再就職先
毎日のように、美少女とこんなやりとりをしてるから、周りの男性乗車客から、殺意のような眼をされることも多々ある。
仕事のある日は、
毎日、、こんな感じで降りる駅まで過ぎていった。
彼女の方が先に降りる。
俺はその次の駅で、いつも降りてた。
そんな俺と。美少女女子高生マヒロとの
朝の関係性だが、ある日突然、終わりを告げる。
俺の会社には
東大大学院卒の高学歴な上司、
藤島さんって5歳歳上の男のひとがいた。
だけど、俺、この人との
関係性に普段から頭を悩ませていた。
「山吹、この案件だけどさ、俺の代わりに資料まとめとけよ...!」
「俺は情報収集でネットサーフィンしなきゃいけねぇからさ」
「え」
「それと、おまえさ、この前のゲーム企画のミス、ま、具体的にいうと、
ターゲット層の選定のあやまりの件、おまえのせいにしておいたからさ...」
「あとはそれとは違う種類のモバイルゲームの売り上げ見込みも大幅に見誤ったってことで社長に報告しといたwww」
「ええっ」
「ま、そんなわけで、おまえは使えない奴認定されたんだな...」
「あとは、女性社員に対してお前が言い寄ってるとか、
色々と話でっちあげたら、社長がおまえのことクビにしようってことになったからな...」
「そんな、、、!?クビですか!?」
「大学も出てない無能が、解雇されるのは
当然のことだよなw」
俺はこのあとすぐに社長室に呼ばれ、直々に辞めてくれと言われた。
これは後ほど。
俺が女子社員の噂話を給湯室で耳にしたこと。
「聞いた?山吹さんクビだってさー」
「え、何か重大なミスしたわけ!?」
「ううん、全然そういうんじゃなくてさ、
藤島さんてー、ろくに仕事してないけど、
威張ってるじゃん!
なんか、社長の甥っ子なんだって。
だから、権限があって気に入らない社員は適当なこと言って追い出してきたのよ。で、今回は、山吹さんが
標的になっちゃったのね。
あーあ、カッコいい男子がまた一人減るわね」
「ひっど...!山吹さんかわいそう...」
「山吹さんのこと、大学出てない低学歴だって馬鹿にしてるけどさ、高専卒だから、十分立派だと思うんだけどね...」
さて。
一応、
一ヶ月の猶予期間は与えられたけどな。
「...とゆーわけで。
俺は、一ヶ月後、今の会社に出勤しないから、悪いけど他の男の人を見つけるなりしてくれな」
とクビ宣告の次の日、彼女に打ち明けたら、キレられた。
「えええええ、クビってどーゆうことですか!?」
「なにか、決定的なことをしたんですか?
会社のお金の横領とか、、、!?それとも
アレですか、社長の奥さんに手を出したとか!?」
「いや、違うな...。もっと小さくてバカみたいな事だ...」
「個人情報の流出??とか??
」
「それは、大問題になる系のミスだな、、」
「急にクビとか、生活困るんじゃないですか!?
もし良かったら私が仕事紹介してあげても
いいですよ!?」
「え」
俺に張り付いた状態で。
上目遣いで心配そうに。
ガチでなんか、仕事斡旋してくれそうだった。
「頼んでいい...?俺、実は再就職、そんなすぐにできる気がしないんだよね、、」
「言い訳になってしまうが、今、新型ウィルスの影響で滅茶苦茶不景気じゃん。
そんな簡単に次の仕事、見つかるとは思えないし...」
「いいよ。パパに頼めばすぐだから。
ところでさ...何の仕事してたの...?
私、そーゆーことなんにも知らないな...」
「モバイルゲーム製作とかだよ...
コンピューター言語つかってプログラム組んだりするんだ」
「プログラム?ふーん...。なんかよくわからないなぁ...」
「もしかして、全然違う畑の仕事しなきゃ、
かな?」
「何かの営業とかなら、一応、出来るかもだし、経理とかでもなんとかなりそうだけど...」
「取り敢えず、連絡先頂戴!」
「あ、ああ」
俺はスケジュール帳を取り出し、さらさらと
ボールペンを走らせた。
「これ、、」
「あ、あとね、名前とか、年齢とか、
書く?」
「ううん、いいよ、そんなことしなくて。
パパの会社のひとから電話行くと思う、、」
「じゃあ、待ってればいいわけだよね」
「うん」
俺、会社、
最後の日。俺の机の上に、大量のタスクを
積み上げて藤島さんが言う事には。
「これだけはやって帰れよ!
俺の残業分だ...!」
「ええー」
藤島さんは
「いいじゃねぇか。一応、残業代つくし。
ま、取り敢えず、じゃーな!山吹!って
挨拶をしに来たんだ。
この書類の山は、俺からの餞別だと
思ってくれよ。それにしてもな、
おまえの顔、明日から拝まなくて済むと思うと、せいせいすらぁ!
ところで、お前、就職先もう決まったか?」
「ま、流石にそれは無理か。
せいぜい路頭に迷ってくれよ、無能くん!」
「あ、それが、、」
「決まっちゃったんです。
トントン拍子に」
「え」
「またまたぁ、虚勢はっちゃって!
嘘だろ、それ!そんな簡単に職場が見つかるわけねぇっつーの!」
「いや。ほんとなんですよ、、」