第4話 偽婚約者ってなんだ？
今日は土曜日なので寮のご飯は無いため、適当に昼飯を作って食べた。
1人で食べるのは慣れているがやはり寂しいものだ。せめて彼女でもいれば。。。
いや、俺は週刊誌によってあの国民的女優の美川彩の彼氏ってことにされていたんだった。今後気をつけて行動しないと。
昼飯を食べ終わった後寮を出ると、既に美川さんの事務所の方が待っていた。車の脇に1人の女性が立っていた。とても凛としていて、秘書みたいな感じに見えた。
『児島さん、お待ちしておりました。この度は誠に申し訳ありません。美川のマネージャーをしております斉藤芽衣と申します。』
『わざわざお迎えありがとうございます。児島と申します。』
簡易的な挨拶を交わした後早速車に乗り込んで東京にある事務所へ向かった。
車の中では事のあらかたを説明された。こちらとしても偽彼氏を引き受けたからには役割は全うするつもりだ。
ただ斉藤さんの浮かない表情が気にはなったが、こんな事情だとそれも仕方ないだろう。俺なんて得体のしれない男だし。。。
その後は特に会話も無く、先日の疲れもあってかすっかり寝てしまっていた。
そして車のエンジンが止まったのと同時に目が覚めた。どうやら事務所の地下駐車場らしい。
斉藤さんに案内され事務所のビルに地下駐車場から上がり会議室へと案内された。
そこに辿り着くまでに数名程度芸能人に会ったり、所々に美川さんのポスターなどが貼ってあった。信じられないがこれは夢ではないらしい。
会議室では既に事務所のお偉い方っぽい人と美川さんが椅子に座っていた。昨日とはうって変わってテレビで見るような方だった。
俺は緊張してしまいぎこちない形で椅子に座ってしまった。流石にこの状況には怖気づく。
向かい合ってお茶を出された後、お偉いさんから自己紹介があった。事務所の役員らしい。
そして信じられない言葉を発せられた。
『児島君、この度は本当にありがとう。週刊誌には偽彼氏ということはバレずに出来た。ただ今回の話はこれだけではない。』
『と言いますと？私はこの話についてしか伺っていないのですが。。。』
この話の間斉藤さんと美川さんの顔がずっと強張っている。やはり何かあるらしい。
『驚かずに聴いてくれるか。今回児島君にしてもらいたいのは偽彼氏ではなく、偽婚約者なんだ。』
ん？ 聞き間違いか？ 偽婚約者ってなんだ？
『すみません。もう一度言ってもらっても大丈夫ですか？』
『驚くのも無理はない。もう一度言おう。児島君に偽婚約者を頼みたい。』
は？？？？？
どうなってんだこれ！！！！！？？？？
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初投稿作品です。
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