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第二十七話 邪悪なモノ

◇念話【ねんわ】

用語/探索者


遠く離れた位置に居る相手に情報を伝達する魔法や意能の総称。

特に念話の魔道具は、蝕業を問わず誰でも使用できるため、重宝される。


現在の技術水準では、念話の魔道具は重く巨大にならざるをえず、

ギルドなど主要施設にのみ設置されている。


離れていても、いつでも会話ができる。

そんな夢の時代が到来するかもしれない。

   ***




◆一年前――〝外域〟中層・墓標丘陵、メリジュナ・レイン



 温い雨粒が気持ち悪く肌を伝う。

 その感触に(まみ)れながら、私は放たれた矢のように〝外域〟を駆けていた。


【夜目】の意能でもなければ五歩もしないうちに滑りそうな悪路。だが、私にはどこを踏めばいいか、例え視界が十全でなかろうと体に染みついた経験が足を運んでくれる。

 心臓は早鐘のように鼓動して、頭の後ろをじりじりと焼く焦燥感でおかしくなりそうだ。しかし、不安を叫び声に変えて吐き出すこともできない。私には一刻の猶予も許されていないのだから。そんな事をするくらいなら、黙って走り続けろと理性が駆り立てる。


 今向かっている墓標丘陵は、古くから戦いの地に選ばれ、幾多の勝利と敗北を見送ってきた。そして、人と、魔物と、人外の永遠の寝床として、次の死者を待ち続けている。

 骨と腐臭、死の気配が葬送の列を為し、踏み入れる者を丘陵の頂上へと見境なく誘っていった。


「――――――――」


 辿り着いた頂上は……血の冠を被っていた。


 そして、五つの(なまぐさ)い木が。


 人為的と呼ぶには悪辣で、自然と呼ぶには醜悪な造形。

 貧弱な想像力を絞り出して理解に努めたならば――


 それは臓腑で温められた種が芽吹き、瞬く間に、宿主をがむしゃらに貫いて顔を出し、空へと枝を伸ばした()だった。

 果実が成ったように垂れ差がる目玉は何なのか。

 木と共生する蔓のように掛けられた(はらわた)に何の意味が。

 早贄のように枝に盛りつけられた肉塊はいったい。

 それが五本という――私の教え子の人数(・・・・・・・・)と同じなのは。


「――私は警告したのよ?」


 木々の中心から声がした。

 その女は降りしきる雨の中で、血の一滴も寄せ付けず、亡霊のように希薄な存在感で立っていた。

 幾万の雨粒、その全てが女を避けて地面に降り注いでいる異常な光景。


「ちゃんと説明もしたの」


 地面に吸い込みきれなかった血溜まりを踏みながら歩いてくる。砂鉄が磁石を避けるように、足裏が触れる範囲の液体が周囲に弾かれている。


「ギルドの依頼で彼らを捕まえに来たことを、できうる限りの誠実さで、懇切丁寧に」


 現れた姿に息を呑む。


「なんで……貴方が……」

「たまたまこの辺りの〝外域〟にいた私に、念話で連絡が来たの――殺人事件の犯人を捕まえてほしいって。まあ、結果は残念だったけど(・・・・・・・・・・)


