蛇足
使用上の注意
蛇足の使用に当たっては一度本編を読み終えてからの方が適切と考えられるので、まず本編をお読みください。
なお本文を段落ごとに「適当な」名前で区切ってみましたのですが、それでも該当行が分かりづらいかもしれませんが、ご容赦願います。
そしてお知らせしますが、この作品に登場する人物、団体、事件などは、実在の物とは関係ありません。また、たまに物理法則を無視する時もありますが、面白さ優先の法則で、広い心で許していただければ幸いです。
★1-1
●教室の風景
〇日常風景:こうした風景が、まさか見られない日が来るとは、神ならぬ身に想像できたでしょうか…。疫病一つでこうなんだから、いざ戦争なんて始まったら、もっと酷いことになるんだろうなあ。
〇小野:別に単発で発表した「おお勇士よ死んでしまうとは情けない」の主人公だったりする。
〇この二組から…:こちらの都合なのだが『出来事シリーズ』の「正義の三戦士」たちは一年三組、藤原由美子は一年一組なので、割とクラス内の描写がある。そのため、こういった単発な話は一年二組でやることになる。
〇シュウ:彼も「おお勇士よ…」の登場人物である。
〇刀剣研究部:詳細は「おお勇士よ…」参照のこと。
〇部長:刀剣研究部の部長は女子が務めている。
〇「アノ人。アレがアレじゃん?」:詳しくは「おお勇士よ…」参照のこと。
〇ソウダ:『出来事シリーズ』準レギュラーの左右田優くんである。他にも十塚圭太郎なんかも同じクラスだ。
〇某マルトタレント:父親が元プロ野球選手である女優さんと結婚して、全国的に「ましゃろす」なる現象を起こした男性をイメージしている。
●廊下の風景
〇曲がり角など無い廊下である:一年生の教室が並ぶB棟三階はそうであるが、下の階におりればD棟と繋がっているため曲がり角が存在する。
〇片方には二人の女子と話す白衣を着た男子:『B面シリーズ』の登場人物である海城アキラ、新命ヒカル、そして御門明実である。
〇もう片方には…三人組が…:『出来事シリーズ』の『正義の三戦士』である。そして出番はコレだけ。
●下校の風景
〇自転車置き場:登場人物の中で自転車通学を選択している者が比較的多いのは、高校時代の和美がそうだったから。
〇昔は戦闘機の基地:清隆学園は陸海軍合同航空隊の基地跡に造られたという設定である。高等部と囲んでいる高い塀も、その名残である。正体は爆撃による被害を局限するための掩体だ。
〇中央通り…桜並木:中央通りは昔の滑走路、桜並木は誘導路の名残である。
〇裏へと回る砂利道:「三月の出来事」でチラッと使用した場所である。
●スクーターの風景
〇校則違反である:地方の学校では認められているところもあると聞くが、東京の高校だと大抵バイクやスクーターは禁止されているようだ。事故などで亡くなる学生が居るからだろうが、そのくせ「若者のバイク離れ」とか言い出す大人がいる矛盾。ま、高度成長期の夜中をブンブン走った暴走族がいけないんだろうけどさ。
〇まあ、飛行機は冗談だよな:甘い。『出来事シリーズ』にも顔を出し『B面シリーズ』では主要登場人物である御門明実ならば、メッサーシュミットで登校しかねない。
〇人力飛行機:毎年琵琶湖で行われる鳥人間コンテストを見る限り、条件さえ揃えば可能かも。とくに清隆学園の中央通りは滑走路だったので、着地の条件は揃っている。さらに言えば、禁止と明記していないと、面白そうだからという理由でその手段を試す輩が多そうだ。
〇野暮用の語源:某世界初のライトノベル第三巻で七四式戦車が大暴れした神社の事だ。
●文教都市の風景
〇文教都市:もちろん世界初のラノベの舞台となったアノ町である。
〇ラノベの定番だもんな:とある統計によると、異世界転生物の死因一位はトラックで、二位が交通事故なんだとか。どれだけトラック危険なんだよ…。(でも和美だって『B面シリーズ』で使ったしなあ…)最近のニュースを見ていると、運転手の高齢化が問題になっているようだから、ドライバーが突然死した車が歩道に突っ込んで来るなんていう事件が当たり前のように起こっている。
〇注意していれば大丈夫だろ:認知性バイアスである。
〇スクーターがエンスト:まあ普通だったらエンストしないわな。ちょっと都合が良すぎたかしら。
●ニュースの風景
〇ウチサイトウビル:とくに名前に意味はございません。「なんか苗字のような名前のビルがいいな」程度で設定しました。もし同じ名前のビルがありましたら、偶然の一致です。
●広い空間の風景
〇公一の隣のクラスにいる『学園のマドンナ』:『出来事シリーズ』や『B面シリーズ』で準レギュラーの佐々木恵美子である。彼女は由美子と同じ一年一組である。
〇彼女:空間を埋める白黒市松模様に黒い衣装。そうです「這いよれニャル子さん」の主人公、ニャル子さんがモデルです。と、ウソを吐く。すいません、まさしくアレなんです。もうみんな忘れた頃だと思って、リスペクトしてみました。細かいディテールが違うので、けっしてパクリではないと思うんだけど…。緑の涙を流しているので、アニメには登場しなかった黒い悪魔っ娘です。アッチと比べて角が生えていなかったり、巨大な頭蓋骨に座っていなかったりします。
〇公一が健全な男子高校生だからである:とは言っても最近じゃカレシカノジョを作らない高校生も多いとも聞く。公一の場合は、どちらかというとスケベ寄りのつもり。
〇右手には…:この装備はドラクエⅢの勇者最強装備だな。
〇「…コーイチさん…」:名乗っていないのに、彼女が公一の名前を知っているのは説明不足でしたね。魔法の力で未来すら見通せる彼女ですから、目の前の人物の名前を知るなんて、朝飯前の事なんです。
〇公一のハーレムパーティ:もし似たようなパーティが描かれているお話があったら、まるっきりの偶然です。ここではテンプレートとして明示したつもりです。
〇だらしなくも目尻が下がった公一:いや、それだけ女の子が集まったら、男である公一の肩身が狭くなる事間違いなし。まあ女の子の集団に男の子が一人と言うのは、男だったら一回は憧れるシチュエーションではある。
○「キミが世界を変える…」:のちに説明されるが、彼女は魔法の力がたくさんあるので、ちょっと予言めいたこともできるのかもしれない、というセリフ。
〇「ああ、そうだ盾だけとかやめてくれ」:某ラノベですな。
〇「じゃあ女神自身を連れて行くパターンかな?」:某ラノベの場合は駄女神筆頭と一緒に異世界へ。
〇『異世界に行って人類最強で無双してみた』:執筆中の段階では同じようなタイトルのラノベは無いようです。もしあったらゴメンナサイ。
〇「アジャラカモクレン、ヘモグロビン、テケレッツのパー」:男「アジャラカモクレンってのはホトケさまの力を借りるって事で分かるんです。ヘモグロビンっていうのはなんです?」死神「体に大事な成分だから入れておいた」
〇なんか適当な呪文だなあ:だって適当なんだもの。元ネタは落語の「死神」という演目だ。
〇「妹たちをよろしくね」:誰が彼女の妹なのかはまだ秘密。
●荒野の風景
〇「かえりたい…」:あんまり異世界転移もので主人公が言わないセリフ。だって上下水道に電気がある現代日本から、毎日キャンプ暮らしの冒険者生活に放り込まれたら、最初の数日はいいかもしれないけど、絶対帰りたいって思うに決まってるよ。水洗便所が無い生活なんて、もう耐えられない和美なのであった。
〇トンネルが崩落した事故:「四月の出来事」参照。
〇砲丸投げの全国平均:重さによって変わるが、だいたい一五メートルぐらい。
●襲撃の風景
〇獣:現在地球上にいない獣を用意してみました。
〇剣道なんかやったことない:清隆学園の格闘技の授業は、柔道と剣道の選択である。公一は柔道を選択している。
〇マンガの…真似:これが牙突の構えなら笑えるところだな。まあ青眼に構えているのだろう。
〇動力付一輪車:「モノシード」とかに感銘を受けた年代なんで、未来のバイクといえばタイヤが一つだったり、無かったりして欲しいんだよね。って、歳バレるじゃん!
〇ウィンチェスターライフル:アメリカの銃器メーカーウィンチェスター社が製造販売して爆発的に売れたレバーアクションライフルのこと。現在同社は普通のボルトアクションライフルを販売しているが、そちらの方をウィンチェスターライフルと呼ぶことは、まずない。あれだ、日本でトラックについたクレーンを「ユニック」と呼んだり、履帯のことを「キャタピラ」と呼んだり、家庭用ゲーム機ならばすべからく「ファミコン」と呼んだりするのと同じだ。その分野で一番売れた商品が、その製品全体の名称になっているのである。ウィンチェスターライフルは西部開拓時代に、拳銃のピースメーカーと一緒に使用された。劇中で説明しているが、両方とも西部劇には欠かせないアイテムである。
〇レバーアクション:ライフルの下に大きなレバーが付いていて、それを前方に半回転させて弾倉から薬室へ装弾する機構を持つライフル。達人になるとアサルトライフル並みの弾幕が張れるようになるとか。ただ大抵はチューブ式の弾倉へ、銃の後部から一発ずつ装填しないとならないタイプなため、アサルトライフルのように気軽にマガジンチェンジして次弾装填というわけにはいかない。
〇銃剣:火縄銃など次の弾丸をすぐに撃てない時代、撃った後の銃口にナイフを差し込んで槍にしたのが始まり。英語のバヨネットは、初めてそれが始まったフランスのバヨネット地方から名付けられた。自動火器が発達した現代では、廃止する国も多いらしい。ただし英国は未だに銃剣突撃を行う伝統が残っており、二〇世紀のフォークランド戦争でも行い、二一世紀のアフガン戦争でも行い、勝利を得ている。そして日本の自衛隊であるが、海外派遣ですら実包の携帯を許される事が少なく「一番頼りになるのは銃剣でした」というジョークが生まれたという。…っていうか、ジョークであって欲しい。
〇パム:女の子を通信で呼び出す時に、かわいい名前がいいなと思ってつけました。
〇イヌ:この時代の四足獣は「イヌ」。対して公一の常識の中にいる獣は「犬」と使い分けて見ました。
〇ゴリアテ:い、いや、けっして「天空の城ラピュタ」を見た後に書いたシーンじゃないんだからね(そらし目)
●ゴリアテと遭遇した風景
〇ジュン:黒い衣装を着た美少女。そうです「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います」の主人公、メイプルがモデルです。と、ウソを吐く。すいません、まさしくアレなんです。もうみんな忘れた頃だと思って、リスペクトしてみました。細かいディテールが違うので、けっしてパクリではないと思うんだけど…。撃てない銃を持っているので、アニメには登場しなかった黒い山の狩人さんです。アッチと比べて銃が違ったり、目の色が違ったりします。
〇砲塔上に装備された機関銃:ゴリアテには複数の機関銃が装備されています。車体に二つ、砲塔に三つあります。
〇シロー:このオマケを書くために読み返してみると、ドワーフというよりも「豚の虎」のドランシ隊長のようである。
〇腰に巻いた鎖:音だけでジュンが近くにいるのが分かるかなって考えたアイテム。
〇出刃包丁の親玉みたいなナイフ:解体も銃剣でやればいいじゃんという、もっともな意見もある。ただ道具にはそれに適した仕事があると思うのだが。
●登場人物紹介
〇ラストバタリオン:いやけっして「大戦争を! 一心不乱の大戦争を!」とか大隊指揮官が演説したりしないから。おそらく世界が終わった後に生き残った男たちで編成した自警団の名称であろう。それの人数が減りに減って、とうとうゴリアテ一両の乗員だけになったと推定される。だから大きなことを言って「ラストブリゲード」でもよかったし、反対に身の丈に合った「ラストチーム」でもよかった。
〇ヒメ:ゴリアテのガンナー担当。操るのは主砲と、その同軸機銃。ブリガという種族は和美オリジナル。まあ他ではマタンゴとか呼ばれたりするキノコ人間。とは言っても映画「マタンゴ」のように他人へ胞子が伝染する類の物ではないと設定。歩兵が少女タイプの外見をしている理由は複数あるが、敵に攻撃を躊躇わせるというのが一番大きいのではないだろうか。
〇アウターフォビア:現代日本で罹患すると「自宅警備員」にジョブチェンジする。
〇ヒカル:ゴリアテの通信担当。操るのは通信機と、車体前方にある機関銃。ハッティフナットとは「ムーミン」に出て来る「ニョロニョロ」の原語版名称。白くてどこにでもいるからつけられた名称か? 端末番号は国際情勢で第一話以前に放送禁止になった某作品から。
〇リュウタ:ゴリアテの装填担当。主砲に弾を込める仕事。他に砲塔左側の増備機関銃も担当する。さらにゴリアテの左側には迫撃砲もついているという設定なので、その弾込めも彼が担当する。
〇料理人も兼ねてる:兼ねているというが、後の調理シーンから考えるに、他にやるヤツがいないので仕方なくやっているというのが実情に近いのではないだろうか。
〇エルフって、耳が長くって、もっとスタイルに…:全然違う。伝承のエルフは耳が尖っていることがあっても、長いことは無いし、スタイルもメリハリなんてついていない。夜道で出会って子供に間違えるような容姿なのだ。ま、これも公一がラノベでしかエルフを知らないせいでもあるが。
〇ルナ:最後のヒトの名前は、某女流SF作家が1999年の日本SF大賞を受賞した作品から。ホタルの名はチグリスとユーフラテス。
〇デアブランデとかイクスフリア:元ネタは駄女神次点が登場する某ラノベの世界やら何やらだけど、ちょっと違うから許して。
〇国立市:世界初のラノベで陸上自衛隊が大暴れした町。『出来事シリーズ』に繋がる二一世紀のシーンでは色んな事をボカしているが、コチラの世界では対照的にハッキリさせて、世界観を出しているつもり。
〇「…喋っているのが日本語…」:そうは言っても和美は五〇〇年前の人と会話が通じる自信は全くない。五〇〇年前と言うと西暦で一五二〇年、戦国時代だ。鉄砲の伝来が一五四三年だから、それよりも前。織田信長が生まれたと言われているのが西暦で一五三四年。とうてい現代の日本語が通じるとは思えない。とくに標準語は明治政府が作った言葉だから、余計にだ。今でも地方に訛りが強い方がいらっしゃるが、その方たちの方がよっぽどコミュニケーションが取れるのではないだろうか。戦などで他の国に行ったときは浄瑠璃言葉で会話していたとも言うし。五〇〇年後、現代のチャラ男なんかが使っている適当な日本語の方が通じるかもしれない。
〇「一一〇年ほど前に私へ『この滅びた世界を<バタフライ&ローゼス・ガーデン>と呼ぼうじゃないか』と提案されたヒトがいました」:はい、タイトル回収。
●野営の準備の風景
〇レンガほどの器械:のちに公一も扱うことになる警報器のこと。
●テントの風景
〇ヒカルが…淡い光を…:イメージとしては「宇宙海賊キャプテンハーロック」のミーメあたり。
〇一四〇年前:西暦で言うと、二三五七年に最終戦争が開戦したと設定している。
〇「合わなければ足の方を合わせろ」:でも未来の靴は、使用者に合わせてサイズが変化するかもしれない。大雑把に大中小ぐらい合わせると、後は伸びたり縮んだりしそうじゃない?
