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ヤンデレだけどポンコツな幼馴染みちゃんと、ハイスペックで彼女の世話係的な幼馴染みくんの話

ヤンデレ幼馴染み「メロメロ薬完成した」→大好きな彼を攻略しようと企みますが、ポンコツなので自分が薬を口の中に入れて、デレデレになるようです。

作者: 黒髪

「メロメロ薬完成した」


 思わず声が出た。

 その後、一気に喜びがきた。


「むふふふ……遂に、遂にメロメロ薬の開発に成功したのですー!」

 

 今まで長かったのですー。何度実験に失敗したことか。

 で、でも……これは完璧なのです。

 調合に成功したメロメロ薬が入った試験管にほおずりしちゃうのですー。

 ちなみにメロメロ薬はピンク色なのですー。エッチな色なのですよ。


『【悪用厳禁】メロメロ薬の作り方!? 〜気になるあの子もイチコロ〜』というサイトを見つけたのは丁度一年前。


 りゅうくんと一緒のクラスになれなくて……ブルーな気持ちになっていたときなのです……。で、でも、一年が経過して、遂に……遂に完成したのですー!


「こ、これを使えば……りゅうくんをあたしにメロメロになるのですー!」


「よしっ。でも普通に使うとバレちゃう可能性があるのですー。だからクッキーに混ぜるのですー。こ、これで……遂にりゅうくんの心はあたしのものなのです! むふふふふ」


 ニヤケが治らないのですー。りゅうくんの心をあたしのものにするのですー。


 早速……クッキーチャレンジなのですー。


「って、あたし……料理ができないのですー」


「そうだ。たしか……家の中にまだ開けていないクッキーが……あ、あったのです! これなのですー」


 よしっ! これにちょっとだけメロメロ薬を少しだけふりかけて……むふふふ、これはいい感じなのですよぉ。

 あとは可愛くラッピングをしてと……。


「で、できたのですー! 見た目はとってもいいのですー」


「むふふふ……りゅうくん、待っててくださいなのですー!」


 明日がとっても楽しみなのですー!?


 次の日。

 少しだけ早めに学校に登校したのですー。でも直接渡すのは……恥ずかしいのですー。だから……りゅうくんの机の中にこっそりといれておくのですー。

 あとは、りゅうくんが来るのを待ってるだけなのですー。


 そ、その間に……もう一度サイトを確認するです。


「ふむふむ……なるほどなのですー。勉強になるのですー」


メロメロにさせる方法(悪用厳禁)

・メロメロ薬を体内に入れたとき、一番初めに見た異性を好きになる。


「つまり……あたしはりゅうくんがクッキーを食べるときに一番近くにいなければならないわけですかー。なかなか、厄介なのですー」


それから数分後。


「おはよー。アカリ」

 りゅうくんが学校に登校してきたのです。今日も爽やかでかっこいいのですー。


「おはようなのですー。りゅうくん」

「それにしても今日は早いねー。いつもは遅刻ギリギリなのにー」

「そ、そんなことない……です」


 最近はちょっとずつ早くなっているです。りゅうくんに早く会うために……少しは早くに来ているのです。で、でも……乙女の朝は忙しいのです。


 りゅうくんは椅子に座り、鞄から教科書やノートを取り出します。

 そ、そして……。そのまま、机の中に入れようとします。


「って、あれ? 何か入ってる?」


むふふーりゅうくん。あたし色に染めてあげるのですー。

あたしは反則技を使うようなダメな女の子です。

で、でも……りゅうくんを思う気持ちは誰にも負けないのです!


