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連絡先を交換できません

はじめまして、かなまるです。

まずは興味を持って頂きありがとうございます!

小説を書くのはかなり初心者なので至らない点が多いと思いますが読んでいただけたら幸いです。

今日は高校の入学式。


中学生の頃はあいつに邪魔されてまともに恋愛できなかったからな………

高校生らしく恋愛して青春を謳歌したいところだが………


「どうしたの?なんか悩んでそうな顔してるよ?もしかして緊張してる?!大丈夫だよー!

たっくんに近づいてくる女は私がみんな呪うから!」


まぁ無理だろう。俺には2ヶ月前に下校中の交通事故で死んだ、俺のことが好きだった幼馴染が取り憑いている。


「お前のこと考えてたんだよ……」


「え!ほんと?!嬉しいな〜///」


正直こいつはかわいい。

”黙ってれば”好きになったかもしれない。


「呪うとかそういうこと絶対すんなよ…あとなんで俺が行く高校の制服になってんだ?前まで中学校の制服だったよな?」


「イメージしたらできたんだ〜、せっかくなら一緒にしたいじゃん!」


「幽霊ってそんなこともできるのかよ…他に何できるのかこえーな。」


「ご要望とあればもっと布面積少なくしてあげるけど?///」


「はぁ……ちょっと聞きたいことがあるんだけどいい?」


「え?何?」


「今俺たちが話してるここどこだっけ?」






「トイレ」







「そうだよね…ここトイレだよね?」


すっとぼけた表情でよくそんな事言えるな。


「いいじゃん、もう2ヶ月もたってるんだよ?