〇「どうだ? 似合うか?」:服も前項と同じように、大雑把にサイズを合わせれば、後は服の方が使用者に合わせて大きさが変わるようになっているのかも。
〇やっこ凧:死語かしら?
〇手袋:サバイバルには必要だろう。ちょっとの違いが怪我と大怪我を分けたりする。
〇「早くしないと、世界が終わっちまうぞ」:死んだ世界戦線の「はあ? あなたバカなの? いっぺん死んだら?」に同義。
〇「おれは西暦二〇××年の日本から来たんだ」:二一世紀の情報はボカすという原則に沿っています。それに、まさか二〇二〇年がこんなことになろうとは。
〇「二五〇四年の五月四日火曜日になります」:たぶん曜日はあっていると思うんだけど、自信が無い。
〇未来から来たネコ型ロボット:彼は二〇二〇年に東京でオリンピックが開かれるって言っていたんだけど、別の世界線から来たのか? それとも未来の情報は「禁則次項です」なのか?
〇『魔眼持ち』のドラゴン『ビショップ』:ドラゴンの名前には、いちおう法則性を持たせてみました。
●どこか広い空間の風景
〇「ハックション!」:噂をされてクシャミをするのは日本文化で、欧米だと手の甲が痒くなったり、耳鳴りがした時らしい。ポーランドだと、やっぱりクシャミらしいけど。
●テントの風景、続き
〇『何もしなかったドラゴン』:後述。
〇白い流星マーク:流星マークというと宇宙の何でも屋であるクラッシャーに連想が行くのは、年齢のせいかしら。(でも二〇二〇年現在、イブニングでコミカライズしてるしなあ)
〇ドワーフ、ブリガ、ハッティフナット:当初の設定だと、完全に誰も生き残っていない世界のつもりだったが、そんな世界でただの高校生が生き残れるとは思えず、ヒトではないナニカが居るという事にしました。
〇熱核攻撃:原子爆弾や水素爆弾などの核分裂や核融合を利用する破壊兵器のこと。おそらくドラゴンたちは魔法などで、莫大な熱量や放射線から身を守るのであろう。
〇地上だけにとどまらず…:地上は足で歩けばいい。空中は翼で飛べばいい。だが地中や宇宙空間までとなると大変だ。おそらく魔法的な何かで進むのだろう。
〇低軌道:現在、国際宇宙ステーションが飛んでいる地上からの高度四一五キロ(平均)ぐらいまでの宇宙を想定。軍事利用される衛星にはもっと高い高度の物もあるが(情報収集や通信に使用する物は、静止軌道だと思う)直接の脅威になる攻撃型の衛星はこの程度の高度であろう。ちなみに二一世紀では宇宙の軍事利用は厳しく制限されている。
〇『世界を滅ぼしたドラゴン』が五人。『何もしなかったドラゴン』が二人。そして『守るために戦ったドラゴン』が一人:ハッティフナットのヒカルからすればドラゴンは三種類かもしれないが、シローなんかから見れば「何もしてくれなかったドラゴン」は、結局「敵」と同義語かもしれない。
〇高崎駅前:あまり深く考えずに決めた駅名。でも新宿などよりは襲われなさそうじゃん(偏見である)
〇ハタタ:シローは農業を見た事が無いので「田畑」という単語すらうろ覚えなのだ。
〇「なんだよ質問はコッチって言ったけど…」:実は「ドワーフやブリガはヒトの命令には逆らえない」という隠し設定がある。そうでないと創造主たるヒトに対して、自分たちより有力なドワーフやブリガなどに反乱を起こされる危険性があるからだ。同じような安全弁は、ドラゴンに対して設けられていなかったようだが。
〇「…いまだ全地球規模の相互通信網を失っておりません」:軍事回線は破壊されたが、民間回線は残されている、では説明が足りないな。地上設備のほとんどは破壊されたが、衛星軌道に残された民間の通信衛星回線を使用していると設定している。使用しているのは電波ではなく量子通信なのかもしれない。
〇壊れずに残った遺構の管理をし:そういう話しも良かったよね。例えば滅びた世界で博物館の案内人をやっているとか(アレ? そんなアニメがあったような…)
〇生物の研究:コッチはあまり盛り上がらないと思って構想初期に放棄したお話がある。終わった世界で虫や獣を調べて回る学者ロボットという話。
〇生物の遺伝子は汚染され…:シローたちのようなヒトの遺伝子を弄って兵士に最適化なんてするならば、他の生物を兵器化なんて当然するだろう。他にも熱核兵器の放射線による変異などもあるかもしれない。
〇酸素が噴出している箇所:ご都合主義のご都合設定である。よってその原因など科学設定すらしていない。
〇「海も無くなっているの?」:海洋が地球の気候に与えている影響は計り知れないが、その海が無くなったらどうなるのだろう? 最低でも気温の維持は出来なくなるはずなんだが…。今回は生物が生存できるように、地面の下に隠れていると設定している。陸を全部削って海に入れて平均化すると、地球全体が海になるらしい。そのことから、この石だらけの荒野自体が海の上に浮かんでいる状態なのかもしれない。
〇「その常識も吹っ飛んじまった後なんでな」:現代日本の義務教育で習う事すら失われているので、シローは当然「光合成」といった科学知識は持っていない。その代わりに、この世界で生きていく知識は豊富に持っていると仮定している。
〇「ざっと三五〇年あるのです」:とは言っても世界最古の会社すら存在する日本である。三五〇年ぐらい続く老舗は町中に転がっていたりする。(世界最古の老舗である「金剛組」は、二〇二〇年で創業一四四二年らしい)
〇科学常識:天動説と地動説を持ち出すまでもないと思うが、ほんの一〇年ほどで科学的常識が一八〇度変わったりする。身近な例を出せば昭和の常識だった「風邪の時にお風呂に入ってはいけません」って奴だ。現在では汗を流すぐらいに軽くシャワーを浴びた方が健康に良いとされている。
●予防注射の風景
〇APO:こんな予防注射のシーンを書いておきながら、そのAPOがなんの略なのか考えていなかったりする。
〇BCG:ほとんどの日本人が赤ん坊の時に受けるイニシエーション(笑)それだけ結核が国民病ということなのだろう。
〇自己アレルギー症:実際にある病気。
〇マリヤ・エコー氏症候群:これは適当に作った名前。もし同じ名前の病気があったらごめんなさい。
〇ノイエ・ルージュ神経変性疾患:ふと四角い箱を背負った「最強の機動兵器」と戦う「ソロモンの悪夢」が駆る緑色をした大型全領域汎用支援火器を見ていて思いついた名前。そのまんまと言えば、そのまんま。
〇牛乳に当たると上から下から忙しいんだから:はい、忙しかったです。
〇「それって、効くの?」:現代の薬学では絶対無理だろう。五〇〇年後の製薬技術や、保存技術が可能にしているのかもしれない。
〇「接種をお勧めするのですが」:時間の流れを飛び越して、過去へ行ってしまう話しなんかよくあるけど、当時流行していた天然痘なんかに罹る話をトンと聞いた事がない。二一世紀では撲滅しているので、現代人が天然痘に対する抵抗力を持っているとは思えないのだが…。自衛隊が海外派遣される時に種痘を受けていたりするので、ワンチャン戦国時代に戦車を持ち込んじゃう話しなんかは大丈夫なのかもしれないけど。
〇「…推測したよりも、一〇秒は早い…」:これが前向きにした決断ならば褒められるが、公一の場合は病気に対する恐怖心からという、後ろ向きの決断なので、あまり褒められないと思うのだが。
〇「…地球が太陽に飲み込まれる…」:地球の最期は、赤色巨星となった太陽に飲み込まれるというのが現在の定説。ただ太陽の重力が予想より早く弱まったり、不均一になったりして地球が公転軌道から外れて、太陽系の外へ飛び出す可能性は少しだけある。まあ、どちらにしても太陽が赤色巨星になった時点で放射される有害放射線によって人類は滅びているはずなのだが。
〇「…じゃあ痛くないんだ」:二一世紀の経皮接種は剣山のように針が生えたハンコでやるから無痛ではない。まあ注射よりはマシだが。
〇赤いバツ印:一般に誤解されているが、赤十字は医療関係を示すマークではない。戦場で攻撃してはいけない者、建物、乗り物を示すマークである。ただ病院などが該当する事が多いので、誤解されることになった。最近は「宗教的に十字は嫌」という世界の半分の意見を取り入れて、赤い水晶マークになりつつある。五〇〇年後の世界ならば、この赤い水晶マークの方が主流であろうが、ここは二一世紀の我々に分かりやすいマークを選択した。
〇「…縮み上がっちゃうよ」:ナニが?
★1-2
●注射後の風景
〇砲塔の前にあるごついハッチ:ゴリアテのエンジンは車体前部にあると設定している。
〇ブースト圧:単位は不明。おそらく内燃機関の過給機に関する数字なのだろう。
〇主装甲:材質は不明。二一世紀の戦車の装甲がセラミックなどの複合装甲であるから、それに準じた物であろう。いっそのこと流体装甲とかジェル状装甲とかかもしれない。
〇マットレスのような物:増加装甲のつもり。主装甲が固い物だから、柔らかい装甲が外側についているのかなって設定してみました。現代の戦車についている爆発反応装甲とは全く違う物のつもり。
〇五種混合:現代の予防接種では「ジフテリア」「百日せき」「破傷風」「ポリオ」の四種混合ワクチンがある。五〇〇年経っているので、もう一種類なにか付け足されたのだろう。それこそコービック19か?
●リヤカーの風景
〇発煙弾発射器に混じって長い筒が斜めに伸びていた:迫撃砲のつもり。本来は歩兵の集団に接近された時に使用する武器だが、この世界では多数の獣に襲われた時に有効としておく。
〇共同戦闘車:現代にある戦車と歩兵戦闘車との中間の役割をする戦闘車両と設定した。現代ではそんな中途半端な車両は器用貧乏で使いにくいだろうが、戦場の常識は科学の発展と共に変化する物だから、この時代にこういった車両が登場したのだろう。高度化したドローンやテロリズムに対抗するために歩兵を装甲化した車両に納め、なおかつある程度以上の対装甲車両との戦闘能力が求められたのだろう。
〇ディーゼルカーを示して「電車」:いやJR東日本の仙石東北ラインを走るHB-E210系気動車ならば、プリウスと同じくエンジンで発電してモーターで走る車両だから、半分は電車のような物なんだが。分類は「一般形気動車」だけどね。
〇『ルイーダの酒場』:語源は有名RPGに登場する酒場。主人公の仲間となるキャラクターの作成及び削除などができる登録場所。仲間との出会いと別れを繰り返すことから公一の母親は引用したのか?
