偽物の銭で破壊
「このコイン精米機を撤去してほしいんだ〜」
目の前にいる幼女が変哲もないコイン精米機を指さした。
彼女は蛭間野町の最高神、日間 眠子だった。
「ただの精米機にしか見えませんが」
小林 緑はそれを無感動に眺める。
「あれ、夜になると人をたべちゃうの」
「そうなんですか」
イヅナ使いにコイン精米機は撤去できない。重機を操る資格もないし、化け物と戦う力もない。
「夜になったらまた来てみて、分かるから」
仕方なく夜に、道端にある真新しい精米機へ再度訪れる。
街灯はあるが他は暗闇で、少し雰囲気もある。田舎町では大して変な景色ではない。
「さて、まずコインを入れてみますか」
室内に入ると電気がつく。コインもお金もこの機械にやる気はない。
意地悪をしてみようと、プラスチックを丸く切り取り、形を似せた物を作ってみた。
とりあえず似せコインを入れてみると、簡単に飲み込んだ。
「ん」
誤作動を起こした精米機が、スゥーッと消えていく。「は?」
「…いや」
ただの歩道に佇んで、緑は少しばかり困惑した。
「何だったんでしょう…」
※よいこはマネしないでね…




