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5話

「こいつ、レンが大事にしていた女だろう?」


ミアちゃんが生きていた。それは本当に良かった。けど、犯罪奴隷だなんて・・・。もし悪い主人に当たったらミアちゃんが殺されちゃう。どうしよう。


「エリアお姉ちゃん、お願い!ミアちゃんを救って。お願いだから!」


今の僕には何もできない。だからエリアお姉ちゃんに縋るしかない。


「・・・やっぱりレンはミアとかいうこの娘が大事なんだな」


「・・・」


「今更黙ったって無駄だ。私は女王だぞ。国内には様々な情報網がある。レンは何も言わなかったが、こいつが好きなことは知っていたし、何なら今レンが身請けされる予定なのも知っている。あの親バカ公爵のところの一人娘だろう?」


僕の周りのことを嗅ぎまわっているのは薄々気づいていた。わざわざ村人の安否情報を教えてくれたりもしたっけな。確かその時に初めてミアちゃんが村にいないことを教えてもらってドキッとした。もしかしたら顔に出ていたかもしれない。


「そんなこと今はどうでも、、、。とにかくミアちゃんを助けてくれるならできる限りのことするよ!ね、今日もたくさんサービスするからさ?お金もいらないしどんなプレイでもする。僕のこと痛めつけたりしてもいい。だからお願い、ミアちゃんを助けて、、お願い、、、」


「レンがそこまでしようとするこいつがうらやましいな」


僕の持つ紙を指さしてエリアお姉ちゃんが言う。


「一つだけ助ける方法があるぞ。しかもレンにしかできない方法だ。とっても簡単だぞ?」


「それは何?教えて?お金?ここで稼げばミアちゃんを買えるの?そしたら助けれる?」


「まあ落ち着け。簡単さ。私と結婚すればいい。そうしたら私が恩赦を出して奴隷から解放してやろう。それだけだ」


エリアお姉ちゃんと結婚すればミアちゃんを救えるの?でも、もうエイミちゃんに身請けしてもらうって約束しちゃったし。どうしよう。エイミちゃんになんて言えばいいんだろ。


「公爵令嬢が心配か?なら安心しろ。私は女王だ、交渉すれば公爵家だって黙らせられる。レンは何も気にしなくていい。ただ私の言う通り、結婚すれば、全てうまくいくぞ。ミアは助かる。ああ、いい忘れていた。この前アール村を私の直轄領にしたんだ。レンにはアール村をやろう。そうだな、代官はミアでいいか?なかなか大きい買い物だったのだぞ。アール村はもともと公爵家の領地で、譲ってもらうのと引き換えに外国との交易路を一つ渡したんだ。あいつら足元を見てきやがって。しかもその儲けでレンを身請けするとか言い出したからな。はらわたが煮えくり返ったよ。レンは私の婿だというのに」


別にアール村が欲しいわけじゃない。確かにそこは生まれ故郷で住み心地が良かったけど、そうじゃなくて僕はミアちゃんの隣にいたかったんだ。ミアちゃんからすれば、僕はただのお兄ちゃんでそんなこと思ってないかもしれないけど、僕はそうしたかったんだ。結婚すればミアちゃんは助かる。でもミアちゃんとは離れ離れだ。エリアお姉ちゃんは独占欲が強いし絶対にミアちゃんを僕のそばにはおかないだろう。だからと言って結婚しなければミアちゃんは犯罪奴隷のまま。運が悪ければぼろぼろになるまでこき使われて死ぬ。


・・・こんなの、ほとんど強制じゃないか。けどエリアお姉ちゃんが悪いわけじゃない。あの優しかったミアちゃんが何で犯罪組織に入ったのかは分からないけど、そこはミアちゃんが悪い、としか今のところは判断できない。無理やり奴隷から解放することもできるだろうけど、それをすれば政治的にしんどいだろう。ばれたら批判は免れない。だから結婚をして恩赦という形にするのは理解できる。


「分かった。僕はエリアお姉ちゃんのとこに行くよ。その代わり絶対にミアちゃんを助けてね。そしたらエリアお姉ちゃんを愛すると誓うからさ」


するとエリアお姉ちゃんはにまぁと笑う。


「・・・そうかそうか!さすが私の婿だ。実はな、もう身請け金は払ってあるんだ。念のためミアも私名義で買ってある。大丈夫だ、ミアに乱暴な真似はしていない。むしろ客人として扱っているところだ。本人は事情を何も知らされていないから、それは驚いていたぞ。結婚式にはミアも参加させよう。そうだな、最前列で見させよう。レンが愛しているのは私だとミアにも分からせてやる。ふふふ」


今の様子はエリアお姉ちゃんではなくて、まさしく女王だ。欲しい領土があればあの手この手で侵略するのと同じ。僕が欲しいから、何をしてでも手に入れるんだ。


「私はな、ずいぶん我慢したんだぞ。レンの目がミアに向いたり公爵令嬢に向いたり。最初にレンが欲しいといったのは私だったのに、私には一回も目を向けてくれなかった。我慢はできても、痛いものは痛いんだよ。どれだけ平気な顔をしていても、心はずきずきと痛いんだ。レンが一度でも目を向けていてくれたら、どうにかなっていたかもしれないが」


・・・やっぱり最初に思った通り、エリアお姉ちゃんは重いな。


「エイミちゃん、いや、その公爵家のご令嬢さんには、レンがごめんなさいと言っていたと伝えてね」


「ああ、伝えるとも」


「ありがとう」


僕が愛してあげるだけで、ミアちゃんが救えるならそれでいいよ。そんな簡単な話はない。


エリアお姉ちゃんは27だし、結婚すればすぐにお世継ぎを望まれるんだろな。あ、そういえば生でしたことなかったっけ。その辺は女王らしくしっかりしてる。じゃあエイミちゃんだけか、生でしたの。うわ、何考えてんだ僕は。今の完全にフラグだよね。そんなのいらないいらない。


「じゃあ、僕は今日で男娼最終日なわけだけど、どうする?」


「覚悟しろ。婿にはできないあれやこれやを全部してやる。肉欲に任せてとんでもないことをしてやるぞ!」


「えっ?!ちょっと待っ「うるさい!まだやれてないことがいっぱいあるんだ。気絶したって止めてやるもんか!」


ひぃぃ!やばいやばい、目が血走ってとんでもないことになってる。


「安心しろ!私なしで生きれなくするだけだ。事が終わったらイチャイチャしような」

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