〇フルハウス:いやワンペアとツーペアはいいとして、靴下でフルハウスは困るだろう。おそらくポーカーの役の名前の事だと思うが、同じ柄の一組と、別の揃った柄の三枚のカードでフルハウスだからだ。いや、男の子は足が三本あるから丁度いいのか?(下ネタですね)
〇カバーソックスタイプ:靴を履いていて素足に見える丈の短い靴下の事。臆病者の和美が、火事に遭った時に火傷するんじゃないかと思って履けない種類である。
〇公一が見たことも無いような機械の部品:とはいっても公一は普通の高校生なので、車のエンジンルームすらまともに覗いた事がないので、その範囲は広いと思われる。
〇オ-ニソプター:本来の意味は「羽ばたき飛行機」。おそらく単語の意味がいつの間にか変化してしまったのだろう。
〇公一に知っている火薬式の銃であるようだ:リヤカーの重機関銃は、現在でも広く使用されているM二重機関銃と設定している。基本設計が完成したのは一九二一年のことだ。それから水冷式から空冷式に変わったりしたが、ずーっと使われ続けている機関銃である。
〇レーザー銃とか、ビームガン:駆逐艦に積むようなレーザー砲やビーム砲というのは、実はすでに存在する。だが両方とも電源という致命的欠点で小型化は難しいらしい。さらに言えば天候にも左右される。曇りや雨だと大気中の水分でエネルギーを減衰してしまって破壊力が失われるらしい。ま、そこのところはミノフス…、未来技術で何とかなったということで。
〇「発振コイルとか、ビーム用の重粒子とか…」:レーザーやビームの構造なんて分からないので、それらしい単語を並べてみました。
〇「この弾は一杯あったから…」:現在、M二重機関銃は航空機から戦車、そして歩兵まで多岐にわたって使用されている。あと五〇〇年ぐらいは、他に代替する銃器も開発されないだろうし、過去に生産された部品や弾薬がたくさん残っているのだろう。代替されるとしたら、それこそビーム砲やレーザー銃だろう。
〇「…靴が死んじゃう…」:設定ではこの時代の靴は半ば生き物なので、言葉通りに死亡すると使えなくなる。環境に優しいように腐って土に還るのかもしれない。臭いや汚れなどのトラブルの素になる雑菌などを食べて生きている。サイズが適当でもいいのも、生物なので使用者に合わせて体を伸び縮みしてくれるからだ。(と、いま決めた)
〇(…ヒカルは二五〇四年って言ってたから、あ、ちょうど五〇〇歳かな):二〇二〇年に誕生日が来た高校一年生なんだから十六歳。つまり二〇〇四年生まれという設定だが、既述の通り『出来事シリーズ』に直結する設定は曖昧になる法則で、誕生年がそうとは限らないとしておく。
〇親にも秘密にしておきたいような物:どんな物だろう?(すっとぼけ)きっとベッドの下とかに隠しておく物だな。
●水場の風景
〇「水は…計りながら飲む…」:意外に(でもないか)水筒などでもキャップに計りながら飲まないと、すぐに空になる。
〇LSB:ライフサポートバクテリア。こんな物が発明されたら、毎日の洗い物が楽だよね、という和美の願望から思いついた設定。でも洗剤を使用しない生活が実現できれば、環境に優しいだろうから、きっとどこかで似たような物を研究しているに違いない。
●食器の置き場所の風景
〇他の乗員の分は見当たらなかった:後述するがゴリアテのメンバーはゴリアテの方の物入れを使用しているので、飯盒やコップもそちらに干す場所がある。
●テントの前の風景
〇「いつもは二つ…」:人数が減ってしまったのでテントの数も同じく減った。これが誰かと誰かが夫婦とかだと、その二人用にテントを用意するのだろうが。
〇つまり獣は野営地の外にいるだけではない:こんな人口が減ってしまった世界なんだから「産めよ育てよ」でいいじゃんと思う方もいるかもしれないが、水や食料の調達が困難になっているので無計画な妊娠出産は集団に危機をもたらせるから戒められている。ただ単純に風紀がどうのこうのという話しではない。
●別の準備の風景
●パムを整備する風景
〇白色…タイヤ:現在のタイヤも、色をつけなければ白色だって知ってた? 昔はゴムだったので黒かったが、いまはシリコン製だから素の色は白だ。ただ白色だと「タイヤらしくない」という理由だけで黒色にしている。未来ならば、その手間暇とかかる経費がバカらしくなって白いタイヤが一般化していると仮定した。
〇シートの上へと移動させた:地面が石だらけなので、うっかりネジなんか落とすと、見つからないかもしれないので、その予防だ。
〇ストレーナー:なんのことはないゴミ取り用の金網だ。
〇(たしかにガス欠は怖いだろうな):和美は千葉の山奥で給油ランプが点灯し、深夜だったのでどこもガススタが開いておらず、ハラハラしながら高速道路で帰宅した経験がある。とても胃に悪かった。
〇見当もつかないメーター:モーター駆動なので電流計とかかな?
〇パム:かわいいという基準でつけた名前。
〇エンジン:排気管の形を模したガスタービンという設定である。
〇モノクル:二一世紀で「モノクル」と言えば「月下の奇術師」がかけている単眼鏡のことだが、一般的ではないので未来では廃れたのだろう。正式名称はモノ・サイクルのつもり。もちろん和美の造語だ。(バイクはバイなサイクル、つまり二輪車って意味だ。バイクだけで乗り物っていうニュアンスもあるけど、モノ・バイクって抵抗があるしなあ)ちなみに一輪車を英語で言うとユニサイクル。
〇何かと衝突する方が難しい:とはいっても公一がやってきた場所にあったような木とかが不意に立っていて、眼倉滅法に走るのも危険なつもり。
〇サバイバルキット:この大きさで水や食料が入っているとは思えないから、緊急避難用のシェルターと保温シート、コンパスなどかな? もしかしたら栄養剤ぐらいは入っているかも。
●意識が回復した風景
〇(…おれはなんにも悪い事してないし):いや充分してるし。
〇「…なんだシンゴまで」:もはや天丼か?
〇(こういうのもツンデレって言うのかなあ):分類的にはツンデレかもしれないが、髭面のオッサンが照れているところなんて書いていても、ちっとも楽しくない。
〇(…ヒメまで腕相撲):彼女は足に障害があるので、寝そべった態勢でやる腕相撲だったのではないだろうか。
〇おそらく人間の仕草をなぞっただけなのだろう:こういった周囲の者が行う何気ない仕草と言うのは子供に移るようなので、養子と里親が似ている一因になったりする。ヒカルが人間の真似をするのは、文明が滅んで大人が少なくなり、こういった文化が失われないようにするためと仮定した。
〇ヒトはただの劣等種:だからこそ指揮権はヒトにあるという裏設定。
〇男の子の事情:はて? なんのことだろう?
●公一の回想
〇「…毎年十八歳の誕生日が来ることになっている…」:少なくとも我が家ではそう。
●話を終わらせる風景
〇『十七歳。おいおい』「誰だよ、そんなデータ入力したやつ…」:全くその通りだ。
〇「…ロボットなんだよな?」「厳密に言いますと違うのですが…」:ロボットの条件としては「人に代わって作業をするための存在」「人の姿を模して造られた存在」「人の自律行動を模して造られた存在」のいずれかまたは複数が該当する存在は「ロボット」と呼んで差し支えないだろう。ヒカルはヒトの姿に近似しているので、最低でも二番目に挙げた条件を満たしている。じゃあロボットでいいじゃんと思うが、もしかして五〇〇年の間に、ロボットの定義自体が変化している可能性がある。
〇ヒカルはテントの外を…:あからさまな話題の変更をしている。ヒカルがただの機械ではない証拠である。
〇「…一日の食事は二回…」:食料の節約という意味もあるだろうが、生活習慣が毎日三食から二食に変化したのかもしれない。ちなみに「朝ご飯」は、かのエジソンの発明だそうだ。
〇水中毒:本当にそういう病気があるんだよ。
〇フグに当たったら地面に埋める:正確には「首まで埋める」だ。フグの毒であるテトロドトキシンは、毒性を失うと副作用を全く残さない。つまり昔の人が、フグを食べて動かなくなった人をその場で埋葬しようとし、首まで埋まったところで痺れが取れて復活したので生まれた迷信、と勝手に和美は思っている。
〇「…まるで一九世紀のヒトと話している…」:とはいえ現在に、一五二〇年から来た人と、一三二〇年から来た人が居たとして、普通の人はあまり変わらなく見えるのではないだろうか。一三二〇年というのは、南北朝時代始まる元弘の乱が一三三一年だから、それより前だ。まだ鎌倉時代である。
〇(ロボットが…ヒトに仕事を押し付けんのかよ…):ヒカルにはなるべく早く当直に戻って周囲の警戒をするという重要な仕事が待っている。また公一に対して医療パックの収納場所を覚えさせるという意味も持つ。けっして面倒臭がっているわけでは無い。
●夕食を配給される風景
〇「…地球の自転公転などは、二一世紀とそう変わっておりません」:正確には月の潮汐慮により五〇〇年間で一〇ミリ秒程一日の長さが長くなっている。と計算していたら、今年あたり(2021年)地球の自転が加速して、一秒時間を縮める必要があるのだとか。う~ん、地球も案外気まぐれなようで。
●夕食の風景
〇何が入っているか分からない木箱:おそらくリヤカーを切り離して行動した時に必要になる食料や、予備の弾薬であろう。
〇砲塔内部:車体後部のキャビンから前を見て、右側がヒメの砲手席、左側がリュウタの装填手席、真ん中手前はシローが座る車長席だが、ゴリアテの各種センサーの情報が集まる場所なので、いまは当直のジュンが座っている。
〇車体前部:ヒカルの担当は通信と前部機関銃。シンゴの担当は操縦と車体右側に装備された固定機関銃である。
〇他にもレバーが一杯:運転装置は普通の車と同じように、ハンドルとペダルになる。現代の戦車の中にはバイクのハンドルみたいな運転装置で、アクセルはグリップを捻ることで操作する物もあるが、ゴリアテはペダル操作と設定した。ギヤはオートマチックなので前進後進のみ選択。信地旋回などはギヤをPに入れたままアクセルを踏んでハンドルを回すと可能となる。ということなのでギヤ以外のレバー類が何なのかは不明とする。
〇「そこの弾薬箱」:砲塔内部に置かれた木箱に入っているのは主砲弾のつもり。砲塔後部の張り出し内部(バスルと言う)には主砲弾が定数格納されており、さらに経戦能力を上げるために、砲塔内部に主砲弾を積み上げている。もちろん被弾の際には危険だが、敵と言っても獣ぐらいなので、ゴリアテの装甲を抜いてくるような攻撃を受ける事はほぼ無いはずだ。そこまで考えなくてもよかろう。
〇豆:品種など全然考えていない。もしかしたら一食でほとんどの栄養価を満たすように遺伝子レベルで改良された種なのかもしれない。もちろん、すでに耕作地は無いので、缶詰などが主な入手手段だ。
〇大きな肉:獣の肉。といっても何の肉かは考えていない。人肉では無い事は確か。世界が終わって食料の入手が困難であるが、それは避けなければならないだろう。みんなのモチベーションのためという一面もあるが、何より人肉食は様々な伝染病の原因となるからだ。
〇野菜が粒:こちらはフリーズドライされたような食材をイメージ。お湯に溶かすとそれだけでスープになるような保存食というつもり。もちろん兵士用の食料なので味は二の次だが必要なビタミン等が摂れるように調整してある。
〇ココア:米軍の携帯口糧にも入っている。英軍には紅茶が入っているし、意外とああいう軍隊用の携行食品(最近じゃミリメシって言うんだ、ふう~ん)には、兵士の好みに合わせて甘味が含まれる。もちろん戦闘によるストレスを軽減させる目的があるためだ。ちなみに世界で一番おいしいレーションは自衛隊の物だそうな。逆に「世界一不味いのはウチだ」と争って決まらないとかいうジョークがある。
〇「…当直中だから遠慮しておくよ…」:もちろん当直員がトイレに行っている隙に襲われたら初動が遅れて全滅する可能性があるからだ。
〇「二時間交代」:英国海軍の当直割を参考にしました。海上自衛隊は三交代かな? 旧日本海軍も乗組員を二つに分けて、二時間おきに交代させていた。ゴリアテでは必ず当直に就くヒカルを除き、五人が二時間おきに当直しているという設定。午後の二時から二時間おきに五人。この日はヒメに始まり、ジュン、シンゴ、シロー、リュウタの順番。ここで日付が変わり、再びヒメが当直に就き、ジュンの二回目、シンゴの二回目で朝となる。ここに公一が加わったら、しばらくはジュンと同じ時間を担当して当直に就き、慣れたら六人で二時間ずつとなる予定。例、ヒメ、ジュン、シンゴ、シロー、リュウタ、公一、ヒメ(二回目)、ジュン(二回目)で朝。
〇「ナカムラさんが知っている河馬とは違いますよ」:二一世紀の動物は漢字表記。この時代にいる変異してしまった動物はカタカナ表記に統一しているつもり。元は河馬だったのだろうが、遺伝子操作されたのか、はたまた放射線などで突然変異したのか、それは不明とする。外見を例えるキャラクターの「北欧の妖精」とは、トーベ・ヤンソン原作のムーミンであろう。ただ大きさを考えると、アレよりも聖書に出て来るベヒモスの方が近いかも。
〇あけぼの子どもの森公園あたり:既述した北欧の妖精をテーマとした施設は、本場フィンランド以外で日本が海外初進出らしい。それがあるあたり。
〇「…まるでオモチャ…」:そういった物も手に入らないと思うが、キャラバン時代に子供のためにと手作りしたり、大事に持っていた大人が、自分の物を譲ったりしたのかもしれない。
〇「ヒトって、たしか一〇〇億人いたんだよね?」:現在の人口増加の予測では二一〇〇年には一〇九億人を超えるらしい。それ以上は安定するとも、さらに増えるとも何とも言えない状態。試算では一〇〇億人までは地球資源はもつようだが…。日本人の平均寿命は八四歳で世界トップクラスだが、世界にはまだ平均寿命が七歳(七〇歳ではない)という国がいっぱいある。これからそういった国の食糧事情や医療事情が改善されれば、必然的に人口は増えるであろう。
〇「少子高齢化が問題になっていた」:本当に子どもが少なくて驚く。小学校で三十五人学級なんてお題目が実現しそうなのも、少子化のせいだ。どうやら、この未来では少子化問題を何とか乗り切ったようだが、果たして方法は? 和美の頭だと、政府による強制見合い結婚ぐらいしか思いつかない…。(そんな作品あったよね?)
