第四十四話 開宴の狼煙
拙作をお読みいただきありがとうございます。
長らく間が空いてしまい申し訳ありません。
私事が忙しく、思うように投稿の準備が進んでおりませんでした。
推敲が完了した部分から投稿しつつ、安定したペースで投稿できるようストックを作っていく予定です。
よろしくお願いいたします。
《8/30追記》
登場人物の名前を初期稿のまま間違えておりました。
正しくは〝マクミラン〟・マーガスになります。
失礼いたしました。
木漏れ日の中を少年が駆けている。
自らの日課である薪拾いのついでに人探しを頼まれたからだ。
ごめんね――探し人の母親は少年に声をかけると、
〝――でも、あなたが村で誰よりも一番、あの子を探すのが早いのよね〟
親の私たちよりも……、と少し不思議そうに首を傾げてから、いつものように少年に使いを頼む。
今回は多分あそこだろう。少年は天啓にも似た閃きに従い、遊び慣れ親しんだ森へと足を向けた。
子供が一人で森に入るのは普通なら許されることではないが、おとなしく村にいても、あれをしろ、これをやれ、と言って仕事を押し付けられるだけだ。大人の目を掻い潜って森へ遊びに行くのは子供たちの宿命であり、そして狩りを生業とする大人に見つかるまでがお約束なのだ。
少年は、いつか大人になったら狩人になるのが目標だった。あの人のように弓と鉈を操って、日々の糧となる野生動物を狩り、村に害をなす魔物を狩るのだ。
そのことを食卓で両親に話すと、母は酷く少年に怒り、父は無言で少年を見つめた。その眼差しには言外に、少年の目標を快く思わないものが込められていた。
両親以外の大人も、反応の違いはあれど、少年を応援するようなことは決してなかった。従順に家業を継ぎ、平凡に生きていくことを勧めた。
そのことを遂に、少年は村の狩人に相談した。少年には大人たちの感情がまるで理解できなかったからだ。
当の狩人に相談する意味も知らず。
狩人は悲しい目をしながら、
〝――これは、誰もやりたくないけれど、誰かがやらないといけない仕事なんだ〟
〝――僕の家はそれをずっと生業にしてる。だから他の人がやらなくていい分、この村では色々と配慮してもらっている〟
〝――でもね、それと感情はまた別の話なんだ。人間は自分でも自分の感情の手綱を握れないことがある〟
〝――この〝忌み仕事〟よりも人の役に立てる仕事はいっぱいある。それを教えてもらいなさい〟
狩人の家には畑はない。別の村人から食料を分けてもらうからだ。
村の寄り合いの仕事にも出てきたことはない。昼は野生動物を狩って村に供し、夜はひっそりと森に潜り、いつの間にか帰ってくる。
代々の狩人は、村長の娘かその親戚の娘を必ず嫁に貰っていた。
ずっと同じ村に住み続けているのに、大人たちは狩人とは表面上何事もなく話しながら、その間には見えない一本の線が横たわっているような気がしてならなかった。
少年は狩人の言葉の意味を理解することはできなかったが、淡々と語る狩人が無意識に右腕を撫ですさっている光景を忘れなかった。
右腕の袖口から覗く、濃く禍々しい形――この村では狩人にしかない痣を。
「キャル!」
目星を付けた場所に到着した少年は探し人の名を呼ぶ。
声は、風に触れあう枝葉のざわめきと混ざり合う。
少年への応えはない。これもいつものことだ。
少年は指で形を作ると、大きく息を吸い込み、甲高い音色を奏でた。
ピィィィーーーー……と、指笛が森の中へ染み渡る様に広がった。
一定の律動で少年は指笛を奏でる。一人でこっそりと泣きじゃくる彼女のために、少年が決めた合図だった。迷ったらこの指笛を頼りに進め、と。もっぱら少年が探しに行くのが常ではあったが。
やがて、隆起した大木の根の隙間からグスグスと洟を啜る音が返ってきた。
「キャル、ここにいたのかよ」
