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LEVELING FOR DEATH ―殺し、死に、蘇り、殺せ―  作者: 鹿紅 順
第一章後編 殺し屋たちの狂宴
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第七十九話 作戦会議

◇ナルベランの螺旋【なるべらん-の-らせん】

武器/〝魔剣〟


二重螺旋の鋭利な刃を持った〝魔剣〟

渦の騎士、ナルベランの体内で鍛え上げられた業物。


斬るという動作におよそ向かないが、

この〝魔剣〟の真価は、刺突において発揮される。

突き刺した箇所を起点に、回転の力場を発生させ、

周囲の肉を剣に巻き込むように抉り抜くのだ。


斬るばかりが美しさではない。抉ってこそ。


それは渦の騎士、ナルベランの秘めた美学であった。

   ***




◆自由都市グアド・レアルム、旧区画、ギル・ラーゴット



 目の前に広がる光景を一瞬信じられなかった。

 石畳は赤熱してヒビ割れまくり、地面はもうもうと白煙を上げている――俺たち(・・)の周囲以外は。


「――……、……! ……オイ、さっさとどけ!」

「悪い悪い」


 呆然としてると、下からドンドンと突き上げる衝撃が。


 腰を上げるとすぐ、木箱の蓋が跳ね上がった。

 中から出てきたのは喧嘩っ早そうな男、ヨアとそう変わらない年頃だ。


 グランドリオ。どういうわけか『鉄血一座』から力を貸しに来てくれた男。


 つっても俺のためというよりヨアのほうに因縁がありまくるようで、


〝――いいか、俺はヨアの奴に借りがあるだけだ。お前と馴れ合うわけじゃねえ〟


 開口一番そんな事を口にして、刺々した雰囲気をかもし出していた。

 だから「ああ、じゃあヨアのために、存分に俺を助けまくってくれ」と素直に言ったら、何て言い返したらいいか分からねえ顔をしてやがったな。

 そうとも、俺はコイツに命を助けられると言っても過言じゃねえ。いくらでも礼を言いまくるさ。

 そして今、実際に命を拾うことになった。


「【断絶時宮】……なかなか便利だな」


 内部に包んだものの時間を止めて干渉を防ぐ魔法。

 防御効果はこのとおり(・・・・・)だ。

 この魔法があったからこそ、今回の捕縛作戦による反撃が立案できたんだ。グランドリオ様様だぜホント。


「あとは地下に行った連中だが……」

「俺にできるのは、信じまくることだけだ」


 初撃は防ぐことができた。

 だが〝殺し屋〟を止めたわけじゃねえ。それは地下水路を進んだ仲間の仕事だ。




   ◆◆◆◆◆




◆数刻前――自由都市グアド・レアルム、探索者組合・会議室、ギル・ラーゴット



 ギルドの一室、入念な盗聴対策が施された部屋。


「さ、作戦が、ありまぁす――‼」


 有る、と言われているのに、無さそうな不安を覚える声。

 部屋の中の視線が一斉に――そのガキンチョに向けられた。


「……作戦がっ、あ、ありま」

「大丈夫だよメル君、ちゃんと聞こえてるから……」


 見かねたヨアが声をかける。

 メルとか呼ばれたちっこい子供は緊張のせいか目を潤ませまくっていた。

 まあ無理もねえわな……大人数っつーことを抜きにしても、この部屋に集った顔は異常だ。


『終の黄昏』は俺、ヨア、ユサーフィ副団長。

『鉄血一座』から団長オーガスタス、それとグランドリオ、メルとかいう若造。

『紅蓮の戦旗』からはキャリカ。初めて会う。

 最後にギルドから、俺を痛めつけようとしたパリオのおっさん――


「さあ、作戦を説明してくれるかね?」


 そしてギルド長アンネリーゼ。


 さて、どういうこったこれは?


