ここはどこ?私はアネット?
「アン!意識が戻ったの!?」
あれ?…私、生きてる……?
バンッ!!
な、なに…………?
急にドアが開くような大きな音が響いた。
「アネット!!私が分かるか!?」
ブラウンの髪に緑がかった金色の瞳、目の前に急に現れた男性の美しい顔にびっくりしてしまい、声が出なかった。
「アン………、あぁ神様。この奇跡に感謝いたします。」
きれいな声。横を見るとなにかのお話に出てきそうなほどの美人が泣いている。
「……お父様。…お母様………。」
不意に口から言葉が勝手に漏れた。
その声にびっくりしてしまい、私は手のひらを見た。
………小さい………。
頭は混乱しているが、この人達は私の両親。
そして………私は、たぶんアネット。
看護師として働いていたのも……私。
でも今は明らかに小さな女の子。
見たことある部屋に泣いている両親。
なんか不思議。
分かってるのにわからない……。
あー、これよく異世界転生にありがちな前世の記憶が戻ったってやつかな。
なんか夢かもしれない。
よくわからないし、なんだか身体も重いし、頭も痛くなってきた気もする………。
「ごめんなさい、少し休みます…。」
そう一言伝えると瞼が急に重たくなって、また世界は暗くなった……。