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イズナ使いの虚誕 ~2人の緑さん関連の漫書〜  作者: 犬冠 雲映子
に(混合 ある世界の緑さんが越久夜町へ戻る)
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案内人は魔物

ある世界の緑さん 平凡な緑さんと後日談。

「ひ、こ、怖いっ!!」

「何です?いきなり人を見て、失礼じゃないですか??」

 三ノ宮 妙順(みょうじゅん)は入室し、こちらを見た途端、梦妙の後ろに隠れた。

「そうよぉ。緑ちゃんは療養中なんだから」

「でも僕は見たんです。狐の頭をした緑さんが、た、たぬきたちをむしゃむしゃ食べて…」

「は?」

 素っ頓狂な言い草にその場にいた者は皆、怪訝な顔をした。

「信じてくださいっ!」

「ごめんなさい、この人、まだショックが抜け切ってないみたいで」

 苦笑いを浮かべた姉に弟はアワアワと俯いてしまう。町の魔法使いたちは短期間ではあるが、術連から謹慎処分を受け、彼も重罪として魔法使いの連名から三ノ宮一族は除名処分を下された。

 これから町の界隈ヒエラルキーがどうなるかは、緑さんにとって関係ない。魔法使いが大嫌いだからだ。

「…熱もだいぶ下がって、だるさも消えてきました」

「お世話になってばかりですいません。町は病院が遠くて…」

「いいのよ!梦妙さんたちも大変でしょうに」

 あっけらかんとした様子で、芽々子は簡易テーブルにお茶を用意した。

「草目さんはコーラで良かった?」

「ありがと〜♡」

(普通に入り浸ってて怖いな…)

 当然のように居座る自由人に呆れつつも、皆でしばし休憩する。

「…術連は三ノ宮一族の初代が良からぬ企みをしたのだと判断したよ。霊獣である狸を人質に眷属たちを従えていたのも、ましてや町の主導権を握っていたのも」

「…ええ」

「しかし良くもまあ、あんな装置を作ったもんだ!術連が塔を解体して解明するってさ」

 御堂、塔。彼女や部外者たちはそう形容していた。緑さんは直接目にしていないので判断できやしない。それに

(私には関係ない。三ノ宮家の問題で、私には)

 薄情者だと罵られようが、どうでもいい。

 防御反応なのか。蚊帳の外にいるのを望んだ。

(あの狐面、どこにいったのだろう。妙順が言ったように暴れていたのは私なのか)

 気絶する記憶が鮮明になっていく過程で、案内人との会話も蘇ってきた。あの画用紙のお面を顔に当ててから、自分は意識を失った。

(だが…覚えている)


 解放感。全てを台無しにする爽快感。優越感。憎悪。悪意。殺意。

(案内人は味方なんかじゃない。やはり魔物だ)

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