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4神々の遊び

 昼休み。

「ちょっといいかしら」と、おれは女子に屋上まで来るように指示された。

 ちなみにモブナルシストの名前はセイヤというらしい。セイヤは良い奴だったけど、これから裏切られたりしたら嫌だなぁ。どいつが敵でどいつが味方かも判らねぇし、もうストレスで禿げそうだ。


 おれは屋上に来た。屋上には女子がひとり、ふたり、さんにん。え? 三人?

 もしかしてこれって愛の告白タイムだったりする? おれって意外と女子に人気あったりする? いや落ち着け典正、罰ゲームの告白タイムだったらどうする? おれのこころが弄ばれるのだけは回避しろ。いいな典正、おれには今回幼馴染と妹という存在がいる。特に妹だ、妹を守ることこそがおれの使命だ。使命を放棄するなよおれ。


「それで用ってなに?」

「悪いけどあんたには死んでもらう」

「へ? なんで?」


「問答無用!」と、女子たちはおれに向かってきた。

「爆破スキル発動! エクスプロージョン!」

「水スキル発動! 雨しだれ」

「雷スキル発動! ライデン」


 と、彼女たちのスキルをおれは躱す。

 学校屋上の手すりが砕け散った。

 ええ! あんなのくらったら死ぬ! 前回のおれ思い出せ! どうやってこの場面を切り抜けた? ――思い出せねぇ。てか何? おれこの女子たちに何かした? 何したの本当に!

「タイムタイム! おれ君たちに何かした?」

「憶えてないとでも言う気?」


 憶えていない、もしかしてヤバい事したの? そのヤバい事ってどっち系? グロ系それともエロ系? マジでヤバい、記憶にございません。

「転生する前、あんたはわたしたちを殺したでしょ!」

 殺す? そんな酷い事おれはしていないぞ。

「その報いを今受けてもらう」


「ちょっと待って、おれは殺していない! おれは平和を愛する男だ!」

「バカを言うな! この世は転生大戦の時代だ!」

「生き残りこそが勝者」

「勝者には褒美が貰える世界システム」

「貴様は動物のように報酬を求めたんだ!」


 転生大戦の時代……転生、転生――あ、そうだ! こいつらはおれに一度殺されている。おれが屋上に呼び出して殺したんだ。でもあれはお前たちの方が悪いだろ。急におれに斬りかかってきたし、殺そうとしたのはお前たちの方じゃないか。


 とおれは、女三人の攻撃を躱し続けた。何かいい方法はないか? 暴力ではなく平和的な解決策はないか?

「逃げてばかりではいずれ死ぬぞ!」

 なら逃げないで殺されろって言うのか? 殺されてたまるものか、おれには可愛い妹がいるんだ。絶対にまだ死なんぞ。


「しつこいぞ、昔のことを引きずっているんじゃなくて今を見たらどうだ? 今は楽しいぞ、生きている限り恋は出来るし失恋も経験できる」

「貴様はそう言いながらわたしの恋人を殺すんだろ!」

 ああ、これは話にならないな。仕方ない。

 とおれは、女たちを気絶させた。女子をいたぶるのは嫌いなので一発で寝ていてくれ。


 これがステータスSSSか、流石に強すぎる。イージィーイージィー。

 おれは教室へ戻ろうとした、その時、

<試験クリアおめでとうございます>

 おれの目の前に表示された立体映像には女神が映っていた。


 この映像投影機どういうシステムだよ、おれの学生服から出力されているのか? 

