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第4章 まるであの時の様な
角の奥に人影が見えた。
ゆうかすてか、確認する間もなく向こうから見つかったようだ。
すてだった。
「ああ、トラか。なんか見つけたのか?」
ちっ と軽く舌打ちをして、
「なにもなかった。そっちは?」
と返事しておいた。
「何も無いはずがないんだがな・・・」
そう言ったように聞こえた。とにかくこいつからさっさと逃げてゆうに会いに行こう。そう思い横切ろうとした。その瞬間、腹に激痛が走る。
「てめっ・・・何しやがる・・・」
「あつを殺したのお前だろ?殺人鬼を蹴って何が悪い。」
言い換えそうと口を開いた瞬間、もう一発腹に強い蹴りが入る。
口から血を吐く。
その直後、首にチクッと何かが刺さったかと思うと、意識がだんだん落ちていく。
なんとか抵抗しようと、ふと奥を見ると、そこには、
血まみれの人が倒れていた。見間違いではない。あれはゆうだ。
「てめぇ...ゆう...を...」