覗き込んだ窪みには、一冊の本を抱えた、少年と同い年ぐらいの少女が膝を抱えて泣いていたのだ。
どうせまた、本で読んだ知識を偉そうにひけらかして、別の子たちから面白くないと言われ喧嘩になったのだろう。少年も同じ事をされた経験があった。
そう言うと、少女はより一層を泣き声を大きくした。
「もう日が落ちる。ほら、帰るぞ」
少年はぶっきらぼうに言いながら、少女へと手を差し出した。
少女は、少年の名を呼ぶ。
「……グアン」
少年と少女は言葉なく、けれど固く手を繋いで、夜闇を間近にした森を後にした。
この村が魔物の大群に襲われて滅びる、その数日前の出来事だった。
***
◆自由都市グアド・レアルム、路地裏
探索者マクミラン・マーガスは、その日、強かに酔い潰れ、覚束ない足取りで路地裏を歩いていた。
彼は過去の一件から特定の徒党に固執することを嫌い、渡り鳥のように何人もの探索者と即席の徒党を組み、ギルドが斡旋する依頼をこなしてきた。
彼の蝕業は、最も保有割合が多いという剣。
取り立てて強いというわけでもなく、何か稀有な魔法や意能を持ってもいない。
集団活動で足を引っ張るわけでもないが、別の人間に入れ替わったところで、さして困られることはない。そういった立ち位置の人間だ。
本人としてはそれでよかった。その方が徒党を変えるのにも都合が良いし、別に探索者として名を挙げたい願望も無い。若い頃はそれなりに名誉欲もあったと思うが、上には上がいると現実を知ってからは、ほどほどに生きる術を身に着けていた。
それでも時間は平等に過ぎ去っていく。
気づけば年齢は三十を超え……いや、年は別にどうだってよかった。
問題はただ一つで、いつの世も探索者を悩ませるのは、これしかなかった。
――進値。
魔物のとどめを出来る限り、されどあからさまにならないよう他人に押し付けてきたマクミランにも、遂には進値上限という壁が近づいている。
おそらく、あと二つ進値を上げれば、自分はこのままだと人外に成り果ててしまう。
先輩の探索者が言っていた――近づけば分かるのだ、と。
その予言が今まさにマクミランの身に起きていた。当時はまだ先のことだと笑い飛ばし、未来の自分は必ずや上限を突破して探索者としても大成しているだろうと、何の根拠もない自信に満ち溢れていた。
だが、実際はどうだ? 探索者等級は、試験を突破できず、六から上がることはなかった。思い描いていたような、二つ名が付く名うての探索者になってもいなければ、進化石も得られていない。自分がバカにしていたうだつの上がらない探索者に成り果ててはいないか?
最近頓に、あの先輩探索者を思い出す――いつも何かを諦めていたような、見えない何かに怯えていたような、ああはなりたくないと心の中で蔑んだ探索者のことを。あの人は今生きているだろうか。
さりとて、ウィゼラ教の信者のように〝外域〟で人外として最期を迎える信仰も勇気もない。
――人外さえ狩れたなら……。
人外は本来なら、仲間と共に挑むべき強敵だ。
あの〝暴嵐〟や〝天器〟、〝蒼海〟のように、一人で倒してしまう化物がいるせいで勘違いしそうになるが、未知の力を持つ人外に立ち向かうには、信頼できる――進化石を分かち合える仲間が必要なのだ。
仲間、そう、マクミランが一つの徒党に長居できない、呪いのように脳裏に焼き付く過去。
あの事件さえなければ俺は今頃――そんな事ばかり考え、探索の回数と反比例するように酒量が増えていった。
さらに気に食わないことに、事件の共犯とも言うべきアイツが、誰もが名を知る有名探索団で今も活躍しているのが――
「ねえ」「お兄さん」
「……あ~?」
真正面。
路地裏の道を真っ直ぐ進んだ先、建物の影に誰かが立っている。
「マクミラン」「マーガスって」「貴方のことで」「あっているかしら?」