「皆、貴方を助けるために集まったのよ」いつもの冷静沈着な表情のユサーフィ副団長。「もしかして、一人で全部解決する気でいた?」

「……そこまで傲慢なつもりはねえが」

「事はね、ギル、貴方の過去の因縁だけに留まらないの。レアルムの内部で襲撃された以上、都市の治安維持への信頼のために、ギルドの沽券にかけて〝殺し屋〟には対処する必要がある。ほとんどの探索者は及び腰だけど――ありがたいことに、こうして他の探索団から加勢も得られた。グランドリオ・ジルガ君、メル・ドリー君、キャリカ・ポップヴァーンさん。三人とも、下ろし立ての防具のようにキラリと光る九等級探索者たちだよ」


 ――もうちょっとなんとか集まらなかったのか?


 助けてもらう分際で言うのは憚りまくるが、俺はもっと使い込まれた安心の年代物がいいんだが。


「あア? テメエを助けるなんざコイツらで十分ってこった」

「そう言わず……たとえばアンタも手を貸しまくってくれるとありがたいんだがよ、オーガスタスさん」

「それについては私から話そう」


 会話の主導権を奪ったギルド長は部屋の中の全員を睥睨しながら、


「言いたいことは分かるが、敵の〝殺し屋〟は我らが都市に耳を張り巡らし、広範囲の盗聴網を敷いている。どこで聞かれているか分からんゆえ、共有範囲は最小にしておきたい。――確かに彼らの等級は低いが、決して〝殺し屋〟を侮っているわけではない。敵の戦法に対し、現状用意できる最善の相性の魔法と意能の使い手を集めた。……それが偶然にも指名依頼で組んだ間柄とは私も驚きだがね」


 ヨア、グランドリオ、メル、キャリカ。

 言葉はなく、四人は視線を交錯させた。


「君たちの仕事は〝殺し屋〟の目を引き付け、吊り上げるまでだ。後の捕縛は手練れの連中に任せるため安心してくれ」

「だったらなんで俺はここで待機なんだババア!」オーガスタスが吠える。「俺こそ戦闘に出すべきだろうが!」

「……市街戦だと理解していないのか? お前の力は都市の中で振るうには強力過ぎる。〝殺し屋〟を捕らえたとして、放り込んでおく牢屋どころか都市が消滅していては意味がないだろう。『蒼の天盤』もそれを理由に待機しているのだ、わきまえろ」

「――があああああクソッ‼ ヤバそうだったら出るからな‼ 覚えとけッ‼」


 ……返り討ちにされた小悪党の捨て台詞みてえだ。


 さて、改めて今回の〝殺し屋〟捕縛作戦。


 ――白と黒の少女。

 ――髪の人形。

 ――未だ謎、最後の一人。


 俺には奴らをどう捕まえるか皆目見当つかねえが、メルとかいうガキンチョにはその算段があるらしい。

 ……ガキンチョはないな、こんな俺を助けてくれるってんだ。素直に感謝と敬意を払いまくらねえと。


 メル曰く、この作戦は探索者を攻撃組と防御組の二手に分けるという。


「ま、まず〝頭陀人形〟は髪を伸ばして音による情報を収集するとギルドの報告にありました。これを封じるか無効化しないことには、どんな行動も先読みされる可能性が高いです」


〝頭陀人形〟……俺が相対したとき、奴は髪を自在に操って戦っていた。

 だがどうやら戦い以外にも器用にこなせる輩らしい。

 おまけにパリオに胴体を泣き別れにされても、何事もなく戦闘を続行しやがった謎もある。厄介としか言いようがない。


「あれだけ目立つ容姿を隠すには、潜伏場所はまず間違いなく地下水路だと思いますけれど、蜘蛛の巣のように()を張り巡らせているでしょう……侵入したら一発でバレると思います。しかも転移能力まであるから、自分の居場所に近づいてくることに気づいたら簡単に逃げられるかも……」


