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アンバランスハート  作者: kero*kero
1/8

場面1*ケイ様の事情

ブーン。ブーン。


マナーモードにしている彼のスマートフォンにメールが入った。

「お♪俺も そろそろメールしようと思ってたトコ♪」

フフーン♪と、彼の整った目尻が下がり口元が小さく微笑んで、いま来たメールにササッと返事を送りスマートに仕事に戻った。


そのうち仕事が忙しくなり、 メールに返信してから3時間も経過している事に気がついた。

『うわっ!!』スマートに仕事をこなしていた彼は落ち着きをなくし焦った様子で、同僚に

「ちょ、ちょっと外すけど、す、すぐに戻ってくるから!!」

かなり焦った様子。

「おう!了解!気をつけろよ!」

と、同僚の中田。

ガッシリとした体格で、肌は浅黒く日に焼けた男が、白い歯をニヤリと見せて送り出してくれた。

『あいつー!面白がってンなー!』

同僚の中田は、高校からの親友?いや、悪友だ。

その悪友中田の態度に、不満を募らせながら目的の場所に急いで向かった。


ふと、持っていたスマホにもう一度目をやると、1時間前にメールが入っていた。

「やべ!やっぱ遅刻!!」

と、早歩きになった。


メールの相手は、時間に口やかましい相手ではないのは解っている。でも、彼自身相手を待たせるのが嫌だった。


スマホに気をとられ焦ったせいか、無意識に近道を通ってしまった。いつもと違う通路を歩いてしまったのだ。


「あ♪」

女性達の目が、一同に彼の姿を追う。

『しまった!』彼の早歩きが小走りになった。

「ケイ様♪??」「え!?ケイ様♥️」「どこ!?」女性たちが『信じられない』と言う気持ちで、女友達同士手を取り合って喜んでいる。口々に呼ばれる自分の名前。小走りから駆け足になった。


何処をどう走ったのか、人目を避けつつ目的の場所には確実に向かって走っている。


少し角の死角になっている場所から、辺りをキョロキョロと伺いながら、進むべき場所への進路を考えている。ケイ様の脳裏に、ニヤリと笑って送り出した同僚中田の顔が浮かんだ。無性に腹が立ってきた。


『中田め~!』

中田が悪いわけでは無いのに、あのニヤリと送り出した中田のせいにしたくなった。


『あ!見つけた!!』

目的の店の窓の外から見慣れた三人の顔がみえた。

目的地を見つけた彼は、今日一番の走りをみせた。


だだだだだぁー!

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