それは奇妙な喋り方をしていた。
最初は酩酊しているせいで人影が二重に見えているのかと思ったが、少しして、そいつらが本当に二人いて、しかも奇妙な事に、一つの台詞を交互に交代しながら喋っているのだと気づいた。
「何だお前ら……? なんで俺のことを知ってやがる?」
マクミランが当然の疑問を口にすると、
「だって」「ねえ?」「お兄さんも」「探索者なら」「自分が狩る魔物のこと」「事前によぉーく調べてから」「殺すでしょう?」
「私たちもそう」「相手のことは」「念入りに調べるの」「確実に殺すためにね」「一緒でしょう?」「殺すのが魔物から」「人間になっただけで」
その時、雲間から差し込んだ月明かりが、影の中に潜んでいた二つの人影を暴き立てた。
人影の正体は、少女だった。
片方は黒い服に白い髪。
もう片方は白い服に黒い髪。
仲良く手と手を絡め合い、年相応の可憐な印象を与えてくる。
マクミランの本能は痛いほどの危機感を訴えている。
相手が可愛らしい少女だから――そんな外見的特徴だけで舐めてかかっては、残念ながらこの世界では長生きできない。少なくとも、胸元に刻まれた進値の数値を確かめるまでは安心できない。
何よりも気になるのは、少女たちが口走った内容。
「殺す? 殺すだと?」
「うん」「そうだよ」「私たちが」「今から」「お兄さんを」「殺すの」
「て、テメエら、まさか」
ここまで言われれば、酒に酔った頭でも理解できる。
この年端もいかない少女たちこそ、この世で最も忌避される存在――
「お察しのとおり」「私たちは」「〝殺し屋〟なの」
人が人を殺す最大級の禁忌を生業とする、穢れた仕事人。
「二人で」「一つの」
「「〝殺し屋〟なの」」
――マクミランは躊躇うことなく腰に佩いた剣を抜き放ち、【真空斬り】を放った。
「うふふ」「あはは」
少女たちは手を離して別れることで飛来する斬撃を回避した。直撃を受けた背後の壁に斬撃の爪痕が刻まれる。
少女たちは左右に分かれた勢いそのまま、人間離れした跳躍力で路地裏の壁を蹴り、三角飛びで詰め寄り、空中から襲い掛かってきた。
手に持っているのは……分からない。あまりにも細く、加えて暗闇のせいで判別できない。
「クソが! 何なんだよ……ッ!」
相手の出方が分からないため、マクミランは防御に徹する。
酩酊状態であることが戦闘に影響を及ぼしているのは間違いないが、これでも剣一筋で戦い抜いてきた身。高まった【剣術】の意能は、迎撃すべく剣を振るう軌道を明確に肉体へ伝えてくる。
路地裏の暗闇に、幾つもの閃光が迸る。相手の武器と剣が交差する度、散った火花が一瞬だけ、二人とマクミランの戦闘の光景を浮かび上がらせた。
少女たちは巧みにマクミランの周囲を回りながら攻撃を仕掛けてくる。その継ぎ目のない連撃を必死に捌きつつ、マクミランは打開の隙を探っていた。
だが唐突に、少女たちは自分から距離を取った。
前と後ろ、自分を挟み込む位置取りは理解できるが、そもそも攻撃の手を休める意味が分からない。
次に何をすべきか逡巡する。
戦闘か。
逃走か。
――逃げる? 冗談じゃねえ。むしろ〝殺し屋〟を返り討ちにして首級をあげれば、俺の名もレアルム中に轟く。
〝殺し屋〟は、魔物ではなく人間を殺して進値を上げてきた連中だ。
彼らはおしなべて進値が高い。
その理由は勿論、人間を殺してきたからである。魔物を殺すよりも同じ数の人間を殺した方が、進値の上昇が早いことは知られている。
さらには人間を相手にすることにより対人戦闘にも当然長けており、普段魔物とばかり戦う探索者は〝人間と戦う〟という意味で大きく後れている。
強さでも技術でも上回ってくる相手。
しかし、マクミランは今の数合で手応えを感じていた。
――何が、〝殺し屋〟とは戦うな、だ。大したことねえじゃねえか!