「捕まえられる気がしないね」とユサーフィ副団長が言うが……ギルド長は真に受けてねえぞって目だな。

 分かる、この人なら何とかしちまいそうな得体の知れなさがあるからな。


「――だから、地下水路の全部の入口から一斉に侵入して、まずは〝頭陀人形〟の探知を潰します」


『終の黄昏』、『鉄血一座』、『紅蓮の戦旗』を中心とした探索者の混成集団が同時に動くことで探知の網を揺らしまくる(・・・・・・)

 あちこちに耳があるのなら、その全てにあえて補足されることで、逆に意味をなさなくしてしまえという。

 これはあくまで陽動。直接捕縛の任にあたるよりは危険度も下がるから、他の探索者の参加もある程度期待できる。


「そして〝頭陀人形〟が混乱している隙に、一気に奴の居場所へ急襲をかけます。逃げる間もないように……っていうのが――」

「メル君、口を挟んで申し訳ないけど、その作戦は、肝心の〝頭陀人形〟がどこにいるか分からないと無意味です」


 キャリカがもっともな意見を言った。

 確かに、この迷路としか言いようがない地下水路。

 そのどこに潜伏しているのか、手当たり次第に探してちゃあ時間がかかり過ぎるし、その間に逃げられる可能性が高い。こちらは侵入した時点で気づかれている前提なんだ。


 だが、その問題の対策も練られているようで、メルは動揺することなく「探す場所を絞ることはできます」と答える。


「〝頭陀人形〟が情報を集める原理は音による振動です。いろんな場所に髪を張り巡らせて振動を探知する。でもそれは、音源から距離が遠ざかるほど精度も下がるはずです。探知ができる限界距離がどこかにあるはず……」

「〝頭陀人形〟の探知範囲がレアルムをすっぽり覆うほど広大だとしたら?」

「ユサーフィ副団長の指摘のとおりだとしても、遠ざかるほど精度が落ちるのを防ぐことはできません。だから、心理的にどの音源からも一番近くなる場所に居たいはずです。レアルム中の音を拾うのに最適なのは、レアルムのどの場所からでも、一定の距離以上は遠ざからない場所。つまり――」

「――レアルムの中心!」


 ヨアが興奮とともに声を上げる。

 なるほどな、確かに俺が〝頭陀人形〟だったなら、言うとおりレアルムの中心に腰を据えて音を集めるだろう。

 都市を一つの円に見立てたなら、中心から遠端の外縁部は円周と言える。

そこまで探知網を伸ばすなら、円周のどこからでも同じ距離になるのは円の中心以外ありえねえ。


「加えて、レアルムの中心部から髪の探知網を広げるにしても、東西南北、全ての方向に接続しているほうが良いです。この条件を満たせるのは、方向の限られた通路とか、そもそも閉じている調整室もダメ……最後に残るのは」

「……貯水槽」今度はパリオが正解を呟く。「確かにあそこはたくさんの水路から増水時に水が流れ込む。逆に言えば、複数の水路から遡って網を張ることもできる」


 音もなくユサーフィ副団長が手を挙げる。


「貯水槽への襲撃はウチでやりましょう。最も危険でしょうから大隊長たちに攻撃させます」

「待てユサーフィ、独り占めする気か」

「と、言われてもね……パリオ。今回の件で黄昏は厳しい目を向けられているの。だから、一番の鉄火場を引き受けることで悪い印象を払拭する狙いもあるわ。むしろ当然の申し出じゃないかな? それとも他の団にも功を分けたほうがいいのかしら? 十中八九迷惑がられると思うけど」

「そうは言ってない。攻撃に俺も入れろ(・・・・・・・・)という話だ(・・・・・)


 俺とヨア以外で会話に加わっていない連中は視線を交わしていた。

 捜査課長と立派な肩書があるとはいえ、ギルド職員が〝殺し屋〟と戦闘? 冗談だろうと言いたげに。

 まあ気持ちは分かる。

 俺も昨日の夜のことがなければそう思っていただろう。


「印象というなら、私たちギルドもそうだ」ギルド長が口を開く。「積極的解決の姿勢を市民に示す必要がある。戦闘でパリオが後れを取ることはない。引退したとはいえ元四等級……口は悪いが〝凡人の極級〟なら足を引っ張ることはないだろう」


