思い付き
始めて書くのでいろいろご容赦ください。
人間は考える葦である
要するに人間は弱く思考を凝らす存在だということだ。
だがどうだ、今の俺は。大学三年の春休み、やることもなくひたすらにネットサーフィンをしている。
果してこれを人間と言えるのか。全く思考していない。
このままではいろんな意味で腐ってしまう。時間を持て余した男一株は珍しく考えている。
つまり、要するに、端的に、結論を言うと、、、
暇だ。
とはいうものの、今日は珍しく飲み会がある。夜は用事がある。しかしそれまでは暇だ。何か刺激的で達成しがいのある目標を立てようと思ったが、そんなことができるならもうやってる。おとなしく夜を待つ。
電車を駆使し、片道一時間半かけて東京都市部まで向かう。神奈川県民と埼玉県民が飲むことになればその中間の東京に向かうのは当然である。決して東京に憧れているわけではない。
待ち合わせ場所の新宿駅前まで向かえばもう待ち合わせ相手の男がいる。
「相変わらず早いね、インターンでちょっと早く来たのに同じくらいに着くなんて」
『時間に遅れる社会不適合者じゃないのだよ』(俺の前で就活の話をするな、頭が痛い。)
適当な会話を交わしながら居酒屋まで向かう。男二人で行く店なんて安ければどこでもいい。
早々に通されさっさと酒を頼んだら、つまらない話が始まった。
「コウヤは就活しないの?」
『四年からでいい、あんなめんどいの誰もやりたくないし話したくもないんだから』(またかよ)
「確かにユウナくらいしか話聞かないな」
『ユウナの話だったらもっといい話あるだろ』(違う話しろ)
「あー、彼氏ね?最近は特に仲いいよねあの二人。もういじるのも飽きたけど」
付き合って一年半の彼氏がいる。幸せそうで。彼氏の方にも話を聞けば結婚まで考えているらしい。働いたこともない餓鬼が何をほざいているのか。
正直言ってこのカップルが気に食わない。彼氏は人を見下したマウント発言しかしない。彼女は彼氏の愚痴をさんざん言うくせにデレデレ。もううんざりだ。この二人の話はもう別れた報告とその後の鬱になっている話しか聞きたくない。
『あの二人別れた?』
「いや別れないでしょ。お互い結婚まで考えてるんだから。喧嘩ばっかなのに別れないってことはそういうことでしょ」
昼にあんなことを考えたせいだ、どうせ暇で時間はある、学校が始まってもそこまで忙しくはならないだろう。
多くのことが都合よく重なった。
あの二人を別れさせたらおもろいだろ。
怠惰な俺に目標ができた。