驚きこそしたが、それだけだ。二対一という数的有利がありながら、少女は自分を仕留めることができていない。〝殺し屋〟にとって仕事に時間をかけてしまうのは下の下だろう。目撃者や応援を呼ばれる可能性が増える。一度警戒されれば次の不意打ちの成功率は激減する。
奇襲の機会を、姿を晒すことで無為にし、仕留めきれず徒に時を費やす。
――間違いなくコイツらは半端者だ!
そして夢想する。
悍ましい〝殺し屋〟に卑怯にも襲われ、それでも返り討ちにした功績に畏敬の念を送られる自分の姿を。
その嘲りと楽観が、マクミランに思考する余裕を与えた。
そもそも、なぜ自分は〝殺し屋〟に狙われるのか。
〝殺し屋〟に狙われるということは、誰かがマクミランを殺したいと願ったという事実の裏返しだ。
しかし、正直に言って心当たりは毛頭ない。
誰かと深い関係も築いてこなかったが、憎まれるような気まずくて後腐れのある関係もなかった自信はある。特に徒党を渡り歩くようになってからは……。
ならば……その前?
そうなると――ある。一つだけ。
つまりは、あの時の――
「お、あ?」
不意に感じた、気持ち悪さ。
蘇る――夕立に振られて、濡れた服を纏った時の感触。
見下ろすと、マクミランの首から下は濡れていた。
雨水ではなく、己の肉体から滲み出た血によって。
派手な出血ではなく、それどころか痛みもなく、服にじわじわと赤い斑点が広がっていく。
そんな赤い点が、体中のあちこちに表れていた。
「うふふ」「相変わらず」「お姉ちゃんは」「弱い者を」「ねちねちと」「嬲る方法が」「好きねえ」
「ひどいわ!」「私はただ」「すぐ終わらせるのが」「もったいないから」「長く愉しもうと」「してるだけなのに」
ここでようやく、マクミランは少女たちが両手に持った武器を見て取った。
それは針だった。手で握り込む柄の部分は相応の太さだが、その両端から伸びる針は極端に細い。
あれに刺されたというならば、この不自然な出血の仕方にも納得いく。
「この武器は」「数ある中で」「お気に入りの一つで」「獲物を傷つけ過ぎない」「その点では」「随一だわ」
「お兄さんも」「実感して」「自分の命が」「零れ落ちていく」「神秘的な」「一時を」
「そして思いを馳せて」「自分の命の大切さを」
「近頃は本当に」「自分の命を」「粗末に扱う人が」「多過ぎるの」「だから理解させてあげる」「自分の命の」「贖い様のない」「尊さを」
――これ以上の戦闘は危険すぎる。
相手の手の内が読めず、しかも手札は針だけということはないだろう。まだ動く余力があるうちにこの場を脱しなければ。
逃走……事ここに至って、マクミランはその選択肢を選ぶことができた。
あるいは、最初から逃げることを選んでいたとしても。
結果は万に一つも変わらなかったかもしれないが。
マクミランは背後への注意を捨て去り、前へと吶喊した。少女たちがすぐに反応し距離を詰めてくる。
だが――路地裏を突風が駆け抜ける。
風に押される形でマクミランは爆発的に加速し、前方の少女を押し退ける勢いで飛び出していく。
「あら?」「取り逃がすなんて」「意外だわ」「何の取り柄も」「なさそうだったのに」
マクミランの持つ意能、【疾風駆け】。
自分の後方に強力な追い風を生み出し、瞬間的に加速する力だ。
効果時間は短いが、一瞬のうちに短い距離を踏破する効果は、相手に回避しえない一撃を加えるのにも、危機から離脱するのにも有能だ。
「本当に残念だわ!」「取られちゃった!」
マクミランは再度【疾風駆け】を発動し、一気に路地裏を抜け――
「かはッ⁉」
突如、体は急激に静止し、慣性で内臓が引っ繰り返りそうな感覚が襲う。
