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記憶障害の転生者って  作者: 日川文月
第4章 ダンジョン
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第5話 E級昇格

「ギャギャギャ~~~」

「ち!見つかった」

 村の若者の案内で裏山を登って2時間、岩山に変化した頂上付近は切り立っている。大山岳地帯の南端で、山脈伝いに南下してきたらしい。西の高地はダークエルフの里、南はグランの大湖に並ぶ湖、エールン湖、その西南はアトラン国に接する。

「近寄ってこないな」

「こっちが近づけないからだよ、コーディここから弓は届く?」

「エンチャントの矢でもギリギリ届くかどうかね」

「それならオレが回り込んで後ろから追い立てよう」

「ルイス頼んだぜ、散弾を打ち込め」

「あの~ボクも一緒に、土魔法得意なんで」

「うん、そうしてくれ、ムリしないで逃げ道確保してからだぞ」

「了解」

 いったん戻って脇道を探す。さすがにルイスさんは盗賊、こっちだと藪をかき分けルートを選ぶのが早い。

 半時間ほどで斜め後ろの先ほどより近い場所に到着した。

「向こうに気を取られてるようですね」

「ああ、上から落とすように散弾撃ち込める?」

「はい・・・大丈夫です」

 頭の中で魔方陣の位置を調整、やり過ぎないように岩の大きさや量を決めた。

「じゃあやるぞ、撃ったら走って戻る」

「なるほど、だから草も刈ったんですね」

「そういうこと」


 ムニャムニャ詠唱もどき、ルイスさんのタイミングに合わせて散弾を発射。

 後も見ずに走って戻る。空を見上げたら目論見通り飛竜達は飛び上がりベルガーさん達を敵認定している。矢と氷弾が飛び交う。

「もっと引きつけないと・・・」

「だな、もったいないけど片翼でも当てれば飛べなくなるからね」

「あ、大きい奴が火を放った」

「さっきの場所は広いから大丈夫さ、メスは火炎石喰わな・・・放ってるな」

「オス?」

「う~~~あまり見分け付かないから、親子か、あっちかも」

「あっちってどっち?」


 15分後に合流、血気にはやったらしい若い1体が落ちていてエブリンさんが冷静に首を切りつけていた。

「ギャアギャギャ~~~~」

「あ、大きい奴が!」

 とっさに火を吐く直前の口をめがけて中級もどきの岩弾、10デサぐらいの岩が喉に詰まって墜落、もう1体は気を取られて左翼が矢の餌食、2頭はケイジー・ナルリーの氷弾を頭に浴びてぐったり、とどめはベルガーさんとエブリンさんがきっちり刺した。

「ふう~危なかった」

「おう、ケント、良い仕事だったぜ」

「はい~」


 村人も呼んで解体、みんなホクホクだ。取り分は大きいは折半、小さい奴らは情報が無かったので7割がボク達で決着、依頼料金は村持ちだが素材を売れば大儲けの黒字だ。

 その夜は宴会になって翌朝、村の荷馬車も一緒にプサイに戻る。2日間、しきりに『深淵狼団』への勧誘を受けて困った。

「こいつら今回の成果でC級は確実だ。ケイジーとナルリーも加われば、初級の回復魔法も使えるしバランスも良い」

「あたしたち入っても良いよ、こいつも話してみれば良い子だからね」

「おね~たま~」

「ベルガーさんは?」

「女房に子供持ちだ、いまさらガツガツするつもりはないの」

「ケントは実力隠してるだろ」

「え・・・いや、まあ」

「ルイスが見てたぞ、無詠唱で中級土魔法ってさ、しかもあんなにコントロールできる奴なんてめったに居ないぞ」

「後ろに目があるんですか?」

「盗賊舐めるなよ」

「ううう」

「ま、何か目的はあるんだろうからあまり迷惑かけるな」

「はいはい」

 ギルドに報告、素材引き取りと討伐報奨金も含め分配金は金貨15枚、ボクはE級に無審査昇級することになった。岩弾の評価が高かったようだ。

 ベルガーさんも言ったとおり『深淵狼団』はC級昇格、お祝いパーティをした。

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