第3章 つまり、真実は
やっぱり、あれが理由なんだろう。
借金の借用書、明らかに取り上げた。おそらく、あれにゆうの名前があるんだろう。弟分の手を汚すまいとあつを殺したが、やはりゆうにそのことを言うべきではないのか。
そう思いながらも、とりあえず、玄関へ行って、花瓶を拭かないと。
血がついたままだったことに気づいたのは、あつの死体が発見された後だ。このまま警察が来たら、あの花瓶についている指紋で断定するだろう。
いや、むしろ、ゆうを守るために俺が自首すればいいんじゃないか?
そう思いながら風呂場の付近を寄ると、そこには、
しょうが倒れていた。
ゆっくり、首元に手をさす。脈はない。
目を疑った。しょうはゆうと仲が良かったし、ゆうにしょうを殺す理由はないはずだ。
つまり、真実はー
「すてが・・・?」
言い切ったあとに、ぱっと口を塞いだ。周りを見わたすが、そこに居るのはしょうの死体だけだ。よかった。言ったところを聴かれていたらなんと言われるか分かったもんじゃない。
すてが殺したのか、ゆうが殺したのか、あるいは第三者がいるのか、わからないが、しょうが死んでいるなら、ゆうと協力してすてを警察に突き出すのがいいだろう。
とりあえず、ゆうを見つけることだな。