9. プリンセスと宇宙ノミと私
親子3人により繰り広げられる、感動の再会。……だが、miniたちのリーダーは、その場の異変に、いち早く気づいていた。
「はっ! あの仲居嬢のあの思念……!」
警戒を表したアクロバティック跳躍を繰り返す、©*@«。
「間違いなく 『ノミコロリ取りに行かなきゃ』 と言っていたな……っ!?」
「はっ、まさにそれかと」
º*≅¿は、同意を表して小さく跳ね、「しかし……」 と続けた。
「その程度の化学兵器など、もはや我々の敵ではないはず……!」
「ふっ……考えてみたまえ、º*≅¿くん」
ちっちっちっ、と小さく続けざまに、©*@«が跳ねる。
「ハルミや和樹が、ノミコロリが撒かれるようなホテルに泊まったのを 『素敵な新婚旅行の思い出』 と思うかどうか……」
「はっっ……なるほど! ……では、ここは……」
「うむ、これでお別れとは名残惜しいが……」
「ですね」 「だな!」
ふたりは顔を見合わせて同時に宙返りを決め、指令を出したのだった。
「「全 軍 撤 退 …… !」」
――― その日、高級温泉旅館 『リゾート・ウラオモテ』 の周辺には、貴重な天然記念物のウラオモテヤマイヌが、ワンサカ集っているのが見られたという。 ―――
..º*¿¤*§º*ゝ..
1ヶ月後。
『プリティー♪ キューティー♪ 守ってズッキュン♪』
ウラオモテ島のジャングルには、アニメソングのポップなメロディーの思念が響き渡っていた。
「ほれ、ターンが甘い! もっとジャンプ!」
天然記念物・ウラオモテヤマイヌの背の上では、ちっちゃいヤツらが懸命に、ダンスの練習に励んでいる。
「ふっ……なかなか形になってきたな!」 「ですね!」
満足げに跳ねるのは、©*@«とº*≅¿のふたり。
「……これで、今度ミワちゃんに会った時にも喜んでもらえるな!」
「ええ、もちろんですとも!」
――― 今頃はきっと、家族でプリキュRショーを見ているに違いない……。
微笑ましく遠い空の下を想う、miniの中でも1、2の頭脳の持ち主たち。
「「We'll be back !」」
なぜか英語で宣言し、「「だぁーっはっはっはっはっ!」」 と島中に悪役笑いの思念テレパシーを響かせながら、彼らのダンス特訓は続くのであった……。
読んでくださり、ありがとうございます!
プリキュRショー……間違えた、『部屋と宇宙ノミと私~あやさずにはいられない~』 これにて完結です。
シリーズ①『部屋と宇宙ノミと私』
https://ncode.syosetu.com/n9522gd/
シリーズ②『部屋と宇宙ノミと私~ベイビーセレナーデ~』
https://ncode.syosetu.com/n9353ge/
も宜しくお願いします!
しいたけ先生、コラボありがとうございます。
また一緒に、小っちゃいやつらを、ぶっとばしてくださいねー!
でーーはーー!