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21:協力と調査

サバトはとともに勇士たちをかいくぐり洞窟へとやってきたグレイス。

そこはとても希望の持てるものではなかったので、拠点を探し始める。

「しばらくこの誰もこない洞窟で過ごしてたことだし、追手はまいたんじゃないの?」


勇士団に追われてから数日、俺たちは崖の下の洞窟に潜伏していた。

サバトの持っていた保存食もあと数個となり、限界を迎えてきている。そろそろ、外に出たい。


「そうだな。収まったと言っていいと思う。けど、今まで通りにはいかないと思うぞ。僕は天使のいないところに拠点のようなものを作るべきだと思う」


「そんなところあんの?」


「わからない......」


そういうと俺たちが入ってきた洞窟の入り口から物音が聞こえてきた。


「待て、勇士団の連中だったらどうするんだ!?」


「もしそうだったら一巻の終わりじゃない。誰にせよ倒すしかない!」


物音のする方へ後退りするサバトの槍を奪い取って槍の先を向けると女性の声が聞こえた。


「ちょちょちょ、タンマ」


「誰?」


「銀級勇士団、二人に提案しにやってきたターニャです」


ターニャ......聞いたことがある。確か、フェニックスを捕まえるときにいたような気がする。また会えたと言うべきか、因縁というべきか。


「なんでまたあなたが私たちを追いかけてるの?」


「仕事。でも、やっぱり割に合わないんだわ。可愛い女の子殺さないといけないのって損なのよねぇ。だからさ、おとなしくしててくんないかなぁって」


「どこでよ」


「どこっていってもねえ。独り言だけど、この洞窟の先、エルフの村に通じてんだってよ。そのエルフの村って天使も入っていない未開の地らしいよぉ」


彼女の言葉に戸惑いながらも、ここでずっと暮らしていくわけにもいかないので信じてみるしかない。私たちが洞窟に消えていくと彼女は遠くで他の勇士団に嘘を教えていた。本当に彼女は食えない存在だ。


 洞窟を進んでいくとジメジメしていて何かが出そうで怖い。坂道のようになっているのを這い登っていく。登りきると少し開けた場所にまでやってこれた。だけどまだジメっとしている。


「エルフの村なんて盲点だった。あそこさえ行けば面倒もなくなるはず」


面倒がないってことはモンスターも現れないってことだよな? 少し安心していると足が地面にくっついて動けなくなった。何を言っているのかよくわからないだろうけど、動けない。



「ちょ、ちょっと待って。動けない」



「えっ? うわっ......スライム!?」


サバトが振り向いたとき、俺の足にはスライムが引っ掛かっていたようだ。スライムは俺の足から離れようともせず、むしろ増えてきているようにも感じる。粘着性の液体がぬるぬるとうごめいているのが気持ち悪い。


「こんなの私の炎魔法でなんとかなるでしょ」


俺がエレメントの炎魔法を繰り出すがやはりスライムには届かない火の量だった。いい加減、基礎魔法の雑魚っぷりをなんとかしたい。慌てているとサバトが足の近くで炎魔法を繰り出した。


「そんなのじゃだめだ、僕がやる! エレメント:フレアドライブ」


炎の威力はスライムを溶かし、私のすねをも燃えそうになっていた。


「アッチ!! 熱いって、ちょっとは加減してよ」


「スライムは融点が高いんだ。ちょいとは我慢してくれ」


スライムから抜け出してさらに歩いて行くと今度はゴブリンが3匹ほど俺たちの行く手を阻んでいた。ゴブリンたちがこちらに気づくと、近づいて槍やポシェットを見定めるように見つめていた。


「ゴブリンはキラキラしたものを好む習性にあるらしい! 奪われたくなかったら死守しろ!」


サバトは槍でゴブリンをぶん回して遠ざけていた。フェニックスとジョンの入った次元鏡がポシェットの中に入っているのを気づいたのかはわからないが執拗にゴブリンがポシェットを狙ってくる。


「我が次元に招来せよ、フェンリル! ジョン、あいつらを蹴散らせ」


ジョンを次元鏡の中から召喚させると、みるみるゴブリンたちを蹴散らしていった。

だがゴブリンは蹴散らすほどに数を増やしている。仲間を呼んで徹底的に俺たちを痛めつける。これには、ジョンの手にもあまる始末。極めつけは俺の尻にまで手を出そうとしてくる。


「キャッ」


思わず、声が出てしまった。だいたいのゴブリンは頭がエッチなのか? とにかく俺の尻を触るな!


「彼女に触れるな、汚らしい猿め!!」


サバトが駆けつけてゴブリンの首を切り落としていく。槍の技術は相当で、串刺しもさることながら精密な動作も一級品。彼にかかればゴブリンくらいの小物では相手にならないだろう。


「あ、ありがとう」



少し照れを隠しながら感謝するとサバトは顔を赤くしてなぜか大声で言い返してきた。


「い、いいか! 僕はソルエル様の命に従って君を守ったまでだ。感謝されるいわれはない! さっさといくぞ」


なんかむかつくなぁ。でも、ちょっとかわいいのがいなめないんだよな。

背中をむけてせかせかと走り抜けるサバトに、モヤモヤした気持ちを抱えたまま洞窟攻略を急いだ。

洞窟を抜け、エルフの村落へとたどり着いたグレイス。

そこで待ち受けるのは......

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