 私は、

 木に力なく垂れ下がる顔をよく見ようと目を凝らし、


 ――手で口を塞いで、込み上げてくる悲鳴を必死に押し戻した。


 彼らの最期に慈悲があったのか。

 痛み無き速やかな死が齎されたのか。

 そんな切なる願いは、彼らが顔に貼り付けた苦痛の表情を目にし、無惨に打ち砕かれた。


「レアルムに戻って罪を償うように説得したんだけど、〝お前を殺して他の都市に逃げるんだ〟って襲われちゃあ、ね……?」


 膝を突き(うずくま)る私に弁明を繰り返す声。

 だが、目の前でこんな事が起きましたと、偶然立ち会った傍観者のように、己の為した所業に対する感情は何も込められていなかった。


 興奮も、怒りも、哀しみも、後悔も――無い。


 殺されそうだったから、ただ殺したのだと。


「こうなったのは不可抗力なのだけれど……どうなるのかしらね? ギルドはなんて言うかしら」


 例え、殺しの快楽という唾棄すべきものでも、この女が目の前の殺戮に意味を見出していたならば。

 でも、それすらも無いのだとしたら――


「それにしても、うだつの上がらない人生を否定したくて、何者かになる(・・・・・・)ために探索者になったのでしょうに。一時の感情で人を殺して、積み上げてきたものを棒に振って、挙句の果てに返り討ちにされて……」




 ――彼らの人生に、一片の意味すらなかったような。




「それで死んでたら――何の意味もないよね」

「ユサァァァフィィィィッ‼」


 ――大気を震わせる重低音とともに、私の殺すための前蹴りはユサーフィの掌で受け止められていた。


 衝撃の余波が雨を吹き飛ばし、また降り注ぎ、片足を繰り出したままの私だけを濡らす。


「貴方はもうちょっと賢い人ではなかったかしら、メリジュナ」

「ッ‼」


 残る足でユサーフィの胴を蹴り、反動で距離を取る。奴の体は小動もせず、それどころか衣服に足跡すら付かなかった。

 どういう絡繰りなのか、まるで見当もつかない。


「私の知り合いの中でも、一等物の道理を弁えている貴方なら、殺人犯の肩を持つなんて愚行は犯さないと思ったのに――」






 ――ラペル、カンネラ、セルバンス、ビーロック、タンタ。


 ルリィを失った『青の盾』五人は、まるで何かに取り憑かれたように無謀な探索を繰り返していた、らしい。


 伝聞でしか知らないのは、ルリィの死を切っ掛けにして私が一方的に会いづらくなったからだ。埋葬の日以来、言葉を交わしていない。

 そして、比例するように他の一党とのいざこざも増えていった。要注意探索者としてギルド職員に触れが回り始めた。それでも私は彼らと会うことができなかった。


 ……怖かったのだ。

 彼らから「探索者になんかならなければよかった」と言われてしまうことを想像すると、手と足は凍ったように動かず、振り絞ったはずの勇気は雨に打たれる焚火のように消えていった。


 探索者の道を選んだのがラペルたちの意思だったのは間違いない。

 けれど、だからといって割り切れるだろうか。

 初めての教え子たちの進んだ結末が華々しいものにならなかったことに、自分は関係ないと顔を背けることができようか。

 私には無理だ。

 己が教導者を選んだ理由すら見失い、揺らいでいる私には。


 そうして懊悩している間に、事件は起きた。


『青の盾』と過去に係争に至った一党『黒い刃』。

 夕刻、彼らがラペルたちを先導するようにレアルム外れの廃屋に入っていった証言がある。

 しばらくして突如、激しい交戦の音が響き渡り、近くにいた探索者数名が廃屋に突入したところ、そこに『青の盾』の姿は無く、代わりに物言わぬ死体と化した『黒い刃』の三人が。

 追跡の魔法と意能の効果により、『青の盾』は〝外域〟に逃亡したことが判明した。


 その情報を聞きつけた瞬間、私は弾かれたようにレアルムを飛び出していた。あれだけ会うことを臆していたというのが嘘のようだった。


 しかし、どれだけ速かろうと……私はもう遅かったのだ(・・・・・・)






「貴方ならッ‼」


 私は我慢できずに叫んでいた。


「貴方なら殺さずに制圧することもできたッ‼」


 殺人は間違いなく罪だ。

 だったら、罪を(そそ)ぐための罰を受けることもできたはず。

 いや、まだ殺したという確証すらない。

 彼らは被害者と直前まで会っていただけで、現場から離れるように移動しただけであって、




「幻想を信じるのはやめなよ」




 私の願望(・・)を否定する声。


「彼らには、人間に備わってないといけない安全装置が付いていなかったの。あるいは最初から壊れていたか。今回の暴走がなかったとしても、進値が上がって力に酔えば、彼らの脆弱な倫理観と旺盛な嗜虐性はいつか、決して引き起こしてはいけない事態を今回のように招いてしまったはずよ」