〇バクテリアエンジン:本文では説明されていないので少し。現在発見されている中で、炭化水素を分泌する微生物というのは、実は存在する。ゴリアテではそういった燃料になる物質を分泌する微生物を燃料タンクに飼っており、栄養と水を与えれば、勝手に分裂増殖してガス欠の心配はないという設定だ。もちろん、ある程度増えすぎた場合は排出、栄養不足などで足りなくなった場合は他から足すなど、完全にほったらかしでいいわけではない。ただ、これならば現在問題になっている地球温暖化問題と、原油資源の枯渇問題と、二つの問題を解決する技術ではないだろうか。ジュンがバクテリアを燃やして走ると言っているが、それは彼女の間違った知識である。
●後片付けの風景
〇亀の子タワシ:偉大なる日本の発明品。発想は渦巻蚊取り線香に同じ。
〇砲塔の後ろ辺り:ゴリアテの砲塔後部は、キャビンの上に張り出しており、中は主砲弾が収められた弾薬庫になっている。乗員の物入れは、さらにその後ろに個人ごとのコンテナがある。よって車内から荷物の出し入れはできずに、車体の上へ上って外からしかアクセスできない。
〇「…外付けのオプション…」:両手がドリルとかバズーカ足にキャタピラ、腰から下がペガサスとかかな? なんか磁流体エネルギーに溢れていそうなオプションである。
〇「…これだけ暗いと白黒にしか見えない…」:ジュンの暗視能力は、暗視装置で言うところの微光暗視装置に該当する能力と設定している。これは些細な星の明かりを何倍にも増幅して物を見る技術である。が、逆に言えば光源が全くない構造物の内部などでは、まったく役に立たない。とはいえジュンの能力は、蛍光塗料ほどの光源で見通せると設定しているので、ゴリアテの近くでは昼と同じように行動できる。白黒ではなく緑黒の方がよりリアルだったかな?
〇「…ボクと違って『セキガイセン』とやらを見てる…」:ドワーフの暗視能力は赤外線視力と設定した。これならば熱源があれば(究極の話し、自分の体温)どこでも暗闇を見通すことができるからだ。また昼の光のもとでも、触ろうとしている物質が熱いのか冷たいのかを目で判断できる。
〇反響定位:本文で説明している通り、コウモリが獲得している能力である。ジュンが「キーンって音を出して」と言っているのは比喩ではなく、彼女の可聴域にその音波が入っているのではないだろうか。(そしてヒトの耳には聞こえない)
〇ヒカルが暗闇に困るって事は無い…:ヒカルは自分の体を光らせればいいような気もする。まあ電磁波で周囲を警戒しているとでもする?(それじゃあレーダーじゃん)
〇「…灯りがあるとホッとするじゃん」:実際に暗視能力があっても、基本は人間なので、暗い中で行動するよりは明るいところの方が落ち着くという精神は変わらないつもり。
〇「…心配性なんだから、シローは」:指揮官に必要な素質だと思うよ。
●夜のリヤカーの風景
〇非常灯:ケミカルライトの親玉みたいな外見を想像していただくと分かりやすいと思われます。
〇ナイトウォーカー:外見などは不明。かわいい兎さんみたいな外見をしていて、咥えた石を噴きだしてくるとかだったら嫌だなあ。
●歯磨きの風景
〇豆電球を灯してくれた:ナイトウォーカーの標的になるじゃないかというもっともな意見もある。いちおうゴリアテとリヤカーに挟まれた狭い空間なので、狙撃の危険性は低いという事にしておく。
●就寝の風景
〇すぐに…温かくなってきた。:現在ある寝袋の一番いい奴だって、普通の冬山なら下着だけでも十分温かくなるんだから、未来の寝袋はきっと熱帯夜だと冷たくなってくれたりするのではないだろうか。
★次章予告
〇劣化したオレンジ色の光:電球や蛍光灯ならばこうなるだろうが、最近多いLEDだと明るさが物足りなくなったと思ったら点かなくなるんだろうな。ここではLEDのさらに次世代の光源としておく。
〇黒いコート:もちろんここで夢を見たのは、次章に登場する『ルーク』である。
★2-1
●朝の風景
〇「…ついでに片付けた方が…」:普通の生活でもそうだが、一度立ったら何か一仕事するという習慣をつければ、部屋は綺麗に片付く。そう片付くはずなんだよ…(いま周囲を見ながら溜息)
●テントの外の風景
〇シローが二つの飯盒を…:片方はシンゴの分だ。
●朝礼の風景
〇石しかない地面へと軽く飛び降りて来て…:実際の戦車を見ると、高さが相当ある。よってジュンの身体能力が優れているから可能になったとしておく。
〇朝食の献立:現在だって腹に入れば膨れるビスケットがあるんだから、これらだって栄養価も含めて、一日に必要なものを摂取できる代物なのだろう。ただ精神的にはあまりヨロシクないような食事内容ではある。
〇ほうじ茶:いきなり和風に。夕食に出なかったのはカフェインを気にしてだろうか?(まあ緑茶に比べてとても少ない含有量ではあるが)
〇ヒロたち:もちろんすでに故人である。
〇「…指揮権は俺にあるってことでいいよな?」:裏設定にある「ドワーフはヒトの命令に逆らえない」から出た発言。ここでハッキリと確認しておかないと、指揮権の混乱で集団の全滅に繋がる事件が起きるかもしれないからだ。
〇「もうルート周辺は粗方漁りつくしちまった」:東京の人口が一〇〇〇万人だとすると、あたりまえだが災害時の備蓄もそれに見合った量が用意されていたはず。最終戦争で半分失ったとしても五〇〇万人分。その三日分の食料として四五〇〇万食あるという計算になる。まあ東京の人口はもっと多いし、色々な施設が破壊されているので残された量も半分とは言えないので、数字は目安にしかならないだろうが、シローたちが寿命を迎えるまでに食べきれるかどうかの量はあるだろう。(ただし保存期間などを考慮しなければの話しだが)
〇「戦前は病気も老いもない世界だったらしい…」:「せいぜいきばる事だ、諸君。老いも病いも無い国へ行きたいのなら」ブラジルでダンナと戦った某伊達男、談。
〇シンゴがエンジンを始動させたのだ。:ゴリアテのエンジンは、原理的には現代のディーゼルエンジンと同じ物だと設定した。ディーゼルエンジンは油ならば何でも燃料にできるからだ。(もちろん油の種類によって調整は必要となるが)始動状態で黒い煙が出るのは、あまり整備が行き届いていないから。
●パムの暖機運転の風景
〇黄色いスイッチ:スクーターと同じだが、軍用らしいパムのことだから、非常用のキルスイッチ(事故時等にエンジンを強制停止させるスイッチ)も兼ねているのかもしれない。
〇「あれ? バイクに乗っていたんじゃないの?」:バイクには燃料コックがついているが、スクーターには無い。いや、あった機種もあったかな? 少なくとも公一が乗り回していたスクーターには無かったという事で。
〇「…オートペット…」:適当に作った造語。現代のスクーターを差す単語が年月で置き換わったと設定した。
〇スーパーカブ:世界のホンダが世界征服した原動力。低質の燃料でも十分走り、耐久性に優れ、山だろうが海辺だろうがとりあえず走ってくれる。これを超える機種はもう発明されることは無いだろう。すでに世界中で使用され、妨げる物は現地の環境規制ぐらいなものである。日本でも二輪車に対する排ガス規制が厳しく、それを掻い潜るための「改良」が行われている。よって五〇〇年後にも存在すると仮定した。
〇ニュートラルの位置:現代のバイクも大体こうなっている。
〇ギヤの表示:パムが軍用なので、そういった「贅沢な」機能は省かれているのだろう。
〇「一番下まで踏んづければ…」:和美がまだ無免許の頃に、夜にブンブン音をさせる方々に習った操作法のまま。いや教わっただけで、乗ってはいないですよ。
〇エンジンが目を覚ました:パムのエンジンはガスタービンのつもりなので、エンジン音が普通のバイクとは違います。またキックペダルでは始動できません。通常走行時、アクセルを捻って速度を上げると、タイヤの軸に装備されたモ-ターが電力を消耗し、それに従い発電量をあげるためにエンジンの回転数が上がるというように、必ずしもアクセルグリップとは連動しているのではなく、ワンテンポ程度遅れる事がある。
●朝食の片付けの風景
〇カロカロというアイドリング:ゴリアテのエンジンはディーゼルなので、こういった音になる。
●テントを畳む風景
〇パンタグラフ:電車の上に乗っていて、架線から電気を受け取る装置という意味で使われることが多いが、ここでは「菱形をして折り畳める構造」という一般的な用法で使用している。
〇コットも椅子も十人分:今まで使用していた人たちが、それだけ亡くなったという事だ。原因は病気や老衰じゃないかな。
〇「結び方、覚えてね」:ロープワークはやっていないとすぐに忘れてしまう。現代でも「南京結び」ぐらいは覚えておいて損はないだろう。
〇「オヤジが元気だった頃…十年ぶり…」:現時点での最後の死者は、一年ほど前にシローの父親が老衰で死亡したものとする。
〇布の塊が六つに、骨の束が二つ:布の方はテント三組分。骨の方は二組分の骨を纏めた束と、公一が使用したテントだけは常用しないので別に作った束だ。
●出発の風景
〇公一が…装備品を要求しないことが不思議のようだ。:もちろん、その要求は却下したいが、既述の裏設定である「ヒトの頼みは断れない」があるので、きっと認めてしまう。懐中電灯を認めたのも同じ理由だ。
〇「八〇年ぶりだから忘れてた…」:公一以外の最期のヒトが死亡したのは二四二九年。最終戦争を経験した人間から数えて孫の世代とする。
〇「パパ、アルファ、マイク、ゴリアテ…」:音声通信で使用されるフォネティックコードである。「パパ」は「P」、「アルファ」が「A」、「マイク」で「M」を示す。つまりPAMから発信しているとジュンは言っているのだ。ただ未来の日本という設定を活かすなら「はがきのハ」「半濁点」「むせんのム」と和文通話表のほうがよりリアルだったかもしれない。
〇「こちらゴルフ、オスカー、リマ、ヤンキー、アルファ、タンゴ…」:前項と同じで、返信しているヒカルがゴリアテから送信していることを示している。「こどものコ」「濁点」「りんごのリ」「あさひのア」「てがみのテ」の方が短いかな?
