですよね)アンナちゃんの呟きに
(たまにじゃ無くて、常にヨ)私の呟きにアカリの耳がピクピク反応してる。
「なによ、内緒話しとかダメなんだぞ」
テへへと誤魔化し笑いする、アンナちゃん
「アカリはカワイイなって、二人で話してたんだよ」
「そーお、なら良いや」
どうやら、さっきのでテンション使い切ったみたい。そう言えば、隣が静かだなと思ったらアル君が居ない。回りを見たら、少し離れた場所でダガーを構えて色々やってる。
もう夕日も沈んで、昇り始めた月明かりで何とか周りが見えるくらいなので、そろそろ終わりかなと思ってたら、公園の中心が光だした。
「アンナちゃんアル君呼んできて」
アカリの言葉に、アンナちゃんも今起こっている現象に気が付いたのだろう、アル君の元へ走っていく。二人が私たちと合流した頃には、周りの木々までが光り出した。
この尋常じゃない光景に、私はワンドを構え辺りを警戒していたのだが、アカリが手で制して来た。
「大丈夫だからサポートだけ、お願いネッ」
アカリの言葉に反応するかのように、林の中からガサガサと音がしだす。
「アカリ 何か居る」
私の言葉にガッシと、しがみついて来るアンナちゃん。そりゃ、怖いよね。
「そろそろだね。アル君アンナちゃん戦闘準備」
アカリの言葉に「ハイ」とダガーを構えるアル君。?マークを浮かべながらアイテムバックから、杖を取り出すアンナちゃん。その時林から、大きなイモムシが這い出して来た。
「ヒッ、アカリさんモンスターが居ます」
驚きながらも、杖を構えるアンナちゃん。
「慌てないで。モンスターをタップして」
アカリの言葉に
「出ました。名前イモムシ君LV3って、アレ」
「来るよ。アル君は足止めとカクラン」「アンナちゃんは、スキを狙って魔法打って」
アカリの言葉に、駆け出す二人。サポートの意味が理解出来たから、私も状況を見守る事にした。
「アンナ、僕が合図したら、魔法打って」
正面から突っ込んでくアル君。
「うん、分かった」
アンナちゃんが杖を構え、射出体制に入る。
自分に向かって来るアル君に気付いたイモムシ君が、迎え打とうと上半身を持ち上げるのだが、そこに少年の姿は無く、いつの間にか左に移動している。まるでスライドした様に
「アンナ、今」「うん」
打ち出された魔法が、イモムシ君に突き刺さる。だが一撃で倒せる威力は無かったが、体制を崩すには十分だった。そこへ、アル君の一撃が突き刺さり霧散していくイモムシ君。
それと同時に、アイテムや銅貨がパラパラと地面に落ちて来た。
「やったー」「やりましたー」
と嬉しそうに、私たちの元に走って来た二人。見て下さいと、差し出されたアル君の小さな手のひらには、数枚の銅貨と何かの種。それを覗き込んでたアンナちゃんが
「それ、火の種だね。アルこれ貰って良い」「もちろんだよ。銅貨も半分こしよ」
「うん、ありがとう」
アンナちゃんは、種をつまむと大事そうにアイテムバックにしまって
「アカリさんが、ここに来た時言ってた体験て、この事だったんですね」
「うん、そうだよ。この公園は間違って、この町からスタートしてしまった人の為の、救済措置だと思うんだ」
それで、モンスターがあんなに弱かったんだ。
「最初から話すとネッ、アンナちゃん達二人は本当は、ここから歩いて一日半掛かる、始まりの町からスタートするはずだったんだよ」
そうだよね、私も始まりの町だったし。
「実はアタシも、この町からだったから」
なんだろう、この話をしだしてからアカリの元気が無い様な。
「アカリさんもだったんですね。でも、町の人は何も教えて暮れませんでしたけど」
「アタシが、この公園に気付いた時にね、町の人にお願いして回ったんだ」
「アタシみたいな、新人の子を見かけたら公園の事教えてくださいって」
「そしたら、情報屋の主人が怒って来て。公園の事広めれなく、なっちゃったんだよ」
