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記憶障害の転生者って  作者: 日川文月
第2章 マナ聖地
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第7話 第2次探検

「あ~あ、コプターじゃ無いのね」

「し~秘密の約束」

「この馬車も寿命が短かかったわね」

「だから~」


 大型と小型コプター、他の魔道具をたくさん、写真機も4倍解像度の試作品と販売予定品、依頼のあった購入資材や物品もオリジナルマジックバックに入れて、六人は馬車と船でヘルンへ夏休みの旅行に出かけた。


「船便が増えたみたいだね」

「当然だろうね」

 新造船に入植者や冒険者・商人・観光客が群がりごった返していた。

「こういうときは有力者の力がわかるよな」

「うふ、船長さんのお出迎えですわ」

 騎士団と馬車を返して、すぐさま乗船、貴賓室に通された。

「出発までまだあるから、身支度を調えよう」

「交代でお風呂ね」

 メイドのイリヤも仲間扱い。お茶で一休みしてゆっくりまったり、船長は3時間後の出港と伝えていた。船旅も順調で波乱無く到着した。


「父上、母上、ただいま戻りました。紹介します・・・」

 挨拶の後身支度を調え、領館にて歓迎晩餐会。

「かなり拡張したんですね」

「客が増えたからね、人口も8千人を超える勢いだよ。川で魔獣対策はできていたのに、今では手狭になってきた」

「今日も『沈黙の森』を呼んでくれたんで友人達も歓談してますね」

「彼らは信頼出来るよ。A級にもなった」

「大容量のマジックバックを渡しても良いでしょ」

「おお、言っていた奴か、できたのかい?」

「すぐ晩餐会だったので詳しくは明日、使用者登録型で10個ほど、普通のマジックポーチも複製して百個、どれも盗難防止分解防止装置付きで」

「それは豪勢だな」

「普通のマジックポーチは、信頼出来る冒険者に使用料を取って貸し付けたらと思います。みんな張り切るでしょう」

「開拓が加速するな」

「大森林は不可侵エリアを設けてください」

「危険があるのかな」

「凶暴な上位魔獣も居ますけど・・・これは神の領域に関わると思うんです。調査してはっきりすると・・・」

「ケン・・・お前は救世主ではないか、神様が遣わせてくださった」

「さあ、わかりませんけど・・・・5千年前の出来事を想像はしています」

「聞いても良いかな」

「父上、自分でも確信がありません、調査後にお話しします」

「わかった」


「こらこら、なに深刻な顔してるのよ~だ、キャハキャハ」

「う、ラベルは飲まされたのか」

「やん、飲んで何が悪いの、ね、おとーたま、おひとついかが?」

「あ、わ、はい、いただくよ」

「キャハハハ~」

「ううう」


「う、う、うたまがあたい・・・」

「ラベルはガードが緩い」

「う、う、うう」

「お嬢様方、朝は重要ですわよ、シャキッとして」

「あ、あん」

「ケン様は早起きして行動してますわよ」

「え~」


 エレノアにアポを取っていて秘密会談をしていた。

「これを」

「マジックポーチ?」

「そのサイズでマジックバックの収納力、20デタ立方、東域なら百年は保つ」

「まさか・・・本当にくれるの?」

「懐は痛まないよ。性能は隠して領主様に借りてると言っておいた方が良いぞ」

「そうね」

「普通のマジックポーチは冒険者に低料金で貸し出す予定だ。1ヶ月で金貨1枚」

「え~それなら大黒字だよ」

「それだって1年で元が取れるようなものだ、百個持ってきた」

「ゲゲゲ!」

「カエルか?」

「びっくりしちゃって、ひっくり返るわよ!」

「あとな、探検隊はやめにした」

「え、え、なんで」

「空から・・・飛行魔道具でやれることになったから」

「はあ~ケン様は規格外だわ、ねえ、あたしとさあ、うふうふしない?」

「何?」

「・・・ま、いいわ、何かあったら直で受けるからよ」

「その時は頼む・・・なんだ・・・あのテンション」


「あ!あそこ」

「どうしたんだ?」

「あそこにあるわよ、パターン違うわ」

「お、おう、確認した。15個目だな」

「外れているし・・・・降りるぞ」

「え~」

「あそこなら良いだろ」

「ま、まあな」

「びびってるの?エドガちゃん」

「ちゃんはやめろよ、萎える」

「や~ん」

「クルトはエドガに粉をかけてるのに、気がつかない鈍感力はケン並だな」

「何か言ったか?ワンド」

「い、いや・・・ここは?」

「予想ポイント以外だ・・・確かに少し違ってる」


 むき出しの神器は生命を許さない範囲があるが、大森林の中央域のそれは極近くに設備が残っている。

「とりあえずドロンを飛ばして遠隔観察したほうがいい」

「操作はオレに任せてくれ」

「おう」


 下面格納庫から改良しドロンと名付けた無人偵察機を落とした。エドガとワンドが面白がって操作を習熟、今回の調査でも活躍していた。

 むき出しの黒い神器に遠くから石を投げつけたり、レーザー光線を当てたり、ファイアや魔弾を当てたり。何もおきないというかすべて消された。

 光さえも阻む結界で、上面中央直径約4デタの模様つき白円から魔素が溢れていると思われた。


 生命に親和性がある魔素は濃すぎると生命を害するのかもしれない。

 魔素が物質なら熱力学的に拡散するはずだが、物質では無いから拡散させる何らかの方法が必要だろう。

 ヘルン山脈遺跡の巨大な円柱や世界樹がそれだと類推出来る。


「廻りの設備は?」

「天上が落ちて黒結界に排除されたんだろうが・・・」

「お、おお、あの円に何か黒い物が触れている」


 みんなが隣で操作しているエドガのディスプレイに注意を向けた。

 ボクもコプターを空中に静止させ覗き込んだ。

「何らかの魔道具でしょう、魔素を吸収して廻りの設備に供給してるのかもね」

「まだ動いているからには、何らかの結界で防御して排除されないのかな」

「他のところは何も残ってないからね」

「設備の方に、ギリギリ高度を落として」

「おう」


 ドーナツ状の白い設備をぐるっと観察していく。

「壁が崩れてか、窓が壊れてか、何かがこぼれてる・・・魔結晶?」

「魔素から製造してるの?」

「恐らく」

「すごい量だな、超大金持ちになれる。プリントして」

「さっきからやってるよ。時計回りに動かすぞ、わ、巨大なトカゲ系魔獣だ」

「魔結晶を喰ってるのか」

「美味しいのかしら・・・なによ!」

「ええと、こっちは小さいから気がつかれていないみたいだな」

「あ、こっちは金属?」

「恐らく魔金属だろう、ミスリルとかアダマンタイト」

「これ、回収したら超大金持ちじゃない!やった~」

「そう興奮するな、取りに行くだけでもああいう魔獣がうようよしてるぞ」

「うう」

「コプターでやればいいでしょ」

「う~」

「そのうち考えよう・・・人間はいないみたいね」

「痕跡はあるけどな」


 魔獣に潰されただろうという巨大な乗り物の痕跡があった。

「あ、あれは・・・」

「ゴーレム?」

「動いているよ」

「ん、見つかった?こっちを見てる?」

「げ!」

 何か光ってディスプレーが消えた。

「プリントした?」

「なんとか」

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