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8話

まさかミアちゃんがあんな目をするなんて。あんなに素直で僕のお尻ばっかり追いかけていたミアちゃんが。


「レンは、あんな奴のことが好きだったのか?」


「な、なに言ってるの。・・・今はちょっと不安定になってるだけだよ。そのうち落ち着いたら、素直でちょっとエッチなだけの女の子に戻るはずだから」


「本当か?私の見た感じあれは相当なメンヘラだぞ。随分と厄介そうだ」


エリアお姉ちゃんはどの口でものを言ってるんだろう。自分も度が過ぎたメンヘラじゃないか。よく言えたな。


「そうなんだ。僕の周りはそんな人でいっぱいだよ」


「あの公爵令嬢か。あいつはまだ若いからな。大人の余裕がない」


あ、自覚無いんだ。僕の皮肉も全然理解してもらえなかったし。二重人格なのかこの人?自分に目を向けてほしかったとか何とか言ってたのはどこのどいつだ!結婚するからって浮かれてるな?


「あっそ。その公爵令嬢さんの倍近く生きてるのに、僕からすればエリアお姉ちゃんも随分と子どもっぽいけど?余裕があるんだったら、その子に僕を身請けさせればよかったじゃないか」


「・・・ふんっ。レンのことなんて知らないぞ!」


「いいよ別に。じゃ、今からミアちゃんのところに戻るか「それはダメだ。今の私じゃ、ミアからはレンの心を奪えない。だから、レンだけでミアのところには行かせない」・・・」


いきなり顔を近づけて、真剣な表情で僕を見つめるエリアお姉ちゃん。


怖い。というか、そういうところがメンヘラだっていうんだよ。


「そっか。じゃあメンヘラのエリアお姉ちゃんがこれ以上おかしくならないように面倒見てあげるか」


「わ、私がメンヘラだと?!レン、撤回しろ!不敬だぞ!」


「いーや、撤回しません。ほら、エリアお姉ちゃんの部屋戻るよ。女王様が廊下で騒ぐなんてはしたない」


男娼のお仕事はお客さんを癒すことだけど、夫の仕事は妻を支えることだからね。仕事はきっちり果たしますよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


エリアお姉ちゃんの部屋、二人でソファに座ってお喋り。ただし僕を膝に乗せて、ね。


「エリアお姉ちゃんはほんとにこれ好きだね」


「滅茶苦茶好きだぞ。こうすればレンは絶対に逃げられないからな。レンは私のものだと実感できる」


どうやらミアちゃんの一件で独占欲を刺激しちゃったみたいだ。これは夜しんどくなりそうだぞ。


上を見上げるとエリアお姉ちゃんのお顔。美人だけどなぁ、ちょっと性格に難ありなのが玉に瑕な女王様だ。


「何を見てるんだ?襲われたいのか?」


そういいながら笑顔でキスしてくる。もうすでに襲われてるじゃん。


僕のお腹のあたりを抱きしめていた手がするすると這い上がり、胸のあたりをさわさわし始める。うわ、これは攻める気分のときのエリアお姉ちゃんだ。こうなったら最後、一時間は乳首を責める変態と化す。


僕は男娼時代、Sっ気のあるお姉さま方に散々に開発されてだいぶ弱いんだよ。それで悶えるから、エリアお姉ちゃんは喜ぶんだ。


「はあはあ、目がトロトロじゃないか。そんなもの欲しそうな眼をして。どうしてほしいんだ?言わないともっとコリコリするぞ?」


ちなみにここでおねだりしてもしなくても、責めは続く。だから何も言わない。というか、喋る余裕は今の僕にない。


「ああ本当にかわいいなレンは。このまま快楽漬けにして私しか見えないようにしてやろう。うん、それが良い。そうしよう。よーしレン、今から何も考えられなくなるまで、ずっとこのまま責め続けるぞ。早く堕ちて楽になれ。そしたらイかせてやろう」


ちょ、ちょっと待って、これはやばいって。誰か、助けて。


「ふふふ、ここはお店じゃない。時間制限はないんだ。レンが屈服するまでずっとして、、、。誰だこんな時に?」


誰かが部屋のドアをノックしたみたいだ。助かった。胸がじんじんする。エリアお姉ちゃんはいつも最初からアクセル全開なんだよ。じっくりやるということを知らない。こんなやり方じゃ途中で痛くなって気持ちよくなくなるから、どちらにせよ堕とせなかっただろうね。


「失礼します。お食事をお運びしました」


「ああ、そこに置いといてくれ。いまはレンと大事な話し合いをしてるんだ」


「はい、では食事がすみましたら、お呼び下さい」


深々とお辞儀をして去っていくメイドさん。ああ、僕の救世主がいなくなっちゃった。


エリアお姉ちゃんがいやらしい顔つきで戻ってくる。鼻の下伸びてるよ。


「さあ続きだ。とろとろにしてやる」


「いや、待って。先にご飯食べたい。エリアお姉ちゃん言ってたよね?王宮のご飯おいしいんでしょ」


「そんなの後でいくらでも食べさせてやる。こっちに来い」


嫌に決まってる。エリアお姉ちゃんは生まれたころから食うに困ったことが無いからそんなことが言えるんだ。平民は違うんだぞ。一食逃すと次はいつ食べられるか分からないことだってある。だから食事だけは絶対に取る。骨の髄まで染みついた本能なんだ。


「嫌だ。触んないで。ご飯食べさせてくれなきゃ、一生口きかない」


「お、おい、レン?私よりご飯を取るのか?」


「うん」


当たり前。この世は弱肉強食だよ?エリアお姉ちゃんが食べないならもらうね。


「私は、、、食事以下なのか」


なんか横で膝からがっくり落ちてる人がいる。仕方ないなぁ、ご飯食べ終わったら付き合ってあげるからちょっと待っててね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おおレン君は飴と鞭をうまく使いこなしていますね。 流石に一年以上男娼で働いてあるだけあって女性の扱いはお手の物ですね。 レン君はチート能力無しでその身一つで生きていく気苦労が感じられ、他の…
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