「ただね。情報屋さんの言ってる事も間違って無くて。情報屋は情報を売るのが商売だから、アタシは
その邪魔をしたって事に成るんだよね」
当時の事を思い出したのか、少しうつむき加減に成ってる。
(情報屋が文句言って来たって言ってたけど。その時ってアカリ成長系って言ってたから、アンナちゃん
と同じ幼児体系だったんだよね。そんな子に文句言って来るとか、信じられない。なんか、私ムカムカして来た。てか、ムカムカして来た。もしかしてアサシンギルドに依頼したのも、ん?そう言えばアサシンギルドってイヤイヤ、この話は今する事じゃないね。宿屋に帰ってから聞こう)
アンナちゃんも
(もしかしてアカリさんて、情報屋に邪魔されるかもしれないから公園の事、最後まで話さなかったんじゃないのかな。そう考えると全てのツジツマが合って来るもん。アカリさんて、凄い人なんだな。
しかも、あんなに優しい人にとか、情報屋許すまじ。私の恐ろしさを、思い知らせてやる。取りあえず
サツキさんに相談してみよう)
私が、色々考えを巡らせていると、クイクイッとアンナちゃんに袖を引かれた。
(サツキさん、ちょっと良いですか)
(どうしたの)
(サツキさんて、爆破系の魔法使えます)
(いくつか、使えるけど)やったーと歓ぶアンナちゃん。"え"何で
(アカリさんに、町中で魔法使えるか聞いて貰っても良いですか。私が、聞くとアレなので)
て何か、物騒な事を言い出してるんだけど。この子。取りあえず聞いてみるか。
私たちが急に黙り込んだので、どうしたんだろうと?マークを浮かべるアカリに
「アカリに聞きたい事、有るんだけど」
「なに、どうかした」
と首を傾けると?マークも一緒に揺れてる。どうなってるんだろう。
「たとえば、たとえばだよ。町中で魔法使えるのかなと」
それを聞いたアカリは全てを察したみたいで
「ハアー、あんた何考えてるの、そんな事したら、この町出禁になるよ。魔法は使えるけど、使った人の
名前調べれるシステムに成ってるから、やっちゃーダメ」
アカリかなりオカンムリのようだ。仕方ないアンナちゃんと、もう一度相談しますか。
(あの子たち、ひそひそと何話してるんだろう。大体想像つくけど。なんか、とんでもない事しそうで
怖いんだけど。「おぬしも悪よノー」とか聞こえて来るし)
そう言えば、アル君はと見ればベンチに座ってケーキ食べてた。シーフはスタミナ消費凄いもんね。
(サツキさん、私良い事思い付きました。この公園に情報屋のオヤジ呼び出して爆殺するのは、どうでしょう。ここならバレないかもしれませんし)
お願いだから、目を輝かせて物騒な事言うの止めて欲しい。
(呼び出すにしたって、どうやって)
(私の色気で)
と胸を張るアンナちゃん。そりゃ、私はツルのペッタさんだから色気なんか無いけど、幼児に、私がとか言われると流石にショックなんですが。
突然、元気を失って死んだ目に成った私に察しの良いアンナちゃんが
「大丈夫ですよ。まだまだ、これからじゃないですか」
とトドメを刺して来る。私、成長系じゃないんだよね。動かなく成った私の肩を掴んでアンナちゃんが
「サツキさーん。帰って来て下さーい。今は、そんな事気にしてる場合じゃないんです」
と揺さぶりだす。そこへ、ケーキを食べ終えたアル君が
「アカリさん。僕、公園の事広める方法思い付きました」
「エッ」「マジ」「アルー」三者三葉の反応に
「話し聞かせて暮れる」
アカリがアル君の前にしゃがみ込み、私たちもアル君の前に集まった。
「えっと、冒険者ギルドに依頼を出すんですよ」
緊張してるのかな。人前で話すの大変だもんね。
「依頼内容は、公園のLV7以下のモンスター2000匹討伐、報酬は銅貨10枚」
「これなら、誰も依頼受けないから、ずっと掲示板に貼られたままに成ると思うんです」
「後は町の人に、新人見かけたら冒険者ギルドに行く様に言ってもらえれば」
