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第44話 side 長友桜

 本日も7時と17時に投稿する予定です。ではお楽しみください(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

 私と児島さんとの出会いは実は今年ではない。児島さんは覚えていないようだけど…。


 私は3年前にこの会社に新卒で入社した。


 新入社員は毎年全員本社で3ヶ月の研修を受ける。そこからそれぞれの支店へ配属になる。


 この会社の研修はいたってまともな研修だったと思う。ただ地域1番の地銀ということもあり、周りもそれなりに優秀な人が多かった。


 そのため金融知識に関するテストでは皆高得点ばかりで、私だけ点数が取れないのが凄く情けなかった。


 私は出来るとか思っていたけれど、覚える事がすごく苦手だった。


 そんな状況に嫌気が差して私はエントランスのエレベーターの前で少し泣いていた。正直無意識に涙が流れていたという表現の方が正確なのかもしれない。


 私はメンタルは強い方だけど、新しい環境に慣れていない部分もあり、少し弱さが出てしまったように思える。


 そんな時、隣にいた男性からハンカチを渡された。


 それが児島さんとの初めての出会いだった。


 私は一瞬状況を把握出来なかったけれど、児島さんの言葉で理解出来た。


『泣いてるけど大丈夫? よければこれ使って。』


 私は無言でハンカチを受け取り、しばらくしてからお礼を言った。


『すみません、ハンカチありがとうございます…。』


『いや良いよ。見たところ新入社員だよね? 辛いことも多いと思うけど気楽にやれば良いと思うよ。』


『はい、ありがとうございます…。』


『まあまだ辛いと思うけど、これでも食べて気分転換でもしてみたら? 気に入らなかったら捨てて良いからね。後ハンカチは返さなくても良いよ。』


 児島さんはそう言って、ちょっと高めなチョコレートを渡してきた。


 私は児島さんの優しさに少し救われた。


『こんなのわざわざくれるなんて申し訳ないです、ハンカチも今返します。勝手にお借りしてごめんなさい…。』


『いや、俺も新入社員の時先輩からそういう感じにされて救われてたから。これは恩返しだと思って気にしなくて良いよ。それじゃあね。』


『あの、せめて名前と部署だけでも教えてもらえませんか?』


『ああ、良いよ。これが俺の名刺。横須賀支店法人営業部の児島康太。それじゃあね。』


 児島さんは私に色んなものをくれて立ち去って行った。


 私はその日から児島さんに憧れていたように思える。


 いつかあんな素敵な先輩になりたいなと。


 私はそれから仕事に邁進して、3年目に本社勤務になった。


 これはかなり異例らしい。ただそんな事はどうでも良い事があった。


 同じ課に児島さんが居たのだ。しかも私の教育係として。


 でも残念な事に私のことは全く覚えていないみたいだった。たぶん児島さんの事だから色んな人に対して優しいんだろう。



 それでも私は覚えてられていなくても児島さんと仕事が出来るだけで満足だった。


 それに児島さんは未婚みたいだった。恋心とかはまだないけれど、やっぱり憧れの人ではある。長く一緒に居ても問題無いし、今度飲みに行きたいなとか思ってた。


 でもあの月曜日にびっくりするニュースが流れてきた。児島さんがあの国民的女優の美川彩と結婚するんだ。


 私は正直信じられなかった。でも憧れの先輩だしキチッと祝福した。


 そしてつい先日私は仕事でミスをしてしまい、児島さんまで巻き込んでしまった。


 私が覚えるのが苦手なのが災いしたんだろう。期日を間違えた。しっかりその場でメモでも取っていれば良かったのに…。


 私は休日出勤までしてようやく仕事を終わらせた。それに児島さんが付き合ってくれた。落ち込んでいる私を励ましてくれた。


 私はこの時初めて気がついた。児島さんに惚れてしまっていたことを。彼には他の人には無い心の優しさがある。


 ただ相手は既婚者だから私の出る幕は無い。せめてただの恋人だったら私にもチャンスがあったのにな…。


 そんなことを思いながら今日も児島さんの隣で仕事をする。


 頑張っても手が届かない存在…。でもいつか気持ちが整理出来たら、自分の気持ちだけを伝えたい。一緒にあの時もらったハンカチを渡して…。





 後書き失礼します。ちょっと自分の最近の出来事を話させてください。 

 


 私は今年大学4年生で今就職活動をしています。就職活動中の息抜きとして軽く小説を書いています。


 ただ3月の頭にコロナの影響で半年の海外留学から帰国して急いで就活の準備をして、就活はここ3ヶ月弱取り組んでいました。


 まあ周りはインターンで既に内定がある人も多い一方、自分自身は留学のためそういうルートに進んでいなかったので割と焦ってました。


 大学自体は企業の方から評価をされていますが、就活はやはり個人のこれまでを評価されるわけで、大学は正直エントリー通過の時ぐらいしか役にはたちません。なので準備期間不足はすごく痛感させられていました。


 ただ先日今までの努力が実り、自分自身が納得できる大企業の方からようやく6月1日に内定を頂ける運びとなりました。


 他にも数社、同じような運びとなり一応ひと段落になりました。コロナで大学院に行くことを覚悟していましたが社会人にはなれそうです。


 でもまだ志望する業界の面接は始まっていません。私はそこの業界のために体育会に入り引退した後、長期留学をして英語を身につけました。


 その努力が最後実る形になることを祈ってここ数日頑張って過ごしていきたいと思います。


 そのため6月からは1日1本投稿が限界だと思います、もしかすると投稿出来ない日も出てくるかもしれません。楽しみにして待っていらっしゃる方には本当に申し訳ありません( ;∀;)


 長々と語りましたが、こんな状況の私を応援してくださる方は作品の評価とブックマーク登録のほど、是非よろしくお願いいたします(●´ω`●)


 

 

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