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幻想夢現遊戯  作者: らんたお
第一章
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 光の中を抜けると、すでにそこは多くの生徒達で溢れ返っていた。始業式なんだから当然と言えば当然のことなのだが。

 遅れて入ってきたためか、一瞬視線が集中するものの、特に気に止めることなく各々友人達との談笑に戻っていく。この光景を見る度、登下校時との違いを感じずには居れない。

 ここでは気兼ねなく居られることだけが救いだなとホッとする共に、どこに並ぼうかと考えていたら、人垣の中から一人の生徒が満面の笑みを浮かべながら走って来た。


「遅いぞぉ、大介ぇ~!」


 と言いながら、何、至近距離で指差し確認をしてくるんだ!? 危ないだろうが!

 俺は今、自分の条件反射を褒め称えてあげたい。でなければ、確実に目潰しされている。


 悪びれた様子もなく、どこまでも屈託のない笑顔の友人は、李皇凛。この学園生活内において、今一番俺を不幸に貶めている張本人は彼だ。

 精神疲労の元凶なのだが、正直言うとそれさえなければ皇凛はとっても明るく気さくな性格で、初対面の相手にでも臆することなく対話の出来るいい性格なんだけど…常識では考えられないレベルにまで達した図太い神経が、主に俺とある先輩の元に不幸を呼び寄せる。所謂、生贄とか、犠牲者とか、そういうやつだ。


 その場その場ではちゃんと人の話を聞いているのだが、己の興味のあることに関してはとことん突進して帰ってこない性格が災いし、周りの人間を巻き込んでの大騒ぎをやらかしている。そういう猪突猛進の友人を持つとどうなるか…

 彼の巻き起こすトラブルは、いつも俺の仕事となって舞い込んでくる。更に厄介なのが、もう一つ。


「遅刻しちゃった大介にはぁ…俺が罰を与えまぁす!」


 なんでだ。教師に罰せられるならまだしも、何故お前に? 大体、遅刻してないし。


「というわけでぇ…」


 何がどういうわけだかさっぱりだが、皇凛の目がキラキラとお星さまを浮かべそうなほど輝いているところを見ると…えぇ、まぁ、そういうことなんだよな。


「はい! コレ、飲んで」


 屈託のない笑顔で要求する、とんでもないこと。彼の差し出す手の中に納められているのは…凶悪なまでに毒々しい、なんとも言えない悪臭を放つヘドロ色の小瓶。その恐ろしさといったらもう、近くにいた生徒達が一斉に逃げ出していくほどだ。

 目の前に差し出されちゃっている俺なんて、言わずもがな。臭いだけでも凶器なのに、更にそれを飲め、だと…? 絶対有り得ん。


「絶対嫌だ。誰がんなもん食すか」

「え~! せっかく作ったのにぃ…検体になってよ」


 やっぱり…と、『検体』の二文字に落胆する。そう、皇凛は、己の作った新兵器を…ではなく、新薬を人で実験するという、とんでもなく非人間なマッドサイエンティストなのだ。この場合、マッドマジカリストと言うべきか。

 それはさて置き、またしても強烈すぎる代物をこの世に生み出してしまったのか。

 臭すぎるからさっさとしまえと言うと、渋々ながら皇凛は従い、先程までのやり取りなどまるでなかったかのように、大介久しぶり~と言って抱きついてきた。うん、ウザイ。


「離れろ」

「えぇ~?」

「えぇ~、じゃない。というか、なんで来た早々俺で実験しようとするんだ。いつもはちゃんと、検体がいるだろ?」


 『検体』と呼称するには少なからず気の引ける思いはするものの、その矛先が俺に向いたとあっては堪ったものではないから敢えてそう呼ぶ。

 すると皇凛、一体誰の事を指しているのか分かったようで、満面の笑顔で言ってのけた。


「飛鳴なら今頃、自室のベットで唸ってるんじゃないかな?」


 お前は一体、何をしたんだ。

 安易にその末路は想像できるが、そうなる過程は恐ろしすぎる。きっと、深くは追求しないほうがいいのだろう…な。実地で試してみるかと返されたら事だし…

 今頃、悲惨な思いをしているであろう皇凛の従兄弟である李先輩を思い、密かに合掌した。そう、生贄とは、まさに彼のことである。





 程なく新入生も現れ始業式が始まると、講堂の壇上にてヴィリウンセ校長の式辞と祝辞が述べられた。その後サンダース先輩の祝辞が続き、新入生代表の答辞が続いて、式はクライマックスに突入。

 類を見ない形式での始業式と入学式同時進行という、独特な式形態に、保護者同席というものもなく、厳かな雰囲気ということもない。とはいえ、この場所独特の荘厳な雰囲気は多少の緊張感やら神聖さを感じてしまう。