 元四等級という言葉にざわめきが走る。なおヨアを除く。

 確かに四等級は熟練も熟練、果たしてそこまで到達できる探索者がどれだけいるか。そう思えばおっさんは戦力に不足なしだ。


 ちなみに三等級以上は怪物しかいない。それが探索者の共通認識だ。三等級と四等級では世界が違う。

 そこに行くには才能、魔法、意能……加えて運の天分に恵まれまくる必要がある。努力だけでたどり着ける領域じゃねえんだ。


 だから四等級は〝凡人の極級〟ってことになる。凡人でも努力さえすれば……ってな。

 まあ当たり前だが簡単な話じゃねえ。凡人と名が付こうが四等級は超人だ。


「ふうん。なら好きにしたらいいと思うけど。――でも、首輪はしっかり着けておいてね」


 ユサーフィ副団長はあっさりと引き下がった。最後に付け足した言葉はパリオに対する牽制だろう。ホントしっかり頼むぜ。また指を小枝みたいにポキポキ折られるのは嫌だからな。


 ……さて、攻撃作戦の要旨をまとめよう。


 まず、陽動担当の探索者たちが一斉に地下水路へと侵入する。

 混乱の隙を突いて急襲担当がレアルム中心部近傍の貯水槽にいる〝殺し屋〟を攻撃。急襲はウチの大隊長とパリオの実力者たちが担う、と。


 ふむ、悪くはないんじゃないか――と俺は思いかけて、


「ちょっと待ってくれ。作戦は理解した。だが、今言ったことを実現するには、地下水路の完全な地図が存在することが前提なんじゃねえか?」


 そうだ、地下水路への出入口の位置は別として、陽動担当をどう動かすか、何より貯水槽の場所を知っていなけりゃ作戦は破綻する。複数人が同時並行で動くなら、全員に地形情報が行き渡っていなきゃならねえ。わずか数名だけが地理を把握しているんじゃ意味がない。


 作戦の成功のためには地図が不可欠だ――この足元に広がる、さながら迷路のような道を全て網羅した地図が。


「んなの、ギルドにあるに決まってん――」

「いや、待ってください」


 グランドリオの声をキャリカが遮った。


「思い出してくださいグランドリオ。私たちが地下水路点検の指名依頼で潜ったとき、ギルドから支給された地図は一部分の範囲だけのものでした」

「……じゃあ全体の地図を使えばいいだけじゃ――」


「――ない」


 地図は無い。

 そう発言した奴を見て、パリオが面目無さそうに頭を振った。


「……俺の耳がイカれたのか、ありえねえ言葉が聞こえたが……ない(・・)って言ったかァ? ギルド長(・・・・)

「ああ、ないよ、オーガスタス。いや、言い訳をさせてもらうとね、前々から作成するべきだと認識はしていたが、地下水路の完全な地図作成よりも資金と人手を割くべき事柄はいくらでも発生してね。有り体に言えば、今まで放っておいたわけだ」

「――ンじゃあどの道無理じゃねえか‼」


「――地図ならあります‼」


 オーガスタス団長の怒声にも負けない絶叫が木霊する。


「――僕のここ(・・)に‼」


 メルは親指で自分の頭を指して言う。


「僕は【地図化】の意能で、一度通った場所の構造は絶対に忘れません。誰かが作った地図も同じく記憶できます。……僕は戦うのが怖いから、そうじゃない依頼をこれまで受けてきました。地下水路の点検も、グランドリオ君たちと行ったときが初めてじゃないんです」


