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1六度目の転生

典正(のりまさ)! 死なないで!」

 誰かが泣き叫んでいる。おれの名前を呼んでいる。

 おれなんかのために涙を流している。

 おれなんかの手を力強く握ってくれている。


 おれは死ぬのか……まだやるべきことがあるはずだ。

 痛い、熱い、喉が渇く。まだだ、まだ死ねないんだ。

 この大戦を終わらせるまでおれは死ねない。


「まだだ…………まだおれは……君の名前を……」




 おれは起き上がった。

 ハロー世界。お父さんお母さん、今おれは転生するところです。赤子に転生したらしっかりと面倒を見てもらいますよ、でも、青少年に転生したらほっといてくださいな――反抗期真っ盛りだと思うからね。

<またお会いしましたね>

「おう、久しぶり女神さま」


<名前を教えてください>

「名前は典正、って、教えるのはこれで六回目だろ」

<転生階級を教えてください>


「六回だろ、てか名前のところ無視するなよ」

<六階級制覇おめでとうございます。あなたが初めての六階級制覇者です>

「いやいや、おれ死にすぎでしょ。今回はグットステータス何付与されているの?」

<あなたは真理に近づきすぎた――ということで六階級制覇者にバッドステータスはありません。代わりにSSSクラスのステータスになります>


「何それ、おれそんなにイージーモードで次の世界プレイしていいの?」

<転生大戦であなたは死にすぎました。ペナルティとして今後の転生は出来なくなります>

「マジ? 七階級転生無いの?」

<ありません。五回にも及ぶ転生によりあなたのこころはもうボロボロのボロ雑巾の臭いになっております、なのでわたしももうあなたを転生させたくありません。直訳すると、クソめんどいんだよこのゴミめ>


 何それ、おれのこころはまだまだ十六歳の思春期真っ盛りの反抗期も反抗したい年頃のこころだよ。てか悪口だよね? 最後の方悪口言ったよね?

「残機ゼロか。神様も気まぐれだな」

<神の予想を超える死を六回も経験したあなたならもう分かりますでしょう。この大戦がどれだけ無意味なものかを>


「大戦に理由なんかねぇだろ」

<それでは今回は死なないようにしてください>

「死なないようにって……それでも人間はいつか死ぬぞ」

<今回物語の途中で死んだら転生できません。どうします? ここでわたしと暮らすか、それとも世界で寿命が来るまで生きるか>


 そんなこと決まっているだろう。

「最高の状態で始まれるなら世界に行かないでどうするんだ? ステータスSSSで転生できるなんて聞いたらワクワクするぜ」

<男はバカですよね。わたしのところに来る男はみんな冒険して死んでしまいます。あなたもそのバカのひとりです>


 こちとら好きでバカに生まれたんだよ。頭の出来が良かったらいろいろなことで悩んじまうだろ。悩まないのがおれという存在だ。

「男に生まれたら冒険しなくちゃならねぇんだよ。分かるか? 女神様」

<わたしは女神なのでよく分りませんね。死ぬこともできない神ですから……>

「あんたは死にたいのか?」

<死ねるなら死にたいです。正直女神の仕事なんてしていたくありませんから>


「なら、次の世界を死なないで攻略したらおれがあんたを殺してやるよ」

<ふふふっ、神を殺せるのでしょうか?>

「神様の予想を超えるおれだぜ? 神様くらい殺せないんじゃ物語の登場人物として相応しくないだろ」

<そうですね――ならばどうか生きてください>



 おれは転生した。転生失敗して人間じゃない生き物になれたらよかったのだろうけど……齢十六の人間のカラダだ。まだまだ鍛えられるようなこころとカラダを持って転生した。

 はてさて、この物語はどう転がりゆくのか。

 転生大戦のはじまりはじまり。


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