第8話 エルフの里
ドロンの予備を飛ばして遠目から調査、動いてる2体や動かない6体のゴーレムを確認した。先ほどのトカゲ系魔獣を追っ払っているところも確認した。
大森林全域を調査して予想特異点以外の場所に26個を確認出来た。西域から消失した予想特異点の神器は26個だが、東域でも失われた1個がある。
「あのゴーレム兵器で軍事バランスが覆り奪われたのに間違いない」
「だったらなぜ繁栄を手放したのかしら」
「徐々に魔素が濃くなり種族的に変質してしまったのかな、神器の本質を理解出来なかったのだろう」
「確かに獣より人間は耐性が無い。知性が失われた人間なんて弱いからな」
「金に目がくらんだ末路か・・・」
「悲惨だけど、そのせいで神器を奪われた西域も衰退したのね。許せないわ」
「これからどうするの?」
「大森林で証拠も集まった・・・エルフの里や魔人の里に行ってみよう」
「エルフはともかく、魔人はやばいって」
「とりあえずエルフさんがいいわ」
「うん」
エルフの里想定域に到達したが、空からの観察で何もわからない森、高度を落とすと何かに阻まれた。
「結界か・・・」
「ワイバーンや飛龍から守るための結界って有名よ」
「もしかしたら神器を奪う人たち対策じゃない?」
「それもあるか、9カ所の予想点が含まれる範囲があるだろう、限界点を探るか」
「あそこに見える川沿いで確認したらいいわ」
「お、そうだね」
いったん戻って川を遡る低速低空飛行、結界で阻まれた近くの空き地に降りた。
「道があるのは大森林を探索してるからかもね」
「装備を調えて歩いて行こう」
「了解」
コプターから降りて、マジックバックに収納。警戒しつつ道を辿った。
「そこが結界のある場所だよ」
「野営するか・・・あそこがちょうど良い」
「5日間飛びっぱなしだから、変な感じだわ、ふ~」
「確かに、地面のありがたみがわかるな」
結界を張ってテントを2つ設置した。夕食はバーベキューだ。
「作りたてのバスケットで食事も良かったけど」
「ああ、献立違いでも飽きたよな。料理しながらはまた格別、旨いな~」
「ここで待つの?」
「大森林は美味しい魔獣も居るし、狩猟をしているだろうから気がつかれるさ」
「エルフさんって美人美女だわよ」
「ボクは純血のエルフ族に会ったことが無いな、クルトはあるの?」
「うん幼い頃、農業指導に招待した人、優しい綺麗な人だったわ」
「超大昔に人族と闘ったことは言い伝えられているようだね」
「だよね、まあ、ダークエルフの方が有名だけど」
「エルフの里に行った人族は聞いたことないものな」
「あたし達が初めてになるかも」
「できたら世界樹の種が手に入らないかと思っている。神器を戻して種を植えれば元に戻るんじゃないかな」
「ダダ漏れの魔素が薄くなって開拓も進むか」
「魔素がいきわたれば西域もより豊かになると思う」
「ケン君は救世主?」
「そ、そんな、やめてくれよ」
「少なくとも大賢者だろう、空を飛ぶ魔道具なんて普通考えつかないよ」
「そうだな」
「もう、オレはお前達の友達で良いんだから」
「イリヤさんは?」
「あ、ああ、まあ、その」
「貴族だったら何人でもお嫁が必要でしょ?」
「よせよ、まったく~」
「アハハ」
「ケンの魔法は素晴らしいし、広めたら」
「強力過ぎる魔法は危ない、そこは考えないとな」
「そうそう真似はできないよ」
「広めるなら科学だな、それがあってケンの魔法が理解出来る」
「悪用出来るのはどっちもだ。道徳が必要だ・・・とにかく神様がこの世界を作ってくれたのは間違いない。感謝を忘れなければそれほど間違えないと思うんだ」
「聖者じゃないの?」
「だから~」
「アハハ」
「キャハハ」
「ん、ん、やかましいな」
「あ、ああ」
「早くも見つかったな・・・起きよう」
エルフやドワーフ、魔人は独自言語を持っているが、人族語も理解している。
テントから外に出ると、魔獣の死体が3つ転がっていて、遠巻きに武装したエルフが10人、5人が様子を伺っていた。
「あ、どうも」
「・・・君たちは人族か」
「はい、わたしはグラン国のケン・ミカミ・ルグラ。代表者だ」
「貴族か」
「祖父が伯爵だ。そのほうは?」
「マルラ村の警備隊長、イズル・マルラだ」
「よろしく頼む、我々は敵対しない」
「・・・どうやってここに来た?」
「ヘルン領からだ」
「・・・グラン国なら、イーガ領からではないのか?」
「ヘルンは大森林に近い新たな開拓地だ。父が領主をしている」
「大森林を通ってきたのか・・・まさか」
「そのとおり、マルラ村の長に会いたいのだが案内していただけないか?」
「・・・人族はエルフの村に入れないのが掟だ」
「では、長を呼んで欲しい。話したいことがある。あ、結界をとく」
「この魔獣は結界に触れたのかな?」
「だと思う。その前に朝食にしたいのだが・・・」
「わかった。長に連絡しよう、2時間後に知らせる」
10人は武器を納めて結界の方に歩いて行き消えた。
「おはよう」
「なんか、早く見つかったね」
「とにかく洗浄して・・・トイレは?」
「やだ、エッチ」
「おいおい」