いい加減慣れなー?」


尊厳破壊もいいところだ。


「だって朝忙しいからここしか話せるタイミングないじゃん…私はいつでもいいけどたっくんが嫌なんでしょ?」


レイは俺にしか見えない。

家族の前で話せば、俺は1人で話してるように見える。



「早く出すもん出して学校行こ!」


「出るもんも出ねぇよ…!」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

支度を終え、いよいよ高校生活が始まる。

母さんに声を掛けて家を出る。

「行ってきまーす。」


「行ってらっしゃい。昼前には帰ってくるんだよね?」


「うん、そう。」


「気をつけてね。」


「行ってきまーす!」

レイも手を大きく振りながら言った。


そして俺は玄関を出た。


「じゃあ安全運転でお願いしまーす!」


レイは自転車の後ろに横向きに座った。


「レイは幽霊なんだから飛べるだろ?」


「飛べるけどここに乗りたいの!だってこの席は誰にも譲る気ないから。」


「頼むから学校では大人しくしててくれよ。」


「何も無ければねっ!」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

受験以来の高校に着いた。

昇降口のすぐ前にクラス分けと連絡が貼ってあった。


えっと…俺は4組か。まずは体育館で入学式をやってから各クラスに移動と。


「お!あぜっち!」

門の方から俺を呼ぶ声がした。

俺をあぜっちと呼ぶのは1人だけだからすぐわかった。


「おはよう。遥斗(はると)。俺ら同じクラスだったぜ。」


「え!まじ?!」

「良かった〜、俺らの中学からここ来るやつ俺とあぜっちだけだもんな。」


「私をいまーす……」


「高校じゃ恋愛できそうか?お前顔いいからな!」


「絶対彼女作ってやるよ!今日にでもかわいい子と連絡先交換するからな!」


遥斗は中学からの関係だが1番仲がいい。

きっと幼馴染が死んだ俺を気遣って、明るく接してくれてるんだろう。

心配させないためにこう言ったが、こいつが邪魔しないわけが無い。


「は?おい拓弥。絶対させねーぞ?分かってるよな。そんな女呪うぞ?」


あー……希望のカケラもない。



遥斗と体育館に向かった。


「あぜっちは相変わらず最前列だな。」


「”あ”からだから仕方ないな。もう慣れてるよ。」


「寝るんじゃねーぞ?」


「最前列じゃなくても寝るなよ?!」


俺は前に座って、一旦遥斗と分かれた。


遥斗が離れるのを待っていましたと言わんばかりにレイが話しかけてくる。


「別に寝ちゃっててもいいよ?私が誰にも文句言わせないから!」


まだ近くの席には誰も来ていない。

周りに聞こえない小声で返す。


「ちなみにそれはどうやってやるんですか…?」


「体を乗っ取って……屋上行って……」


「待って…!絶対ダメだよ?!俺がこれから通う学校で事件起こさないで!!」


どうしてそんな平然とした顔でこんな事を言えるんだ…

幽霊になっておかしくなったか?

いや、もともとこれくらいだったかもしれない…




10分くらいして入学式が始まった。


順調に式が進む。


「校長先生の話。校長先生お願いします。」


「退屈だねー。私とお話ししようよっ!」


(周りからすれば独り言にしか見えないんだぞ?

早速俺の居場所が無くなると思うんだが……)


「起立。気をつけ。………」


(隣の人の様子がおかしい。なんかふらついてないか?)


「礼。着席。」



!?



隣の女子が倒れてきた。

(やっぱりだ!貧血か何かか?!)


こっちに倒れてきたなら受け止めるしかないな…


俺は両手を前に出して構えた。





「はいストーップ。」





さっきまで完全に俺の方に倒れてきてた女子が、まるで後ろから突き飛ばされたように前に倒れた。

いや、実際レイが後ろから突き飛ばした。


「え?」


最前列で人が倒れたから、すぐに先生達が集まってきた。


「大丈夫?!どうしたの?」


「……………………………」


「誰か担架持ってきてください!」


体育教師っぽい人が走って体育館横の担架を取りに行った。



「偶然を装ってたっくんに抱きつこうとするなんて………!もう大丈夫だよ!安心して!」



(いや…え?嘘だろこいつ…倒れた子思いっきり顔から行ったから鼻血出ちゃってるよ…)


目の前で見ていた校長先生なんて何が起きたか理解できずオロオロしてしまっている。


「まさか早速たっくんを狙うやつがいるなんて…油断出来ないね。」

ひと仕事終えたようなドヤ顔で言った。



あとで塩でも撒いてやる。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

入学式が終わってクラスに集まった。

「じゃあまずは自己紹介からやろうか。名前の順で畦地拓弥(あぜちたくや)くん。」


「はい。」


「畦地拓弥です。趣味は読書です。部活はバドミントン部に入ります。これからよろしくお願いします。」


当然のように一緒に出てきたレイが言った。

「無難だね〜…つまんないよ?それに読書してるとこなんて見たことないんですけど?」


(1番最初の自己紹介はこんなもんの方がいいんだよ。あとが楽になるだろ。)


「おいお前ら!よく聞け!」


レイが大声で話し始めた。


「私は香月(かつき)レイ、こいつは私の男だ!手出したら呪い殺すからな!」


(もう止められない。まぁ俺以外には誰にも聞こえていないんだ。好きに言わせておこう……)


「大事な事だから何回でも言うぞ!こいつは私の男だ!手出したら呪い殺すからな!」


(もうやめてください…!お願いします…!)


改めてこんな騒がしいやつが憑いてて正気でいられる自分は本当によく耐えてると思う。


「今井さんは今保健室行ってるから一旦飛ばしましょう。続きお願いします。」




そして自己紹介は終わり、今後の日程などの連絡を聞いて放課後になった。


クラスにはまだ半分くらい人が残っている。


レイ、初日から相当飛ばしてきたな……

あと何日こんな日が続くんだ。


「あ、あの。畦地君。ちょっといい?」


机に伏せていると声をかけられた。


「ん?あぁいいよ。どうしたの?」


何この人ちょーかわいい。

色白で外ハネボブ。


正直超どタイプだ。


自己紹介の時はレイのことで頭がいっぱいいっぱいだったから、クラスメイトの顔はあまり見れてなかったけどこんな人いたっけ?