 首が痛くなるほどに高い天井や柱には、天使やら神々の精巧な細工の数々がびっしりと刻まれており、その厳かな雰囲気はまさしく教会の持つそれを思わせるものだ。中世ヨーロッパで時が止まったこの幻想界では、地球みたいな現代科学は存在しない。

 因みに捕捉すると、この世界の人達は地球のことを夢現界と言う。夢と現が混在する世界という意味らしい。だからか俺も、ここに通う内に地球のことを夢現界と呼んでしまうことがしばしばある。こっちではまだしも、向こうでは言い間違えないようにしないとな。


 気づけは再び校長は壇上に上がっていて、こういう式典にありがちな眠気が襲って来て、今にも意識が遠退きそう。しかし、失いかけた意識は、高らかな声と共に呼び戻される。


「やぁ諸君、お初にお目にかかる。私の名は、ヴァン・アルスター。その名の知れた、ヴァンパイア貴族の子爵様だよ。さぁ、哀れなほどに貧困な愚民共よ! その双眸に、華麗なる我が御身を焼き付けるがいい!」


 何とも言えない空気になってるんですけど。皆反応に困ってるんですけど! 俺も目が覚めたし。

 それをどう受け止めたのかお貴族様、講堂内に響き渡るほどの高笑いで、尚も何か自己主張されて…いや、皆さん開いた口が塞がらなくなっちゃってるじゃないですか。決して、見惚れているとかそういうんじゃないんですよ?


 ヴァンパイア貴族だということは聞いていたけど、聞きしに勝るお貴族様ぶりではないか。アイガン先生の授業内容とピッタリ一致する気位の高さだった。

 なんだ愚民って。それを素で言ってのけるのを初めて聞いたよ。

 俺の知る限り、お貴族様ってもっと寛容で紳士的なイメージだったんだけど、ヴァンパイアに関しては当てはまらないらしい。全ヴァンパイア貴族がそうだと断言できないから、全員がそうだと決めつけるのは時期尚早だろうが…強烈すぎるキャラクターなせいで、ショックから抜け出せない生徒が続出している。


 これはもう、どう受け止めたらいいんだろうと思っていたら、あろうことかお貴族様、更におかしな行動に出始める。


「あぁ、シュレンセ先生! 拝謁賜り、感激の極みに御座います」


 そう言って、偉大なる錬金術師の異名を持つウィリアス・シュレンセ先生の手の甲にそっとキスを落とすアルスター先生。いやもう、さっきまでの愚民扱いとは偉い違いだなという点においても驚きだが、それよりも一番驚くのは、最もやってはいけないことを最もやってはいけない人にやってしまったその度胸。

 凄いなこの人。人間じゃないけど…


 最古の錬金術師と謳われるシュレンセ先生は、その物腰の柔らかさや気品からも伺える、古代王族の方で…男性である。というか、ここの教師は女性が二人ほどいらっしゃるが、他は男性しかいない。現在講堂には左側に女生徒も居るが、この始業式と入学式合同行事を終えれば、男女別に授業を受けるのでほぼ男子校、女子校という感じになっている。授業中に男女が共に授業を受けることはないのだ。

 性別で別けることはおかしいと言われるかもしれないが、主に女性しか受けられない授業があるための措置となっていて、同じ授業を受けてもユニコーンに触れないなんてと歯ぎしりする男子生徒を無くすためでもあるらしい。将来的には、合同授業に変える可能性があるという話もあるが、それもこれも少子化の流れがこの幻想界でも起きているからだとか。


 ともあれ、男性であるはずのシュレンセ先生に対してあのお貴族様もどう見ても男性。ヴァンパイア族は、性別などあってもないようなものと言われるほど変身術を使うとされるが、そうは言っても男が男に迫っているようにしか見えない。まぁ、シュレンセ先生は儚げな美しさで、男性と言われれば男性かも? なぐらい男性には見えにくいけども。


 ともあれ、そんなシュレンセ先生の…お隣の方。そのお顔の表情が崩れていないことが、彼がとんでもなくお怒りになっているのだと窺えるようで…

 シュレンセ先生付きの執事であり従者で護衛、なラクター先生の冷めた瞳に、何故だか滾る烈火の炎が見えた気がするのは俺だけか。いや、先程までと打って変わった空気が凍っていることを思えば、これは気のせいではないはず。

 もはや、皆で固唾を呑んで見守るしかない。


「始めまして、アルスター先生。ヴァンパイア貴族の方の教鞭は学校創立以来初めてのことです。どうか生徒達に、その貴重な知識を御教授下さいね」

「勿論ですとも! 勉学において、貧富の差などあってはならないですからね」

「私もその通りだと思っております」


 ヴァンパイア貴族様の戯言に、不自然すぎるほどの密着状態でにこやかに対応するシュレンセ先生。天然過ぎるにも程がある、なシュレンセ先生の対応に頭を痛めているのはきっと、ラクター先生も同じことだろう。表情には出さないだけで、オーラは限りなく鋭利だから…

