2/2
一部
「痛って...。ここは...?」
ゴツゴツとした壁。等間隔に並べられた松明。どうやら洞窟らしい。
取り敢えず、出口を探す為に立ち上がる。
少し暗いが松明のおかげで見えないことはない。
迷うとマズイので壁に左手をあてながら進む。
壁には壁画が描かれてる。内容は狩りかな。
ドンドン、道に沿って進んで行く。
オォォ──。
何かが聞こえた。動物...?
あたりを見まわしてみる。が、特になにもいない。
「...気のせいか。」
少し歩くと、光が見えてきた。
俺は走って出口に向かおうとしたとき、
オオオオオォォォォ───!
今度はハッキリと聞こえた。
同時に地響きが鳴り出した。
ヤバイ!追われている!
全力疾走で出口に向かった。
何かはドンドン迫ってきている。
200m...150...100。
もう、追いつかれる!
より地響きが激しくなる。
50...10m!
飛び出した出口の下には、足場が無く雪の上を滑っていく。
どれくらいだろうか、あの出口が遠くに見えるところまで落ちた。
雪があるのに割と寒くない。
足音を鳴らしながら、あの山から離れる。