 と見れば、学生服の左胸から光が出ていた。どうやら映像を3D投影しているのは学生服の紋章の機能らしい。これは盗撮にも使えそうだが、盗撮向きではないな。

「おう女神さま、何か言い忘れたのか?」

<第一試験クリアおめでとうございます。それと一つ謝っておきたいことがありまして――あなたの記憶の転送に少し失敗しました、ごめんなさい>


 ああ、やっぱりそんな感じだよね。分かっていたけど、このカラダに残っている記憶がほとんどない上に、五回転生した時の記憶がカオス化している。これではどう世界を攻略していけばいいのか分からない。

「それを言うために現実世界にも顔を出したわけか」

<ええそうです>

「まぁ、記憶なんてあっても無くても関係ないさ。なんたっておれのステータスはSSSだからな、簡単にクリアしてしまうぞ」


<では改めてルールを説明しましょう>と女神は続けて、

<【転生大戦】――簡単に言うと転生者による戦争です。学園内バトルだったり他校とのバトルだったり軍とのバトルだったりとある組織とのバトルだったりと、この世界は何もかも暴力で解決させる世の中です>

 ほうほう、とおれは改めて説明を受けているのだろう。


 転生大戦を簡単に言うとバトルロワイヤルだ。個人で戦い続けるか、誰かと組んで戦うか。戦い方は様々。

 転生者にはスキルやステータスが与えられる。一階級の転生者は属性魔法的なもの、二階級には身体能力強化、三階級には火力的な何か、四階級には眼力的な何か、五階級には幸運的なものが与えられる。

 と、階級が上がるにつれて付与されるスキルが重複するわけだ。バッドステータスもあるようだけど、まぁそこは割愛しよう。

 六階級のおれは規格外。つまりおれは最強のラスボス的な存在になっているわけだ。前世の記憶はカオス化しているけど。


「おれを倒した奴は優勝間違いないな。まぁ、おれが勝つけど」

<それはどうでしょう? SSSステータスでも世界が敵であれば負けてしまうこともありますでしょう>

「六階級制覇したのはおれが初めてなんだろ? つまりまだ結果は分からない」

<勝てる自信満々ですね。その自信はどこから湧いてくるのでしょう?>


「今回のおれには妹という守るべき属性があるんだよ」

 まだ妹の顔すら見てないけど。

<妹だけですか? それは死んでしまいますね、妹を人質にされたら終わりですね>

 この女神は怖いことを言うな。確かに人質にされたらおれは死ぬしかない。家族を守るためならこの身を犠牲にしなくてはならない。それがライオンハートを持つ者の心構えだ。


「まぁ何でもいいけど、おれには守るものがある」

<守るものですか、弱っちい言葉ですね>

 おいおい辛辣じゃない女神様。おれってそんなに女神さまに嫌われる行いした? あ、記憶滅茶苦茶になっているから何したか憶えてねぇわ。ごめんね女神様。

<それと……転生者を生かしておくのはルール違反です。即刻、先ほど倒した者たちを殺してください>

「は?」


<あなたは先ほど転生者を戦闘で撃破しました。勝った者は相手を殺す権利があります、速やかに殺してください>

 え? マジ? 殺さなくちゃいけないの? おれが? 人を? 殺す?

「あの、意味分かんないんですけど」


<神の命令を無視するなんてできませんよ>

 そう言って女神はおれの頭を掴んだ、しかしおれの身には何も起きなかった。

<さすが六階級制覇者ですね、神に抗うのも簡単ということですか……いいでしょう、あなたが出来ないならわたしが殺して差し上げましょう>

 と、女神は女三人の頭に触れると――吹き飛ばした。

 今まで聞いたことの無いような音がおれの耳を犯した。


「お前……神のくせに人間を殺すのかよ」

<ルールは絶対です。わたしはあなたのスポンサーですので、あなたが勝てばわたしにも人間を殺せる権利が与えられます>

 死神か何かか? この狂った女神は。その可愛い見た目に反した最低な性格では女神と言えないぞ。もうちょっと女神女神らしくしてほしいものだ。


<どうか転生者を存分に殺してください。典正さん>

と言って女神は映像を一方的に切った。

「おいおい、待てよ」

 前回のおれってどれだけの人間殺してんだ? 嘘だろ、おれが人間を殺すって……マジなのか? その領域まで足を突っ込んでいるのか? おれの手はどれだけ汚れてんだよ。


「せっかく転生したってのに、これじゃあ死んだのと変わらねぇぞ……」


 これが転生大戦――残虐非道な神々の遊び。


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