 初のヴァンパイア貴族教師という歴史的快挙は、残念なほど予想通りにろくでもない理由だったようである。色恋沙汰で教鞭を取る、という悲しい歴史がここに刻まれることとなったのだから。





 一悶着あった始業式を終え、各学年ごとの教室で皆ぐったりしていた。それも無理はない。余程の図太い神経でなければ、あの空気には耐えられないだろう。

 例によって例の如く俺もぐったりしていると、どこからともなく蚊の羽音のような囁きが聞こえてきて…


「だ、いすけ…おは、よう…」


 幽霊か、と勘違いしそうなほど存在感が薄く、極度の人見知りなパク・シャオファン。今日も今日とて柱の影からこちらを窺う、超ド級の恥ずかしがり屋である。小さな身体をこれでもかと縮めて、まさに怯えるハムスター。

 長い前髪と大きな眼鏡で隠された顔は実はとても可愛いのだと密かに評判なのだが、本人自身は注目を集めること自体が嫌みたいで、結局今の様なスタイルになったのだという。とはいえ、逆に今の怯えまくっている仕草の方が浮いてしまっているのでどっちもどっちな気はするが。


「おはようシャオファン。こっちにおいで、もうすぐアイガン先生来るよ」

「う…うん…」


 声をかけてやっとご登場の友人、シャオファン。しかし、それでも尚落ち着かないのか、席についてもそわそわそわそわ挙動不審。

 今にも情緒不安定で逃げ出しそうなので、何か話題を振ることにした。


「新任のアルスター先生、強烈なキャラだったな」

「う、うん。でも…ヴァンパイア貴族が皆、そうではない…んだよ?」

「まぁ、じゃないと困る。ともあれ、あれはちょっと…」


 凄い上から目線だった。教師としてどうなんだろうって感じだったんだけど、本当にあれでよかったんだろうか? 教師の選考基準ってどうなってんだろうかと不安になる。

 しかも薬学ってことは、俺も受ける授業じゃないか? まさか授業中もあんな態度でやるんだろうかと心配していたら、何やら楽し気な皇凛がにやけ顔を隠すことなくやって来た。


「なぁなぁ大介、もう聞いた?」

「何を?」

「使い魔召喚の儀式の話」

「あぁ、今日やるんだってな」


 俺にとってはそうでもないけど、幻想界の人達にとっては一番のお楽しみな一大イベント、使い魔召喚の儀式。この儀式を経て使い魔となった精霊は、この後死ぬまで主に仕え続けるという。

 なんか、そう言ってしまうと絶対服従な雰囲気を臭わせるが、実際には生涯の友人を決める儀式という意味合いが強い。この使い魔召喚という儀式自体、ほとんどの場合魔法族しか行わないのだが、魔力を有する者であれば誰でも行えるものなので、先程のヴァンパイア貴族様辺りが使い魔を使役していても何らおかしくはなかったりする。


 そんなわけで、生涯の友人と出会える儀式を心待ちにしていない者はいないのだが、例によって例の如く、俺はあまり乗り気じゃない。夢現界から通っている身としては、魔法とは無縁な時間が欲しいのだ。でも使い魔と契約してしまったら、四六時中傍にいるのでプライベートも何もあったものではない。

 実際のところ、どこまで融通を聞かせてプライベートを確保できるかは分からないけど、魔法に関して神経を尖らせなくていい時間さえあれば別に毛嫌いすることでもないんだけどな。

 使い魔の存在は、魔力の安定のためにも必要なことだから致し方ない。いづれは持たなければならないなら、覚悟をするだけだ。


 それにしても気がかりなのは、皇凛の口ぶりだ。勿体ぶっているが何か怪しい。聞きたいよね、聞きたいでしょと言わんばかりにうずうずしている様子。何かあったのか?


 実はねぇと話し始めた皇凛に被さるように、教室の扉が開いた。


「悪ぃ悪ぃ。遅れた」


 快闊な性格を思わせる明るいトーンで教室に入ってきたのは、俺達の二学年ハイド組を担当する、ウェアウルフ族の教師アイガン・ウルフ先生。先生の登場で、話を中断せざるを得なくなる。残念そうな皇凛だったが、また後で、とスキップせんばかりの浮かれようで自分の席へと戻る。

 一体なんだったんだ?

 まぁたろくでもないことじゃないといいけどと呆れながら、新入生以外は普通に授業なんだけど今日はなんだったっけとうわの空でアイガン先生の話を聞いていた。


「あ、そうそう。言い忘れてたが、今日の使い魔召喚の儀式は中止だ」


 途端、皆一斉に抗議の声を上げる。ん? 儀式が中止? そんなことがあるか?

