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一話

これは、昔のこと。

『お前さえ、お前さえいなければ、、、!さあ、月峰神(つきみねがみ)様、どうかお受け取り下さい』

『忌まわしい、、、』

大人達の声。

『返して、、、返して、、、私の子供を返して!』

泣き崩れる女性の声。

彼岸花が咲き乱れる神社。そこにまた、一つの消えた魂が寄せられた。

「また、、、か。名前も付けてもらってないし、まだ幼い。、、、おいで、ナノハ。君は僕達が守ってあげるからね」

「、、、あぅあ?」

一人の少女は、これから、死者として、死者達と共に過ごす。



太陽が空高く登った頃、(くりや)でゴソゴソと何かを探しているレイを見付けた。

「レイ〜、今日のおやつは何〜?」

渡り廊下を走って、ひょっこりと顔を出すと、こちらを見て残念そうに呟く。

「それがね、、、ないんだ」

「そんなっ!いちご大福がなくなるなんて、、、!?」

「ナノハ、何で君は今日のおやつが何なのか知っているのかな?」

「、、、あ」

ガンっ!

頭に痛みが走った。小突きのレベルじゃない痛さ。後ろを振り返ると、呆れ顔のハルが立っている。

「ナノ、またかよ」

「ハル!」

レイは顎に手を当てて、何やら考え出した。数秒経ってから何か思い付いたようの、ポンっと手を打った。

「、、、みんなで買いに行こう!」

「は?」

神社を出て、どっかのスーパーに着く。村を出たことなんてなかったから、不思議な気分だ。

紙に書かれた買い物リストを、レイが読み上げる。

「え〜っと、買い物は、、、いちご大福、ぼた餅、三色、みたらし、餡かけ団子、煎餅(せんべい)、金平糖、折り紙、墨、あとは、、、」

「多いわ!」

ハルがツッコんだ。

「てか、ほとんど菓子類が占めてるじゃねぇか!それ強請(ねだ)ったの、絶対にナノだろ!」

「え、何でバレたの!?」

「分かるわ、馬鹿!」

相変わらず口が悪い。

「まぁ、それは良いとして、、、、、、視線が痛い」

「仕方ないよ。服装が狩衣なんだし」

「何時代だよって話だよな」

レイは紺色、ハルは青色、私は赤色の狩衣をそれぞれ着ている。

「着物で着てくれば良かった、、、」

「そしたらナノが転ける」

「お転婆だもんね」

「否定出来ないのが辛い、、、」

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