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記憶障害の転生者って  作者: 日川文月
第1章 転生
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第2話 転生者?

「わけがわからない・・・」

 オレ、目覚めたら何もかもが知らない世界、戸惑いベッドを降りて見た姿見、藍色髪に緑眼の白人少年が毛布にくるまり驚いた顔をしてる。見覚えがないがオレなのだろうか、毛布を掴んでないほうの右手を挙げると左手を挙げた。

「あれれ、あ、鏡だから右手なのか・・・」

 毛布がずり落ち真っ裸、無毛でちょっと大きな皮かぶり? オレってわりと毛深くてあれは中三の夏、シコシコして痛いと思ったら亀さんこんにちわで・・・あ、う、何を考えてる・・・記憶が変だ。変な・・・。


 ドアが開いて外人オバサンの声、何を言っているか聞き取れない・・・イタリア語?少なくとも英語ではない・・・ましてやニホン語でもないが・・・ニホン?オレってニホン人だったっけ?か?

「アウラ、アウラ」

 オバサンが自分を指すから名前を言っているのか、オレは自分を指して名前を言ったつもりだが、めちゃ甲高いしわがれ声ってやつを初めて聞いた。

「ミカミケン・・ん、ん、ケンミカミ、う、うう」

「ケンミカイ?」

「ケン・・・ミカミ」

「ケン?」

 オレはうなずいたけど、オレはそんな名前だったっけ?

 オバサンは身振りでベッドに座らせ、クンクン頭や体を嗅ぎ、ちょっと眉をひそめエプロンから棒のようなものを取り出して聞き取れない言葉をつぶやいだ。


「ひ!」


 柔らかい水色の光がオレの体を舐める。魔法って奴なのか?・・・テンプレ?・・・ええと、テンプレって閃いたけど何の意味だっけ?

 持っていた竹かご?から服を取り、猿股のようなものを掃かせようと身振り、右足左足を入れて立つとヒモで調節して留め金で留める。両手を挙げさせられすっぽり袖なし下着、両方とも綿の肌触り、縫い目はなくて着心地がいい。

 麻?半袖シャツはボタン、茶色の綿?ズボンは横ボタンに革ヒモの留め金。

 足にモカシンのような柔らかい革靴、裏底面はざらざらでトカゲか?

 手を引かれて部屋を出ると身なりの違う婦人が待っていて、報告を受けてる。

 テーブルの椅子を差し身振りで、オレに座るように促した。

 良い匂いがしている。アウラさんともう一人がキッチンらしいところでカチャカチャ、待っているとランチョンマットにスープ皿、黒パン、スプーンが置かれ、コップにはホットミルク。お腹がグーと鳴った。

「おホホホ・・・」

 何か言いながら食べろとの身振り、うなずいてスプーンを握った。


 わたしはグラン王国の伯爵ルグラ家の三男、クリック・デス・ルグラ、ヘルンの代官兼領主候補として派遣されている。

 召喚の儀の翌日、妻のイブレ・エファ・ルグラの報告を聞いた。

「あなた、あの子はとても賢いわよ、ケン・ミカミという名前ね」

「姓名持ちか、貴族かな」

「わからないし、不思議な言葉、それと魔法にとてもびっくりしてて」

「ふむ」


 教会の治癒士はどこにも異常は無しと診断。登録魔道具で転生者と認定された。

 ヘルンはまだ各ギルド支部も何もかも整って居ないが、ここ3年、グラン王国の後ろ盾でなんとか運営してきている。

 この頃は召喚魔道具の押し付け合い、開拓地の申請にはすぐに許可が下りた。

「ミレニアムということで大聖堂からも援助をいただいた甲斐がありましたね」

「まだわからぬよ、とにかく養子手続きをしてしまおうか」

「そうですね・・・」

「私たちはまだ若い、子供はできるさ」

「ええ」


 まだ25歳と21歳の夫婦なんだ。成人が16歳で何もなければ100歳ぐらいまで生きる。ただ、未開開拓地ヘルンでは魔物の危険があり、事故も起きている。

 将来性を訴求して開拓民と冒険者を募り、若者がグラン王国だけでなく各王国から集まってきている。まだ幼年の子供は少ないが増えるだろう。


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