〇学園通りを直進し…:世界最古のラノベの舞台となった自治体の真ん中らへんから出発しているつもり。興味がある方は、国立市の地図と睨めっこしてみて下さい。ちなみに目的地は、別のシリーズでちょくちょく出している清隆大学の研究所付近とした。研究所が最終戦争まで機能していたのではなく、それより前に中央司令軍に徴用されて、何らかの実験や生産を行っていたのだろう。
〇現行法制:それを守らせる警察も、裁く裁判所も、もう無いけどね。ただハッティフナットとして、国会で決められた法令や各種省令が、正式な手順で上書きされないかぎり、それは純然たる現実として存在し、それに従って行動しようとする。
〇目印の無い荒野:大海原を航海する船と変わらないと思う。ということは六分儀など使用しないと現在位置を見失う可能性がある。ただヒカルはハッティフナットの情報網から現在地点を把握しているのは間違いない。あと、ゴリアテと合流する前の公一が肉眼でうっすらと建造物を確認しているから、今回に限ってはそれほど迷うことはないと思われる。
●パムが快走する風景
〇コルゲート:波板の事。
●実験施設の周囲の風景
〇バリア:電磁バリアなのか、光子力バリアなのか、はたまた違う物なのか。
〇いや、これはメラ〇ーマではない…:元ネタは二度目のアニメ化された「ダイの大冒険」ですな。このフレーズだけ有名になって独り歩きしているような気がする。
〇「…イヌもウサギも…」:イヌがすでに登場した獣。ウサギの方はあまり深く考えずに出した名前。これもやはり凶暴化している獣なのだろう。…で、姿がバニーガールだったらイヤだなあ。
〇「一晩ぐらい逆さ吊りでも…」:ジュンはヒトでないので平気かもしれない。
〇クルクルと回り続けているランタン型の物:現代の戦車だって対戦車ミサイルから防御するためにレーダーを備えている物があるぐらいだ。大雑把に説明すると、レーダーで周囲を絶えず警戒しておき、いざ自分に向かってミサイルが放たれたら、そのミサイルが自分に命中する前に散弾で迎撃する。もちろん近くに味方の歩兵がいたら巻き添えをくらってしまう。(といっても最近の歩兵は、行軍中は外を歩いているよりも、歩兵戦闘車の車内にいることが多いから散弾ぐらいは大丈夫なのだが)
〇乗組員と同じ数のオプチカルサイト:ゴリアテは装甲に包まれているので、当然死角が多い。よって配置についている全員で周囲を警戒できるようになっている。これが戦車だと車長用の物が一つだけで、他は潜望鏡になるのではないだろうか。
●野営地を設営する風景
〇空噴かしした後に…:パムはガスタービンエンジンだから、あまり意味が無いような気がする。エンジンを切る前に空吹かしする理由は、エンジン内部に燃料を多めに送り込んでおけば、すぐに始動し直せるから。でもピストンエンジンなら分かるが、タービンエンジンだと圧搾空気の方がより重要だと思う。
〇「今日の当直は誰からだ?」:朝食まではジュンが当直だったので、シンゴ、シロー、リュウタの順番だ。
〇「全速力ならば二時間ほど…」:全てが破壊されて石だけの荒野となっているから、一直線に目的地へ向かえるから速い。これが現在だと道が入り組んでいたり、渋滞があったり、ネズミ捕りのパトカーがいたりするから無理であろう。
〇「…石を結び付けてくれないか」:錘用の石を入れるポケットがあってもよかったかな。
〇「ここが俺の場所な」:テント内のコットの位置。出入口側の右がリュウタで、左がシンゴ。奥側の左がシローで、右が公一である。もちろん奥側の方が「上座」で、シローが奥なのは指揮官であるからだ。公一が奥なのは「ヒト」であるからだ。本来ならば新人は出入り口に近いどちらかを選ばせられる。
〇「眠気が当直にうつるから…」:同じ車で、助手席に座る人間が寝ると、運転手も眠くならない? 和美だけだろうか? ちなみに和美は寝てもいいから後部座席に移ってもらっている。あと座席で寝ると、寝ぼけて運転装置などを誤操作する可能性もあるので、シローは許可しないのであろう。
●警報器を設置する風景
〇適当な木の枝:そういった物すら手に入りづらくなっているので、こうして備蓄しなければならなくなっている。それと朝に片付ける描写が無かったのは、その担当がジュンではないため。
〇「…よし三〇…」:一歩が一メートルになるようにするには訓練が必要である。
〇糸の束を持ち上げると…後退さり…:ここら辺は電気工事士の経験。こうしないとすぐに電線って絡むから。
〇円周率:まあ工事現場なら三で計算すれば大体辻褄が合うもんだ。これも電気工事士の経験から。
〇「警報器のセンサーファイバー」:現代でも触れるとブザーが鳴るような警報器は気軽に手に入る。そして昨今のキャンプブームを見ていると、使用している様子がないのが気になる。とくにソロキャンプするときなんか、あった方が安心できるのだが。もちろんクマやイノシシも怖いが、一番怖いのは悪意を持った人間だったりする。
〇「…引っかからなくても鳴るように…」:未来なので接触しないでも接近者を探知できるようになっているかもしれない。
〇「まあ細かいことは気にしない…」:ワカチコワカチコ(死語)
〇「これでだいたい一メートルぐらいだよ」:その昔、電気工事でケーブルの長さを計るのに使った方法。親方に「いい加減に計るな!」と怒鳴られて、メジャーで計り直したらドンピシャの長さが計れていて、それ以来親方は文句を言わなくなった思い出がある。
〇「なんのために後ろ向きなんだよ…」:実は腰を伸ばして前向きにやっても、だいたい直線が引けたりする。たまに振り返って曲がっていないか確認する必要があるが。
●パムの整備風景
〇また重いジェリ缶を持たされた…:中身が燃料なので、持つと手が汚れる等の理由があるのかもしれない。いちおうジュンも女の子だから、極力汚れたくはないだろうし。
〇みでぃあむりきっど:Medium Liquidかな? 燃料タンクの中にいる微生物のための水や栄養素などが合成された液体と設定。既述しているが、燃料タンクの中で育った微生物が合成した炭化水素でパムのガスタービンは動いているので、こういった物が必要になる。
〇「セキユ? なにそれ?」:脱二酸化炭素社会が行き詰めれば、きっとこういう世代も生まれて来るんだろうなあ。でも原材料としての石油も必要だと思うけどね。
〇「ちゅうとう?」:語源が「欧州」から見て「中」くらいに「東」だから「中東」なので、未来では呼び名が変わっている可能性だってある。日本から見たら欧州ほど西じゃないから中くらいに西で「中西」だっていいわけだ。
〇「…ちょっとだけ日本海側で取れた…」:新潟県などにチョロっとある。日本は地学的に稀な地形で、量はともかく鉱物資源は地球上の全ての物があると言われている。ただ埋蔵量が少ないので採算が取れないだけだ。
〇「…ナカムラさんには、施設の探索を手伝ってもらう…」:シローは、もうこの時には公一と二人きりで内緒話をするつもりだったのだろう。
●装備をリヤカーから探す風景
〇北条君:とくにモデルはいないつもり。いやミリタリーマニアということは和美自身かな?
〇「脅かしすぎちゃった?」:子供が玩具を与えられてハイになるのはいいが、銃を与えられてハイになり、操作を間違って暴発事故なんていう事は、初心者にはよくあることなので、最初に脅しておくことが肝心。
〇オイル:燃料の油ではなく、銃の作動部に差すガンオイルであろう。大抵の物は劇毒物に指定されるような成分を含んでいる物だが、未来だとそこも「自然に優しく」なっているのだろうか。
〇(何が入っているんだろう?):銃身の中を掃除するロッドなどのメンテナンスキットのつもり。
〇一二、七×九九:M二重機関銃の弾丸である。対物ライフル「バーレット」も同じ弾丸を使用する。
〇六、五×五一:二〇二〇年現在、アメリカ軍は新しい弾薬の規格のトライアウトを開始した。現用のM四カービンに使用している五、五六弾を一気に更新するつもりのようだ。いま最有力候補は六、五ミリ弾丸らしい。よってそれを先取りした。と、もっともらしい嘘を書く。本当は、このサイズは三八式歩兵銃の弾丸で、それで選んだのである。
〇八×二二:ライフルの弾丸が更新されるなら、拳銃も未来では新規格が採用されているのではないかと設定した弾薬。と、また嘘を書く。ライフルが三八式歩兵銃なんだから、こっちは十四年式拳銃の弾丸だ。両方とも太平洋戦争中の帝国陸軍の制式火器である。
〇チラリと…:なにが見えたのだろうか?(そらっとぼけ)
〇目を細めて半分だけ振り返った:それでも振り返っちゃうのは、公一が健全な男の子だからだな。
〇ビールジョッキみたいな空き缶:元は夕食に出た豆だの野菜だのが入っていたのだろう。容れ物として使えるので取っておいてあるのだろう。後述するように射撃訓練の的にもなるし、簡易的なバケツにもなるし。
●銃の準備をする風景
〇弾丸の形状:ライフル弾はネックがある形、ピストル弾はネックが無いストレートな形とする。元の十四年式拳銃の弾丸はネックがあるが、どうも設計者は意味なくそういう形にしたような気がする。拳銃ならばストレート形状の方がマガジンなどに込める時にまっすぐ揃うなど利点がある。弾丸の直径より薬莢の直径を太くするためにネックが必要になるが、その理由は火薬をより充填したいからだ。ライフルならその理由も分かるが、拳銃だと必要は無いだろう。(いや火薬の質が悪いから量が必要だったとか? ううむ、わからん)
〇「十五発だから、はい」:おそらくダブルカラムであろう。弾丸直径が九ミリパラベラムや四五ACPと比べて細いので、マガジンも細くて握りやすいのではないだろうか。
〇空拭き:銃身内に余分な油分が残っていると、暴発の原因になりかねない。
〇「…陰でこんな苦労…」:映画のヒーローが弾丸を込めているシーンなんて、一発か二発ぐらいでしょ。コマンドーやらランボーやらは、すでに装填されたマガジンを奪って戦っていたりするし(いやコマンドーはお店でショッピングするシーンがあったな)
〇日付印を捺す感じ:行政改革とやらでハンコが廃止されていく傾向だとか。もしかしたら現代がガシャンと大型のハンコを捺す最後の世代なのかもしれない。
〇「…ラクチンじゃん」:もちろん銃器を販売しているメーカーも、弾丸を込める苦労は理解しているので、こういったアダプターは付属品としてついてくる。が、どのメーカーも今一な性能なのはなんで? 周辺機器を販売しているメーカーの物の方が便利にできている。公一が使っているのも、そういった純正品ではない物とする。
〇反動でスライドが後退し…:単純なブローバックではなく、ガスオペレーテッド・ブローバックとする。部品数も少ないし(適切にガスベントが清掃されていれば)動作も確実だから。
〇持った感じ…エアーソフトガンと同じぐらいの重さ…:そらそうだ。エアーソフトガンの方がわざと錘を入れたりして実物に近くしているんだから。
〇金属ではなくプラスチック:最近の銃器はプラスチック部品が多用されている。少しでも軽い方が持ち歩く時に楽だからだ。過去に存在した強度の問題も、徐々に解決されてきている。もちろん一撃で象が仕留められますとかいう高威力な物は金属製のままだが、対人用のライフルやピストルに使用される弾薬程度だと耐えられる素材が増えてきた。
〇横に傾けた構え方:悪い例。銃は真っすぐ持って撃つように設計されているから、ジュンの言う通り動作不良を起こしやすくなる。この構え方の起源はハリウッド映画で、それを見たストリートギャングたちが「かっこいいから」という理由だけで広めた撃ち方だ。
〇力をかけすぎて銃口を下に向けないように…:「がく引き」という。もちろん狙ったところに弾丸は飛ばない。
〇「…五〇歩ぐらい届くけど…」:アメリカの警察で統計を取ったところ、犯罪現場での拳銃の命中率は一割程度だったとか。まあ撃ちあいになったら、コッチもアッチも隠れたりなんだり体を動かすから、命中率は下がるよね。
〇拳銃のお尻を向けて差し出して…:ハサミなんかと同じでエチケットだね。
〇射撃に関しては自主練…:命中率が一割なんだもの、撃つ感覚さえ身に着ければ、あとは運だよね。
〇「銃は腹を狙って撃て」:人間の重心を狙って撃てば、避けようとしても最後に動く部分なので当たりやすい。
〇「拳銃は最後の武器だ」:正確には「撃つ奴があるか! 拳銃は最後の武器だ! 我々は忍者部隊だ!」という「忍者部隊月光」のオープニング(だったかな)さすがに再放送しか見た事がない。(いや再放送を見た事があるという時点で歳がバレるじゃん)
〇白い丸:和美はエアガンにピンバイスで凹みを作り、そこへ修正液を流して自作加工した。こうすると暗いところ(照明の無い室内や、夜間など)でも狙いやすいんだよね。