 メルは部屋の隅に丸めて立てかけられていた大きな紙を手に取ると、床一面に広げた。


「僕がこれまで通ってきた地下水路と、さっき見させてもらったギルドにある地図を全部【地図化】で繋げると――」


 そして机に置かれた墨壺の中身を紙の上にぶちまけた。

 広げられた墨汁は、まるで生き物のように蠢くと方々へ延びていき……やがて一つの巨大な紋様を描き出した。


「これが……」


 誰かが感嘆の唸り声を上げる。

 無理もないと頷くほど、これは地図という道具の枠を超えて一種の芸術的な作品とすら思った。

 それほど精緻でありながら混沌とした世界が広がっていた。

 だが、これは創作物でなく、現実に存在する構造物だ。


「スゴいよメル君!」とヨアが褒めるが、当の本人はやや満足のいってない様子だ。


「概ね地図にできたと思いますが……やっぱり外縁部は所々空白の箇所があります。完全とは言い切れません」

「いや、これで十分だ。よくやってくれた。これは後で正当な報酬で買い取らせてもらおう」


 そうギルド長が労うと、メルはようやく安心したように一息ついたようだ。


「突入地点への探索者の割り振りはギルドでやろう。あとは侵入する貯水槽になるが……目星としてはこの三つが中心部に近いな」


 指差した三地点は、地図の中心からどれも似たり寄ったりの距離だ。

 このどこかに〝殺し屋〟が潜んでいるとするなら、急襲担当も三部隊編成する必要があるってことだな。


「ううむ……」


 パリオが地図を睨みながら唸ってやがる。どの貯水槽が当たり(・・・)か悩んでるんだろう。


「お悩みのところ申し訳ないけど、貴方をどこに配置するかは私が決めるよ? 組む相手との相性もあるからね」

「…………分かっている」


 そう言いつつ絶対に納得のいっていないパリオに苦笑するユサーフィ副団長。


 ――さて、今までこの話題に触れなかったが、そろそろいいかな。


「それで、肝心の〝殺し屋〟の攻撃だが、俺の命はどう(・・・・・・)使えばいいんだ(・・・・・・・)?」


 俺は努めて明るい声で続ける。


「どんなに無茶苦茶で荒唐無稽の作戦だろうが、遠慮なく俺を使ってくれ。どんな結果になろうと恨みやしねえさ。だから、命を懸けて――生きて帰ってやるぜ」

「ギル……」


 ヨア、そんな辛そうな目で俺を見るな。


 今回の事件、今から幕を引くには……俺一人が死ねばいいだけだ。

〝殺し屋〟にみすみす殺されてやればいいんだ。

 なのにそうしないのは、こうして皆が力を貸してくれるのは、いろんな思惑があってのことでも……俺を死なせねえと思ってくれる奴がいるからだ。


 だから俺は必ず作戦とやらを成功させる。

 絶対に生き残る。思いを無駄にしないために。

 自分から死にに行く真似はしねえと決めた。


 これから俺は命を懸ける。勝負の天秤に命を乗せる。

 自暴自棄になったわけじゃねえ、敵はそれぐらいしねえと勝てない怪物だ。

 だが、その死線を踏み込んだ先にこそ――勝利がある。


「教えてくれ、俺は何をすればいい」


 まったく情けねえ話だがよ、テメエの生き死にを他人に頼るなんざ。

 でもそれが今は、清々しかった。


 静寂の中、鎧がこすれる音が鳴り、俺の肩が叩かれる。


「副団長」

「安心して。防御作戦は私とメル君で立案したから」


 良い事を聞いた。そいつぁ心強いぜ。


 神妙に拝聴する俺に、ユサーフィ副団長はさらっと告げた。






「――君は一回、直撃を喰らって死んでね」

◇地図化【ちず-か】

意能/共通意能


自分が通過した場所の地図を作成する意能。

蝕業を問わず習得しうる共通意能。


通ったことのない道であっても、その地図があれば

瞬時に記憶し、脳内で統合することが可能。


蝕業に関わらず習得する可能性がある一方、

実際に習得する者はなぜか少ない。

稀少性の高い意能の一つと言える。

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