りゅうくんが机から昨日あたしがラッピングした袋を取り出しました。


「く、クッキー? これって……」


 りゅうくんがあたしの方に目線を動かします。


「あああああ、あたしは何も知らないのですー。ピュー、ピュー」


「……も、もしかして、こ、これも怪盗DXの仕業かな?」


「そ、それは絶対に違うのですー!!」


 あたしは大きな声で叫びます。


「まぁ、流石に違うよなー」


 りゅうくんはそのままゴミ箱の方へと袋を持ったまま立ち上がりました。


「えっ? り、りゅうくん……どうするつもりですかー?」

「危険かなと思って……捨てようかなと……」


 そ、それは困るのですー。あたしとしたことが……忘れていたのですー。

 りゅうくんは疑い深い人間なのですー。

 しかし……これではせっかく開発したメロメロ薬が無駄になってしまうのですー。そ、それだけは……あううー。


「じ、実はそれ……あたしの机の中にも入っていたのですー。食べてみたらとっても美味しかったのですー。多分誰かが作りすぎて持ってきたのですよー」


「な、なるほど……。バレンタインデーに作りすぎちゃったみたいな感じか……。で、でも……今は五月なんだけど」


「女の子は突発的にお菓子作りをしちゃうのですー!」


「た、たしかに。サナとかも突然料理とかするしなー。あ、もしかしてアカリもできるのか?」


「もももももも、もちろんなのですー。お料理もお菓子作りも何でも完璧なアカリちゃんなのですよー! あはははー」


 勢いに任せて……変なことを口走ってしまったのですー。

 で、でも……大丈夫なのです。メロメロにさせれば、何でも美味しい美味しいと言って食べてくれるはずなのですー。


「じゃあ、早速食べてみるかー」


 りゅうくんが袋を開き、クッキーを取り出します。

 そして口に含みます。


 むふふふー。りゅうくんはあたしのものなのですー。

 りゅうくんが一番最初に見るのはあたし以外にいないのですー。

 抜かりのないアカリちゃんは最強なのですー!


「兄さんー。弁当箱を忘れていたわよー。もうぉー今日は作るって言っていたでしょ?」


 サナちゃんも学校に来たのですー。

 りゅうくんとサナちゃんは双子の兄妹なのですー。

 今日も二人とも仲がいいのですー……って違うのですー!


 りゅうくんがあたしを全然見てない!


 サナちゃんの方を見てるー。


「あううー」


 またまた失敗してしまったのですー。あたしとしたことが……。


 って、違う違うのですー。このままではりゅうくんとサナちゃんが良い雰囲気になってしまうのですー。


「あーありがとう。サナ」と言って、りゅうくんは弁当箱を受け取ります。


あれ? 意外とりゅうくんは普通の反応?

表情も全く変わってないのですー。


「り、りゅうくん……な、何か」

「ん? あぁ、とっても美味しかったよ」

「いいや……そういう意味ではなくて……」

「あーアカリは食いしん坊だなー。はい、クッキー」


 りゅうくんはあたしにクッキーを渡してくれました。

 どうやら効き目は全くなかったみたいです。

 やっぱりネットの噂は信じられないのですー、パクッ。


 あれれ……? 頭がクラクラになったきたのですー。

 そ、それに……何だか身体が火照って……あううー。


「ど、どうした? あ、アカリ大丈夫か?」


 一つだけ忘れていたことがあったのですー。

 りゅうくんはハイスペックなのですー。

 だ、だから……メロメロ薬が効かなかったか?

 で、でも普通のあたしはメロメロ効果が……。


「あううー。り、りゅうくんー。大好きなのですー」


 あたしはそのままりゅうくんに抱きついてしまうー。あううー。

 あ、あたしは何をやっているのですかー!!

 勝手に身体が動いてしまうのですー。で、でも……りゅうくんに触れているのですー。普段はこんなことできないのですー。


 で、でも不幸中の幸いなのですー!! あれれ……で、でも……意識が少しずつ遠くなって……幸せな時間は長くないのです。


「こ、こんなことをする奴は怪盗DXしかいない! ま、またアカリを狙いやがって……ご、ごめん。ぼ、僕のせいでまたアカリに迷惑をかけて……」


 りゅ、りゅうくん……ち、違うのですぅー。全部あたしが悪いのですー。


***


「あううー」


 あたしは唸りながら身体を起こしました。物凄く身体が重いのです。

 って、あれ? ここどこなのです?

