7ログインtoアウト
夜明けだ。
全然眠れなかった。というか眠らなくてもいい体になったのか、全然眠たくならない。一発射精すれば眠くなるか? いや、気分じゃないな、てかもう寝なくていいか。
「はぁ、SSSのステータスって隙が無いねぇ」
これじゃあおれは死なないのではないか?
バトルロワイヤルに勝って報酬ゲットして終わり? 前回のおれっていいところまで行ったのかな?
「記憶喪失ってツラいな」
<なに独り言をペラペラと並べているのでしょうか?>
そこに現れたのは女神だった。
思春期真っ盛りの男の部屋に堂々と通信してくるのはどうかと思う。もし一シコりしていたらどうするんだ? 盛大に女神の映像にドバっとひっかけるぞ。
「何か用か?」
<朝五時、ログインボーナスです>
女神はスタンプカードに判を押し、おれにスタンプカードを見せてきた。
花柄とうさぎが書いてある可愛いスタンプカードだ。
てかなに? ログイン? 朝五時にログインって、おれずっとログインしていたけどログインボーナスくれるの? ありがとう。
「ログインって何かいいものくれるのか?」
<はい、転生者の一日の始まりには褒美があります>
「例えば?」
<典正様は転生階級六なので……鉛筆一本をボーナスとして受け取っていただきます>
めちゃくちゃ要らねぇものよこされたんだけど。なにこのログインボーナス、いじめ?
「あの、もうちょっと良いものくれないの? おれって一応六階級制覇者でしょ? 転生大戦に役立つものとかくれないの?」
<良いものではありませんか。学生なのだから勉強してください>
えぇ、今って転生大戦の時代でしょ? なんで勉強なんかしなくちゃいけないの? 転生大戦の英雄になることこそが転生者の目標でしょ? 違うの? あ、分かった!
「この鉛筆で他の転生者を殺せとか言うんだろ?」
<あらあら、筆記用具で人殺しを企むなんて物騒なお考えをお持ちですね。それでも学生ですか?>
違うのかよ! んじゃなんでログインボーナスが鉛筆一本なんだよ! マジで勉強しろってことか!? おれってそんなにバカなのか!?
「もういい、ひとりでなんとかする」
<ログアウトされますか?>
「ああ、もうログアウトだ! ログアウト!」
<ではでは、良き転生大戦を>