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世界は塗り替えられる

新作になります ちょっと気合入れて作ります グロいの苦手な方はご遠慮下さい

いわゆる神ゲーと言われるあるゲームがあった。あらゆる世代に熱狂的なファンを多数擁する大人気MMORBG通称ゴットイズミー(日本語訳:我こそは神)【GIM】である。


キャラクターは多彩で圧倒的なグラフィックの彩度! 重厚なストーリーと世界観!! 豪華声優陣とキャスティングによりその人気は史上最高峰とまで言われ、もはや【KIM】をプレイしていないひとは人であらずとまで言われていた。


そんな時代に生まれ育ったのが、泉崎司いずみざきつかさである。ゲームが好きではあったものの、おれはなぜかこのゲームに恐怖を感じていた。


タイトルを見るだけで全身を襲う不快感。そしてなぜかここから、今すぐに立ち去れと理性を通り越して本能がサイレンを鳴らしてくる。


最初は酷い耳鳴りだと思っていた。ただの気のせいだと自分に言い聞かせていた。


だが友人はみんなそのゲームをプレイしていたし、会社の同僚の話題も【GIM】が中心である。


だから。おれは死ぬ気でプレイしていた。必死にタイトルを見ないようにしながら。


******


「ちょっと先輩聞きましたか? また例のバグの件で大型アップデートみたいですよ!」


「マジかよ。ふざけんな!おれのボーナスでいれた30万が意味無くなってしまうやんけ!先行入手ガチャでフル装備してランク上げ有利に進めるスマートな計画が・・・。」


低迷する日本経済。豊富にあふれる娯楽の数々。限られた時間。


この3つがそろい、若者たちの恋愛離れや未婚率はさらに加速していっていた。


それは老若男女ともに楽しめるあるゲーム【GIM】の登場でさらに世間に浸透されていくこととなった。


そしてこのおれのとなりでゲームのアップデートが今夜あることを嘆いているのがおれの同僚Aことあっちゃん、先輩社員Bこと三秀先輩である。


2人ももれなく廃課金プレイヤーであった。


「なあ? 聞いたか? 日本の年間出生率0・23だってよ。まあそうなるよな。だっておれの同級生で高校のやつなんてよ。いまだ結婚しているの2,3人なんだぜ!? 妥当すぎるよな。」


おれのアパートの近所の住民で【GIM】をやっていない人をおれは知らない。


少し前まではSNSというのがネット使用の大半をしめていた。人々の承認欲求を満たすために使う忠実なツール。


だがそのSNSのトップをになっていた5社の牙城がある日突然崩された。あるハッカーたちの攻撃によって再起不能までこき下ろされサーバーが破壊された。


それと同時期のタイミングで各種マッチングアプリの個人情報流出。


どの被害にも共通しているのが裏垢でつぶやいていたこと、その他もろもろ隠しておきたかった情報などなどが関係者各位へと各種方面から情報が漏れていた。


それが俗に言う”デジタルタトゥーの風”でありこの先何十年にもわたり語り継がれていくこととなった。


誰もがやましいことがあり、世間に顔向けできなくなるひとが増え、数えきれないほどの企業が倒産した。


ある男は思った。日本はあまりにもSNSに依存しすぎていたのだと。その男楠木傑くすのきすぐるが主導となって国の専門機関と民間の大手最先端企業が力を合わせて作られたシステム。社会がまた円滑にまわっていくように作られたアインシュタイン級の頭脳から生み出されたそのヴァーチャル空間それこそが【GIM】である。


世界中へ日本の恥という恥が流出した。日本はおもてなしの国。そうまで言わせた先人たちの積み上げてきた信頼などはあっという間に崩れさった。


日本は差別の対象とされ、いよいよ自分たちの殻に閉じこもることが多くなった。そう言った経緯もあって【GIM】が浸透していったとされている。もうどのお店でも【GIM】関連のコラボで満載である。


VPNバーチャルプライベートネットワークのような空間を視覚化し、個人情報の管理が可能となり個人単位ですることが推奨された社会はあっけなく作られ様々なエンタメ要素が取り入れられ始めた。


SFのような近未来の空間やまるでファンタジーのような世界観。個人管理空間ホームを出ればあっという間に広い世界が人々を迎えていた。


もちろんそこにゲームのようなイベントも取り込まれ、もはや【GIM】はあれゆるものが集まり、そして安全に過ごせる空間へとなっていた。


仮想現実であるのでその広さは無限大であり、万全なるセキュリティ技術、物理的な制限をものともしない要素は地域時差を問わず人々へ多く受け入れられ、先進国・発展途上国を含め全ユーザーは世界人口のおよそ9割をしめていた。


この物語はそんな感じで一気に近未来が加速した世界線にいる主人公から始まる。




そんでさっきから【GIM】の話題で持ち切りな2人のとなりで爆睡しているのが、この物語の主人公みたいな人である。


そして今2日酔いで倒れている。(という設定)


