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イズナ使いの虚誕 ~2人の緑さん関連の漫書〜  作者: 犬冠 雲映子
に(混合 ある世界の緑さんが越久夜町へ戻る)
97/155

越久夜町の小林骨董店にて

ある世界の緑さん 平凡な緑さんの自宅。

 小林骨董店はあの日のまま、埃を被っていた。緑さんは項にかけられたマジナイを解いてもらい、久しぶりにイズナたちへ挨拶をする。

「お姉ちゃん。このイタチは何?」

「イズナです。無害ですよ」

「友達になれる?」

「嫌がる素振りがないので、なれるかもしれません」

 風蛇が興味津々でイズナたちを見上げては追いかけている。かの精霊たちは威嚇もせず、ただ浮遊しているだけだ。

「彼らはお構いなしか」

 主人が帰ってきたというのに喜びもしない。

「ソレもそのはーず、ワタシが餌やりヲしてましたので!」

 現れた案内人に嫌気がさす。コイツは信用できない。緑さんの中で警戒レベルが上がっていた。

「あ、拗ねてマスネ?」

「あんな事をされたら警戒するに決まっているでしょう」

「あー、なるほど。人間は奇々怪々デぇス」

 冷蔵庫の中身を確認しながら、新しい麦茶を作る。

「お姉ちゃんかっこよかったよ!」

「私は人ですよ」

「だけど、ヒーローって正体を隠してピンチを救うんでしょ?お姉ちゃん、町の悪者を倒したんだよ?」

 風蛇がヒーローとはを語る。確かに一般的にヒーローと呼ばれる者は正体不明で、人々がピンチに陥ると現れる。しかし。

「それはフィクションの話です」

「大丈夫、バレなきゃ良いんだよっ」

「そうそう!周りにバレなきゃall オッケー!」

 困ったものだと、二人を一瞥してレジ横の椅子に座った。

「…はぁ、何が現状維持だ。維持どころかめちゃくちゃじゃないか…」

 愚痴を吐きながら、人っ子一人いない外を眺める。高価な鏡には自らが頬杖をついて写っていた。

「…」

 しかし顔にはあの画用紙の面がへばりついたままだ。

「…はー」

 頬をカリカリと削ってみても爪には画用紙の感触がない。洗面所や他の建物ではごく普通に自分自身を写していたが…。

 あの鏡は何か怪しいものが宿っているのだろうか?

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