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魔法の鏡~やられっぱなしの気弱令嬢が我慢をやめたとき。反撃を開始します  作者: 別所 燈
第三章 魔法科~新たな道を模索する

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34.初めての下町②

すみません!抜けです。

割り込みにて「初めての下町①」をいれました!

お知らせくださった方ありがとうございます!

「いつもは訓練の時、学園からの支給品を使っているけど、たまには自分で買うのもいいかなって」


 などと言いながら店に入っていた。


 サミュエルがどのようなものを買うのか気になり、ついて行きたい気もしたが、今アミュレットを売ったばかりなのでなんとなく決まりが悪い。


 アリシアが迷っているうちに、サミュエルはすぐに出てきた。


「お待たせ。もう用事はないよね? 帰ろうか」

「はい」

 二人は大通りに戻ると、ロスナー家の馬車へ乗り込んだ。


 アリシアは、サミュエルがどのようなものを買ったのかどうしても気になった。

 店主がまた売りに来てもいいと言っていたので、今後の参考にしたいと思ったのだ。

  

 我慢できなくて、アリシアは向かい側に座るサミュエルに声をかける。


「サミュエル様は、どのようなものを買ったのですか?」

「ああ、店先に並んでる安いのを選んだけど、店主がこっちの方がいいって言うから」

 そう言って、出したアミュレットはアリシアが今売ったばかりのものだ。

 もう少しで声を出すところだったが、アリシアはなんとか自制した。

「それでおいくらでしたか?」

「え? 値段が気になるの?」

 サミュエルが訝しげな顔をする。


 そういえば、普通科では暗黙の了解でお金の話はしない。お金の話をするとお金に困っているというレッテルを張られるからだ。つまり下品なことで……。


 アリシアは開き直った。


「今後の参考にぜひ!」

「千ゴールド。下町にしちゃいい値段だよね」

 アリシアは再び声を上げそうになった。


 相場の十分の一で買い取ってくれる店が多いと聞いていたので、いい成果といえる。


「それで出来ましたら、使い心地などを教えてください」

「うん、今度実践訓練に行くからその後でも」


「実戦訓練? まさか魔物を倒しに行くのですか? 殿下もご一緒ですか?」

 魔法騎士科はほぼ貴族と騎士家でしめられている。

 実践訓練とはいえ、高位貴族の令息たちを魔物討伐に参加させるのだろうかと疑問に思う。


「はは、ジョシュアが行くわけないだろ? 一国の王太子殿下なんだから。たいていの高位貴族は参加しないよ」

「サミュエル様もロスナー公爵家のご子息ですよね?」


「俺は次男だから関係ないよ」

 意外だった。アリシアは両親が無関心だったから、討伐訓練に参加できたのだ。


 実践ではイレギュラーが起こるもので、アリシアの参加した班は順調だったが、ミランダは恐ろしいめにあったと聞いている。


「危険はないのですか?」


「うちは四人兄弟でね。兄貴のスペアはいっぱいいるんだよ」

 朗らかな口調で応じるサミュエルに、アリシアは言葉を失った。


「ちょっとやめてくれないか? 俺、人に同情されたの初めてなんだけど?」

「ど、同情なんてしていません。勇敢なんですね。お怪我のないことをお祈りします」


「うん、自信あるから大丈夫」


 サミュエルは不敵な笑みを見せたあと、余計な一言を付け加える。


「なるほど、これは君が売ったアミュレットなんだね」

 アリシアは言葉もなく真っ赤になった。


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