「なあ。お前。もう諦めろ。今回のボーナスがいくら前年比の30%カットだからって。そんなときもあるだろ? 仕方ねえって。」


後ろをすれ違った。兄尾主任が心配そうにおれの肩を叩いた。


「どうしたんだ。こいつは。気が抜けてるぞ。しっかりな。」


そういってにこやかにあいさつを交わしさっそうと去っていくのがこの物語の主人公が初恋して片想いのまま淡い思い出となって朝露のように消えていった人物である。


昼休憩が終わりまた仕事が始まった。


「あ~。それにしても兄尾主任やっぱ超イケメンだよな? はー。男のおれでも油断してたら惚れてしまいそうだぜ。」


「ないない。おれたちが相手にされるわけがないだろう。」


「だよなあ。おいお前も期待はしない方がいいぞ。あのひと本当の【GIM】のガチオタだからなあ。

仕事もストイック! ゲームもストイック! 自分にも他人にも厳しい。それが兄尾主任である。」


うむうむと頷くおれたち。いくら未婚率があがっても、そんなものなど関係なくおれたち男は狼なので女性には興味だってあった。こればっかりはどうにもならない。本能のようなものなのだから。


ああ・・・。無常。


眠気ざましのカフェオレがやたらと苦く感じた。明日のコーヒーは糖分多めのタイプにするべきだろう

か。


カフェインが効いてきて少しばかりパソコンの画面がまぶしく感じた。あととなりの同僚のトイレの回数が気になった.


考えていたことがつつぬけだったのか。


「いや~。ついミルクティー接待で飲みすぎてしまってさあ。もう何回分っていうくらい行ってますよ。」


「お茶飲むと近くなりますよね。」


うんうんと頷きあう。


おれの働いている会社では意外と美味しいお茶が用意されているので社員はみんな接待の時間はお茶タイムだけが楽しみなのである。


聞いた話によると社員の茶花さんがお茶ソムリエの資格を持っているらしい。おれの3コ上の先輩で営業成績が抜群である。


美貌がすごいとかそういうことも無いのだが(大変失礼)人好きななんともいえないおだやかな顔なので大手の商談とかも彼女当てへのご指名が入ることが多い。


「ちょっとクス君お時間いいです? 聞きたいことがありまして。」


廊下の先から顔を覗かせいたのでおれは急いで身支度をした。


「ええ。もちろんです。すぐ行きます。」


この先輩はめったなことでおれたちの仕事を妨げない。


だからこれはいわゆる緊急の用事というやつだ。


廊下の先に先輩が見えた。急ぎ足で追いかける。


何やらぶつぶつと言っている。


おかしい。


なにが起きたのだ!?声は聞こえているのに・・・。照明が脳の奥まで突き刺さるように立ちくらみをする。


先輩の長めのソックスが見えた。いや。これはーーーーーーーーーー


おれは倒れていたのか。


「○○くん。ちょっ○○○○・・・・・・・・」


断片的な声がだんだん遠ざかって聞こえた。



2,3度ほど瞬きをしたと思う。


会社のタイルシートとは別のひんやりとした手触りの地面に急に変わった気がしておれは思わず手をのばし地面を手の平でなぞった。


石だ・・・。ここは外?


がやがやと見知らぬ声が聞こえて来る。


あたりを見渡すとここはおれの知る世界・・・。【GIM】におれはいた。


あれほどまでにリアルに作られていた空間が切り替わったのか、まさしく本物のいわゆる異世界転移をしてしまった・・・。とでもいうのだろうか。


そんなバカな・・・。


ハハハハハ。


すぐ目の前にはおれの【GIM】の世界での家があった。


だがなにか違和感があった。少々古びている気がするのと・・・。中に人の気配がするのだ。


この家はおれ以外には開けれないはずなのに。


コンコンっとノックをしおれは家に入ろうとする。


そこにはーーーーーーーーーーー


おれの本能が拒絶していた、【GIM】の世界の推しキャラたちがいた。


一番近くにいたオッドアイのゼルダがおれにこう言った。


(*ゼルダ:銀髪の長髪をなびかせる圧倒的な美少女型アンドロイド。)


「お帰りなさいませ。お父さま。」


他のみんな(おれが使っていた主要キャラたち)は案外おざなりで、よっだのおうだのそんな感じで一応あいさつをしてきた。


お、お父さんだと?


おれ結婚していないし、君たちのことをよく知らない。


キャラは好きだったものの、おれは【GIM】のことを本当に毛嫌いしているのだから。


プレイは代行業者へと頼んでいた。


「お母さまからお話は伺っておりました。とりあえずこちらへどうぞ。ご案内させていただきますわ。お父さま。」


「ああ。よろしく頼む。」


なにがどうなっているか分からない。当然だ。だから・・・。


ゼルダたちの話へ合わせてみることにしたのだ。


















読んでくれてありがとうございます! なるべく短いスパンで更新頑張ります( ;∀;)

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