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或るモラトリアムの終幕

作者: 孤雲 忽

三週間で世界は変わった

知らぬ間に 導火線に火は着いていたらしい


全く 見慣れた景色と

一度も 思い描かなかった自分が

馴染みの 乗り換え駅のホームで

隣同士 座っていた


深く 息を吐く

意味もなく 天を仰ぐ


徹夜明けの重い身体は

たっぷりと水を湛えたスポンジみたいで

たぶん ちょっぴり多くの想い出を蓄えているのだろう


二日酔いに呻く頭は

現実を 少しまろやかにしてくれたけれど

それでも私は 吐き気を催すのだった


「それじゃ また」


さよならの挨拶には 些か寡かったかしら

ただ其れだけの後悔は 発車ベルと共に消えた



さっきまで 生きた世界が

あの娘を乗せた汽車と共に 走り去る



秋風は 昨日より少しだけ冷たかった


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