「後、情報屋からも文句は言われ無いと思うんだけど」
一気に話した後、自信がないのか不安そうにしてる。私たち三人は、驚いていた。遊ぶ事と食べる事優先のアル君が、ちゃんと考えて暮れてた事に。しかも、アカリが思い悩んだ事が解決されているのだから
「アル凄い」と抱きつくアンナちゃん
「やるじゃん少年」私もサムズアップを送る。そして、アカリは、
「ありがとう 本当にありがとうね」と泣いてる。
「アタシずっと心に刺さってたんだ。でも、やっと、えへへへ」
泣きながら笑顔を浮かべるアカリの頭を「よかったね」と撫でてやる。
「アンナ離れてよ。僕ハグされるんなら、アカリさんが良い」
相変わらずのアル君。スッと離れたアンナちゃんにドロップキックされてるし。その時、林の奥でガサガサと音がしだした。
「二人共二回戦目始まるよ」
アカリの声に、武器を構える二人。どうやら、あのガサガサが、戦闘の合図みたい。そして、現われたのはイモムシ君2体。
「アカリさん2体も居ます」
不安そうなアル君の声に
「慌てないで。LVの低いモンスターは、直ぐに襲って来ないから」
こっち、おいで~と二人呼び寄せる
「とりま簡単なレクチャーするから、しっかり聞いてね」
私も何か有った時の為にスタンバっとこ。
「まずアル君、敵が複数の時は、全ての敵を自分に引き付け、アンナちゃんの安全が確保出来る所まで誘導そして、かく乱スキを見て攻撃。こう言う流れでやてみて」
「アンナちゃんは、アル君の作った僅かなスキを見逃さないで魔法を当てて行く事。ただし、魔法は
必ずクールタイムが発生するから気を付けて」
「最後に、慌てて敵を倒そうとしない事。冷静にやれば、あなた達なら勝てるから頑張って」
「ハイ」
アカリの言葉に、すっかり元気な二人。
「アンナ、やっちゃおー」「おー」」と駆け出す二人。
結果、戦闘はアッという間に終わってしまった。アカリの教え方と、二人の連携が良かったからだと思う。そして、戦闘を終えて帰って来た二人に
「もう大丈夫そうだから、アタシ達。そろそろ帰ろっかと思ってるんだけど。二人はどうする」
「僕たち、もう少しやってきます」
隣でアンナちゃんが「やっちゃうぞー」って、片手を突き上げてる。
「うん、分かったよ。んじゃアタシ達帰るけど、スタミナには気を付けてね。後、モンスターはアル君達のLVが7に成ったら、アイテムや経験値くれなくなるから」
「ハイ、ありがとうございました」
お辞儀する二人に、それじゃあと帰ろうとすると私たちにアンナちゃんが声を掛けて来た。
「アカリさん サツキさん」
振り返った私たちに、俯いたままのアンナちゃん。隣のアル君はアンナちゃんに、任せているのだろう黙ってこっちを見てる。
「あの、アンナちゃん」
声を掛けた私をアカリが制してくる。
「アンナちゃんはね、きっと一生懸命、言葉を紡いで暮れてるんだと思うよ。だから、待とうよ」
「うん、そうだね」
しばらくして、どうやら整理が出来たみたい。
「アカリさん サツキさん、実は私たちこの国の人間ではありません」
やっぱり、そうだったんだ。
「私たち、ネットで日本の事を色々知りました。難しくて上手く言えないのですが。日本の方が他の方に対する優しい言葉や行動を見た時、会ってみたいって思ったんです。でも、私たち子どもで日本に行く事は叶わないので、このゲームの日本サーバーに来たら、日本の方と触れ合えるんじゃないかと」
そうだったんだ。時差とか有るのに頑張って暮れてたんだね。
「それで、お二人に出会えた分けなんですが。サツキさんは、とにかく優しくて私がゲームが不公平だって腹を立ててた時も、親切で丁寧に教えて暮れたじゃないですか。私凄く感動したんです。日本の人って、思った通りだったって」
面と向かって言われると、メチャメチャ恥ずかしい。私なんかしたかな?