 知ってる? と、ユサーフィは朗々と語り出す。


「うちのフランチェスカがギルドから要請を受けて『黒い刃』の検死を行ったの。彼女はそういうのに向いた意能を持ってるからね。結果は、まあ酷いものだったらしいわ。咄嗟に殺したにしては念のようなものを感じるくらい見るに堪えないと」

「……あの子たちは、そんな子じゃ、ない」


 擦れた声で、何とか返事を絞り出す。


「貴方の前ではそんな子(・・・・)じゃなかった。そういうことじゃないかな?」しかし、ユサーフィは反論など許さないとばかりに微笑む。「貴方は力の使い方は存分に教えたけれど、力を使った後の未来(・・・・・・・・・)のことを教えなかった。振るわれた暴力が何を生み出し、何を残すのか、考える力を育てなかった。その結末が今回のように――失敗作を残す羽目になった」


 ――――――――――。


 言葉が、私の心の奥底の奥底、自分ですらまだ知らなかった深い場所を抉り抜く。

 最も言ってほしくない言葉が私を穢す。


「失敗作、ですって……?」

「そう。言ったでしょ。安全装置が付いてなかったって。昔から人間はそうしてきた。ギルドが生まれるよりもずっと前から、ウィゼラの教えを教え伝えられてきた」


〝殺しを請負うことなかれ〟


〝戦争を起こすなかれ〟


〝世界の果てを知るなかれ〟


「互いに助け合い、武力を振り翳さず、未知への探求を止めない……三つの不文律。これこそが世界に対する安全装置。もう二度と、世界を滅ぼした古の過ちを繰り返さないと、血を超えて受け継がれたもの。でも、名工が稀に剣を打ち損じるように、この世に生まれるものには例外なく失敗作(・・・)が誕生することがある」

「やめろ……」

「大抵は世界に与える影響は無視できるほど小さいから問題にならない。でも――存在を許せば、やがてソレは周囲を汚染し、致命的な災いを引き起こす」

「やめろッ‼」


 あの子たちを、あの子たちをそんな風に語るな!


「お前に何が分かる⁉ お前はただ都合の良い事だけを言って、あの子たちがそうだと決めつけているだけだ‼ お前は何も知らないくせにッ‼」


 勝利のためなら傷つくことを厭わないラペルの勇敢さを。

 嫌がることを率先して引き受けるカンネラの強さを

 場を和ませようとするセルバンスの明るさを。

 見返りを求めず行動できるビーロックの慈しみを。

 寡黙ながら皆を先へと導いていくタンタの魅力を。

 言いにくい事でも真実なら躊躇わないルリィの実直さを。


「何も、知らないくせに……ッ‼」


 ユサーフィが激する私を宥めるように言った。


「――ルリィが死んだ理由、分かる?」


 それは、罪人に惨たらしい刑罰を下す審判者のようで。

 私は、何も答えなかった。


「ルリィは表向きには探索中の死亡として処理されたけど、あれは真実じゃない。本当は殺されたのよ」

「…………なん、だと」

「知りたい? 犯人」


 ――ルリィを殺した犯人。


 そいつが今目の前にいたならば、私は復讐の悪鬼と化し、全ての意能を用いてその者を撃滅する。同じ苦痛をもって必ず罪を贖わせる。


「知っているのか。言え! その下衆の名前を――」






「この五人がルリィを殺したの」











 ――何を言っている?


「知ってた? 『青の盾』は六人の一党じゃなくて、五人と一人の一党(・・・・・・・・)だったこと」


 ――何を言っている?


