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第七章

僕が大蛇を倒した後(まぁ正確にはゼンが)、僕以外の一同は「もうすぐだ」と何回か言っていた。僕にはその意味がよく分からなかった。なんでもうすぐなのか。なんでそれをこいつらは知っているのか。

「やっぱり、何年も会ってないと偽物か本物かの区別もつかなくなっちまうのかなぁ」


いきなりゼンが言い出した。

「何言ってんだよ、ゼン」

「だから、俺は偽物だって言ってんだよ」

「は!?」


僕は混乱した。またワケの分からぬ事を言い出したと思った。



「本当の俺は・・・・・」


ゼンが通路のずっと先を指さした。


「ほら、あっちにいるじゃないか」


暗闇の中からコツッ、コツッと誰かが歩いてくる音がした。


もう何も考えられない。僕は口をあんぐり開けていた。


「やぁ、久しぶりだな。親友」


暗闇からあらわれたのは僕の隣りにいるゼンを全く同じゼンだった。


「うまいモンだろ?昔から結構人形作りは得意だったんだ」


そう言ってゼンが(暗闇から来た方のゼンだ)指をパチンッと鳴らすと、俺の隣のゼンが水蒸気になって消えた。ゼンだけではなくハクやミツも消えていった。


「どうなってんだよ?」

「どうもこうも、見りゃ分かるだろ?俺が本物なんだよ」

「なんで?何でこんな事したんだ?いたずらにしちゃ度が過ぎてんじゃないのか」

「まぁ、人形の俺が言ってたことは忘れてくれ。アレは全部嘘だ」


ゼンは「こっちに来いよ」と言って出てきた方向へ歩いていった。僕は従うしかなかった。それよりも僕の中でゼンに対する新しい気持ちが芽生えてきた。


恐怖心


僕は今、確実にゼンを恐れている。恐怖している。


「俺がお前に対しての本当の目的はなんだと思う?」

「・・・・・」

「分からねぇか。そりゃそうだ」

「・・・・・」

「お前が拾ったあの五等星の石は持っとけ。後々大事になってくる」


僕は唾を飲んだ。こいつも人形ではないか?そもそも、ここにゼンはいるのか。


「なぁ、ミナト」


ゼンがいきなり振り返った。


「世界を変えちゃおうぜ」


僕の体に電流みたいな感覚が走った。


何か運命的な言葉を聞き取った様な気がした。



これからは月曜になるべく投稿するようにしまーす



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