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第22話 叶わぬ恋 side 早乙女華

 昨日はなろうにて1400pv、カクヨムにて2300pvを記録しました。皆さまありがとうございます。


 出来れば下にある評価ボタンを押してくださると執筆活動の励みになります。


 また読む際にはブクマ登録をしてくださるとありがたいです。

 

 本日も朝昼夕の3本立ての投稿となります。


 ではよろしくお願いします。

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 私、早乙女華は嫌と言うほど男の人の視線を集める。これまでは色んな人に好かれたいと言う思いから、皆に対して愛想を振りまいていた。


 ミスコンもその一環だった。


 社会人になってもその思いは変わる事はなく、噂では会社のマドンナとも言われているらしい。


 でも私はこれまで本気で男の人を好きなった事がない。


 愛するってなんなんだろう。もちろん付き合った男性は少なからずいる。ただ全て相手からのアプローチで断りきれなかった人とわずかな期間だけ付き合っていた。


 ただこの状況に変化が訪れた。


 私は児島君に恋をしている。


 これは去年の話になる。4月の初め、児島君が私の課に配属になった。


 第一印象はパっとしないなというのが正直なところだった。まあ身長は高いけど、顔は地味だし、性格も明るくはない。


 私は児島君の指導にあたる立場になったため、彼と必然的に関わる事が多くなっていた。


 ある日、私はとても大きな案件に携わることになった。この案件は1000億円規模のもので、成功すれば私の評価も上がる。そう意気込んでいた。


 しかし現実は非情なものだった。私は大事な数字を見落としていた。ここの数字が違えばプロジェクトの収益の予想が大きく変わってしまう。回収不可能になった場合会社を傾かせる可能性すらある。


 審査部に対しての期日が明日中だったため私は終わるか分からないが徹夜で残業をしていた。


 全員帰宅している状況で私は精神がすり減っていた。


 ただその時、隣に児島君が現れた。


『早乙女さん、1人で抱え込まないで良いんですよ。朝から辛そうでしたもんね。僕が手伝いますから、少し休んでください。』


 彼はそう言って私に缶コーヒーを渡してきた。


『児島君、ありがとう…。』


 内心私はこの仕事のため泣きそうになっていた。そこを児島君に救われたのだ。


 私は気持ちをリフレッシュして児島君と一緒に残業をした。


 そのおかげで日を少し跨いだ頃になんとか終わった。


 児島君には感謝してもしきれない。


『これからは僕も頼ってくださいね。仕事は出来ないかもしれないですけど、少しくらいなら役に立てると思うので。それじゃあ夜も遅いんで駅まで送りますよ。』


 そう児島君は言った。


 今まで手伝ったことで何か見返りを求めてくる男はいっぱいいたが、児島君はそうじゃなかった。


 私は児島君の内面を見ていなかった。今日まで振り返ると児島君の良さが色々と思い出された。


 そう、その日から私は彼に惚れていた。



 私は今まで人にアプローチしてこなかったせいで、児島君に対しても奥手になってしまっていた。


 その結果、まさか児島君が結婚するなんて……


 今日ミーティングルームで課長と児島君2人きりになっていたので、聞き耳を立てていた。


 すると今日結婚したと児島君の口から発せられた。


 私は気が気でなかった。取り乱していたようにも思う。


 児島君がミーティングルームから出てきた後色々と質問したが、話は変わりなかった。


 しかも相手は国民的女優の美川彩だ。私に勝ち目なんて最初から無かったんだと思い知らされた。


 ただ彼には女っ気が全く無かったので、少し疑問ではあったけど。


 その日私は仕事に力が入らなかった。


 夜になっても変わらず、報告会と称した食事でも同じだった。


 目の前には本当に美川彩がいた。


 私は最後の希望をかけて2人に質問をした。ただ返って来た答えによって失望しただけだった。


 私は席を外した。トイレで泣いていた。何分経ったのかは正直わからない。メイクもひどい有様だった。


 ただここは目出度い席だ。児島君にとってはとても大きな出来事を私の気持ちで台無しにするわけにはいかない。


 私はメイクを直し、児島君を祝うため席に戻った。


 もう叶わぬ恋だけど、踏ん切りがつくまであなたの事を愛させて欲しい。


 その踏ん切りがつくきっかけとして家に訪問させてもらう。多分それで私の気持ちは最後。


 おめでとう、児島君。幸せにね。

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