「ルリィはとても優しく、悪事を見て見ぬ振りができない子でね。意外よね、あんなに気弱そうなのに、たとえ仲間であっても悪い事は許さない、とても正義感の強い子なのよ」


 ――何を言っている?


「そんなルリィと違って、五人の仲間たちの性根は、まさに外道そのもの。そんな彼らがルリィのことを殺したいほど(・・・・・・)疎ましいと思ってたとしても、何の不思議もないよね?」


 ――何を言っているんだ、お前は?


 ラペルが、カンネラが、セルバンスが、ビーロックが、タンタが。

 よりにもよってルリィを殺しただと。

 そんなことは、ありえない。


「貴方こそ、彼らの何を知っているのかしら? 少なくとも、量じゃなく質で比べるなら、今の私は貴方より彼らを知っているよ(・・・・・・)。まあ、ズルをしてだけど」


 ありえない。


 ありえない。


 ありえない。


 ありえないありえないありえない。


 この女は死者を冒涜している。


「真実を知るために、彼らの記憶を一通り味見(・・)したけど……うん。見立ての通り、人間性は反吐が出るほどだね。本当はね、殺したのはちょっとやり過ぎたかもと思ってたけど、こんな屑なら誰からも批判はされなさそうだ――」


 違う。

 彼らは私の教え子で。

 生きているだけで輝かしいはずの。




「――こんな邪悪なモノなら、フフッ、やっぱり殺しておいてよかった」




「――あああああアアアアアアアアアアッッッ‼‼‼」


 彼我の距離など存在しないような速さで駆け抜け、意能を乗せた蹴りをユサーフィの首へと放った。


 ――だがそれよりも早く、奴が振り下ろした右腕に合わせて一筋の雷撃が私に降り注いだ。


「――ッ――――‼」


 感電の痺れが狙いを狂わせ、私の意能【弧月刈り】はあらぬ場所を吹き飛ばした。

 肉が灼ける臭いがする。弾けた左目からとろりと汁が垂れるのを感じる。


「アアアアアアアアアア――」


 続く回し蹴りは、両足を膝下から切断されたせいで不発に終わった。

 何の動作の前触れもなく、容易に私の体は切り取られた。

 奴が引き起こす現象の根源、その一切が不明だった。

 これが〝千貌〟……千の混沌。

 あらゆる力を使いこなす、底知れない力(・・・・・・)


「う、ううう、うう……」


 血に混じって涙が流れる。足を失い、抗う手段も失い、私にできることなどその程度しかなかった。

 探索者として名を馳せ、〝悪蹴〟と呼び畏れられ、後進の育成を担うようになった。

 その程度の自信など、命を懸ける探索者としての自負など、偶然体に触れた小枝を折るかのように、お前は圧し折っていくのか。きっと、その自覚もないままに。


「うう……うあ、あ、あ……っ!」


 教官としての誇り――教え子たちとの思い出――絶望の哀しみ――煮え滾る怒りさえも――涙になって両の瞼からこぼれていく。


「泣かないで、メリジュナ」


 血溜まりに沈む私を、ユサーフィが膝を突き、ゆっくりと抱きかかえる。


「泣きたくなるのはこれからよ(・・・・・)。貴方は知らなければならない。何が真実なのかを」


 ユサーフィの片手には果実の欠片のようなものが収まっていた。

 反対の手が優しく、しかし強引に私の口をこじ開ける。


「【心蝕樹(しんしょくじゅ)】っていう召喚魔法があってね。この種を体に撃ち込まれると、撃ち込まれた生物を苗床に成長して実を着けるの」


 その手の意図は明白で。


「面白いのがね、この実には苗床になった生物の記憶が吸い上げられて、食べた生物はその記憶を知ることができるの」


 私にそれを。


「苗床を突き破るくらいたっぷり育った実は、産まれてから今までの長い記憶が詰まっているわ。さあ、メリジュナ、貴方も。これは……確かラペルから成った実だから、これを食べれば貴方もラペルを知ることができる(・・・・・・・・)


