第34話 一緒に寝た。
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また序盤の設定を少し変更しています。物語を読む際に支障はありません。
では本作品をお楽しみください。
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俺と彩はお互いに緊張していたのかほとんど無言のまま俺の部屋へと向かった。
一緒に寝るとは一線を超えないにしてもかなりハードルが高い行為だ。
俺のベッドはセミダブルだから一応2人は寝れる仕様にはなってはいるが、お互いの寝息や肌の触れ合いなんかがありぐっすり寝れるかわからない。
俺が部屋の扉を開けて、2人ともまずベッドに腰を下ろした。
『本当に一緒に寝るのか? 俺が床で寝ても大丈夫だぞ?』
『いや、そんなことさせられないよ。一応セミダブルだから2人寝れるし…。』
『いや、でもやめておいた方が良いんじゃないか? 廣瀬さんも良い気はしないだろうし。』
『そんなに私と一緒に寝るのが嫌なの…?』
『いや、その、違うんだ…。むしろそこまで心を許してくれて嬉しい。でもやっぱり男女が同じベッドで寝ること自体が憚れるというか…。』
『私は康太君だから一緒に寝れるの。他の男なら寝ない。もちろん雄大さんは別だけど、私は康太君を信頼してます。だから一緒に寝てください。』
『わ、わかった。じゃあ寝ようか。変な匂いがしたらごめんな。』
『全然大丈夫。むしろ康太君の匂いは落ち着くんだ…。』
俺の頭はほとんど動いていなかったように思える。あの国民的女優の美川彩と同じベッドで寝るなんて、正直緊張してしまう。まずそういうこと自体が初めてだから…。
ただ俺は理性を保たなければならない。こんな一つの出来事で彩の信頼を失ってはいけない。
そうして俺達は電気を消して、同じベッドに入った。
流石にお互いを正面にして寝れるわけもなく、互いに背を向けた状態になっている。
ただそのような状態でも彩の呼吸によって布団が上下する感覚が手にとるようにわかってしまう。
こんな調子だと俺は今日は多分寝れないだろうと思った。
すると彩も寝れないのか俺に話しかけてきた。
『康太君…起きてる…?』
『ああ、起きてるぞ。なんか緊張して寝れなくて…。』
『そうなんだ、私もだ…。なんか今日色々あったね。』
『そうだな、愛ちゃんに色々してやられたな。』
『愛は暫くいるみたいだし、これからもこうなるのかな…。』
風呂は帰宅時間が別々だからそれぞれ入ることになるけど、寝るのは愛ちゃんがいる間一緒になるのか。
これ本当に精神持つのか、俺…
『まあ、そうなるのかな…。』
『私、案外この生活悪くないって思ってるんだ。今まではこの広い空間に1人で暮らして寂しかったんだけど、康太君が一緒に住み始めてからすごく楽しくて…。』
『俺もだよ、彩と一緒に暮らし始めて楽しい。』
『そう言ってくれて良かった!少し申し訳ない部分もあったからこういう事言うの気が引けてたんだ。』
『ううん、俺が決めたことだし気にしなくて良いんだよ。それに与えられているものの方が俺にとっては多いから。』
この言葉は嘘偽りのないものだ。俺は寮に住んでいた頃はただ仕事をして帰って寝て起きての生活だった。
ただここに住み始めてから俺の生活は明らかに変わった。
関わる人もかなり増えたし、また仕事場でもみんな昔よりも俺に話しかけてきてくれる。
また家に帰ったら人がいる生活はとても良い。お帰りと言われるだけで心がホッとするんだ。
この会話で俺は段々と緊張の糸がほぐれていった。それは多分彩も同じなんだろう。
『なんか康太君とこうやって夜に語り合うのって同棲初日の日以来かもね。』
『ああ、そうだな。』
『これからもまたお話してくれる?』
『もちろんだよ、いくらでも付き合うよ。』
『ありがとう!それじゃあおやすみ。』
『おやすみ、彩。』
そうして俺達は寝始めようとしていたはずだった。
すると彩が急に俺の背中に抱きついてきたのだ。
彩が俺の首に手を回してきた。背中には柔らかい感触がある。女性ってもちろん大事な2つの部分は柔らかいけど、他もこんなに柔らかいんだと思った。
ただこの状況は全く理解出来なかった。
『これはね、今までのお礼だよ、康太君。』
『お、お礼?』
『うん、それじゃあおやすみ!』
『う、うん、おやすみ。』
そうして彩は暫くして寝付いたみたいだった。
一方の俺はこうした状況で寝れるはずもなく、このまま一夜を過ごした。