〇「真ん中の丸を見るようにした方が当たりやすい…」:拳銃の射撃法である。照門を見たり、的を見ると、銃口が上を向いてしまったりする。そうすると弾丸は的の上を飛び越して行ってしまう。照星に視点を合わせて、そこへ的を重ねると、少なくとも飛び越すことは少なくなる。相手が人間なら、照星を見ながらそれを向こうの腹に重ねれば、まあだいたい当たることになる。
〇「それも意味が違う様ような気がするぞ」:いや五〇〇年も経っていれば本来の意味とは違う使われ方をしていてもおかしくはない。現代の日本人だって「役不足」という言葉を正しく使っている例は少ない。
〇拳銃程度の武器でどうにかなる…:現代の軍隊ですら、お守り、もしくは治療不能の重傷者の救済用にしかならないんだから、未来でもその程度の扱いであろう。
〇「おっふ」:©照橋心美
〇「これも便利な道具があるんじゃないの?」:軍隊なんかだと、ライフルの弾丸消費は多いので、マガジンにテコの力で一気に三〇発押し込むようなトランク形の装置があったりする。また公一が使用するアダプターも、拳銃の時と同じで周辺機器を販売しているメーカーの製品とする。
〇リュウタが意味深な目配せを…:後のシローが公一に話すことと同じ事を、リュウタも思っているのだろう。
〇八九式標準型小銃:突撃銃でも戦闘小銃でもなく、標準型小銃という新しい分類のライフルである。まあ標準型小銃が何たるかの基準までは設定していないのだが。
〇マガジンをコートのポケットに…:偶然サイズがあったのではなく、臨時のマガジンホルダーとして機能するようなサイズで縫製されている。
〇ストックを目一杯伸ばすと…:平均的な体のサイズをしている公一でストックを最大に伸ばして安定するとなると、それ以上の体格の人間はどうしたのだろうか。ここは、別の位置でも伸縮できるということにしておく。
〇「ア・タ・レ」:陸上自衛隊の伝統ですな。
〇遥か未来でも「おまじない」…:逆に考えると、メソポタミア文明からコッチ、人類は各種おまじないを五〇〇〇年以上も用いてきた。たかだか五〇〇年では、五〇〇〇年の歴史には敵わないと思うが。(もちろん本人たちは非科学的だと理解しているとしても)
〇プルバック:本文でだいたい説明してある。ちょっと前のSFだと未来の銃器は全てプルバックだったりしたが、いまでは逆に古臭い設計という事になっている。つまりクラッシャージョウの無反動ライフルは、一周回って正しかったんだな。ビームライフルやレーザー銃だと、火薬の燃焼を伴わないからプルバックが主流だったのかもしれない。(とはいえ頬づけして射撃している時に機関部がトラブルで爆発なんかしたら顔面がズタズタなるような気もする)
〇「…リリースボタンを押して完了」:チャージングハンドルを引くだけで初弾が薬室に送られる仕組みではないことにした。ライフルとなると作動用のバネの力も強いので、チャージングハンドルを最後まで引ききることが難しくなる。大人の男なら難しくないが、力の弱い女子供でも確実に作動させるために、リリースボタンを押すことが必要とした。チャージングハンドルを引きそこなっていたら、ボタンを押しても初弾が送られないので、もう一度やり直さないといけないと、容易に分かるからだ。これがチャージングハンドルだけだと、初弾が送られたかどうかは、撃ってみないと分からないことになる。
〇「弾丸を誘導?」:じつは現代でも誘導ライフル弾丸はあったりする。まあ目標をレーザーポインターで照射しなければならないが。それが進化したものとする。
〇「この親指に…」:片腕の長さが五〇センチ、親指の幅が一センチとすると、それは二〇パーミルだから、二〇ミルということかな?(数学は嫌いだ)一キロ先で二〇メートルぐらいの範囲に当たるという事かな? でもライフルの戦闘距離はその半分ぐらいだから、有効射程で一〇メートルの範囲に敵を捕らえればいいということか。まあ現実的な数値ではある。
〇「…そんなの知らないよ~」:数字を見ると泣けてくる(by壺から出て来る魔人)和美の魂からの叫びである。
〇発電所:一三〇年以上無人で稼働する発電所はさすがに無理があると思うが、ハッティフナットたちが文明の残り香を維持するために整備しているのだとすれば納得がいく。
〇「…練習しなくても戦えるように…」:兵器という物の究極の形だろう。職人技が生かされる武器と、誰でも使える武器があったとして、結局のところ戦力単位は一つなのだから、誰でも使えた方がいいに決まっている。ちょっと例が違うかもしれないが、剣豪宮本武蔵は島原の乱に従軍して、老婆の投げた石に倒れた。そういうことだ。
〇最悪、子供でも兵士に…:現在、少年兵に関する様々な事が問題視されているが、いざ戦争になって負けが込んで来たら、どこの誰だって子供に銃を取らせるのではないだろうか。ま、武器が無い世界が一番理想ではあるが。
〇「コーイチの知っているヤツだよ」:格言めいた事を口にするのは、ゴリアテのメンバーでシンゴである。おそらく彼なのであろう。
〇三拍子:一時期、アサルトライフルに三連射機能を付加する事が流行した。銃の設計者からすると「弾丸の節約になるよね」ということだった。しかし無駄に撃つヤツは、単発機能しかなくったって撃ちまくるのだ。で、あんまり意味は無いよねってことで、最近では廃れてきた。八九式は連射機能にその三連射の名残があるとした。
〇ヘッドセットの上から耳を塞ぐ…:自動音量調節とかノイズキャンセラーぐらいの機能はついているだろう。ここはあくまでもポーズである。
〇『三十六計逃げるに如かず』:中国南北朝時代の将軍が書いた「兵法三十六計」も、逃げることには敵わないという有難い言葉。そして和美は真理だと思うよ。ちなみに孫子が言ったというのは間違いで、「南斉書」という歴史書に書かれたのが最初。
〇「…他の準備は…終わっている」:ゴリアテの戦闘準備とか、今夜の野営の準備とか、本当は他にも仕事があったはずだ。
●ボディアーマーを準備する風景
〇「防弾チョッキってヤツか」:厳密に言うと違うのだがよしとしよう。
〇「お腹に…入れるの」:防弾用のプレートならば入れっぱなしでも問題ないと思うが、予想される脅威に対して幾種類かのプレートを使い分けている物とする。
〇「あとは脇」:今回は一本ずつマガジンを入れるマガジンポーチを着けたが、もちろん他の物だって着けられるようになっている。今回は室内捜索のため、比較的軽装備ということにした。
〇「…ヒョイと左にずらして…」:そんなに簡単には動かないでしょうよ…。
〇ひょっとこ:まあギャグとして。本当は真面目な防護マスクだが、先人の誰かがイタズラ書きをしたとする。
●装備を片付ける風景
〇駕籠かき:最近時代劇が少ないので認知度が低いかな? 童謡に「おさるのかごや」があるから大丈夫かな?
〇口を尖らせた:おそらくジュンは、空き時間に箱の中を整理しているのだろう。後に自分が苦労するとなれば、口も尖らせるだろう。
★2-2
●再出発の風景
〇「…レポートにゃ…書いてある…」:もちろん紙の書類では無くて電子的な物だろう。
〇ハッチからシンゴが顔を出して…:後で公一が経験する全周を確認できるシステムを使わないのは、彼が外出恐怖症だからである。アレを使用すると車内に居ながら外にいる気分になるので嫌っているのだ。
〇砲口は…向いたままだった:ガンナーのヒメが細かく調整しているというより、一度照準したら自動的に追尾するようになっているのだろう。現代の戦車もだいたい同じだ。
〇スルスルと素直に伸びていく:8の字に束を作っておくと、先っぽだけを引っ張っても綺麗に解けるのだ。電気工事士としての実体験である。
〇キッチン:軍隊用の携行食料は、パウチを開けただけで食べられるようになっている物が多い。だからといって毎食それだけだと、士気に関わるだろうから、簡単な煮炊きが出来るようになっている。また早めに調理を始めたのは、探索がいつ終わるのか予想が出来ないからである。
〇三六〇度見通すことができた:最新のステルス戦闘機に搭載されている機能だ。パイロットは機体を透視して、ミサイルを後ろに回った敵機にロックオンすることが出来ると言われている。
●探索の第一歩の風景
〇パシュッと空気の抜けるような音:敵のNBC兵器使用に備えて、ゴリアテの車内は外よりも若干気圧が高くなるように与圧されている物とする。後部ドアの開け閉めの時も、小さいながら同じ音がしているはずだ。
〇ハッチの開け方:浮いてから横に回すようになっているのは、ただ単純に蓋のように上へ開くと、遠くからでもハッチが開いているのが分かるからだ。テロリストの火焔瓶などによる攻撃を誘発することになるので、回転式となっている。マニアな事を言うと、世界大戦中に活躍したパンター戦車と同じ。最近の戦車は単純に上へ開くタイプだが、テロリストに狙われるような戦場では、ゴテゴテにハッチの上へオプションをつけて、乗員が狙撃されないようにする。ゴリアテは戦車ではなく歩兵と一緒に市街地へ乗り込む任務が多いので、最初から対策が為されているのだろう。
〇サブマシンガン:おそらく公一が持っている八九式ライフルと、同じ機構を採用している兄弟機のような関係なのだろう。そうすれば故障した時に、互いの部品を流用して修理などができて便利だからだ。ただ八九式ライフルとサブマシンガンでは使用する弾丸が違う物とする。八九式はライフル弾だったが、サブマシンガンは拳銃と同じ弾丸を使用している。
〇十円ハゲ:いちおうこの言葉が残っていたことにするが、五〇〇年後の通貨単位が「円」なのか、それとも別の物なのか考えていない。「円」だとしてもインフレで硬貨の最小単位が「十万円」とかになっている可能性もある。まあデノミなどを数回行って、そんなに現在と通貨単位が変わっていないというのが、もっともらしい説明だろうか。もちろん世界は終わってしまっているので、札束を持っていても「こんなもの、ケツを拭く紙にもなりはしねえぜ」(byどっかのモヒカン)ということになる。
●警備室を探索する風景
〇白骨化した何か:まあヒトとは限らないだろう。後から入り込んだイヌがこと切れている可能性だってある。
〇火災報知盤:最近はデジタル化されて、もっと防災に役に立つようになっているが、ここではあえてアナログな器械とした。構造が単純なので、整備されなくても一〇〇年ぐらい作動しそうだからだ。ランプ類が消灯しているのは、壊れているか、もしくは前回探索したヒロ班が誤作動させて電源を落としたかのどちらかであろう。
〇公一には電気が通じているとは思えなかった。:だが彼は電池がこの時代には無くなっていることを忘れている。これら端末も、同じように発電所から直接受電しているのであろう。
〇投影画像のキーボード:よくSFで宙に浮いたCGのキーボードが出てきたりするけど、あれって長い時間使えないと思うんだよね。まず腕が疲れるだろうし、目だって光る物体を見続けることは出来ないと思うし。よって、この世界ではテーブルなどの上にキーボードの画像が映し出されるとした。
〇ログの書き込み:有名なウィザードリィの一文である。この時代のヒロがなぜこの一文を知っていたのかは、あまり深く考えていない。おそらく娯楽も壊滅して、瓦礫の山から発掘した昔のゲーム機を子供たちにあてがったとかかな。それでヒロが覚える機会があったということだろう。
〇将軍が…兵隊に拳銃を…:おそらく「パットン大戦車軍団」あたりだと思われる(まあ、あの映画では、将軍が拳銃に手をかけたところで周りに止められていたが)
〇調整された者たち:「亜人間」などの言葉を用意しようかと思ったが、差別的なような気がしたので、そういった言葉は使用が控えられたことにした。
〇公一だけ答えなかったのに気が付いたようだ:理由は既述した通り、ヒトの言葉には逆らえないようになっているからだ。逆に言えば、ヒトが居るのに発言が無いことも、ちゃんと意識して捉えられる。
●探索開始の風景
〇シローのサブマシンガン:言うまでもないがヒカルが持っていた物と同型の物だ。
〇リュウタのサブマシンガン:これも同じ型式の物だ。
〇ヒメの弓矢:足を失っているヒメは、銃を撃つのに踏ん張りが利かないので、弓矢を選択したことにする。(いや弓矢だって下半身が大事なのは分かっているけどね)
●事務棟二階の風景
〇漢らしく酒:おそらく飲酒する習慣は失われていると思われる。残り人数が少なくなった時点で、誰かが酔いつぶれるという贅沢が許されなくなったため。
〇「まだゴリアテだけじゃなく…」:既述のキャラバンの事をさしている。
〇「親父は戦車乗りで…お袋は整備班…」:全てのドワーフがそうではないと言いたいが、やはり男が戦闘を担当で、女は支援担当がしっくりくると思う。
〇『ウエスターマーク効果』:本当にある心理学の言葉。説明は本分参照。
〇片思いが少しだけ:公一の片思いってどんなんだったんだろうね。近所のお姉さんかな? 自分の母親かな?