「な、なんっ」
己の四肢と胴体が、大量の糸のようなものに絡め取られていた。
糸は路地の横手の道から伸びている。豪速で駆ける自分を捉えて捕まえたというのか。
マクミランの姿が掻き消える。糸に引っ張られて路地の横手の闇に消えた。
――直後に響き渡る絶叫。その中に混じる、熟れた果物を握り潰すような湿った生々しい音。
路地裏には夥しい赤色が撒き散らされ、血の香りが充満する。
「……ああ、クソッ、オイオイオイ! もっと静かに殺れねえのかよ旦那ァ! 今の悲鳴で人が寄って来るだろ……!」
惨劇も真新しい殺人現場へ新たに登場したのは、冴えない容貌の、中年と言って差し支えない男だった。
おっかなびっくりしつつも怒りで額に青筋を浮かべる男の手には鎖が握られている。
「あー。あ、あー」
鎖の先は首輪に繋がっており、その首輪はまた別の少女に嵌められていた。
先ほどマクミランと交戦した二人よりは幾分か年上ではあったが、合わない焦点、意味をなさない呻き声、ふらふらと覚束ない足取りは、正気の喪失を疑わせた。
「あーあー!」
「オイ、そんなもん触るんじゃねえよ、汚ねえ……!」
首輪の少女は路地裏に広がっていく血溜まりを触ろうと手を伸ばすが、中年の男が鎖を引っ張って止める。
「あらぁ」「おじさんいたんだ」「あれだけ文句言いながら」「結局ついてきたんだ」
白と黒の少女が気安く男に話しかけた。
「ッ……お前ら、さっきの奴が旦那と反対の方に逃げてたらどうするつもりだったんだ! 詰めが甘ェんだよ!」
「そうしたら、おじさんが代わりに殺してくれたの?」「おじさんビビリなのに?」
「うるせえ! 〝殺し屋〟なら仕事きっちりやれ!」
「怒られちゃった」「新人の〝殺し屋〟さんに」「張り切っちゃってるね」
「……お前らと話してるとっ、頭がおかしくなる……!」
中年男が苛立たし気に頭を掻き、少女たちがクスクスと笑い声を上げる中、新たな人物が現れようとしていた。
いや、それを人間と言ってよいのだろうか。
目が粗く頑丈さだけが取り柄のような布を、幾つも継ぎ接いで縫った巨大な人形のような物体。
頭部から背中にかけて、地面を擦るほど長い髪の毛が大量に零れ出ている。また、全身に隈なく存在する縫い目の隙間からも髪の毛が飛び出し、どう贔屓目に見ても危険な呪物としか思えない。
極めつけに、髪の毛は所々血肉にまみれていた。それが誰の血肉かは言うまでもない――この場に居合わせている者たちにとっては。
「まずは一人だ」
人形の中から男とも女とも判別できない、くぐもった声が響く。
「残り五人。仕留めるのは早い者勝ち、報酬は殺した頭数に応じる。今の奴は俺のに含めるぞ」
「別に」「いいわよ」「私たちは」「お金が目当てって」「わけでもないし」
「……狂人め」
「あー。あー?」
〝殺し屋〟たちは仕事の確認を終えると、それぞれ別の路地へと散り散りになった。
やがて、マクミランの絶叫を耳にした周辺住民や探索者がやってくる。
そこで惨状を目の当たりにした彼らは異常死体としてギルドへ報告するが――この事件は、これから自由都市グアド・レアルムで巻き起こる事件の端緒でしかなかった。
◇疾風駆け【しっぷう-がけ】
意能/行動強化系
己の後方に追い風を生み出し、瞬間的に加速する意能。
強烈な風圧により、疾風の如く駆け抜ける。
重さの軽い飛び道具ならば風で吹き飛ばしたりなど、
守りながら懐に飛び込む攻防一体の使い方も可能。
風を伴う力に、使用者の発想力が試される。
あるいはただの凡俗ならば、
この意能は、どのように目に映るだろうか。