「連絡先交換しない?」


まじかよ……

冗談のつもりで遥斗に言ったことが本当になってしまった。


「うん。全然いいよ。しよう。」


その瞬間レイが腕を前に出して、人差し指を何かを切るように横に振った。


嫌な予感しかしない。

喜びに満ちた感情が、一瞬で絶望で埋め尽くされた。






パァァァァァァァン!!!!!!!!!!






連絡先を聞いてきた人の、制服の胸元が爆発したように破れた。


女子の下着を見てしまった。

そしてこの状況を半数近いクラスメイトが目撃してしまった。

簡単に想像できるこの先の展開。


とてつもなく早く頭が回った。


そして俺は、最悪の結論に至った。


(あぁ、もうどうでもいい…!今はただ、このミントグリーンの下着を目に焼き付ける!!)


「キャーーーー!!!!!!!!!!」


すぐに走って教室から出ていってしまった。

おそらく保健室に向かったんだろう。

その道中にいた生徒は運がいい。


教室は1周回って静まり返っている。


(白い肌とミントグリーンの下着。素晴らしいコントラストだった。)


「たっくん?なにあの子にデレデレしてるの?」


相当お怒りなようだ。


だがとにかくこの最悪な空気の教室を出よう。

実際はレイが制服を破ったが、傍からすれば俺が破ったと思われても仕方ない状況だった。


とわいえ勝手に破れたのを見ていた人もいたはず………いやそんな事信じるか?


俺だったら自分の目を疑うぞ…


こんな時に限って頼れる遥斗はいない。

あいつが弁明してくれても無理があるか……


もうダメだ帰ろう。

どれだけ考えてもこの状況を改善できそうにない。


俺はクラス中の視線を感じながら逃げるように教室を出た。


「ねぇ、なんで断らなかったの?!」


(ちょっと待てこいつ…!一旦人の居ないところに…)



ちょうど駐輪場の裏が誰もいなかった。



「おいレイ!あれは流石にダメだろ!?」


「たっくんが悪いんでしょ?!私がいるのに他の女と仲良くしようとするから!」


「いやいや、もっと別のやり方はなかったのか?!高校初日に制服破るって絶対ダメだろ!あの人どうやって親に説明するんだよ!しかもあんな破り方、大問題になるぞ!」


「それは…!確かにそうだけど………でも彼女が欲しいなら私と付き合えばいいでしょ?!」


こいつは死んでることを忘れてるのか?


「まだ諦めてないのかよ!お前中学の時何回俺に告白したか覚えてるか?34回だよ!そして34回振ったよな?!」


「えっ!覚えててくれてるの?」

何故か頬を赤らめている。


「当たり前だ!中学1年の4月25日、俺の誕生日から毎月死ぬまで25日に告白しやがって!給料日かよ!」


「最初は私がプレゼントってつもりだったのに断るから、もう毎月告白しようと思って………」


中1でその発想は今思うと中々すごい……


「告白は回数じゃねぇだろ!あと悪いけどお前のことは友達としか見れない………」


「いいよ、それでも死んだけど諦めないよ。」


「でも、それじゃお前成仏できるのかよ?」


「もしかしたらできるかもしれないけど、できないかもしれない。」


「何だよそれ……条件がわかってるなら教えてくれよ。」


「それじゃ意味ないんだなーこれが………」


「………………………」

今でこそこんな関係になってしまったが、元は普通に親友のような感じだった。

できることなら救ってやりたい。


「まぁいいじゃん!テストは私が変わりにカンニングして教えてあげられるし!」


「良くない!」


「もう帰ろっ!お義母さんが待ってるよ?」


「お義母さんって呼ぶな!」

最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!良ければ続きも読んでいただけたら嬉しいです!

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