 新1年は魔力の鍛錬方法を学ぶことに専念し、やっと2年なって念願だった使い魔を召喚できると喜んでいた彼等が、それを受け入れられるわけもなく…アイガン先生も、困ったような顔をした。

 どうにか出来るなら笑顔で宥めてくれるアイガン先生が、困った顔のままなのはどうにも出来ないという意味だ。それが分かってしまうと、途端皆が不安そうになる。そこでやっと、アイガン先生は笑顔を見せてくれた。


「びっくりしたか?」


 と、悪戯が成功した少年のような笑顔を見せ、皆も、騙された~と笑顔になった。一気にいつもの雰囲気に戻ったけど、なんだか俺は腑に落ちないものを感じて思わず皇凛を振り返る。

 すると、視線に気付いた皇凛がにんまりとまたあの悪巧み顔で微笑むわけで…何かあるのだと確信した。にしても、今朝講堂で会った時にはそんな隠し事があるようには見えなかったのに…一体何なんだろう?

 皇凛の言動にも、不可解さを感じずには居れない。


「まぁ、お前達の抗議も分かるが今日は使い魔召喚の儀式は中止だからな。儀式の新しい日取りはまだ決まってないが、出来るだけ早くに予定してるから。お前達はちゃんと、自らの魔力を磨いていろよ? んじゃ、これでHR終わり! 次の時間は自習だ。お前等、騒ぎ過ぎんなよ」


 とだけ言い残し、アイガン先生は教室を後にした。

 何かがあるのは間違いない、とアイガン先生の不審な態度にそれを感じはするものの、一体何があったのかは皆目分からない。その点は、何やら事の事情を知っているらしい皇凛に聞いてみれば分かることだ。

 訳知り顔の皇凛は、どうだ凄いだろうと言いたげに胸を張る。


「アイガン先生、何か隠してたでしょ」

「で? お前は何を知っているんだ」


 いいから話せと目で訴えると、そう急かさないでよと返ってくる。尚も視線で応戦すれば、だったら…とキラッキラな瞳で見つめながら…


「これを…」

「断る。それで、儀式が中止になった理由はなんなんだ?」


 間髪入れず断ると、ちぇっとか言いながらあのゲテモノを仕舞い込んだ。また実験台にする気だったな、こいつ。気を抜くとすぐこれだから、まったく気を抜けない。

 そんなやり取りが行われている間に、蒼実とロイドがやってきて、ロイドという威圧感にシャオファンはビクビクしていた。さすがにロイドもシャオファンには牽制の視線は向けないけども、怖いものは怖いのだ。

 まぁ、デカイし無表情だし目つき悪いし、気持ちは分からないでもない。それはともかく。


「実は、教室に戻ってくる前に医務室に立ち寄ったんだけど」

「ちょっと待て。なんで医務室?」


 明らかに教室とは正反対の医務室に、なんでお前が行けたんだ? しかもあの短時間で。

 そこではたと気付く、まさかこいつ…


「また不正ルートを通ったな」

「え、なんのことぉ?」


 とぼけているが、俺と視線を合わせようとしないのが何よりの証拠。危険だからと封鎖されたルートを使ったことは明白だった。


「なぜ俺の目を見ないんだ、皇凛」


 尚も追求するとさすがに観念したらしく、手のひらを返して謝罪の言葉。


「ごめんなさい…」

「また医務室から薬品を掠め取るつもりだったんだな?」

「はい……でもさ! 今度開発中のやつは、本当に便利な薬なんだよ! だからさ、どうしてもユニコーンの涙が欲しくっ……ごめんなさい…」


 必死に何やら訴える最中も冷ややかな視線を送っていたら、いくら弁解しても無駄だと気付いたらしく素直に再び謝罪。とは言え、それを俺に謝罪されても困るんだけど。

 禁じられたルートを通ってペナルティーがつくのは皇凛自身であり、医務室の薬品を盗んで怒られるのも皇凛なんだから。

 溜め息で感情を落ち着かせながら、己の興味のあることには何処までも大胆になる皇凛の行動力をどうやって押し止めようかと数瞬考える。が、なんの解決策も浮かばない。

 取り合えず説教をしておいたら、だけど…と、まだ何かに納得がいかないようで…


「けどさ、そのおかげで使い魔召喚の儀式中止理由を知る事が出来たんだよ? 帳消しじゃない?」

「内容の重大さはどうあれ、それとコレとは全く別の問題だ」


 きっぱりそう言い放てば、本当に逃げ道がないと悟ったらしく、落ち込みつつの三度目の謝罪を口にする皇凛。これで本当に懲りてくれればいいのだが…

 3分後には都合の悪いことは綺麗さっぱり忘れて去っている友人の思考回路を知るだけに、深い溜め息は耐えないのだった。

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