〇(…通じないのか):いや「萌える」は現代でも普通の人間には通じにくいと思うぞ。
〇種族:いちおう「ヒト」から調整された「ドワーフ」は、「ヒト」や「エルフ」と子を成すことが出来るとしておく。「ブリガ」はキノコなので、胞子による繁殖で数を増やすとする。よって「ブリガ」には性別が無い。外見が女性体をしているのは、その方が歩兵として有利だからである。(例をあげると、かっこつけて「女子供は撃ちたくない」なんて言っている敵兵の攻撃意欲を鈍らせるとか)
〇『ヒメは自分との子供が欲しいので…』:この文の「ヒメ」はヒメの一人称、「自分」はヒメが使用する二人称である。あまり喋らないキャラクターなので説明不足になってしまって、読者にはご迷惑をかけてしまう。ごめんなさい。
〇「プラントなら…合成して…」:だが大人の女性がポンと出て来るとは誰も言っていない。合成しても赤ん坊からだったら、育てるのはもちろんプラントに注文したシローたちだ。まあシローもヒカルなどから仕入れた情報しか無いのだろうから、詳しくは知らないのだろうが。
●事務棟四階の風景
〇キン〇マ話:この話しにジュンがついてきても、それはそれで面白かったかも。
〇ここまで下の階と同じだ:ちなみに死体が一切無いのは、荒野の獣が侵入して食べたという解釈でもいいが、後述する理由により、先に探索したヒロ班が埋葬したというのが正しい答えであろう。
〇銀色の珠:警備用のカメラなどであろう。有線なのは外部からのハッキング対策と思われる。
〇足跡:何年前にヒロ班が探索したのかは分からないが、あまり風化などしなかったのだろう。和美は足跡がどれだけ残るかデータを持っていないが、恐竜の足跡が化石となって現在発掘されていることは知っている。
〇ゼリーのような輝く物:モニターの中身のつもり。昭和には液晶パネルなんて想像もつかなかった。(だいたいカラー放送に驚いたくちだ)三五〇年後の技術なんて想像もつかない。
●地下階の風景
〇LOCKDOWN:まあここ最近有名になった英語でしょう。
〇隔壁の落書き:これも警備員詰所と同じで、ウィザードリィから。よって、おそらくヒロが残したものと思われる。
〇「四重、緩衝材なし」:まあ装甲板が四枚重ねで、その間に衝撃を受け止める柔らかい材料を挟んでいないという意味であろう。間にわざと隙間を設けたりして徹甲弾を「受け止めたり」する方法など、手を変え品を変えて防御側も破られまいと工夫する。徹甲弾と装甲の開発競争は今も続いているのだ。
〇粘着榴弾:英国陸軍が大好きな砲弾。ポプキンス効果で装甲の内側を破壊するというヘンタ…(ゲフンゲフン)紳士の理想を突き詰めた弾である。
〇榴弾:普通の的にぶつかったら爆発する砲弾。
〇HESH、HE:HESHは粘着榴弾のこと。HEは榴弾のことである。
〇砲塔後部にある小さな扉:砲塔後部は大きく車体の上に張り出している。車体後部のキャビンから見ると、頭の上にその張り出し部分が来る。キャビンからは直接は見えない。この先、砲塔内部で各員の動きが表現されているが、厳密に言うと全てが公一から見えていたわけでは無い。
〇弱装:ゴリアテの主砲は後述する通り液体推薬なので、砲弾を発射する火薬の量を調整して、威力を高めたり、逆に必要無ければ量をケチったりできる。粘着榴弾も榴弾も、いずれも着弾後に砲弾内部の火薬が爆発する事によって破壊力を生み出す砲弾であるから、当たればいいので普段よりも推薬の量を少なくする「弱装」で構わないと判断したのだろう。逆に徹甲弾など固い物をぶつけて相手を破壊する運動エネルギー系の砲弾ならば、普通に発射する時の「常装」や、いつもより多めの「強装」などを選択することになる。
〇(あまり音はしないんだな):外にいたら違っただろうが、砲の中爆発したエネルギーは砲弾を飛ばすことに使用されるので、砲塔内部にはあまり聞こえてこない。
〇APFSDS:長い名前だが簡単に言うと徹甲弾である。ちなみにゴリアテの主砲は一四〇ミリライフル砲のつもりだ。
〇エンジン音が大きくなった:砲塔を旋回させる時、動力を使用するのでエンジンの回転数が上がるのだ。
〇「おんなのこ?」:黒いコートの凛々しい少女。そうです「FGO」のセイバーオルタさんがモデルです。と、ウソを吐く。すいません、まさしくアレなんです。もうみんな忘れた頃だと思って、リスペクトしてみました。だって、書いている時点ではあんな十周年記念スタチューが販売されるなんて思ってもみなかったんだもん。まあ、そのお、アレとは細かいディテールが違うので、けっしてパクリではないと思うんだけど。武器だって岩が無限に出て来る大砲じゃないし。もちろん黒いコートの下の肌色分多めのコスから分かるように、主人公である黒岩の射撃手さんがリスペクトもとです。
★次章予告
〇宝永山:富士山の横にちょこんとついている出っ張り。江戸時代の噴火でできた頂らしい。
〇美少女:黒い魔法使いの服装をしている美少女。そうです「遊戯王デュエルモンスターズ」のブラックマジシャンガールです。と、ウソを吐く。すいません、まさしくアレなんです。もうみなさんが忘れた頃だと…(後略)。Aラインワンピースのコスから分かるように、アプリで登場した探求の魔女さんがリスペクトもとです。
〇太陽が昇る方向:富士山から東を見れば、大まかに東京方面である。
★③
●ゴリアテがパニックを起こす風景
〇同じように頭をぶつけた…:車内で頭をぶつける事が多いので、戦車乗りには頭部を保護する帽子やヘルメットは欠かせない。
〇ゴリアテがジャンプ:戦車だって車だから、ジャンプもするし、ドリフトだってする。まあゴリアテは共同戦闘車なのだが…。
〇ミサイル防御:ゴリアテの煙幕を張って逃げるというのは、どちらかというと大人しい方法。イスラエル軍では積極的に撃ち落とすシステムを戦車などに搭載していたりする。もちろん流れ弾や破片は周囲に飛び散るから、近くに味方の歩兵が居たら巻き添えだ。歩兵と共に行動する事が前提のゴリアテだから、過激な防御策を取ってないともいえる。(レーザーガンで防御するでもよかったかも)
〇何者かにより走査:これは隔壁の向こうにいた『ルーク』の仕業である。
〇爆発に反応しなかった:地下駐車場の消火設備はセンサーによる自動起動なのか、それともスプリンクラーヘッドが熱で溶けて消火液が吹き出す方式なのか、どちらかによる。ここでは前者ということにする。
〇キューポラ:日本語で書けば「展望塔」となる装甲車両の装備の一つ。たいがい上面にハッチを持ち、全周を見回せるように潜望鏡か視察窓を複数持つ。
●ゴリアテ側の風景
〇煙幕:成分によって色々ある。現在一般的な物はリンを主成分にした物があるが、これは触れると火傷の危険がある。(ただしリンも白リンと赤リンがあり、赤リンは火傷する程ではない)他に煙幕に使われる物として、四塩化チタン(有毒)クロロスルホン酸(強刺激性)塩化亜鉛(有毒)と、人体に優しくない物ばかりだ。未来なので、もしかしたら新しい物質を使用している可能性は、もちろんある。
〇防災設備のスイッチ類:いやランプが点灯していないんだったら、まず電源を確認しようよ。ここでは文章の軽快さを優先して省略したが、本来ならやっているべきことだ。
〇煙幕の向こう側までは…:既述の通り、ドワーフの暗視は赤外線を利用している。よって熱を持った煙幕自体が明るく見えて、他の物をかき消してしまっている。もちろん本文中にあるように、赤外線誘導式のミサイルなどの対策のためだ。煙幕が排気された後は、普通に赤外線による暗視ができるように戻っている。
〇歌:かつて発売された某国民的有名RPG第三弾のフィールド曲に歌詞をつけたCDが元ネタ。まあ呪文は女神転生に変えてありますが。
●公一側の風景
〇「酸素量急減注意」:煙幕は大気中の水分や酸素に反応して煙になる事が多い。このゴリアテの煙幕も同じなのだろう。
〇ちょっと首を傾げるだけだ。:後述の通り『ルーク』はドラゴンなので、煙幕程度に命の危険を感じていない。公一との温度差が出ている。
〇緑色や黒色、灰色をしたボンベ:ガスボンベは中に封入されているガスの種類によって外の色が決められている。緑は炭酸ガス、黒は酸素、水素が赤で、アンモニアが白。アセチレンが褐色だ。灰色はその他全てである。
〇コックを開いた:果たして一三〇年以上前のガスボンベが正常に作動するのか? という問題がある。どんな鋼鉄製のボンベでも少しずつ抜けていくものだから、本当ならば何も出て来ないのが正解のような気がする。まあ、ここは未来技術で造られたガスボンベだからということにしておく。
〇正体不明の煙:もちろんゴリアテの煙幕である。隔壁のこちら側に居たので、当然だが公一はゴリアテがどうなったのかも知らないのだ。
〇皮膚に触れるだけで相手を攻撃する毒ガス:まあだいたい皮膚につくと痒くなる類の毒ガスが多く用いられる。もちろんサリンなど一撃で殺す物もあるが、占領後の除染に苦労するのであまり使用例はないようだ。(いちおう国際法で禁止されている兵器でもあるしな)
〇あまりにも整っているので、人工物ではないか…:はい、人工物です。
〇緑色のボンベには…「圧搾空気」:先程の説明と矛盾するが、内容物が大書されている事から、この施設では圧搾空気のボンベを緑色に塗り分けて使用していた物とする。同じ灰色にすると、亜酸化窒素ガスと紛らわしいからだ。もしかしたら半分ぐらいは法律通りに灰色をしていて、半分が緑色に塗られたツートンカラーという事なのかもしれない。
〇笑気ガス:医療用に現在使用されているガスである。全身麻酔や鎮静・鎮痛用など使用例は多い。
〇調子外れの歌:既述の歌である。
●事情聴取の風景
〇眩しそうに見上げて…:一三〇年以上も地下に閉じこもっていれば、曇り空でも眩しいだろう。
〇窓にカーテンすらかかっていない。:毛布やカーテンなどは、もちろん貴重品としてヒロ班が回収したので無い。
〇酩酊する程の濃度ですら…:許容量はだいたい体重に比例する。まあ二〇パーセントぐらいの濃さを三〇分ぐらいなら、ちょっとお酒を呑んだぐらいだ。あとヒカルの診断に無理があるのは重々承知しているが、まあ和美の「ドラマ優先の法則」が発動したということで。
〇最後の大隊の紹介:いちおう紹介する順番は序列順になっている。
〇了承したと言うように…:ドラゴンの彼女ならば、室内からゴリアテの車内まで透視ぐらいできそうだ。
〇首を横に振った:『ルーク』がプラントの場所を知らないわけがないが、その場所を教えるのは保留という事なのだろう。
●公一の夢の風景
〇グッスリと寝ていた:深い眠りだと、かえって夢は見ないんだとか。まあ、この段は和美の趣味全開のおふざけですし。ヒラコー調で流してください。
〇二一八九式標準型小銃の精:天界から地上へ留学してきた天使であるが、「人間性」に致命的な欠陥を抱えているという、白羽=ラフィエル=エインズワースがモデルだったりする。(「ガヴリールドロップアウト」)ほらアニメ化された時に、黒い岩の射手さんと「中の人」が同じだったから。
〇心臓の無い少年と…:同じく「中の人」繋がりの作品(「Angel Beats!」)
〇八歳の幼女を監禁…:同じく「中の人」繋がりの作品(「ハッピーシュガーライフ」)
〇全身に酸素や栄養…:同じく「中の人」繋がりの作品(「はたらく細胞」)
〇セーラー服を着て白いベレー帽:仲村ゆりさんでしょうか?
