レア感皆無な「隠れ○○」
書いたそばから更新(^-^)
なので、誤字脱字ありましたら御報告いただけると助かります<(_ _)>
救民の支援会社を設立して数年。この国の諸事情になかなか詳しくなったと思っていたけど、「隠れ救民」なんて初耳だった。
まぁ、アタシ自身は忙しくて、王都か原生林区以外滅多に行かないから仕方ないのかもしれないけどさ。
呆れたような顔をしつつ教えてくれたアロによると、「隠れ救民」は救民街から零れたヒト達なんだそうだ。望めば救民街に入れるのに何らかの理由で希望しなかったり、またはできなかったり、さらには追い出されたりしたヒト達。
んー……アタシの乏しい知識じゃよくわかんないから、公的支援を受けない困窮者、と認識しとくよ。
その隠れ救民が、マシリの森にはなんと400人ばかりいるらしい。
別荘地全体を柵で覆っている持ち主もいれば、屋敷の周りのみを囲って境界には目印だけにしている者もいる。管理の行き届いた別荘ばかりではないうえに、周りは分譲されていない深い森。
その気になれば、マシリに住み着くことは難しくない。
別荘は湖に接する辺りに多いから、隠れ救民はイムラの街に近い森や、未開の奥地に簡易の小屋を建てて住み着いている、という話だった。
もちろん、ディミヌエ家は隠れ救民を見つける度に追い払い、近隣の街の役人を呼んで救民街に連行させた。過去には大規模一斉摘発もあったらしい。
それでも、今現在、400人。これは、由々しき問題だ。どんな理由で公的支援を拒むのか、まずは調査が必要だろう。アタシは脳内メモの最重要事項に「隠れ救民実態調査」と書き込んだ。
「ん? もしかして……隠れ救民てのが、ディミヌエの殿様の犠牲になってるってことか……?」
「その可能性は有りますわね。ただ、隠れ救民は救民地等の居住者と違ってリストがありませんから、失踪を証明するのはほぼ不可能です。それに彼らはマシリの土地を不法占拠している立場ですもの。被害にあったとしてもすすんで役所に訴えることはしないでしょう。
けれど、それこそワタクシ達のお仕事ではございませんわ。クロウ達の希望は当面の食料支援です。ですが、炊き出しに向く場所ではないため、個別容器での配布ができないものかと考えているようですわね。1日置きでとりあえず3日分。資金が用意できればさらに延長して、と考えているようです」
あ、それで最初に1200食を3日分て言ってたのか。うーん…………。
「その隠れ救民さん達は引っ越しするの嫌なんだよね?」
ずっと1200食も支援し続けるのは難しい。
炊き出しは「ホラアナ亭商会」の宣伝費で賄うから利用者は基本無料だ。けど、そもそも森のあちこちに散る隠れ救民全員を集めて炊き出しすることは難しい。それに、救民相手の炊き出しじゃ別荘地に勤めるヒト達が来れないだろう。
商会の炊き出し以外、今のところウチのグループでは食堂の持ち帰り弁当しか食糧を運ぶ手だてはない。食料支援として、なんとか価格を下げるとしても、定職にない救民にとって弁当を買い続けるのは難しいと思うし……。
「なんか問題点があり過ぎて頭がこんがらかって来ちゃうね。ちょっと整理しようか。
問題1は、マシリに商人が来なくなったこと。問題2はその原因であるディミヌエの殿様。問題3は隠れ救民がたくさんいること。アロ、他に何かあったっけ?」
「細かいことですけれど、問題4としては、支援物資の輸送方法がございますわ。それに連動して、問題5は支援物質の配布方法。そして、問題6といいますか、大前提としまして、マシリで活動するためにはマシリの管理官であるディミヌエ家との交渉が必要不可欠ですわね」
つまり、問題山積みってことか。
問題が長期化するなら支援物資の確保も難しくなってくることだろう。調理済みの弁当じゃなく、これまで出入りしていた商人の代わりに食材自体を持って行く……? いや、ウチが流通を担うのは無理だ。経験もなければ人員もいない。それに、どのみちディミヌエさんとの交渉が問題になる。……さて困った。
とはいえ、見捨てるという言葉は「ホラアナ亭グループ」には存在しない。
アタシは頭をポリポリかきながら何か良案がないか考える。何も言って来ないところを見ると、アロにも解決策が掴めていないのだろうと思う。
「…………うーん……コレしかないかねぇ……」
あんまり気が進まない方法だけど仕方ない。思いついた案は1つだけ。
「仕方ない。アロ、あんちゃん連れてマシリに行くから準備しな」
世間様ははやくもハロウィンムードですね
お菓子屋さんで可愛いアイシングクッキー、買っちゃいました!