「アカリさんは、最初出会った時はアー日本にも、こんな人居るんだって感じだったのですが。同じ時間を重ねてく内に、その思いはドンドン変わって来たんです。それこそ情報屋を敵に回すLVで何でも教えて暮れた事にも驚いたのですが、モンスターと戦った時のアルを見て、よほど丁寧に教えないと、あんな動き出来ないよねと」
(ごめんなさい、色々我慢してたので全然覚えてません)
「一番驚いたのは、アルがギルドの掲示板の話しをした時です。どうせ子供の話しだから、たいした内容じゃないだろうと思う人が多いと思います、実際子供なのですが。私も、そう思いました。でも、アカリさんは、真剣に話を聞こうとして暮れて。それが凄く嬉しくて、やっぱり」
アンナちゃんが、そこまで話した時
「ごめん、アンナちゃん。その辺で勘弁して」
顔を赤くして両手の平をパタパタするアカリ。そんなアカリの仕草にクスッと笑って。
「アカリさん、かがんで下さい。」
褒められ過ぎてプシュー成ってるアカリは、言われるままにかがみ込むと、アンナちゃんとアル君に両のホッペにキスされた。その時"ビキッ”と音がしてアカリ石化してる。そして、私の元へ来てサツキさんもと、ささやくアンナちゃんに、仕方ないなとかがみ込む私にもキスしてくる。アル君は私の前で何かモジモジしてるんだけど。そう言えば、アル君て私に、あんまり絡んで来ないよね。もしかして、お胸のせい?とドンヨリしだした私に、
「サツキさん。アンナの事ありがとうございます」
ペコッと頭を下げるアル君。
「僕アンナが、こんなに人に懐くの初めて見たんです。だから、二人の邪魔したくなくて」
そうだったんだ。良かったー、お胸のせいじゃなくて。話してる内に恥ずかしくなっちゃったんだね。
俯いちゃってる。アル君の頭を(よく頑張りました)と撫でてやる。
「テへへ」と笑うアル君。そして、アンナちゃんがボソッと呟いた。
(サツキさん。アイツの事は、後で相談しましょう)
アイツって、情報屋の主人の事だよね。何か扱いが、ドンドン雑に成ってる。
(その事なんだけどアカリも、もう気にしてないみたいだから、今回は許して上げようよ)
(サツキさんが、そう言うなら仕方ないですね)
微笑むアンナちゃん納得して暮れたなら、良かった。でも、あの笑顔が何故か怖かった。そして、石化の解けたアカリを連れて私達が去った後
「アル、私決めたわ。日本に行ってアカリさん達に会いに行こうと思うの」
「その為には、有名に成ってTVで呼び掛けようと思うの」
「アンナさま。王族なんだから、もう有名人じゃないですか」
「ダメよ。それじゃあ気楽にお話し出来ないじゃない」
「有名人に成っても、同じだと思いますが」
「そっかー。仕方ないアル諜報機関に連絡して」
「アンナさま。それ、一番やっちゃーダメなヤツだと思います」
「あなたが動くと国際問題に発展しそうなので、時間は掛かりますが僕が、なんとかしてみます」
「そお、ならアルに任せるわ。後、口調を元に戻して。何か調子くるうから」
「分かったよ、アンナ」
「うん、それじゃあケーキ食べて次の準備しよ。それにしても何でこんなに買ったのかしら」
こうして、二人の夜は更けて行ったのだった。
私達が、宿屋に向かって歩いていると
「ねえ、サツキ。アタシ明日死ぬのかな」とデレっとした顔で聞いて来る。
アンナちゃん達と別れてから、ずっとデレデレしてるアカリが時折りキスシーンを思い出したのだろう。
町中で「ムヒョー」とか言って飛び跳ね出すのは、本当勘弁して欲しい。そして、少しムカついたので。
「今日じゃないんだ」
「エッ」
「アカリ、お決まりの顔を洗わないとか言わないわよね」
「言う訳ないじゃん。次の為に、徹底的に清潔にしとかないと」
「サツキ。私ナイロンタワシって使った事無いんだけど、なんかTVで汚れがゴッソリ落ちるって言ってたんだけど、どおかな」
「どおかなって、あんたTV付けっぱなしで、雑誌とか読むタイプでしょう。そんなの使ったら、汚れと一緒にホッペの皮もゴッソリ落ちると思うよ」
「そもそも体洗う為のじゃないから」
何故か、感心した目で私を見てくるアカリ
「サツキって、物知りさんだ」
この娘、たまに常識知らない所有るけど、お嬢さまなのかな。
宿屋に付き、食事を終えた私達は部屋でくつろいで居たんだけど。私は公園での疑念を、アカリに聞いてみる事にした。
「アカリ、アサシンギルドの事聞いていい?」