〇金色の瞳をした少女:もちろん「AngelBeats!」の天使こと立花奏だ。「中の人」は黒い岩の射手さんと同じ。
〇「…ガルデモがライブを」:一〇年前はあんなに売れたのに、世間では鬼を滅するアニメの主題歌を歌う歌手という事になってるみたい。
〇「ケースを…」:タツノコヒーロー大集合というアニメで「色っぽい」というより「エロっぽい」異星人の「中の人」が同じだった。
〇「ジューシーから揚げナンバーワン」:「いいか、世界の秘密には触れていい物といけない物の二つがあるんだ。そこを我々は忘れてはいけない。おっと機関の連中がそろそろ気が付きそうだ。エル・プサイ・コングルゥ」
●空襲の風景
〇青空:『シルバー』が超音速で文字通り飛んできたので、周囲の雲が払われてしまったのだ。
〇鉄の塊:八九式ライフルは半分以上強化プラスチック製だが、ここは比喩表現として。
〇「…足首が痛い…」:地下でジュンに放り投げられた時のダメージだ。「足首いった~い」なんて女神転生のエルフのようでもある。
〇二人を守った:いちおう公一も男の子だしね。それにボディアーマーで防御力も上がっているし。
〇煙は上がらない:『シルバー』の攻撃はプラズマによるものとする。よって爆発による煙はあまり生じない。ただし地上物が燃え上がっての煙は発生する。
〇二回コッキングレバーを引いて…:主砲と同軸の重機関銃はM二と設定しているので、初弾を放つ前に二回コックする必要がある。しかしシンゴが取りついた各ハッチの前についている増備機関銃は、八九式ライフルと部品を共用している軽機関銃とする。なので、コックは一回で済むはずだ。ここではシンゴが一回目をやり損なって、二回目が必要だったとする。
〇「汁婆ちゃん」:なんかインモラルな単語のような気もする。
〇ヒメがジュンを庇った。:ヒメは、シローの大事な人という理由で、ジュンを守るという行動を取った。
●公一vs『シルバー』の風景
〇ヒカルがトリガーを引いた:ハッティフナットはヒトを保護する行動を取ったのだ。
〇体の中からパンという:内臓が破裂した音ではなく、蹴られた衝撃波が体液を伝って鼓膜を揺らした。
〇白:重要(笑)
〇そんなライトノベル:ああ、あれね。ちなみに和美は読んで無いのです。
●一万キロ離れた風景
〇ここ:バオバブの木が生えているという事で、マダカスカル島の(名残の)つもり。
〇女性:黒い葬られた者のような服装をしている女性。そうです夜見山北中学校の三年三組副担任の三神怜子です。と嘘を吐く。すいません、他に喪服が似合うキャラクターを思いつきませんでした。そして、まさしくアレなんです。もうみなさんが…(後略)。黒いバードケージベールから分かるように、あの作品群では黒岩さんの敵として描かれる、死の道を究めた方がリスペクトもとです。CVはもちろん沢城みゆき。
●さらに一万キロ離れた風景。
〇氷の大地:グリーンランドを想定している。何も無かったからドラゴンの攻撃を受けておらず、氷床が残った。
〇女の子:黒いコートを着てフードを被っている美少女。そうです「仮面ライダーゼロワン」の滅亡迅雷netの「亡」です。と、ウソを吐く。すいません、まさしくアレなんです。もう…(後略)。尻尾のように垂らした鎖から分かるように、OVAあたりから登場して注目された両腕がオーガアームな力の人がリスペクトもとです。
●さらにさらに一万キロ離れた風景
〇到達不能極:実際に地球上に複数ある地点。とくに「どの陸地よりも遠い海上の一点」である「ポイント・ネモ」が有名。南緯四八度五三分、西経一二三度二三分に当たる。(すぐ近くの南緯四七度九分、西経一二六度四三分には海底に都市が沈んでいるらしいぞ)他にも逆になる「どの海洋よりも遠い陸上の一点」など到達不能極と呼ばれる物は色々ある。
〇宇宙ステーション:ここにコレがあるのは偶然ではない。どの陸上からも遠いので、人工衛星や宇宙ステーションを大気圏に突入させて処分する時の目標地点になっているのだ。この宇宙ステーションは、石の荒野の上に落ちているので、最終戦争の時に落とした(もしくは落とされた)物だろう。
〇少女:蜂蜜色の長い髪をしている少女。そうです「とあるシリーズ」の食蜂操祈です。と、ウソを吐く。すいません、まさしくアレなんです…(後略)。髪の色と円形の盾から分かるように、TV版に新キャラとして登場した戦車の少女がリスペクトもとです。
●どこかの風景
〇真っ白な肌をした少女:まあこれだけリスペクトしているんだから、アレだと分かると思うんですが、いちおう謎の存在です。
●二人の会話から始まる風景
〇爆風の名残の中で:メインヒーロー/ヒロインの登場はこうじゃなきゃね。
〇よく覚えていなかった。:酔った末の犯行だとはいえ…
〇「あの程度じゃ死なない」:どんな激しい戦闘が交わされたのかは、人知を超えるとだけ言っておこう。
〇「みーんなにも伝わって…」:ドラゴン同士にもネットワークがあるのだろう。それが量子通信なのか、テレパシーなどの超能力かは不明とする。しかし共同して作戦した方が「兵器」としてより優秀だからそういった機能は当然もっているだろう。
〇「自慢の大砲」:シローが言うところの「借金のメザシ」のこと
〇「あんたの肋骨?」:『ルーク』の武器は、最終戦争の最終局面で受けた脇腹の傷から自分の肋骨を取り出して自作したとする。
〇『練習』:相手は、最終戦争でも生き残ったヒトの正規軍とか、獣の集団とかであろう。
●空中戦の風景
〇出来立ての窪み:女の子ぐらいの質量だって、常識では有り得ないような大ジャンプをすれば、その反作用を地面は受け止めることになる。そのエネルギーが作ったクレーターである。
〇「飛べなくなっちゃった…」:『ランス』のチャージで羽を傷つけられたということにしておく。
〇着地:着地の際にもクレーターが出来ると思う。物理法則のままだと、乙女の体重に落ちてきた高さと重力加速度をかけて導き出せるが、肝心の最初の項目が超機密事項なので、クレーターが出来るか出来ないかは分からないとしておく。
〇一跳びで砲塔の上へ…:普通のヒトには無理な運動である。まあ『ルーク』はドラゴンなので当たり前のようにやってみせる。
〇機関銃:おそらくシンゴが上空へ向けて撃ったのを、どこかで見ていたのだろう。弾丸は八九式ライフルと共通の軽機関銃と想定している。が、最近は軽機関銃も廃れてきているので、五〇〇年後には絶滅しているかも。(でも歩兵の制圧用に機関銃が必要なのは変わらないと思うが)
〇一連射:大の男でも、抱えて撃たないと反動でひっくり返ってしまうだろう。『ルーク』はドラゴンなので膂力という点では考慮しなくてもいいのだろうが。地上から飛行する物体に当てるのは容易ではないはずだ。が、二つ名である『魔弾の射手』が伊達では無い証拠に、見事に当てている。
〇「…痛いじゃない」:後で戦車砲をくらっても平気な存在が、いくら連射だとはいえ機関銃程度の威力で痛みを感じるのだろうか。ただ射撃をしているのが『ルーク』なので、眼球や鼻腔、歯茎などのピンポイントな痛点に当てているのかもしれない。
〇機関銃を…その場に捨てて…:「随分と思い切りのいいパイロットだ」某青い巨星な人。
●公一たちの風景
〇遠くから破壊的な音:本来ならば『ルーク』と『シルバー』の戦いを描くのでしょうが、主人公は公一なので、こちらの話を進めます。
〇二挺のライフル:壊れたウィンチェスターライフルはジュンが離さず持っていたから不思議ではない。八九式ライフルは、公一が『シルバー』と対峙していた時にでも回収したのだろう。
〇有名なハリウッドの某大作映画:「デデンデンデデン」という感じのアレ。
〇「そのような物です」:珍しくヒカルが説明を放棄している。いまは時間が惜しいと判断したのだろう。金属粒子の一粒一粒がくっついて回路を形成して、たとえ不測の事態で一部を喪失しても、フラクタルな繋がりで。記憶された情報は最小限の損失で済むという事にしておく。
〇シローはとても嫌そうな顔をした:ヒトの命令に逆らえないので、そこに勝機が見えない戦いを強いられるのに、拒否感があったのだろう。ただ、そのすぐ後に自分たちは逃げてもいいと言われて、命令でなしに協力する気になった。
〇「オレは隠れてようかな…」:公一の言葉がはっきりと「逃げろ」ではなく、選択権のある言い方だったので、同じドワーフでも意見が分かれたのだ。
〇「…じゃあキャビンへ」:ヒメが隠れていたいと言ったら、もちろん尊重する。しかしゴリアテで戦闘に参加する以上、そこら辺に寝かしておくよりは車内の方が安全と判断したのだろう。まあ、ヒメなら戦う事を選択すると思うが。
〇「…我が家…」:シンゴにとってゴリアテはそういう物だという事。
〇「…フラグ…」:「おれ、この戦いが終わったら、故郷のアノ娘と結婚するんだ」ってヤツだ。もちろん五〇〇年後にこんな思考が残っているかはともかくだが。
〇なにか口の中で…:おそらく「みんなズリィよな」とか「怖くないのか」とかネガティブな呟きだったのだろう。
〇セルモーター:ゴリアテのエンジンの始動に使用したのだろう。ちなみにゴリアテのエンジンは、基本がディーゼルエンジンなので、自転車の空気入れ程度で作れる圧搾空気でも始動ができる。
〇雲で覆われていた:終わった後の世界では、曇り空が基本である。一部が何らかの理由で晴れても、他の空域から別の雲が押しかけて覆い隠してしまう。
〇「…撃ち方は教えてやる」:いちおうシローが座る車長席からでも射撃管制はできるようになっている。敵が複数いる場合などは、ガンナーが最初の目標を照準している間に、コマンダーが次の目標に照準を合わせ、連射して二目標を破壊できるようになっている。タイミングさえ掴めば、二人で交互に予備照準を繰り返すことで、主砲弾が尽きるまで別目標を射撃し続ける事ができる。現代の戦車も同じだ。
〇「…たくさんの三角形が…」:一つの三角形ごとに、底辺の長さが三ミル、頂点同士の間隔が五ミル程度の刻みで照準の補助になっている物とする。
〇飛行機の操縦輪:旅客機の操縦に使う様なあれだ。こんなシステムを使わなくても、もっと簡単に照準自体はできるはず。なにせ次世代のアメリカ軍の照準は、XBOXのコントローラーなんだから、ゲーム感覚だ。ちなみに潜水艦の操縦も、空を飛ぶ攻撃型ドローンの操縦だって同じコントローラーでできる。こんな大層なシステムなのは、照準する事にワザと労力を消費させるためだ。それにより日常と非日常の区別が出来て、撃つ者の精神衛生を正常に保つという効果が期待される、ということにしておく。
〇「…左についているボタン…」:右利きが多い中でワザと左にボタンを配置する事によって、不用意にオンにしないようになっている。
〇「…右のボタン…」:逆に同軸機銃は制圧射撃などで掃射することがあるので、握力が長続きする右に配置されている。
〇固定機関銃:この担当はドライバーのシンゴだ。車体を目標に向けて射撃して歩兵陣地を制圧する。わざと弾頭に傷をつけておき、ある程度着弾する範囲がバラけるように工夫していたりする。
〇前部機関銃:対戦車ロケットなどを持って接近して来る歩兵制圧用だ。本来ならばキャビンに乗る歩兵分隊の射撃手が配置に就く。
〇それぞれ一挺ずつ機関銃が…:この二挺の機関銃は、本来の装備ではないとする。世界が終わって戦う相手が獣になり、その中には数で押してくるタイプの物もいるのだろう。そんな敵には一発の主砲弾より、多数の機関銃による弾幕が有効だった、としておく。
〇「…同じ弾道を飛ぶように調整されている…」:現在でも測距銃の名目で搭載している戦車がある。現代では、連射するのではなくて一発だけ試しに撃って、当たった直後に主砲を発射するようだ。ここでシローが公一に連射させたのは、その方が素人でも狙いやすいからだ。
〇「…AP…」:アーマーピアシングの略称で、徹甲弾の事。地下の隔壁に対して撃った時にリュウタが指示されずに用意していた弾だ。
〇体の緊張を解いた:『ルーク』は光のドームに攻撃しても無駄であると知っているのだろう。おそらくヒト形からドラゴンへ変身する時に無防備になるので、それをカバーするバリアか何かなのだろう。
●ドラゴンの風景
〇網膜が悲鳴を上げる。:こんな光をカットする機能はもちろん自動調光装置はあると思うが、ここは陳腐な表現を採用した。
〇円形に晴れていた。:ドラゴンのブレスで吹き払われたのだ。
〇(…抜け出せなかったらどうする…):もちろん戦闘中だろうが外に出て、手で掘り返すのだ。
〇砲塔が旋回:ハッチから顔を出しているシローが何らかの方法で操作したのだろう。こういう事態に備えてキューポラに簡単な操作パネルがあるのか、それとも短い足を精一杯のばして、足先で車長席の機器を操作したのか、だ。
〇環境モニター:普段は切ってあるが、戦闘の様子がビルの向こうなのでオンにしてある。必要によってオンオフできないと、周囲の状況が分からずに危険にあったり、敵の命乞いなどでトリガーが鈍ったりする。
〇鉄琴を…:『ルーク』の刀剣と、ドラゴンの爪や牙が斬り結ぶ音だ。
〇逆鱗:本物の逆鱗は竜の喉元にあるらしい。なぜ怒るかの理由は諸説あるらしいが、一番有力な物は、逆さに生えているので触れると痛いから、だとか。まあマンガなどでは弱点とされていることが多いよね。こういう豆知識は、シローたちは持ち合わせていない。生き抜くための知恵を覚える方が優先だったからだ。
●葬式の風景
〇墓碑銘:いちおう日本語で書かれている物とする。五〇〇年経って公用語が英語になっていなければいいけど。あと字自体も変化していたりして。(戦国武将の手紙とか、訓練されていない現代人じゃ読めないもんな。それの逆だ)
〇ドラゴンの死体:泡になって消えるなんて、ちょっとホラーチック。いちおう死体を敵に利用されないように自壊プログラムみたいなものが仕込まれているものとした。普通の人間だって、個体が死亡すると細胞自身が溶解酵素を放出して自身を消化するし、共生していたはずの腸内細菌も、内臓を消化して腐敗させる。他にも外部の細菌や昆虫なども手伝って、死体は分解されてしまう。すぐに泡となるというのは極端だが、死体を保存するというのは難しい物だ。
〇ハッチを…:シローが開けっ放しにしているので、空気の漏れる音はしない。
〇授業でやった柔道…:清隆学園では格闘技の授業で柔道と剣道が選択になっている。
〇「墓を建てるんだ」:象などの一部の動物も仲間の死を悼む感情があるようだ。だが墓を建てるのはヒトだけではないだろうか。(一部の動物では、死期を悟ると決まった土地へ行く習性がある物がいるが、あれは墓を建てるのとは違う理由であろう)
〇敬礼:いちおう軍籍にある者が敬礼して、それ以外の者が手を合わせているとした。もっとも軍はとっくに無いし、シローたちだって親たちがキャラバンでの戦闘担当だっただけで、正確に言うと軍人ではないのだが。逆に兵器だった『ルーク』は正式に軍人だと思うが、同族を失った立場として敬礼ではなく手を合わせるとした。
〇リュウタの鎮魂歌:まあキャラバンに僧侶や牧師などが含まれていなかったか、あまりにも死者数が多いので手が回らなかったかしたのだろう。素人が葬儀を執り行うのもストレスがかかるものだし。さらに残り人数を数えられるようになって、少しでも明るく送れるように念仏などが変化したのかもしれない。まあ大事なのは送る側の心だし。
★次章予告
〇ムサシノキスゲ:絶滅危惧種。日本では一か所にしか自生していない。実は公一たちが『シルバー』と戦った施設と、唯一残った自然群生地とは、そう距離が離れていなかったりする。