 食べさせないで。


「よかったね」






 喉を滑り落ちた瑞々しい感触。

 途端、私の脳を蹂躙する膨大な記憶。

 それは生を受けてから死を迎えるまでのラペルの記憶であり、




 他者を踏み躙り、弄び、欲望のままに生きたある人間の一生だった。




 他人を殴って食べ物を奪った事に始まり、暴力、恐喝、強盗、女の子を力で捻じ伏せて――


 人を殺していないだけの悪逆と放埓(ほうらつ)の数々。

 そんな好き放題を五人でやっていた。遊び感覚で他人に消えない傷を与えてきた。

 ラペルたちは探索者になるために村から出てきたと言っていた。


 だが、真相は違った。

 隠れてやってきた悪行が露見しそうになったから村を出たのだ。


 私が知っていた教え子たちの姿は、本当の姿ではなかったのだ。

 そうなった理由も、酌量すべき外因も無い。

 ただ生まれながらにして、人を傷つき弄ぶことを楽しめる人間だったのだ。


 彼らがルリィを誘ったのは、村で唯一の〝像の蝕業〟持ちだったから。進値を上げれば回復魔法が使えて便利だからと、たったそれだけの理由だった。


 五人にとって誤算だったのは、ルリィが彼らに流されず、行いを咎めたことだ。

 悪の中に混ざった一粒の(邪魔)

 その末路は予想に漏れない。

 ラペルの記憶。彼の視界を通じて、私は真実を覗き見る。




 彼は、いや、彼らは見ていた。

 魔物の巣穴に落ちたルリィを助けることなく見ていた。

 正確には――巣穴に突き落とした(・・・・・・)彼女を。


「いやぁ! 痛いっ! いやっ――助けて!」


 猿のような魔物に全身纏わりつかれ喰われていくルリィの悲鳴。

 嫌だ、見たくない。


「なんで⁉ なんでこんな事――いぎぃッ!」


 瞼を閉じても、私の頭の中に直接流れ込んでくる。


「私たち仲間なのに! なんでっ、こんなっ、あがッ、いやあああああ‼」


 やめてやめてやめてやめてやめて。


「ラペル! カんネラぁ! セ、るバンず! い、ぐぎぃぃぃ⁉ ビぃロックぅ! タンだ! たずげて! 死にだぐない、ごんな最期なんで嫌! 嫌あああああ!」


 ルリィを魔物の仕業に見せかけて殺害した五人。

 そんな彼らの犯行の現場を偶然目撃していた者たち。


「……なあ、俺たち知ってるんだぜ」


 それは『青の盾』と狩場争いで因縁のあった探索者『黒い刃』の一党。


「この事をバラされたくなかったら――」






「お――えええええええええッ!」


 私は記憶の再現に耐え切れず嘔吐した。

 口に含まされたものを吐いたからか、おぞましい光景は頭から消えた。


 でも、私はもう何も考えたくない。全部忘れたい。眠りたい。死にたい。


 意識が薄れゆく。ユサーフィが何かを言っている。


「もうお眠りなさいメリジュナ。貴方の感情の発露が…………を生む新たな……そしていつか………………する可能性を――」


 最後まで何を言っているか分からないまま、私は気を失った。


 そうして人生でこれ以上はない最悪な夜が終わり、


 この日の出来事は、永遠の悪夢として刻まれることとなった。

◇心蝕樹【しんしょくじゅ】

魔法/召喚魔法


心を養分とする植物の種を召喚する魔法。

体内に埋め込むことで、種は発芽し、成長する。


その植物は、成長の最後に実をつける。

それは、心を吸い尽くした宿主の、一生涯の記憶である。

食すことで、宿主の人生を味わうことができる。


甘美か、あるいは辛酸か。

その味は、食したものにしか分からない。

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