とたんに、部屋の空気が一変した。アカリも不機嫌そうな顔してる。
「何が聞きたいの」なんか言い出し難いけど
「アサシンギルドって、Pkの依頼受けたり出したりしてるけど、PKてさ、ターゲット倒してディスペナと装備一つ落とすだけだよね」
「なのに、凄い報酬出してるよね。依頼主が、そんな大金出す理由が分からないんだ」
「サツキ」 アカリが私の目を真っ直ぐに見て、話し掛けて来た。
「何」 聞いちゃ、いけない事だったのかも。アカリが何時に無く真剣だ。
「アサシンギルドはね、一人のターゲットに対して複数の人に依頼を出すんだよ」
「それって、意味無いんじゃ」
「理由は、一人に同じターゲットを何回もPK依頼出したら、罪悪感で止めてしまうから複数の人に依頼を出してるんだよ」
「つまり、ターゲットがINしなくなるまでPKが続くと言う事なんだ」
そこまで話してアカリが、かなり腹を立ててるのが分かった。
私も、あまりの重い話に驚きを隠せないでいた。
「ごめん、アカリ。興味本位で聞いていい話じゃ無かったね」
「ん~ん。ただね、このゲームは楽しい事だけじゃないって分かって暮れれば良いよ。ゲームなのにね」
少し機嫌が直ったみたいなので、もう一つ聞いておかないと。
「アカリってさ、凄い賞金掛かってるのに一回も襲われ無いよね。その理由聞いても」
途端にニコッと笑うアカリ。何この反応。
「簡単だよ。アサシンギルドの人が襲って来たら、そのギルドのアジトをアタシ潰しに行くから」
「アカリ一人でって事」
「そだよ、もう二桁は潰してるかな。だから、余程の手練れを手に入れない限り、襲って来ないと思うよ」
この娘とんでもない娘だ。話しは終わりとばかりに、気分転換にと腰の宝剣の手入れをし出したアカリ。
「ねえ、アカリってLV高いんでしょう。何でこんな所にいるの」
フレンド登録しても、LVは分からないけど装備を見れば、大体の想像は付く。アカリはLV40以上
行ってるみたい。
「んとね、このこの相方を探しに来てたんだ」
アカリが手入れしていた宝剣を私の前に差し出して来た。近くで見ると全体的にピンクっぽく、そこかしこに散りばめられた宝石と相まって、これぞ宝剣て感じ。普通武器として使わないんだけど。
「これってレア度高いんでしょ。ここの低LVのモンスターがドロップするとは思えないんだけど」
「サツキって、モンスターがコインやアイテムドロップする理由知ってる」
「エッ、運営が設定したんじゃないの」
「それも有るんだろうけど、アタシが聞いたのはモンスターがコインやアイテムを食べるって話し。
しかも、好みが有るから特定のアイテムをドロップし易いみたい」
見るからに高そうな宝剣を見て、どうにも信じられないんだけど。
「ちなみに、このダガーはピンクのホーンラビットがドロップしたんだ。で、狙ってるのは青いホーンラビット」
「そんなの居るんだ」
「うん。モンスターのレア度が高いから、滅多に居ないんだ。三匹は倒したんだけどドロップし無かった
んだよトホホ」
三匹出会っただけでも、十分凄いと思うけど。
「そうなんだ。それで、この町に」
「うん。小さな目的はね」
「小さな目的。他にも有るって事」
「この町に来てた理由って分けじゃないんだけど、このNEXT STAGEってリアルでの接点持とうとすると
警告音が鳴ったり、アカウント消されたりするじゃん。ここって、ある意味閉鎖空間なんだよね」
そうなんだよね、そこん所徹底してるよね。何でだろう。
「サツキって、この世界に大切な人居る」
「いきなり、どうしたの。私ソロだったから、そう言う人は居ないよ」
なんか、アカリがションボリしてる。
「そっかー。もしも大切な人が出来て一年間会えなかったら、悲しいよね」
「だから、アタシの大きな目的は、このゲームがいきなり閉鎖する理由を調べたいんだ」
私は基本ボッチだから、そんな事気にした事無かったけど、この娘って本当に良い子なんだな。そう思いながら、ついマジマジとアカリの顔を見てしまった。
「ん、何アタシに惚れた」
「んな分け有るかー。今日は、もう落ちるから。おやすみー」
私は、気恥ずかしさでアカリの返事も待たずにログアウトしてしまった。
ヘッドギアを外し、明日も、あの娘に振り回されるんだろうなと思いながら眠りに付いたのだった。
(ログアウトの履歴で分かったんだけど、私夜の8時にログアウトして寝ちゃってたみたい)
・・・つづく




