場面3*大切な彼氏
ニカッと笑った坂上先生と、はーチャンを見て、うさぎは
「ほっぺだから!ほっぺ!」
と、慌てて弁解した。
「も~!(特に)人前では大胆行動つつしんで!って いつも言ってるのに。。。お客さんに見られたら、ケイ様は大変な事になるかも知れないのに…ったく。まったく。」
顔を真っ赤にして、ぶつぶつ言いながら、ライムサワーに口をつけた。
このショッピングモールのケイ様は、モール内の最上階に在るBAR{Liquor Heart・リキュールハート}に勤めているバーテンダー。
しっとりとした雰囲気の良い、老若男女問わず人気あるお店だ。その為、若い女性たちも出入りしやすく、ケイ様目当てに足を運びやすい。
顔が真っ赤な赤うさぎを見ながら、はーチャンが、
「ほんっまに竹田クン、相変わらずの男前やな~月チャン!見とれてしまうわ~(笑)容姿端麗で背も高くて、バスケやってて運動神経も抜群やもんね。目はキリッとしてて鼻筋もスッと、口元も程よく引き締まってて、男子の色気をかもし出してる。って皆からの憧れの存在や~ん。」
「そーかなぁ?そーなんかなぁ??うーん…」
そう言いながら(おかしいなぁ)と言う感じに首をかしげ、ライムサワーを口にする月チャン。月チャンから見ると、ケイ様の見た目は好みでも何でもないようで。。。だから、そこまで皆がキャーキャー言う理由がよく分からないみたいだ。
その事(月チャンの外見の好み)は、啓太も知っている。と言うか、月チャンが 直接 啓太に報告済らしい。
「ところで月チャン、さっき先生が、付き合い7年くらい。って言ってたけど、7年?8年?」
「えーと…高二からだから…8年目くらいかな?」
うさぎも坂上先生と同じく指折り数えながら、話を続ける。
「でも実際の所、一回別れたり、三回程、危機があったりもしたんよ。」
今となっては笑い話。という感じに、余裕の笑顔で話す月チャン。
「竹田クンの見た目が、好みじゃない月チャンとしては、何処が決め手やったの?」
と、はーちゃんが聞くと
「私が想像する以上に、私の事を凄く大切に想ってくれてて、大好きでいてくれるところかなぁ♪」
と、ニコニコ顔の月チャン。
「そーか!竹田はそんなに情熱的やったんかぁ!」
ガハハハ、と笑う先生。
「ハァ…はい。はい。ご馳走さま。」
はーチャンは、分かっていたのに、つい聞いてしまったと、ため息をつきながら後悔して、先生とだけグラスをチンッと合わせた。
一方、ケイ様は BARに戻る途中に 取り巻きの女の子達に見つかり、会話をしながら一緒に職場のお店に向かっていた。