 それにふかふかするのです。どうやら、あたしは知らないベッドの上にいるみたいです。で、でも……制服姿。

 た、たしか……あ、りゅうくんにメロメロ薬入りのクッキーを食べさせようとして……あううー自分で食べてしまったのですー。


「アカリ……大丈夫?」


「あわわわ、り、りゅうくん!」


「あ、ごめん。驚かせて……。ここは学校の保健室だよ。で、今は放課後だよ」


「えっ?」


 ほ、放課後……。つ、つまりあたしはあのまま意識を失って……。


「本当にごめん! 全部、僕のせいなんだ。去年から怪盗DXと言う謎の人物に目を付けられてて……本当にごめん! アカリ、僕がアカリを巻き込んじゃって」


「あわわわ、ち、違うのです。全部あたしが」


「アカリは悪くない。絶対に僕が守るから」と言って、りゅうくんがあたしを引き寄せ、ギュッと抱きしめてくれました。


「…………」


 もう完全にフリーズ状態。ずっと抱きしめて貰いたいのです。


「り、りゅうくん……ちょっと」


「ご、ごめん。アカリ」と言って、りゅうくんは腕の力を弱めます。


「アカリが無事で本当に嬉しくて……抱きしめちゃったよ」


 り、りゅうくん……? そ、それってどういう意味なのですか?

 あ、あたし……勘違いしてしまうですよ。りゅうくんと両思いだって思うかもしれないですよ……そ、それでもいいのですか?

 あたしは単純な女の子だから……すぐに騙されちゃうんですよ。


「あ、そういえば、アカリ。体調は?」

「だ、大丈夫なのですー!! もう元気百倍なのですー!」

「あーそっか。アカリが倒れる前に変なことを言っていたから……ずっと心配してたんだ」


 へ、変なことって……た、たしか。


 『あううー。り、りゅうくんー。大好きなのですー』


 あわわわ……お、思い出してきた。あ、あたし……なんて大胆なことを。

 普段なら言えないことを……。

 あまりの恥ずかしさに次第に頰が熱くなっていく。


「でも、まだ顔が赤いような……本当に大丈夫なのか? 実はあのあと、博士さんに頼んでクッキーの分析をしてもらったんだ。すると……メロメロ薬っていうものが中に入っていたみたいで」


 博士ちゃん。理科研究部に所属する天才発明家。

 銀縁眼鏡の一つ結び女の子。


 で、でも……これって、りゅうくんはあたしが変なことを言ったのは……メロメロ薬のせいだと分かってる?


 むふふふー、これはチャンスなのですー。


「あううー。まだ頭がクラクラするのですー」


 こ、これならりゅうくんにもっと変なことをしても……許されるのですー! 


 なにせ、悪いのは怪盗DXのクッキーだもんねー。


 むふふふふ、これは願ってもない機会!

 よぉーし、早速りゅうくんに抱きついてやるですよー。


「そっか。じゃあ、僕先に帰るね。本当は一緒に帰ろうと思っていたけど……まだ体調が悪いんだったらゆっくりしていくといいよ。家まではりっちゃん先生が送ってくれるって言ってたから」


あううー。ど、どうしてですかー。どうしてこんな展開になるんですかーあううー。


「ちょっと待って下さいなのですー。あ、あたしも一緒に帰るのです!」

「えっ? で、でも……頭がクラクラするって」

「気のせいだったみたいなのですー」

「じゃあ、一緒に帰ろっか?」

 りゅうくんが手を差しのばしてくれました。


「あ、ありがとう……りゅうくん」


 あたしはりゅうくんの手を握り、ベッドから立ち上がろうとします。

 で、でも……長時間寝ていたせいか、身体がまだふらふらと。

 スッと手が伸び、あたしの身体を支えてくれました。


「アカリ、大丈夫だよ。無理しなくても。僕が付いているから」


 帰り道はいっぱいよろついて、りゅうくんの身体に触れました。


「りゅうくん……悪い女の子を許してくださいなのです」

普段は別名義でカクヨムで投稿してます。


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